TOEIC Listening & Reading Testはリスニング・リーディングそれぞれ100問ずつの合計200問で構成されています。
TOEICではリーディングよりもリスニングで点数が取りやすくなっています。
ハイスコア狙いで点数が伸び悩んでいる方は、リスニングで満点を狙うのがおすすめです。
さらに英語が苦手な方でもリスニング対策を重点的にすることで、全体のスコアアップを達成できる可能性があります。
今回は、TOEICのリスニングで満点を取るための方法とおすすめの勉強法を紹介します。
TOEICのリスニングは満点を狙える
TOEICはPart1〜4のリスニング問題、Part5〜7のリーディング問題で成り立っています。
そのなかで対策をすれば一気に点数が伸びやすいのが、Part1〜Part4のリスニングセクションです。
近年の傾向として、短い応答問題が出題されるPart2の難易度が上がっています。
しかし、きちんと対策をすればリスニングセクションで満点を狙うことも難しくないです。
以下でリスニングセクションで満点をとる方法を紹介します。
全問正解しなくても満点になる?
TOEICテストの全体のスコアは0から990点満点で示されます。
リーディングとリスニングのスコアは半分ずつ、それぞれ495点満点です。
結果が記載されている公式認定証にも、「リスニング:●●点・リーディング:●●点、合計●●点」のようにスコアが明記されます。
リスニングセクションの問題構成は以下となっています。
リスニングの問題構成
- Part1(写真描写問題):6問
- Part2(応答問題):25問
- Part3(会話問題):39問(3問×13セット)
- Part4(説明文問題):30問(3問×10セット)
TOEICは合計200問の問題につき、一問●点のような決まった配点がされ、合計スコアが計算されるわけではありません。
採点は、受験者全体の正答率などの統計にもとづいて行われます。
また、平均値との比較で偏差値のように計算されます。
平均の正答率が低い試験回では、多めにミスをしても受験者全体の平均が低いため、高いスコア取れることもあります。
TOEICは公式で配点が公表されていませんが、毎月行われている試験回ごとに平均点が異なっています。
これは、試験回によって難易度のバラつきがあるということです。
また、正答率によって、一問ごとに配点の変動があります。
リスニングセクションは合計100問の問題数ですが、目安として95問以上の正解で満点が狙えるといわれています。
TOEICでハイスコアを狙いたいなどの場合でも、必ずしも全問を正解する必要はありません。
正答数で平均より大きく差がついていれば高スコアとなり、495点満点のスコアになることもあります。
しかし、高いリスニングスキルが求められるのには変わりありません。
すべてを完璧にする必要はないものの、テクニックの習得と訓練が鍵となるでしょう。
\ TOEICの配点の仕組みを紹介 /【点数別】リスニングのレベル
次に、点数別にリスニングのレベルを紹介します。
また、リーディングセクションはリスニングのスコアより50点前後低くなる傾向があります。
リスニングのスコアが300点のレベルであれば、リーディングは約250点、合計でスコア約550点のレベルと推定されます。
200〜300点のレベル
リスニングで200〜300点のスコアであれば、TOEIC初心者や英語学習のブランクがある方が多いスコアの範囲といえます。
リーディング含め、テスト全体のスコアで500点や600点未満のスコアとなる範囲の点数であり、英語の基礎力をより強化することが課題となります。
また、このレベルの段階においては日常で英語を聞き取る練習も必要です。
基本的な文法や言い回しをなんとなく理解している程度では語彙力はあまりないといえます。
難しい単語や表現は聞き取れないことが多いでしょう。
まとまった文章の意味を理解したり、話の展開を読み取ることが少々困難なレベルといえます。
300〜350点のレベル
リスニングで300〜350点のレベルであれば、合計600点台のスコアに届く範囲と推定されます。
単語ではなく、文章でなんとなく全体の流れが理解できるレベルです。
しかし、英文や会話を聞くなかで、答えに繋がるような単語が聞き取れないこともあるでしょう。
たとえば、Part3の人物同士の会話のなかで「登場人物たちはどの業種の会社で働いているか?」といった問題が出題されるとします。
会話のなかで職業を表す単語が答えのヒントになるとき、その単語を聞き取れなければ答えがわからないでしょう。
そのほかに、似た音を使った選択肢のある問題などにひっかかってしまいやすい特徴があります。
350〜400点のレベル
リスニングスコアから換算すると、TOEIC700点以上を狙えるレベルです。
基本的な問題は、ほぼ問題なく正答できると予測されます。
