TOEICの500点は、はじめて受験する方が目標にすべきスコアです。
しかし、ただやみくもに目指すのではなく、「500点をとるには具体的にどのくらいの英語力が求められるのか」を知っておく必要があります。
また、TOEICで500点をとると、受験や就活でどう評価されるのかが気になる方もいるでしょう。
この記事では、TOEIC500点の英語力レベルや評価、500点をとるために必要な学習時間、500点を目指す方におすすめの学習法や教材を紹介します。
TOEIC500点の英語レベルとは
みなさんはTOEIC500点がどの程度の英語力かイメージできますか。
目安として英検2級程度ともいわれていますが、それだけではあまりピンとこない方も多いでしょう。
以下では、TOEIC500点のレベルについて、高校・大学・社会人に分けて紹介します。
高校生の場合
高校生のTOEICの平均点は492点です。
普段、英語の模試で平均点をとれているのであれば、これくらいの点数をとれると考えられます。
つまり、高校生の場合、問題集で形式に慣れたうえで対策をすれば、500点をとるのはそれほど難しくないといえます。
また、TOEICの500点は、多くの大学で出願基準や優遇措置に設定されているボーダーです。
TOEICの500点は、高校生にとって目標とする価値のある点数です。
大学生の場合
大学生のうち、TOEICの受験者数がもっとも多いのは1年次です。
1年次の平均点は425~475点となっており、高校生の平均よりも低い結果となっています。
高校生のうちは、英語が得意な方がTOEICを受験するのに対し、大学生はレベルに関わらずTOEICを受験するためでしょう。
また、大学4年次の平均点は518~526点となっています。
つまり、4年間学習を継続すると、多くの方が突破できるレベルといえるでしょう。
履歴書に書けるレベルではありますが、プラス評価を得るにはもう一歩のレベルです!
社会人の場合
社会人の平均点は550点です。
学生時代にTOEICを勉強していた方、英語が得意だった方にとって、500点はそれほど難しくはありません。
社会人がTOEICを受験する理由の多くは、転職や昇進・昇格です。
2019年の調査によると、20~35%ほどの企業がTOEICスコアを昇進や昇格の要件としています。
具体的には、課長昇進時に530点、部長昇進時に565点前後が求められています。
企業や部署によって幅はあるものの、500点は評価基準を満たす入口です!
TOEIC500点に対する評価
TOEICを受験する方にとって気になるのは「TOEIC500点がどのくらい評価されるのか」ということでしょう。
以下では、TOEIC500点への評価について、大学受験と就職・転職の場合で紹介します。
大学受験における評価
TOEICは、公立・私立を問わず、多くの大学で出願資格や優遇措置の対象になっています。
そして、TOEICの500点は、ある一定の基準となっていることがわかります。
たとえば、以下のような例があります。
- 青山学院大学(総合文化政策学部・総合文化政策学科):一般試験の出願資格をTOEIC500点と定めています。
- 國學院大学(経済学部・経済学科):一般試験においてTOEIC550点以上を取得していると、英語試験の点数が80点と換算されます。
- 東京海洋大学(海洋生命科学部・海洋生物資源学科):TOEIC400点が一般試験の出願資格になっています。
- この他にも点数基準は設けていませんが、判定優遇や合否参考にTOEICを採用している大学が多数あります。
ほかにも多くの大学が判定優遇や合否参考に、TOEICを採用しています!
就職や転職における評価
就職や転職において、TOEIC500点が評価につながる可能性は極めて低いです。
とくに即戦力が求められる転職の場合、英語力をアピールするなら交渉やプレゼンテーションができるレベルが望ましいでしょう。
TOEIC500点ではそれらのタスクには対応できず、最低でも600点以上は必要です。
また、TOEICでハイスコアを取得していると「地頭のよさ」や「努力」のアピールにもつながります。
スコアだけではなく、学習過程も含めてアピールポイントとなるでしょう。
TOEIC500点をとるために必要な学習時間
TOEICの学習を行っている人の平均勉強時間は、約7.5時間/週です。
つまり、1日あたり1時間ほどの学習時間です。
目安として650点までは、100点スコアを上げるのに約170時間が必要です。
先ほどの平均学習時間とあわせると、300点から500点までには約1年、400点から500点までには約半年かかります。
TOEIC500点の人が抱える課題
英語学習者が抱える課題は、スコアごとにある程度決まっています。
たとえば、TOEIC500点の方だと「文法」や「語彙」や「問題形式への慣れ」が課題となっているケースが多いです。
以下では、それぞれの課題について解説します。
高校レベルの英文法が理解できていない
TOEICを運営するIIBCは、470点を「基本的な文法・構文は身についており、表現力の不足はあっても、とにかく自分の意思を伝える語彙を備えている」と位置づけています。
この「基本的」は、中学~高校レベルを指しており、高校レベルまでしっかり勉強すれば500点を取得できます。
実際、私がTOEIC600前後の生徒を指導した経験上、すべての文法事項を習得できている方はいません。
中学文法をしっかりと身につけ、品詞をはじめ、重要な高校文法をおさえている方が多い印象です。
まずは、中学3年間の文法事項をおさえていきましょう!
