Part 1は、TOEICの中でも比較的点数がとりやすいパートです。
しかし、どうしてもミスしてしまうと悩んでいる方もいるでしょう。
初級者の方から上級者の方まで、Part 1を得点源にするには、ひっかけポイントを把握して対策していくことが大切です。
この記事では、Part 1の問題形式とよくあるひっかけポイント、それらを攻略したうえで高得点を取るコツや対策法について解説します。
最後には、TOEICを対策しつくした私作成のオリジナル頻出単語集も用意しています!
TOEICのPart 1とは
Part 1は、写真を見て、描写として正しいものを4つの選択肢から1つ選ぶパートです。
問題数は全部で6問あり、選択肢は問題文には記載されておらず、すべて音声で流れます。
ちなみに、Part 1はDirection(問題に入る前の説明)だけでなく、サンプル問題も流れます。
そのため、Directionとサンプル問題の時間で、問題を確認しておくことが大切です。
また、Part 1は得点をとりやすいパートです。
600点までを目指す方ならば半分、600点以上を目指す方ならば満点を目標にすべきです。
以下では、Part 1の具体的な内容と対策法について解説します。
出題パターンをおさえる
Part 1の出題パターンは大きく分けると、以下の3つです。
- 1人の人物写真
- 2人以上の人物写真
- 風景写真
以下では、それぞれのタイプについて、サンプル問題をもとに解説します。
1人の人物写真
1つめのパターンは人物写真の中でも、1人だけが写っているものです。
~サンプル問題~
(A)He is looking at newspaper.
(B)He is talking on the phone.
(C)He is drinking a coffee.
(D)He is carrying a laptop.
正答:B
~解説~
(A)「彼は新聞を読んでいる」
写真に写っていない新聞が含まれているので不正解です。
(B)「彼は電話で話している」
今まさに電話で話しているので正解です。
(C)「彼はコーヒーを飲んでいる」
確かにカップはテーブルの上にありますが、この男性は飲んでいないので不正解です。
(D)「彼はラップトップ(ノートパソコン)を運んでいる」
ラップトップ(ノートパソコン)は写っていますが、運んでいないので不正解です。
人物が1人の写真では、音声が流れる前に「3W」をチェックしましょう。
3Wとは、「Who (誰)」「Where (どこ)」「What (何をしているのか)」の3つです。
たとえば、サンプル問題の写真を見たときは下記のように考えます。
- Who:男性が
- Where:カフェでorオフィスで
- What:電話をしているor笑っている
3Wをおさえるイメージでとらえると、ほとんどの問題に対応できます!
2人以上の人物写真
2人以上の人物が写っている写真の場合、1人のみの場合よりもおさえておくべき情報は多くなります。
それでは、サンプル問題をもとに解説します。
~サンプル問題~
(A)They are buying some plants.
(B)They are working at a restaurant.
(C)Two women are looking at the same direction.
(D)Two women are shaking hands.
正答:C
~解説~
(A)「彼らはいくつか植物を買っている」
確かに植物は写っていますが、人物の動作「買っている」とは合わないので不正解です。
(B)「彼らはレストランで働いている」
workingとwalkingの似た発音でひっかけてきていますが、写真からは判断がつかない「レストラン」が聞こえた時点で不正解です。
(C)「二人の女は同じ方向を向いています。」
すこし表現は難しいですが、正しい内容です。
(D)「二人の女性は握手をしている」
写真にあてはまらない内容なので不正解です。
2人以上の人物が写っている写真の場合は、先ほどの3Wに加えて、複数いる人の「共通点」「相違点」「位置関係」をチェックしましょう。
たとえば、サンプル問題の写真を見たときは下記のように考えます。
- 共通点:同じ方向を向いている
- 相違点:着ている服のタイプ
- 位置関係:横並び
風景写真
風景写真とは、人物が写っていない写真を指します。
下記のようなパターンをはじめ、風景写真にはさまざまなバリエーションがあります。
- 部屋の中のインテリア
- 店舗のディスプレイ
- 道路に駐車されている車
~サンプル問題~
(A)The items are displayed.