もうワンランク上の上級レベルにいくためには、全体的な英語力の向上も目指していきたいところです。
リスニング力は全体的についていますが、メモなしで全体を聞き取ることができるようにすると良いでしょう。
400点以上のレベル
リスニングで400点以上のスコアが取れていれば、ハイスコアといわれるレンジに到達することも十分に可能です。
リスニングセクションでの課題や目立つような弱点はないといえます。
より正答数を増やしていくためには、話している英語をすべて聞き取れるレベルを目指すと良いでしょう。
シャドーイングを繰り返し、問題で流れてきた英文をそのまま発音できるくらいに仕上げましょう。
難易度の高い問題や、受験者全体で正答率の低い問題に対しての精度を上げる練習も有効です。
リスニングセクション対策のポイント
次に、リスニングセクションで高得点を狙うための重要なポイントを紹介します。
問題演習をするときも、以下のポイントをおさえて練習をすることで、より効率的にスコアアップが狙えます。
英語を英語のまま理解する
英語を英語のまま理解するとは、英語の音声で流れてきた情報を日本語訳に変換せず、英語の意味で理解するということです。
TOEICは時間との勝負ともいわれ、基本的には数秒〜数十秒程度で解答することが理想です。
本番では、英語を日本語にゆっくりと翻訳している時間はありません。
また、日本語と英語では以下のように文章構成の順序が異なります。
文章構成の違い
- 【日本語】主語→修飾語→述語
- 【英語】主語→述語→修飾語
英語の語順通り、前の語から聞き取り、主語と関連づけて動作などの述語、さらに修飾語といったイメージを結びつけ「英語回路」を作っていきましょう。
日本語訳に変換することなく英語を理解するためには、イメージをもつことが重要です。
英語を聞いて物や人、場面などを瞬時にイメージができると問題を素早く解くことができます。
英単語や英語の文章を聞いたら、和訳する前に頭のなかで絵や写真を想像するような練習を積むと良いでしょう。
問題を先読みしておく
Part3とPart4は最初に数十秒程度の会話やアナウンスが一気に流れ、その内容に関して3問ずつ問題が出題されます。
会話やアナウンスは問題用紙に書かれていませんが、質問文とその選択肢は問題用紙に書かれています。
Part3とPart4では問題文の先読みを必ず行いましょう。
次の問題に移るまでのアナウンスの間に先読みをしましょう。
1つのアナウンスや会話につき3問の問題が出題されますが、アナウンスを聞き終わったあとすばやく3問をマークします。
そして次の問題の問題文を先読みするようにしてください。
選択肢まで全部目を通す時間がないかもしれないですが、問題文だけでも先読みしておくと話の内容が掴みやすくなります。
迷った問題は切り捨てる
TOEICのリスニング本番では問題と問題の間が短く、一問ごとの解答時間も限られ、数秒程度となります。
そのため、次の問題の先読みのテンポが一回崩れると、途中での挽回が厳しくなります。
選択肢に迷っていたら次の問題が始まっていた、ということはよくあることです。
迷った問題はいずれかの解答にマークして、気持ちを切り替えて次の問題に進むことも重要です。
TOEICではどんなに迷っても一つの問題に時間をかけ過ぎてはいけません。
次の問題の先読みができなかった場合など、思い切って切り捨てる勇気も必要です。
\ こちらでさらに詳しく紹介!/TOEICのリスニングで満点を取るための勉強法
リスニングで満点を取るためには、リスニング力を伸ばすための勉強法を継続する必要があります。
すぐに成果が表れるものではありませんが、可能であれば毎日短時間でも継続しスコアアップを目指しましょう。
英語耳にする
リスニングが得意になる近道は、まず英語の音を聞き慣れることです。
TOEICのリスニング音声はネイティブスピーカーの音声で、スピードも速いです。
アメリカ・イギリス・オーストラリアなどさまざまな国の話者が混じっているため、日本人にとって聞き慣れない音声もあります。
リスニング対策で大事なポイントは、英語耳にすることです。
日本国内にいても、英語で情報を得たり、音声を聞くことができます。
また、英語のニュースや動画で習慣として聞くこともおすすめします。
アプリのTEDではネイティブスピーカーのスピーチを聞くことができ、知識を深めるのにもおすすめです。
単語と文法の理解度を深める
TOEIC対策では、単語を覚えて語彙力を上げることも重要なポイントです。
とくにTOEICは出題される単語の範囲が生活とビジネスのシーンに限定され、語彙レベルも英検などと比較すると高くないといわれます。
わからない英単語を聞いても、英文全体の内容を理解することはできません。
正しい発音で英単語を学習し、語彙力を強化するようにしましょう。
また、語彙力と合わせて対策しておきたいのが文法です。
中学〜高校レベルの文法の基礎を磨きましょう。
基礎があることで、ある程度の英文の内容は理解できます。
