前回は、純日本人には珍しいTOEFL iBTのスピーキングで30点満点を取られた竹林先生から、満点を取るコツを教えてもらいました。
今回はライティングになります。先生はライティングでも30点満点を取ったことがあるそうですね!
竹林先生
英語ネイティブでなくてもライティング満点は出せる!
先生がライティングで30点満点を取ったのはいつですか。
竹林先生
スピーキングで満点が出た時は、ライティングがふるわずにさほど興奮も無かったとおっしゃってましたが、ライティングで満点が出た時の気分はいかがでしたか。
竹林先生
満点が出るとは思っていなかったので。「日本人でも満点出せるんだ」って、スコア見てから数分間は心臓がドキドキしてました。
日本人でライティング満点は、そんなに珍しいんですか?
竹林先生
非ネイティブには絶対満点を出さないのかと思ってたくらいです。
では、どんな対策をしてライティング満点を達成されたのか、教えて下さい!
25点以上の人が30点満点に届かない3つの理由
①意外な盲点:自分の「文体」
竹林先生
その中で、「これが理由かな」というのは3つほど思いつきます。
ぜひ教えて下さい!
竹林先生
文体というと、「カジュアルな口語的」か「固い文語調」か、という事ですか?
竹林先生
私の場合、心に最初に浮かぶ英語ってかなり口語的なんですよね。
どんな文体だったのですか?
竹林先生
「Who would prefer to study in a huge classroom? It’s an easy question. Without a doubt, students find it frustrating to study in a big classroom where they can’t ask their teacher questions whenever they like.」というような、ややカジュアルなスピーチのような文体だったと思います。
質問文とかよく入れていましたね。
やはり質問文を入れるのはNGなのでしょうか?
竹林先生
ただ、満点が取りたいとなるとあまり入れない方が良いかもしれません。自分が日本語で文章を読んでいる立場だったらと想像しましょう。いきなり文章に「誰がそんなの好むって言うんです?」というような質問文が出ていたら、どういう印象を受けるでしょうか?
急に読者に馴れ馴れしくなった感は否めないかもしれませんね。
竹林先生
そして自ずと落ち着いた、いかにも「アカデミック」な、論文的な文章が書けるようになったのだと思います。
30点満点を出した時は、これを特別意識した感じはなかったですが、無意識に口語的な表現は避けたのだと思います。
英会話に慣れている人ほど、口語的な文体で書きがちなので要注意! 目指すは「アカデミック」らしい、落ち着きがあり、書き手として信頼される文体。
②「Integrated」は、リスニングの内容が鍵
30点満点の秘訣2つ目は何でしたか?
竹林先生
Integratedは、内容が正しく理解できているかもスコアに当然影響すると思うので、26~28点しか取れなかった時は、自分でも気づかないような誤解があったのかなって思います。
30点の時は完全にリスニングを理解できた感じだったんですか?
竹林先生
なのでリスニングの理解度がどれほどだったか、今の私には推測することしかできませんが、30点を取った時は、確かにIntegratedの形式にもだいぶ慣れてきて、余裕を持ってメモを取れたと思います。メモの内容も、正確だったのではないでしょうか。
やはりリスニングの内容をメモする時は、落ち着いてできることが大切ですね。
竹林先生
どんな所をメモれば満点が取れるのでしょうか?
竹林先生
書いている最中って、書く事に気を取られて他の情報を聞き逃しちゃったりしませんか?
竹林先生
たとえばメモりたい名前や数値があったとする。まずそれを頭の中で、「今からこれをメモるぞ」と自分に唱えます。
私は単語のスペルは書いて覚えた口ですから、ほとんどの英単語は、あまり意識しなくても手が勝手にスペルを正しく書いてくれます。
スペルや数値は手に書かせて、頭は音声に集中。
こうすることで、メモってる最中の音声も、くまなく聞き続けることが出来ます。
この方法を編み出してからは、私はIntegratedで聞き逃す情報はかなり減ったと思います。
手にスペルを書かせて頭だけリスニングに集中・・・とはかなり高度な技ですね。
学生時代スペルを紙に書いて覚えたという先生ならではの技でしょうか。
いずれにせよ「書きながら聞く」という同時に2つのことをできるようにならないと30点満点の道は厳しそうですね。
リスニングのメモはできるだけ細かく! 名前や数値も漏らさないように。「書く」と「聴く」が同時に出来るよう訓練を!
③「Independent」で求められる「論じる力」とは?
最後に、満点を狙うには単語のレベルや文法の正確さなどが大切なのは言うまでもないと思いますが、Independentで書く内容は、30点満点を狙うにはどんな内容が求められるのでしょうか?