(B)People are choosing clothes.
(C)A cashier is talking to a customer.
(D)The store is having a sale.
正答:A
~解説~
(A)「商品が陳列されています」
こちらが正解となります。
(B)「人々が服を選んでいます」
写真に人物はいないので、「People」と聞こえた時点で残りを聞く必要はありません。
次の選択肢を聞く準備をしましょう。
(C)「レジ係の人がお客さんと話しています」
人は写っていないので不正解です。
Cashierという単語に馴染みがないですが、customerという単語で人物だと分かれば、不正解と判断できます。
(D)「お店はセールをしています」
写真からは判断することができないので、不正解です。
「sell」との聞き間違いに注意が必要です。
風景写真では「もっとも目立っているもの」と「位置関係」に注目しましょう!
Part 1で間違えやすいひっかけポイント
Part 1は比較的点数がとりやすいパートですが、つい間違えてしまうのはひっかけ問題が出題されるためです。
点数がとりやすいとはいえ、満点をとるのは簡単ではありません。
以下では、Part 1で注意すべきひっかけポイントを5つ解説します。
似ている発音に注意
先ほど、サンプル問題でも説明したとおり、「work」と「walk」のように似ている発音を使ったひっかけパターンは定番です。
発音が似ている単語は無数にありますが、頻出単語に絞るとそれほど数は多くありません。
以下はTOEICのPart 1でよく出る類似発音です。
- coffee – copy
- fold – hold
- right – light
- car – cart
- ride – write
一見、区別が難しそうですが、前後の文章に集中して聞きとれれば、判別しやすいケースもあります。
たとえば、以下のような写真が出題されたとします。
(A) The woman is drinking coffee.
(B) The woman is making a copy.
coffeeとcopyの発音は似ていますが、drinkingが聞きとれれば不正解であると判断できます。
発音が似ている単語を聞き分けられなくても正解できるケースもあります!
受動態+進行形に注意
人物が一切写っていない、風景やモノの写真が出題されたとき、選択肢で「受動態+進行形」が使われていたら不正解です。
たとえば、以下のような写真が出題されたとします。
(A) Items are displayed.
(B) Items are being displayed.
(A)は 「商品が陳列されている」という意味ですが、(B)は「商品がまさに今陳列されている最中です」となります。
受動態+進行形の場合は、陳列されている最中なので、かならず陳列している店員の姿が写真に写っているはずです。
受動態+進行形ならば動作主がいなければおかしいため、人物が写っていなければ不正解です!
推測してしまう
次に受験者がよくやってしまうミスは、写真に写っていない情報を推測してしまうということです。
TOEICのPart1では、写真に写っている物や人以外の記述が出た場合は間違いです。
たとえば、 以下のような写真が出題されたとします。
(A) She is having a party tonight.
(B) She is choosing shoes for her friends.
(C) She likes wearing high heels.
(D) She is looking for birthday gifts.
上の4つの選択肢はいずれも不正解です。
以下の日本語訳のうち、下線部分は写真から読みとれない推測です。
(A) 彼女は今晩パーティーがあります
(B) 彼女は友達のために靴を選んでいます
(C) 彼女はハイヒールを履くのが好きです
(D) 彼女は誕生日プレゼントを探しています
どれも正しく思えてしまいますが、推測は絶対にしないと意識しておきましょう!
視点ずらし
人物の写真でも、風景やモノの写真でも、目立つものが正答になるケースが多いです。
しかし、「視点ずらし」と呼ばれるひっかけ問題もあります。
たとえば、以下のような写真が出題されたとします。
(A) The woman is building bookshelf.
(B) The woman is booking an accommodation.
(C) There are many books on the shelf.
(D) Some devices are lined up.