また、Part3やPart4などで問題文を先読みするときも、文法知識があれば素早く読むことができます。
問題のテーマや、何が問われるのかなどの情報も正しく得ることができるでしょう。
ディクテーションする
勉強法のなかで、もっとも効果がでると期待されるのが、ディクテーションです。
ディクテーションとは、聞こえた英語の音声すべてを書き写す方法です。
自分が単語から英文全体まで、すべて正しく聞き取れているかの確認ができます。
Part3やPart4では英文の量が多いため、一字一句書き取ると時間がかかります。
一方で、Part1やPart2は一文で終わる英文のため、量が少なく、ディクテーションで聞き取る練習が適しています。
すべての単語や英文を聞き取る練習になるため、結果として英文全体を理解し解答の精度を上げることにつながります。
シャドーイングを行う
シャドーイングは英語学習のなかでは定番の勉強法です。
耳と口を使って学習するため、リスニング学習で大いに効果が期待できます。
流れてきた英語の音声すべてを口に出して発音するようにしましょう。
初めは解答を見ながら音声を真似て発音し、最終的には解答を見ずに聞こえてきた音声だけで発音できるようにします。
自分が発音できなかったり、スピードについていけないものはリスニングでも聞き取ることはできないです。
リスニングの点数アップをするには、シャドーイングが必須の勉強法となります。
リスニング対策におすすめの参考書
最後に、リスニング対策におすすめの参考書を5冊紹介します。
語彙・パート別対策・問題演習それぞれに適した参考書を挙げます。
【単語帳】TOEIC L&R TEST 出る単特急 金のフレーズ
語彙対策としてトップクラスの人気と知名度を誇るのが、『TOEIC L&R TEST 出る単特急 金のフレーズ』です。
初心者から上級者まで語彙力の強化を狙え、リスニング対策としても役立つ一冊です。
コンパクトなサイズ感で持ち運びやすさも良いため、外出中やスキマ時間の学習にもおすすめです。
本書は全部で1,000単語掲載されていますが、初心者〜上級者レベルの単語まで対応し、丁寧に解説されています。
単語帳選びに迷ったら、ますはこちらを使ってみてください。
【単語帳】TOEIC L&Rテスト 本番そのままプラチナボキャブラリー
TOEICの語彙対策としてもう一冊おすすめしたいのが『TOEIC L&Rテスト 本番そのままプラチナボキャブラリー』です。
金のフレーズよりあとに発売され、より最新のテスト傾向に合わせた語彙対策ができます。
TOEICと同じ形式の英文を使って単語を覚えていくため、効率的に勉強ができます。
また、英単語の勉強法についても詳しく書かれているため、英単語学習のクオリティを上げることもできるでしょう。
【参考書】TOEIC L&R TEST パート1・2特急 難化対策ドリル
本書はパート別で対策がしたいときにおすすめです。
とくPart1と2に集中して対策ができるため、基礎に不安のある初心者〜中級者向けです。
TOEIC上級者でも失点するような問題はPart1や2でも散見され、Part2は近年消去法でしか解けないような問題もあり、難化傾向にあります。
Part2のスコアを安定させることが総得点の底上げにつながります。
本書ではドリル形式の問題演習で数をこなして練習ができます。
【問題集】公式TOEIC Listening & Reading 問題集10
公式問題集は、本番と同じレベル・雰囲気・ナレーターで問題を解く練習に最適です。
テスト2回分(計400問)が収録されているため、問題を繰り返し解いたり、勉強の仕上げとして使うのが理想的です。
公式問題集は定期的に最新版が発売されているため、購入する際はその時点での最新版を購入するようにしましょう。
【問題集】公式TOEIC Listening&Reading トレーニング リスニング編
本書も本番と同じナレーター・レベル感で問題が解ける、リスニングに特化した問題集です。
問題数が多く、合計372問収録され、演習問題を多くこなしたいという方にもおすすめです。
リスニングの音声で英語耳を作りシャドーイングすることで、リスニング力のアップが期待できます。
まとめ
今回はTOEICのリスニングセクションで満点を取るための勉強法や対策ポイントを紹介しました。
TOEICのリスニングは問題の傾向が決まっていることが多いです。
そのため、リーディングよりもリスニングの方がスコアが取りやすいといわれます。
リスニング力を鍛えるために、まずは毎日英語を聞く習慣作りからはじめましょう。
また、英語耳にしていくことで、リスニング力がグッと上がるでしょう。
さらに高得点を狙う上級者は、戦略を立てつつ、聞き取れない英文箇所を極力なくすトレーニングをしていくことが効果的です。
今回紹介した勉強法や対策ポイントを参考に、リスニングセクションで満点を目指していきましょう。