多くの英語試験は、時代とともに「試験問題の出題傾向」を変化させるケースが大半です。
そのため、公式問題集なども定期的に更新され、時代に合わせた問題が出題されるようになっています。
ですが英語試験によっては、長い歴史の中で「試験形式そのものが変わる」というケースも珍しくありません。
今回は、数ある試験の中でもTOEFLが実施していたTOEFL PBTの基本情報や試験内容について紹介します。
TOEFLの歴史や、現在実施されているTOEFL iBTが誕生した経緯を知りたい方であれば、ぜひ当コンテンツをご参照ください。
現在実施されているTOEFLにはどんな種類がある?
TOEFLの種類 | |
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種類 | 概要 |
TOEFL iBT | 大学・大学院レベルのアカデミックな場面で必要とされる、英語運用能力を測定 |
TOEFL ITP | ペーパーベースで受験する団体向けのTOEFLテストプログラム |
TOEFL Junior | 中高生向けに難易度を調整したTOEFL |
TOEFL PBTの基本情報を紹介する前に、TOEFLの主な種類についてカンタンに紹介しておきましょう。
TOEFLは、英語試験のなかでも「英語を母語としない人々の英語コミュニケーション能力をはかる」役割を持つ試験です。
ほぼすべての英語圏で使用できるという信頼性の高さから、日本国内でもたくさんの方が海外留学や進学のために受験をしています。
上図のように、いくつかの種類に分かれていますが、なかでも一般的なのはTOEFL iBTです。
コンピューターで受験をする試験となり、単純にTOEFLと言えば「TOEFL iBT」を指すケースが大半です。
受験者の数も、最も多い種類の試験となっています。
TOEFLのなかでは、教育機関で最も採用されている実績もあるため、TOEFLの受験を検討する場合は、TOEFL iBTを選択するのが確実です。
このTOEFL iBTに次いで人気があるTOEFL ITPは、企業や学校で実施される団体向けのTOEFLです。
試験でコンピューターを使わず「ペーパーベースで受験をする」という特徴がありますが、令和の現在は、パソコンを利用して行うデジタル受験も可能です。
なお、TOEFL ITPについては以下のページでもわかりやすく紹介しているので、問題形式や出題傾向などを詳しく知りたい方は以下のページをご参照ください。
TOEFL PBTとはどんな英語試験?
TOEFLの基本情報について把握できたところで、本題であるTOEFL PBTの紹介に移りましょう。
TOEFL PBTとは、「Paper-based Test(ペーパーベーステスト)」の頭文字から名付けられた、TOEFLの一種です。
TOEFLの試験は、50年以上も前の1964年から実施されていますが、その最初の試験に採用されたのがTOEFL PBTなのです。
「50年以上の歴史を持つTOEFLの元祖」、「TOEFLのファーストモデル」と言えば、その凄さを想像しやすいでしょう。
TOEFL PBTの試験問題はリスニング、リーディング、文法の3種類に分かれ、解答はすべてマークシートで行う方式です。
そんなTOEFLのパイオニアとも言えるTOEFL PBTは、1981年を境に日本でも受験ができるようになりました。
そこから十数年はTOEFLと言えばTOEFL PBTが一般的でしたが、2005年に登場したTOEFL iBTがTOEFLの主流となったのを期に、TOEFL PBTも次第に廃れていったのです。
2007年には、日本でTOEFL PBTの終了が正式に発表され、以降は国内で受験することはできなくなりました。
こうして日本国内では幕を下ろしたTOEFL PBTですが、試験形式や問題は、団体向けのTOEFLであるTOEFL ITPに一部受け継がれています。
そのため間接的ではありますが、TOEFL ITPを受験することで、日本国内でもTOEFL PBTの問題を解くことは可能です。
TOEFL PBTを受験する方法はある?
