英語の資格試験は、グローバル化が進む近年、英語力を証明するために、就職や海外留学に役立ちます。
英語の資格試験には、さまざまな試験があります。
中でも、リーディング・リスニング・スピーキング・ライティングの4つの技能を測り、英語力を総合的に評価するTOEFL iBTの受験を検討している方は多いのではないでしょうか。
本記事では、TOEFL iBTのスコアでわかる英語力や、履歴書や海外留学で使えるTOEFL iBTのスコアなどについて詳しく解説します。
自分はどの位置?TOEFLのスコアでわかる英語力
TOEFLは、「リーディング」「リスニング」「スピーキング」「ライティング」4つの技能をそれぞれ30点満点、合計120点満点で採点される試験です。
「1問何点」というタイプの試験ではなく、複雑な統計処理によってスコアが算出される仕組みになっています。
ここでは、4技能の合計のスコアで、英語力のレベルを見ていきます。
TOEFL iBTについて詳しく知りたい方は、以下のページでTOEFL iBTがどのようなテストで何に役立つのか、4技能それぞれのセクションの試験内容などを紹介しています。
ぜひ参考にしてみてください。
40点未満
40点未満は英検3〜5級程度で、全体的に英語力が不足しており、TOEFLを資格として活用するには厳しい状況です。
簡単な会話が成り立ち、最低限の英語が使えるレベルといえます。
40~50点
40~50点は英検2級程度で、興味のある範囲の話題であれば一定のコミュニケーションができるレベルです。
語彙力も一定数あるため、身近で簡単なトピックであれば、筋の通った文章を作ることができるレベルといえるでしょう。
アメリカの2年制大学のコミュニティカレッジへの出願の最低ラインです。
あくまで最低ラインなので、コミュニティカレッジを目指すのであれば、学校の選択肢を広げるためにも60点前後を取得する必要があります。
50~60点
50~60点は、英検2級A程度のレベルです。
英検2級Aは、2級の中でも、高スコアで合格した方に付与される資格です。
身近な関心事項においては自分から進んで積極的に会話をすることができ、読み書きも含めた英語力が、ある程度備わっているレベルだといえます。
しかし、海外大学への進学を目指しているのであれば、アメリカの4年制大学に出願するには足りないレベルです。
前述の通り、コミュニティカレッジへの出願であれば出願先の学校の幅が広がるレベルだといえるでしょう。
この範囲のスコアでは、外資系への就職や転職を検討している場合においては、履歴書に書いてアピールできるレベルとは言いがたいです。
60~70点
60~70点は英検2級A程度で、50~60点取得者より高い運用能力で英語でのコミュニケーションが行えるレベルです。
身近に起こりうる、大抵の事態に対処できます。母国語が英語である国で生活をしても困らないレベルだといえるでしょう。
61点以上を持っているとアメリカの4年制大学への出願ができるようになります。
しかし、60点台は最低ラインなので、出願大学の選択肢を広げるためには70点以上が求められます。
60~70点は、TOEFL iBTを受験するにあたって最低限取っておきたいスコアでもあります。
70~80点
70~80点は英検準1級程度でやや複雑な会話や文章をもとに議論ができるレベルです。
海外大学進学において、アメリカの4年制大学では70〜80点程度を入学基準にしている大学が多くなっています。
アメリカの4年制大学出願で求められる一般的なスコア範囲です。
アメリカの4年制大学の授業にもついていけるレベルだといえるでしょう。
80~90点
80~90点は英検準1級程度で英語レベルはかなり高いといえます。
専門分野において議論が十分でき、大学のレポートなどの提出における文章力にも安定感が出てくるため、レポートが難なく作成できるレベルだといえるでしょう。
一部のトップレベルの大学を除けば、4年制大学への出願に十分なレベルです。
また、外資系への転職や就職の際には、履歴書に書いて十分英語力をアピールできるスコアだともいえます。
90~100点
90~100点は英検1級程度であり、非常に高い英語力の証明になります。
流暢に会話をすることが可能で、複雑な話題についても理解ができます。
書くことにおいても自分の意見を明確に述べることができるレベルだといえるでしょう。
しかし、アメリカの大学進学を目安にすると、アイビーリーグの出願で求められるスコアには到達できません。
90~100点は、アメリカの一般的な大学への出願に加え、一部の上位大学で出願条件を満たせる範囲のスコアです。
100点以上
100点以上になると、英検1級の合格レベルをさらに超える、きわめて高い英語力を証明できるレベルといえます。
アメリカの大学進学であれば、ハーバード大学やイェール大学などを含む米国最高峰アイビーリーグの8校にも出願ができるスコアです。
外務省の職員にも100点以上が必要とされているため、レベルの高さがうかがえるでしょう。
TOEFLのスコアはTOEICでいう何点なの?