基礎的な単語力が身についていない
TOEIC500点をとるために、必要な単語数の目安は4,000語です。
高校中級~卒業レベル、英検準2級~2級合格に必要な単語数ともいわれています。
4,000語と聞くとかなり多く感じますが、中学校で1,600~1,800語、高校で1,800~2,500語を学習するため、すでに知っている単語も結構あるはずです。
また、TOEICではビジネス単語が多く登場します。
高校生向け、英検用の単語帳だとビジネスユースの単語はあまり収録されていないため、ぜひTOEIC用の単語帳を使って学習しましょう。
試験の形式に慣れていない
TOEICの試験時間は、リスニング45分(100問)とリーディング75分(100問)となっています。
単純計算すると1問あたり45秒、それが2時間繰り返されます。
そのため、2時間にわたって英語の問題を解き続ける集中力が必要です。
また、時間制限が厳しく、全問回答するのが難しいのもTOEICの特徴です。
1問あたりどれくらいの時間をかけられるかを感覚で覚える練習も求められます。
試験時間を有効に使うトレーニングも重要!
TOEIC対策に効果的な学習法
IIBCの調査によると、TOEICを勉強する時間の1位は休日(53.2%)、2位は通勤の途中・移動中(48.4%)となっています。
また、TOEIC800点以上のハイスコア保有者のうち、約7割は「通勤の途中・移動時間」に勉強しています。
つまり、休日のみ学習するよりも、日々のスキマ時間にコツコツ勉強する人の方がスコアを伸ばしやすいといえます。
スマホアプリでスキマ時間を活用
アプリでTOEICを学習するメリットは主に2つです。
アプリ学習はスマートフォンさえあれば、いつでもどこでも始められます。
スキマ時間にコツコツ学習する習慣をつけられると、学習時間を確保できるだけでなく、英語学習に対するハードルも下がります。
忙しい日々の中、新たに机に向かう時間を捻出するのは大変なので、日常生活の中にうまく学習時間を組み込むのがポイントです。
また、最近のアプリはゲーム感覚で楽しく学べるのが多いのも特徴です。
正答率による上達度チェック、学習時間の記録をはじめ、モチベーションを上げる仕組みが多く取り入れられています。
私も朝の通勤電車でアプリ学習をやっています!
コーチングで最短スコアアップを目指す
学習時間を確保するだけでなく、効率を高めることも大切です。
また、受験や仕事の都合で「どうしても短期間で英語力をつけなければいけない」という方もいるでしょう。
そこでおすすめしたいのが、短期間でスコアをアップさせることに特化したコーチングです。
TOEICのスコアアップを目指す場合、苦手分野や自分に足りない力を見極めて、学習方法を決めなければいけません。
そして、英語が苦手な方の中には、どんなトレーニングをすれば英語力がつくのかわからずに悩んでいる方もいるはずです。
コーチングを利用すると、レベルチェックをしたうえで、どんなトレーニングをどんな配分でやるべきかアドバイスしてもらえます。
また、コーチングサービスでは、日常的な学習進捗の報告やフィードバックがあります。
英語に関する質問ももちろんできますが、学習を継続する習慣が身につくのがコーチングのメリットです。
一人では学習を継続できない方でも必ず目標を達成できるでしょう。
TOEIC500点の人におすすめの教材
TOEICの教材は種類が多く、どれを選べばよいのか迷ってしまうと思います。
教材を選ぶ基準は、TOEIC対策の必修事項を含んでいること、わかりやすさ、使いやすさです。
ぜひ参考にしてみてください。
【参考書】世界一わかりやすいTOEICテストの英文法
実は、TOEIC向けに体系的に説明された文法書はほとんどありません。
しかし、TOEIC対策にあたり、リスニングとリーディングに活かせる文法力を身につけたい方も多いと思います。
文法というとPart 5の対策を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、リーディングスピードを高めるためにも文法は重要です。
また、ただ覚える参考書ではなく、演習しながら文法を理解していく形式になっています。
【問題集】TOEIC L&R TEST初心者特急パート1・2
TOEICのリスニング問題集を解いても、解説にわからない単語や表現が多すぎて理解が進まず、やる気がなくなることはありませんか?
そんな方におすすめなのが『TOEIC L&R TEST初心者特急パート1・2』です。
本書は、TOEICの初心者向けに特化されたリスニング問題集です。
Part1と2は、ほかのパートと比べると難易度が低めで、点数がとりやすいパートです。
そのパートを初心者のレベルで集中的に練習することでスコアアップを図るのは、とても有効な方法です。
ただし、本書はTOEIC初心者向けであって、英語初心者向けではないことに注意してください。
【アプリ】スタディサプリENGLISH(TOEIC対策コース)
スタディサプリTOEIC対策講座ベーシックプランには、以下の4つのコンテンツがあります。
- 全パートの例題を扱ったパーフェクト講義
- 目標スコアのレベルに応じた単語を10秒以内に答えるTEPPAN英単語
- 本番さながらの模試を20回分できる実践問題
- 文法問題のひっかけを講義で学べるパーフェクト講義【文法編】
効率的に学習を進められるよう、徹底的に考え抜かれた構成になっています。
【コーチング】ライザップイングリッシュ
受験勉強のような学習量を確保して、短期間で確実に結果を出すのが、ライザップイングリッシュの特長です。
料金はすこし高額ですが、自分に最適な学習方法、徹底した学習スケジューリング、フィードバックによって目標を達成できた方が続出しています。
「3か月でTOEICスコアが500点→700点に上がった」
「3か月で外国人の多い社内での英語でのコミュニケーションが苦ではなくなった」
などの口コミもあります。
ライザップイングリッシュでは、講義→宿題→講義→宿題…を繰り返します。
毎日の学習時間は約3時間、その中に無駄な学習は一切ありません。
最大限まで効率を重視したカリキュラムで学習できるため、圧倒的なスピード感でスコアが上がっていくのを実感できるはずです。
TOEIC500の壁を突破して目指せ600点!
TOEIC500点は、はじめてTOEICを受験する方にとって最初の目標といえます。
中学校の文法事項と単語を身に着けたうえで、TOEIC向けの問題集に取り組み、500点を目標に学習計画をたててみてください。