人物が写っている写真では「3W」を意識して「女性が・図書館or書店で・読書をしている」と考えます。
しかし、正解は(C)の「たくさんの本が本棚にあります」です。
人物が1人しか写っておらず、女性の行動に注目しがちな心理を利用したひっかけ問題です。
出題頻度は低いため、頭の片隅に置いておく程度でOKです!
単語の言い換えに注意
Part 1に限らず、単語はかなりの確率で言い換えられます。
たとえば、以下のような写真が出題されたとします。
ベッドの横に小さなテーブルが置かれています。
しかし「bed」や「table」という言葉をあえて使わずに言及するケースもあります。
その場合、使用されるのは 「furniture = 家具」という単語です。
上の写真では、Some furniture is placed side by side. (家具が隣同士に置かれています)のパターンが考えられます。
Part 1の言い換えでは、以下の単語がよく使われます。
- music instrument(楽器) ←piano, guitar
- device(機器)← cellphone, laptop
- vehicle/automobile(乗り物)←bus, car, train
- product/merchandise(商品)←book, bag(写真内の店舗で販売されているもの)
- document(書類)←paper
「ピアノ」や「バス」などの具体的な表現ではなく、「楽器」や「乗り物」などの抽象的な単語が用いられます!
Part 1で高得点をとるコツ
Part 1は問題数は少ないものの、たくさんのひっかけが隠れています。
しっかりと対策をしておかないと、つい間違えてしまいがちです。
以下では、Part 1で高得点をとるコツについて解説します。
ディレクションの時間で写真に目を通す
Part 1がはじまる前には、Directionと呼ばれる説明の時間があります。
Directionは、Part 1の問題形式についての説明です。
Directionでは、以下のような内容が読みあげられます。
Directions: For each question in this part, you will hear four statements about a picture in your test book.
When you hear the statements, you must select the one statement that best describes what you see in the picture.
Then find the number of the question on your answer sheet and mark your answer.
The statements will not be printed in your test book and will be spoken only one time.
Statement (C), “They’re sitting at a table,” is the best description of the picture, so you should select answer (C) and mark it on your answer sheet.
Directionの内容は問題用紙にも記載されています。
内容は「Part 1はこういう問題で、解き方の例を聞きましょう。」といったものです。
Directionは毎回同じなので、読む必要も聞く必要もありません。
「Direction」が流れている時間を利用して、6問すべての写真に目を通して準備をしておきましょう。
この準備時間では、どんな写真なのかをざっと確認する程度で大丈夫です。
Q6までしっかり確認しても忘れてしまうため、きちんとチェックするのは各設問の音声が始まる前がおすすめです!
消去法で選択肢をしぼる
TOEICあるあるとして、不正解となる選択肢は、文章自体ありえないものが多いです。
たとえば、先ほどのサンプル問題をもう一度みてみましょう。
(A) The items are displayed.
(B) People are choosing clothes.
(C) A cashier is talking to a customer.
(D) The store is having a sale.
(B)と(C)は、人が写っていないのに人物に関する記述があります。
そもそもありえない選択肢をはずすだけで(A)と(D)の二択に絞ることができます。
写真に写っていない名詞が出てきたら消去です!
鉛筆の動かし方
TOEIC対策であまり言及されませんが、鉛筆の動かし方にもポイントがあります。
- 問題の音声「No.1, Look at the picture marked No.1 in your test book.」が流れたら、鉛筆をマークシートの1番の(A)において待機します
- (A)が正解の場合:鉛筆を動かさずに、(B)から(D)と聞いていきます
(A)が不正解の場合:鉛筆を(B)に動かします - 残りの3つを聞いても(A)が正解と思う場合、マークをして2番に移ります。
Part 1は選択肢が音声でしか流れないため、鉛筆の位置でリマインドしておくのがおすすめです!
