TOEICで900点取得を目標に勉強する方も多いのではないでしょうか。
TOEICで900点を取得すると、転職や就職を有利に進められたり、海外赴任するチャンスをもらえる、などあらゆるメリットがあります。
しかし、800点取得に比べると、難易度はとても高くなります。
そんな900点を取得するためには、どのような勉強法がもっとも効率的なのでしょうか。
今回はTOEICで900点を取得することの難易度やメリット、そして最短で900点を取得するための勉強法などを紹介します。
TOEIC 900点の英語レベル
TOEICで900点を取得できる方の英語レベルは、海外でも十分に仕事ができるレベルといえます。
TOEICはスコアに応じてコミュニケーション能力が5段階に評価されますが、900点は最上級のAレベル(860〜990点)に該当します。
Aレベルは「Non-Nativeとして十分なコミュニケーションができる。」という評価を受けることができます。
具体的なスキルとしては以下のようなものがあげられます。
- 自己の経験の範囲内では、専門外の分野の話題に対しても十分な理解とふさわしい表現ができる
- Native Speaker の領域には一歩隔たりがあるとはいえ、語彙・文法・構文のいずれをも正確に把握し、流暢に駆使する力を持っている
出典:TOEIC公式
TOEIC 900点の難易度
TOEICでも最難関のAレベルに分類される900点の難易度は非常に高いです。
TOEICは、年間約230万人(2021年)が受験しますが、900点以上取得者は全体の3%前後、約7万人ほどしかいません。
また、800点と比較してみると、点数は100点差しかありませんが、800点と900点では大きな壁があります。
800点以上取得者は全体の15%前後おり、全体の割合としては少なく感じるかもしれません。
しかし900点取得者割合の3%前後に比べると、800点以上のスコア取得者が格段に多いことがわかります。
800点と900点で差が生じる理由については後ほど説明します。
英検に換算すると準1級レベル
TOEIC受験者のなかには、英検も合わせて受験されている方が多数います。
TOEIC900点を英検に換算すると、何級のレベルに該当するのでしょうか。
文部科学省が公表する資料には、「TOEIC785〜945点を英検に換算すると準1級レベル」と記載があります。
そのため、900点のスコアは英検でいう準1級以上1級以下のレベルといえるでしょう。
もちろん、英検とTOEICは問題の出題形式が異なるため、あくまで目安として捉えましょう。
90%以上の正答率が必要
990点満点のTOEICにおいて、900点以上を取得するには9割以上の得点を獲得する必要があります。
スコアレンジ換算表においては、900点を超えるために、200問中「約181〜184問の正解」が目安とされています。
つまり、200問中19〜17問のミスにおさえる必要があり、正答率は約95〜92%が必要です。
900点を取るための正解数やミスしても良い問題数などを以下にまとめました。
- 正解問題数:約181〜184問
- ミス問題数:約19〜17問
- 正答率:約95〜92%
上記の正答率を考えると、リスニングでの小さな聞き取りミスや、リーディングでの文法のケアレスミス一つが致命的になってしまいます。
900点以上を取得することがいかに難しいかがよくわかります。
800点と900点の大きな違い
TOEIC900点は、800点と比べて英語の理解度の面で、高い社会的評価を得ることができます。
800点 | 900点 | |
英語の理解度 | おおよその英語スキルを持っている | ネイティブと同等の英語スキルを持っている |
たとえば、単語の理解度を例にとって考えてみます。
800点が取れる実力があれば、TOEIC頻出単語の大半を「知っている」もしくは「聞いたことがある」状態といえるでしょう。
900点取得者であれば、「知っている」「聞いたことがある」のはもちろん、瞬時に意味を理解し文章を読み解くことができます。
このような理解度における「質の差」は、単語のみならずリスニング能力や文法能力などにも少なからず存在します。
そして、この理解度の質の差が100点の差に繋がります。
以下の表はスコア取得の割合です。
得点 | 受験者のうちの取得割合 | 取得の割合 |
800点 | 14.6% | 6人に1人が取得 |
900点 | 3.8% | 21人に1人が取得 |
スコア取得の割合をみると、800点から900点にかけて取得者割合が大きく下がってしまっているのがわかります。
この大きな要因として、細かい理解度の差が一つの理由といえるでしょう。
TOEIC 900点をとるメリット
難易度の高いTOEIC 900点ですが、取得することで多くのメリットを得られます。
「英語力を証明する資格」としてのメリットが大きく、英語力の証明として挑戦する方がもっとも多いでしょう。
もちろん、TOEIC900点を取得していると企業から「かなり高いスコア」と評価されます。
英語を使った仕事をしたい方や将来的に海外で働きたいと思っている方にとっては、とても魅力的な資格といえるでしょう。
大学生の場合
大学生の場合は、英語力が高い証明として、就職活動を有利に進めることができます。
また、ほかのライバルと差をつけることができるでしょう。
新卒採用においては、現在のスキルはもちろん「入社後に努力できるかどうか」も非常に大きな評価ポイントとなります。
