海外留学や大学入試にTOEFL iBTを取得しようと志す方のために、本記事では「TOEFL iBTで出題される英単語と、それらの学習法」について見ていきたいと思います。
TOEFL iBTに出てくる英単語
まずTOEFL iBTに出題される英単語についてですが、大きく分けると「一般的な語句」と「アカデミックな語句」という2種類のものになります。
「一般的な語句」というと日常生活で使用する、いわゆる英単語の「基礎2000単語」と呼ばれるようなものです。
これは4技能すべてにおいて必須なので、TOEFL iBTに限らず英語学習をする際に真っ先に取り組まないといけない単語の学習範囲でしょう。
対して「アカデミックな語句」というとその名のとおりですが、日常では目にしないけれども、大学などのアカデミックな場では使用されることが多い語句のことです。
たとえば”flora”や”fauna”といったような単語はアカデミックな語句に当たります。
意味は”flora”が「植物」、”fauna”が「動物」で、主に生物学の分野で話をする際に用いられます(より分野に適した訳をするとすれば「植物相」や「動物相」という言葉が適当でしょうか)。
そのため、日常生活であればほとんどの場合において”plants”や”animals”といわれるはずです。(日本語でも日常的に「植物相」や「動物相」などという人はあまりいないですよね?)
このような、すこしハイレベルかつ学問的な単語がアカデミックな場では頻繁に使用されるため、受験者はハイスコアを目指す場合にはそれらを知っている必要があります。
あとは4技能ともに特定の動植物の名前などが出てくることが多いです。
それらはカテゴリーとして動物や植物だということさえわかっていれば問題なく解答できるので、とくにフォーカスして覚える必要はありません。
英単語帳の選び方
TOEFL iBTやIELTSなど、英語試験の学習において生徒さんからよくされる質問が「どの単語帳が良いですか?オススメはありますか?」というものです。
これに対する回答は、すこし大雑把かもしれませんが「その試験用で音声さえついていれば何でも良い」です。
なぜなら、今まで何冊も単語帳を使ってきましたが、どの単語帳も同じ試験対策用の物であれば収録してある語句は大体が同じだからです。
もし単語帳に収録されている語句が実際に試験で使用されるものと大幅に異なるトンチンカンなものであれば、それは試験対策をするうえで問題ですが、市場である程度売れているものであればそういうことはないと思います。
よって、ネットなどでメジャーなものか、あるいは書店で見て最もレイアウトやデザイン、サイズ感などがしっくりくるものを選べば良いと思います。
ただ、単語帳は日常的に肌見放さず持ち運ぶものなので、ものすごく大きくて分厚い、辞書のような単語帳はオススメしません。
あとは、収録されている音声が「単語だけ」なのか「例文も読み上げるパターン」(あるいは両方あってどちらか選べる)なのかという点は大事なポイントです。
単語帳の音声を聞く際に例文の音声は不要だと思います。
なぜなら「英単語⇒日本語訳」という流れだけで聞ける方が一単語あたりに割く時間が短くて済むからです。
のちに単語学習の方法について説明しますが、これはとても大事なポイントです。
以下の単語帳はTOEFL iBT対策においてもっともメジャーで、レイアウトも悪くないため、これから単語帳がほしいという人はこれを買えば間違いないでしょう。
英単語(表現)の学習法
次に単語学習の方法について見ていきます。
ポイントは「狭く深く」ではなく「広く浅く」ということに尽きます。
言い換えれば「少ない数の単語に対して理解を深めていく」のではなく「たくさんの単語に浅く触れていく」ということです。
なぜなら、記憶というのは頻繁に出会うものを重要だと認識して自動的に覚えるものだからです。
たとえば、クラスメイトや会社の同僚のように日常的に会う人の顔や名前は意識せずとも勝手に覚えるものではないでしょうか?