TOEFLと並んで取得を検討する方が多いといわれているTOEICと比較して、TOEFLのスコアについて解説します。
ただし、注意点として、TOEFLとTOEICのスコアは、測定する英語力が異なるため単純に得点を変換できないことを挙げておきます。
また、TOEFLは学術用、TOEICはビジネス用だといわれているため、あくまで目安での換算になります。
なお、ここでのTOEICは「TOEIC Listening & Reading Test」を指します。
TOEFL iBT 42~71点:TOEIC 550~775点
外国語のコミュニケーション能力を表す指標で、欧米を中心に広く使われている国際標準規格CEFR(セファール)のB1レベルです。
B1は、英語を習得し始めている中級者のレベル感です。
B1レベルに相当するには、TOEICでは満点の約55%〜80%弱(満点990点)のスコアを取得する必要があります。
それに対し、TOEFL iBTでは満点の35%〜60%弱(120点満点)のスコアになるため、スコアで7割以上の取得を目指す場合ではTOEFL iBTのほうが難しいといえるでしょう。
TOEFL iBT 72~94点:TOEIC 785~935点
こちらはCEFRのB2レベルにあたります。
B2は英語での実務対応ができる準上級者のレベルです。
就職をする際、英語を社内公用語としている企業の新入社員に求められるTOEICのレベルが800点といわれているため、非常に高いレベルです。
TOEFL iBTのスコアでは72点~94点(満点の60%~80%のスコア)がB2レベルに相当しているため、一般的に海外大学進学で求められるレベルであるTOEFL iBTで80点以上のスコアを取ることは非常に難しいといえるでしょう。
TOEFL iBT 95~120点:TOEIC 945~990点
CEFRのC1レベルにあたります。
C1は英語能力が優れている上級者のレベルです。
TOEFL iBTの100点以上はTOEICにおいて満点のレベルと同じか、それ以上のレベルに相当するということになります。
TOEFLとTOEIC、英検などの詳細なスコア換算表は以下のページで紹介しています。
TOEFLのスコアと他の英語試験を比べて見たいという方は、チェックしてみてください。
履歴書や海外留学に使えるTOEFLのスコアの目安
せっかくTOEFL iBTを受験するのであれば、就職の際の履歴書や海外留学に使えるスコアを目指しましょう。
履歴書や海外留学に使えるTOEFL iBTスコアの目安は以下の通りです。
履歴書
米国のコミュニティカレッジに出願できるレベルである60点以上を持っている場合は、履歴書に書いてもよいといえます。
スコアの有効期限は2年のため、履歴書に記入する際には、有効期限が切れていないかどうか注意が必要です。
しかし、有効期限切れであっても、80点以上のスコアを取得したことがあるのであれば、履歴書の資格欄ではなく特技などの欄にその旨に記入しましょう。
国内の就職でアピールできるTOEFLのスコアは、一般企業であれば70点が目安といわれています。
70点を取っていれば、英語上級者として評価されるからです。
しかし、日本に拠点を置く外資系企業の場合は、80点程度のスコアがなければ、英語能力をアピールすることができないでしょう。
80点という点数は、米国の4年制大学への入学が認められる基準とされています。
履歴書に書く場合は、資格欄にスコアのみを記載するだけでなく、スコアを取るまでのエピソードを自己PRやガクチカ(学生時代に力を入れたこと)として記載し、自身がどのような人物なのかをアピールしても良いでしょう。
TOEFLスコア60点取得の難易度や60点以上を目指すための対策については、以下のページで紹介しています。
あわせて参考にしてみてください。
海外留学
海外留学においてTOEFLのスコアを活用する際は、留学先によって異なります。
一般的に、交換留学生や正規留学生では61点以上、大学入学では70〜80点以上、一流大学や大学院への進学においては80点以上が求められるのが目安になっています。
レベルの高い学校の中には、90〜100以上を必須としている学校もあります。
また、学部や年度によっても必要なスコアが変わります。
受験前に最新のスコアを大学の国際センターや留学窓口などで調べておきましょう。
TOEFLのスコアを今よりも上げる勉強法とは?