900点を取ることは簡単なことではないと企業側も理解しているため、「何事においても継続力のある人材だ」と評価されるでしょう。
社会人の場合
社会人の場合、会社内で「英語ができる人」という評価を得ることができ、一目置かれることでしょう。
海外出張や海外赴任に挑戦できる機会も得やすく、昇進や昇給の可能性も広がります。
ちなみに、企業が社員に求める昇進・昇給に必要なTOEICスコア平均は「500〜600点の間」です。
海外赴任に求めるスコアでも「600点台前半」というデータがあります。
900点というスコアを取得することが、非常に大きなアドバンテージになることは明らかです。
もちろん、転職の際にもTOEIC900点というスコアはかなり有利に働きます。
総合商社や外資系企業であっても、900点というスコアがあれば間違いなくプラスの評価となるでしょう。
近年は、海外展開を進めている企業が多いため、企業選びの選択肢は格段に増えます。
外資系企業などに入社したあとも、スムーズに業務をこなすことができるでしょう。
\就活前に自分の英語力をチェックしよう/TOEIC 900点に必要な英語力
TOEIC 900点に必要な英語力について解説します。
現在の自分の実力と比較して、必要な勉強について見極める材料にしていきましょう。
単語数・文法レベル
まずTOEIC900点突破に必要な単語数の目安は、10,000語以上とされています。
ビジネス的な内容が問われるTOEICにおいては、頻出単語も大学入試などとは異なります。
そのため、専門の単語帳などできちんと対策をしましょう。
すでに800点を取得している方であれば、新たに約1,500語覚える必要があります。
なお、文法については、高校英語を完璧にしておきましょう。
単語に加え、文法まで完璧にしておくことで、TOEICにおける一つのポイントであるPart5を効果的に解くことができます。
リスニング
TOEIC900点突破に必要なリスニング能力の目安は、英語を日本語に訳すことなく、英語のままで理解することが可能なレベルです。
普段、英語で話す機会がない方にとって、会話の内容をすべて理解することは非常に難しく感じます。
最低ラインとして、話している内容を理解することができるレベルまで仕上げて本番に臨みましょう。
すべての内容を聞き取れなかったとしても、ポイントとなる箇所を聞き取ることができれば、900点の取得は可能です。
演習のなかで選択肢を先読みする練習をしていき、実践力を養っていきましょう。
\リスニングでスコアアップするコツを紹介!/リーディング
TOEIC900点突破に必要なリーディング能力は、難易度の高い英文法表現も理解できる文法の基礎力があるレベルです。
ビジネスの場でいうと、社内の英語資料を読み解くことができ、業務に必要な文章を読んで理解できるレベルになります。
演習を繰り返して、もっとも早く答えにたどり着ける解き方のスタイルを固めていきましょう。
\パート別にポイントを解説!/TOEIC 900点に必要な勉強時間
900点以上を取るために必要な勉強時間は、現在の自分のスコアによって異なります。
TOEICで100点スコアアップするためには、200〜300時間の勉強時間が必要とされています。
得点別の必要な勉強時間は以下のようになります。
現在の得点 | 900点までに必要な勉強時間 | 1日2〜3時間勉強した場合の期間 |
500 | 800〜1,200時間 | 約15〜20ヵ月 |
600 | 600〜900時間 | 約10〜15ヵ月 |
700 | 400〜600時間 | 約6〜10ヵ月 |
800 | 200〜300時間 | 約3〜5ヵ月半 |
ただし、これはあくまで目安です。
現在の得点を取得した時期や仕事で英語を使うか否かなどによって、必要な期間は変わってきます。
また、高いスコアであるほど得点を伸ばすのは難しくなります。
現在のスコアが700点や800点ある方が900点に上げるためには、より多くの勉強時間が必要となります。
TOEIC 900点を目指すうえでの対策ポイント
900点を達成するためには、多くの勉強時間が必要です。
すこしでも効率的に達成するために、対策ポイントを紹介します。
苦手分野を克服する
勉強を始める前に、まずは自分の苦手分野を認識しましょう。
公式問題集などを本番と同じ時間で解いてみて、苦手分野を知ることが大切です。
苦手分野がわかったあとは、ミスした問題や苦手分野に重点的に取り組んでみましょう。
全体的な学習を繰り返すよりも、苦手部分を完全に理解できるまで何度も解くほうがスコアアップにつながりやすくなります。
とくに英文法に不安がある場合は、まず初めに英文法をきちんと理解した上でほかの対策に進むことがもっとも効率的です。
ケアレスミスをなくす
900点取得を狙う場合、1問のケアレスミスが命取りとなります。
ケアレスミスはゼロを目指しましょう。
Part3やPart4の尺の長いリスニング問題で集中力が切れてしまうと、それだけで900点取得は絶望的になります。
体調やメンタルを整え、集中力を維持できるようにトレーニングをすることが大切です。
たとえば、模擬テストを試験時間内で解く練習を何回も行う、連続して解く練習を行う、などです。
また、英語の基礎力を底上げしておくと、ケアレスミス防止につながります。
単語や文法の理解を深めれば、単語の意味を正確につかめるだけでなく、文構造を正しく把握できるため、ひっかけ問題でもミスがなくなります。