竹林先生
世界の学生の学力の比較でも、日本人の記述力が衰えているとよくニュースでも見ますよね。
竹林先生
アメリカで学んだことの無い日本人が、論じる力を独学で鍛えるとしたら、どんな方法が良いですか?
竹林先生
日本ではレジ袋が有料になりました。これについてあなたはどう思うでしょう?と聞くと、たいていの人は「良いと思う」とか「良くないと思う」とか即答できるのですが、「なぜか」を聞くと答えに窮してしまう。答えられたとしても、その答えがちょっと物足りない。たとえば「環境意識が高まるから良い」とか「低所得者には不公平だから良くない」とか。これだけではまだ物足りないです。
それだけで理由としては充分成り立っているように感じちゃうのですが、満点を取るにはまだ足りないんですね。そこから先はどのように論を発展させればいいのでしょうか?
竹林先生
なぜ環境意識が高まると良いのか? なぜ低所得者に不公平だと良くないのか?すると「自然環境は一朝一夕に改善しないから、まずはレジ袋を無くすという些細な事から始めた方が良いから」だとか、「所得に関係なく一律に同じ額を1袋ごとに請求すると、お金持ちが得してしまう。
すると金持ちには痛くも痒くもないから、有料でもレジ袋を使い続けてしまうかもしれない」だとか、いろいろ話が広がります。
なるほど、30点満点を取るには、それくらい深く語らないといけないのですね。でもそこまで深く論じると、今度は英訳が大変ですね。
竹林先生
TOEFLは、決して「完璧なネイティブ級の英語」を要求しません。
かなり込み入った複雑な内容でも、それを英語で言おうという努力が見られるか。そういう「努力」が無く、あっさりとした内容&簡素な表現で終始してしまうと、やはり25点の壁を超えることは難しいと思います。
複雑な内容を、ネイティブが見てもある程度自然な英語で決まっていれば、29~30点の領域です。
1つの事柄に「なぜ?」と2度自問し、論をしっかり深める! 完璧な英語でなくとも、込み入った内容を英語で言おうという「努力」が見られるかが30点満点の鍵。
文字数はどれくらい書くのが正解?
ライティングの文字数は、Integratedは150~225語、Independentは300語以上という指定がありますが、先生はこの文字数通りに書いていますか?
竹林先生
私は冗舌になるきらいがあるので、むしろその文字数に収めるのは無理です。Integratedは300語近く、Independentは500語以上書く事も多いですよ。
Independentは500語も書くんですね! やはり「多く書けば書くほど点が上がる」という噂は本当なのでしょうか。
竹林先生
英語試験をよく受ける他の英語講師の人のお話とか聞いても、30点満点近くを出す人は、やはりIndependentでは500語前後書いていますし、私が30点満点を出した時も、400台後半くらいの文字数は行ったと思います。
満点を取るのに必要な語彙力のレベルは?
満点を取るライティングというのは、難しい単語も使った方がいいと思うのですが、どれくらい難しい単語を使った方がいいのでしょうか?
竹林先生
この記事を読んでいる人の中にも、そういう高度な単語を使っているのになかなか25点を超えないという人も多いのではないでしょうか。
そういう人には、何が足りないのでしょうか。
竹林先生
動詞はdeteriorateだのfacilitateだの難儀な単語を使っているのに、人が主語の時は単語が常にpeopleだったら「バランス」が悪い。
Peopleをcitizens, denizens, members of societyなどに書き換えることは一応可能ですし、もっと具体的にadults, workers, business people, artists, managersなど、文脈に応じて様々な言葉に置き換える事だって可能なはずです。
そういうパラフレーズをせず、一部ではすごい難しい単語、一部ではすごい簡単な単語が混ざり合って「バランスが悪い」状態になると、やはり印象は悪くなってしまいます。
では、すごく簡単な単語だけを最初から最後まで使ったらどうなりますか? 一応「バランス」は取れますが。
竹林先生
満点講師の30点満点解答例はどこで見られる?
ちなみに、先生が書いた「満点のライティング解答例」を拝見することは出来ますか?
竹林先生
実際、授業内で、生徒さんが書いたトピックと同じトピックで、私が書いたバージョンをサンプルとして生徒さんにお見せしたりお渡ししたりする事も時々あります。
私も、いつでも30点満点を取れるわけではありませんが、25点以上はほぼ確実に取れるだろうという解答例はいつでも書けます。生徒さんオリジナルのトピックでも対応できると思います。なので、ぜひ私の授業を受講して下さいね(笑)
レッスンの宣伝になってしまいましたが(笑)、先生、ありがとうございました。ぜひ「4技能全部」で同時に30点満点を目指してください!