Part 1対策におすすめの勉強法
ここまで問題形式やひっかけポイントについて解説しました。
しかし、勉強による対策も必須です。
以下では、Part 1 で高得点・満点を目指すための勉強法について解説します。
ディクテーション&シャドーイング
ディクテーションとは、音声を聞いて、それを文字にそっくりそのまま書き起こす作業です。
自分が聞きとれている部分と聞きとれていない部分がはっきり分かります。
シャドーイングは、音声の後にぴったりついて音読することです。
その際、音のつながりや抑揚などもまねて発音してみましょう。
Part 1は文章が短く時間もかからないので、スキマ時間や寝る前の時間を活用して、ディクテーションやシャドーイングに挑戦してみてください!
文法の復習
主要な文法項目をおさえておくことも必要です。
単語をたくさん知っていることももちろん大切ですが、文構造を理解しなければ文脈を読みとれません。
基本の文構造はかならず理解しておきましょう。
第一文型 | The man goes to school. |
第三文型 | The man uses a computer. |
現在進行形 | The man is talking on the phone. |
受動態 | Cars are parked in a row. |
受動態+現在完了形 | The door has been left open. |
There is構文 | There are trees in front of the building. |
上の6つはPart 1でも頻出の文構造なので、しっかり用法と意味をおさえておきましょう!
自作の文章をつくる
写真を見て自作の文章をつくるのも効果的です。
コツがわかってくれば、Part 1で言及されるポイントを予想できるようになります。
たとえば、以下のような写真があったとします。
次のような文章を作成できます。
- They are having conversation.
- Some of them are using computers.
頻出の文構造や単語を使ってつくってみると、さらに効果があるでしょう!
Part 1の頻出単語60選!
Part 1でよく出る頻出単語を下記の3つに分けて紹介していきます。
- 動詞
- 名詞
- 位置関係を表す語句
動詞編
board | 乗車する |
place | 置く |
hang | つるす・かける |
file | ファイルにとじる |
surround | 囲む |
occupy | 占領する |
greet | あいさつする |
load | 積み込む |
pour | 注ぐ |
cross | 横切る・渡る |
lie | 置かれている |
put on | 身につける(動作) |
lean | もたれかかる |
overlook | 見下ろす |
wear | 着ている(状態) |
line up | 並ぶ |
park | 駐車する |
cover | 覆う |
carry | 運ぶ |
tidy | 整頓する |
hand | 手渡す |
seat | 座る |
pile up | 積み上げる |
stack | 積む |
sweep | 掃く |
名詞編
awning | 日よけ |
baggage | 荷物 |
beverage | 飲み物 |
cabinet / shelf | 戸棚・本棚 |
ceiling | 天井 |
crate | 木箱 |
device | 機器 |
dock | 波止場 |
entrance | 入口 |
equipment | 設備 |
fireplace | 暖炉 |
furniture | 家具 |
grocery | 食料品 |
handout | 配布資料 |
ladder | はしご |
lawn mower | 芝刈り機 |
meeting / conference | 会議 |
merchandise | 商品 |
on display | 展示されて |
pedestrian | 歩行者 |
photocopier | コピー機 |
railing | てすり |
supply | 在庫・必需品 |
vehicle | 車両 |
walkway | 歩道 |
位置を表す語句編
next to ~ | ~の隣に |
in front of ~ | ~の前に |
side by side | 隣に並んで |
across from ~ | ~の向かい側に |
on the opposite side of ~ | ~の反対側に |
in rows(in a row) | 一列になって |
behind ~ | ~の後ろに |
face each other | 向き合っている |
located in ~ | ~に位置している |
between A and B | AとBの間に |
Part 1はポイントをおさえて対策
TOEICのPart 1はそれほど難しくありませんが、ひっかけ問題がたくさん含まれています。
ただ、単にリスニング力を上げるだけでは、落としてしまう問題も多いでしょう。
この記事で紹介したポイントやコツを踏まえて、高得点をとれるように勉強を続けましょう。