海外の大学進学や交換留学などの目的を持ち、TOEFLのスコアを今よりも上げたいという方は少なくないはずです。
TOEFLのスコアを上げるためには、効果的な方法で勉強することがとても重要になります。
以下では、TOEFLのスコアを上げるために、効果的な勉強法を紹介します。
取得したいスコアを決める
TOEFLを受験する方の中で、海外の大学へ進学することを目的としている方が最も多いのではないでしょうか。
その場合は、まずは、どの大学を目指すのかということを決めるところから始めましょう。
目標とする大学が決まったら、大学で必要とされるTOEFLのスコアを調べ、達成を目指すスコアを決めてください。
大学が求めるTOEFLのスコアは年度が替わると変更になる可能性があるので、毎年度確認するようにしましょう。
目標となるスコアが決まれば、「そのスコアに向けて頑張ろう!」と勉強のモチベーションが上がります。
過去問・問題集を通じて、テストの形式に慣れる
TOEFLの過去問や問題集を通じて、テストの形式に慣れることも重要なポイントの1つです。
テストと同じ形式に慣れることによって、試験対策としての学習で押さえておくべきポイントが明確になります。
たとえば、TOEFLのリーディングにおいては意味解釈、空所補充、似ている語彙の確認など、出題形式が決まっています。
事前に慣れておければ、戸惑うことなく、スムーズに解答することができます。
TOEFLはリーディング、リスニング、スピーキング、ライティングの4セクションのテストを約3時間という長丁場で行う試験です。
テスト形式を把握していないと、1つのセクションでつまずいてしまった場合、他のセクションでも集中できず、十分な力を発揮できないということにもなりかねません。
日頃の勉強から過去問や問題集を通じて、テストの形式に慣れることを意識しましょう。
また、過去問を解く際には、可能な限り本番と同じ時間設定で挑戦してみることが大事です。
前述の通り、TOEFLは長丁場の試験であるため、集中力を保って問題を解き続ける訓練をしておくことをおすすめします。
単語・熟語を含む語彙力から身につける
英語力を伸ばすためには、語彙力が必須です。
文法などを理解していても、語彙力が不足していると問題をスムーズに解くことができません。
語彙力を身につけるためには、単語や熟語を1語単位で覚えるのではなく、実際の文脈の中で覚えることを意識すると、より効果的に習得できます。
また、問題集やテキストの文章をじっくり読み、知らない単熟語を復習し、リーディング力の強化を図っていきます。
TOEFLで満点を取る気で勉強に臨めば、スコア・アップにつながるのではないでしょうか?
以下のページでは、TOEFL iBTスコア120満点の講師が、TOEFLで満点を取るための勉強方法を紹介しています。
TOEFLのスコアに伸び悩んでいる方は、ぜひチェックしてみてください。
まとめ
TOEFL iBTのスコアは、主に海外の大学への進学や留学に役立ちます。
TOEFLを受験するのであれば、最低でも60点以上を目指しましょう。
アメリカの4年制大学においては、70〜80点程度を入学基準にしている大学が多いため、70点以上を目指す必要があります。 また、TOEFLは海外留学だけでなく、日本で就職する際でも履歴書に書くことによって、英語力をアピールできます。
TOEFLのスコアを上げるためには、効果的な方法で勉強することがとても重要です。
しかし、高得点を獲得するためには、独学では限界がある場合もあるでしょう。
そのような時には、TOEFL対策を専門に行っている語学スクールを活用してみるのも1つの手です。
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