それと同じで、いかに一定期間で同じ表現に複数回出会うかということが単語学習をするうえで大切です。
よく単語を何十回も書いて覚えるという方がいますが、学習効率という観点でいうとあまり良くないと思います。
とくに、TOEFL iBTの場合はIELTSのようにListeningで単語の書き取りがないのでスペリングはそこまでシビアになる必要はありません。
単語帳の使い方
いかに効率よく短期間で同じ表現に出会うかということですが、単語帳では注目する範囲を絞ることをおすすめします。
単語帳というのは通常、ひとつの単語に対してたくさんの情報が記載されています。
だいたい以下のような5つではないでしょうか。
- ①英単語(スペル)
- ②日本語の意味
- ③発音記号
- ④同義語(あるいは対義語)
- ⑤例文
もしこれらすべてをカバーしようとするとひとつの単語に付随する情報量としては5になります。
ということは10単語を覚えようとするとすれば単純に50の情報をインプットしないといけません。
それではあまりにも情報量が多くなってしまうので基本的には①~③だけにフォーカスします。
なぜならこの3つは最低限、読んで、聞いて英語を理解するために必要となるからです。
そうすれば一単語につき3の情報なので10単語覚えるときも30の情報量で済み、すべて覚えようとする時よりも明らかに作業量が少なくなります。
以上のようなことを生徒さんに伝えると「例文を無視したらWritingやSpeakingでどうやって使っていいか分からない」と言われることがあります。
それはたしかにと思えるポイントですが、そもそも単語帳というのは「聞いて、読んでわかる単語を増やすこと」が目的であって「書いて、話せる単語を増やすこと」ではないということです。
これも最初の「広く浅く」というポイントと関連しています。
そもそも発音やスペリングも知らない全く新しい単語を覚える時に、書くことや話すことというアウトプットで活かす段階までを考え出すと情報量が増えると、単語学習において重要な「短いスパンで同じ単語に複数回出会う」というポイントからズレてしまいます。
単語を覚えるときは、まず「聞いて読んで理解できる」レベルに持っていき、そこから「書ける、話せる」という次の段階へ引き上げていきましょう。
言語学では前者の単語を”passive vocabulary”と呼び、後者の単語を”active vocabulary”と呼びます。
この単語の引き上げ作業はまた別途、実際にアウトプットというアクションのなかでおこなっていかないといけません。
WritingやSpeakingで使用できる単語力をつけるためには?
ではactive vocabularyを効果的に増やすためにはどうすればいいのかと言うと、前述のとおり実際にセンテンスを作っていかなければいけません。
その際は日記でも、試験用のエッセイでも、あるいは独り言でも、どのような形でも良いと思います。
シンプルなことですが、とにかく実際に話したり書いたりするアクションの中で語句を使用することが重要です。
センテンスが出来たら、できれば誰か英語ができる人に添削してもらうのがベストですね。
せっかく使い方を覚えたのに使い方が間違っていてはもったいないですから。
身近にチェックしてくれる人がいない場合は、単語帳や辞書に収録されている例文を参照してみましょう。
動詞のうしろにどのような名詞や前置詞がくるのかなど、有益な情報が載っているはずです。
アカデミックな語句の覚え方
より高いレベルになってくるとアカデミックな語句が増えてくるため、今まで見たこともなく中々記憶に定着しづらいものが増えてくると思います。
そんな時に重要なのは自分がすでに持っている情報を新しい語句と結びつけていくということです。
たとえば前述の”flora”や”fauna”が典型的な例です。
これらは見たことがないかもしれませんが簡単にしてしまえば”plants”と”animal”のようなすでに知っている身近な単語になります。
このようなケースは単語学習をする上でたくさん出会うと思うので、その度に単語帳にメモして覚えていきましょう。
覚えやすいということ以外にこれをするメリットは、同義語のストックを増やすことが出来るのでReadingやListeningで言い換えに気づきやすいことや、SpeakingやWritingでパラフレーズがしやすくなるということがあります。
どの単語を覚えるべきか?
単語学習において「どの語句を覚えれば良いのか」というのも重要な点になってくると思います.
「Readingのパッセージに出てくるすべての単語をカバーする必要はあるか」という質問がよくあります。
とくに学習に対して意欲の高い方に多いように思いますが、これは学習効率の観点からいうと非効率に思います。
たしかにパッセージの中に登場する語句をすべて覚えることができればパッセージを読むたびに劇的に語彙力を上げていくことが出来ますが、あまりにも作業量が多すぎるため、ほとんどの人にとっては非現実的でしょう。
そこで、テストの点数に直結するような必須の語句だけに絞って覚えていくことをおすすめします。
どの単語が必要なのかを見分ける最もシンプルな方法は単語帳を見ることです。
TOEFL iBTの単語帳は大体レベルごとにセクションが分かれており「このくらいの点数を取りたい人はここまで」という作りになっていると思います。
なので、とにかく単語帳で自分の必要スコア内に出てくる単語を優先的に覚えましょう。
極端な話をすると、60点を取りたい人は80点や100点以上を目指す人が必要とする単語を覚える必要はないと思います。
なぜなら、高得点で必要な単語になるほど頻度が低いので、覚えたところで得点アップには繋がりにくいからです。
覚える単語を選定するときのもう一つのポイントは「見たことあるけれど意味がわからない単語」を覚えることです。
見たことがあるということは、基本的には頻度が高い語句(=重要な語句)の可能性があるので覚える必要が出てきます。
スコアを上げるために
今回はTOEFL iBTに必要な単語学習について見ていきましたが、とにかく重要なのは完璧主義を捨てることだと思います。
必要な単語や情報をしっかりと絞って「広く浅く」というのを意識しつつ学習していきましょう。
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