基礎をおざなりにせず、繰り返し復習をしておきましょう。
問題を解くスピードを早くする
日本人はリスニングパートよりもリーディングパートの点数が取りにくいといわれています。
また、平均点もリーディングの方が低くなっています。
TOEICを受ける多くの方が、リーディングパートで時間切れになることを大きな課題に感じているはずです。
英文の読解スピードを早めて時間内に解き切ることができれば、見直す時間もできるでしょう。
そのため、1問当たりの解答時間のスピードを上げる努力をしましょう。
最低限、以下の時間配分を知っておくのがおすすめです。
リーディングのパート | 900点以上の時間配分 | 1問あたりの時間 |
Part5 | 8分 | 16秒 |
Part6 | 8分 | 130秒 |
Part7 | 59分 | 1分強 |
TOEIC 900点に到達するための勉強法
問題集をひたすら解く
文法力の強化と苦手部分の克服には、ひたすら問題を解くのが1番の近道です。
苦手な部分はピックアップして、完璧に理解できるまで何度も復習をしましょう。
TOEICで出題される語彙や会話・問題などはある程度パターン化されています。
質の高い問題集をやり込めば、テスト本番で理解できる問題が増え、正答できるようになります。
繰り返し問題を解いていくなかで、TOEICの問題形式にも慣れていきます。
選択肢を読むタイミングなど、自分に最適な解き方が次第にみつかることでしょう。
英語耳にする
リスニング強化のためには、たくさんの英語の音声に触れることが大切です。
TOEIC問題集の音声はもちろん、ネイティブが話している会話やビジネスシーンでの会話に慣れていきましょう。
英語耳にするために、TEDなどを活用するのがおすすめです。
また、Part2などの細かい聞き取り能力が必要とされる対策には、ディクテーションが有効です。
ディクテーションを行う流れは下記が効果的です。
- ディクテーションして聞き取れない箇所を理解する
- シャドーイングで繰り返し練習を行う
上記の流れで、根気強く英会話の理解力を深めていきましょう。
TOEIC 900点を目指す方におすすめの問題集・スクール
TOEIC対策の単語帳、問題集、コーチングスクールは多数存在します。
ここでは、900点突破のためにとくにおすすめの問題集やスクールを紹介します。
【単語帳】キクタンTOEIC(R) L&Rテスト SCORE 990
単語力の強化方法には、TOEIC専用の単語帳を使うのが効率的です。
大学受験で単語帳を使った方も多いと思いますが、TOEIC受験にあたっては専用のものを使って効率的に学習を進めましょう。
必要なスコアごとにシリーズが用意されている「キクタン」シリーズはとくにオススメです。
「キクタン」というタイトルのとおり、音声を使って楽しく単語学習を進めることができます。
まずは現在の自分のスコアにあった単語帳から使ってみましょう。
最終的には「キクタンTOEIC(R) L&Rテスト SCORE 990」を使って900点クリアを目指しましょう。
【問題集】公式TOEIC Listening & Reading 問題集10
文法力の強化と苦手部分の克服には、ひたすら問題を解くのが近道です。
本番同様の問題傾向であるのはもちろん、本番と同じナレーターがリスニング音声を読み上げてくれます。
そのため、本番さながらの練習をすることができます。
間違えた問題や苦手な部分をピックアップして、完璧に理解できるまで何度も復習することが大事です。
【問題集】TOEIC L&Rテスト990点攻略
パート別攻略法と問題演習があり、そのあとに一回分の模擬試験を解くことができる実践問題集です。
高得点取得者であっても新たな学びのある良問揃いの問題集です。
すでに800点以上を取得している方でも多くの学びを得られるでしょう。
【アプリ】スタディサプリ
通勤・通学などのスキマ時間で学習を進めることができる、スマホアプリを一つ持っておくことはとても効果的です。
スタディサプリはTOEIC対策に特化したコースがあり、目標得点別の英単語学習を進めることができます。
単語のみならず、ディクテーションとシャドーイングでリスニング力を強化することもできる万能アプリです。
スキマ時間を有効に使って、苦手なパートを繰り返し練習しましょう。
【スクール】PROGRIT
PROGRITはTOEIC L&Rテストの点数アップを目指すコースが用意されており、短期集中で英語力の向上を目指せるコーチングスクールです。
決まったカリキュラムがなく、生徒ごとに合わせた専用カリキュラムが組めるため、苦手分野を集中的にやり込むことも可能です。
定期的に模擬試験も実施され、その結果から対策すべきスキルやパートを明確にし、苦手分野を克服できるようサポートしてくれます。
\ まずは無料カウンセリングを受けてモチベアップ /TOEIC 900点突破を目指そう
今回は、TOEICで900点を取得することのメリットや勉強法・対策のコツについて紹介しました。
TOEICで900点を取得するためには、多くの勉強時間が必要です。
また800点取得に比べても、900点取得は難易度が高いです。
しかし、難易度の高いスコアだからこそ、取得することで多くのメリットが得られます。
まずは、自身の苦手箇所を見極めたうえで、計画的に学習を進めていきましょう。
本記事で紹介したコツを取り入れながら学習時間を確保して、900点を突破を目指しましょう。