結論から言えば、2021年の現時点でTOEFL PBTの試験を受験する方法はありません。
先の項で紹介したように、日本国内では2007年で終了したTOEFL PBTですが、一部の国々では継続して試験が行われていました。
そのため、「開催されている国に足を運ぶ」という方法であれば、国内で廃止されたTOEFL PBTを受けること自体は可能だったのです。
物好きな方の中には、この方法でTOEFL PBTを受験したという方もいたかもしれません。
ですが、2012年にETS(TOEFLの公式団体)がTOEFL PBTテストの段階的廃止を発表したのを皮切りに、次第に試験を実施する国も少なくなっていったのです。
その後、2017年に全世界でTOEFL PBTテストが終了したのをきっかけに、TOEFL PBTを受験する方法もなくなりました。
本試験こそ受験はできませんが、古い書籍を扱っている店舗を根気よく探せば、民間の企業が出版したTOEFL PBTの模試や問題集などを見つけることができるかもしれません。
とはいえ、試験の実用性を考慮しても、労力に見合う効果は期待できないでしょう。
なお、TOEFL PBTは廃止されたものの、新たな種類として「改訂版TOEFLペーパー版テスト」という新しい試験が提供されています。
この試験はインターネットが使用できない地域にのみ実施され、日本国内では受験できません。
TOEFL CBTとはどんな英語試験?
TOEFL PBTの基本情報に加えて、TOEFL CBTについても簡単に紹介します。
TOEFL CBTとは、1998年に開始されたコンピューター版のTOEFLテストのことです。
TOEFL PBTのようにリスニング、リーディング、文法にプラスして、ライティングのセクションが新たに加わっています。
ペーパーテストの元祖がTOEFL PBTなのに対し、コンピューターテストの元祖と言える存在がTOEFL CBTなのです。
大きな特徴として、TOEFL CBTには現在のコンピューター受験の主流であるTOEFL iBTのように、スピーキングセクションがありません。
このスピーキングセクションがない理由は明言されていませんが、当時のパソコンやマイクの性能では、「スピーキングのスキルを正しくはかることが難しかった」などの理由が考えられます。
TOEFLを受験するならTOEFL iBTがおすすめ
さて、そんなTOEFL CBTも2006年にテストが終了し、世界のどこでも受けることができなくなりました。
これは現在の主流であるTOEFL iBTが、同年TOEFL CBTに代わって導入されたためです。
同じコンピューター版のTOEFLであるTOEFL iBTは、文法のセクションに代わってスピーキングが導入された試験になります。
これによりTOEFLは、英語圏での生活や勉強に欠かせない「英語を聞く、読む、書く、話す」の4セクションをバランスよくテストできる英語試験に進化したのです。
TOEFL iBTが150ヶ国の11,000を超える機関で採用されている実績は、高い信頼性の表れと言えるでしょう。
英語試験を受ける目的はさまざまですが、「TOEFLの受験を検討している」という方であれば、迷わずTOEFL iBTを選択することをおすすめします。
なお、TOEFL iBTについて、以下のページでも解説をしているので、詳しく知りたい方であればご参照ください。
TOEFL iBTの基本情報やテスト構成について、わかりやすく紹介しています。
今回は、TOEFL PBTの基本情報やTOEFLの歴史について詳しく紹介しました。
ちなみに、現代主流となっているTOEFL iBTは、TOEFL PBTよりもセクションが多い分、試験対策やスコアの取得が難しいと言えます。
人によって、英語試験のセクションごとに得手不得手が分かれますが、TOEFL iBTで高いスコアを目指すには、得意分野をより伸ばし、苦手分野を克服することが不可欠です。
リスニング、リーディング、ライティング、スピーキングのセクションをバランスよく強化できれば、ハイスコアを目指すことも夢ではありません。
もしも、「苦手なセクションの対策をしたい」「得意なセクションをより伸ばしたい」という方であれば、TOEFL iBT対策として、バークレーハウスのレッスンプログラムを受講してみてはいかがでしょうか。
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TOEFL iBTの対策を検討している方はぜひ参考にしてください。