
TOEFL iBTでは、「リーディング・リスニング・ライティング・スピーキング」のすべてのセクションで、高い語彙力が求められます。
- 何語くらい覚えればいいの?
- TOEICや英検とはどこが違う?
- どの単語帳を使うべき?
上記のような疑問を持っている方も多いのではないでしょうか。
本記事では、目標スコア別に必要な語彙数の目安を紹介するとともに、TOEFL iBTに特化したおすすめの単語帳や、効率的な覚え方・使い方まで詳しく解説します。
スコアアップに直結する語彙力を、効果的に伸ばすためのポイントをこの記事でしっかり押さえましょう。
TOEFL iBTに必要な英単語レベルとは?

TOEFL iBTを受験するにあたって、どの程度の語彙力が必要なのでしょうか?
このセクションでは、目標スコア別に求められる語彙数の目安や、TOEIC・英検など他の英語試験との違いについて詳しく解説します。
TOEFL iBTの詳細について知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。
【スコア別】TOEFL iBTで必要な単語数の目安
TOEFL iBTで求められる語彙力は、目指すスコアによって異なります。
以下のスコアは、一般的な目安です。
- 60点:5,000〜8,000語
- 80点:8,000〜10,000語
- 90点:10,000〜13,000語
- 100点:13,000語以上
スコアが高くなるほど、抽象的かつアカデミックな語彙の理解が求められます。
とくにリーディングでは専門用語や学術的な表現が多く登場し、ライティングやスピーキングでも語彙の多様性が評価基準の一部となっています。
単語を「知っている」だけでなく、「使いこなせる」状態にすることが、スコアアップの鍵です。
文脈に応じた使い方を意識した語彙学習を心がけましょう。
TOEFL iBTのスコアを上げる方法については、こちらの記事を参考にしてみてください。
TOEIC・英検との語彙レベルとは違う?
TOEICや英検とTOEFL iBTでは、問われる語彙の性質が大きく異なります。
TOEICはビジネスシーンを想定しており、「会議・メール・プレゼン」など実用的な語彙が中心です。
英検では日常会話から文法・語彙知識まで幅広く出題されます。
一方、TOEFL iBTでは、大学の講義・学術論文・ディスカッションなどを前提としたアカデミックな語彙がメインとなります。
専門的・抽象的な単語が頻繁に登場するため、TOEICや英検で高得点を取っていても、TOEFL対策は別途必要になるケースが多いです。
そのため、TOEFL専用の単語帳や教材を活用し、試験の特徴に合わせた語彙対策を行うことが効率的な学習につながります。
英単語帳の選び方
TOEFL iBT対策では、単語帳の選び方が語彙力アップの鍵を握ります。
限られた時間で効率よくスコアを伸ばすためには、試験の出題傾向に合った単語帳を選ぶことが重要です。
TOEFL iBTに特化したものを選ぶ
まず第一に、TOEFL iBTに特化した単語帳を選ぶことが基本です。
TOEFLでは、TOEICや英検とは異なり、アカデミックかつ抽象的な語彙が数多く出題されます。
そのため、日常会話やビジネス英語中心の教材ではカバーしきれない語彙が多く登場します。
必ずTOEFL用の単語帳で学習を進めるようにしましょう。
市販されているTOEFL対策用の単語帳であれば、収録されている単語には大きな違いはありません。
ですので、書店などでレイアウトやデザイン、サイズ感を確認し、「自分が続けやすい」と感じるものを選ぶのがポイントです。
音声が付いているものを選ぶ
TOEFL iBTの対策では、「見て覚える」だけでなく「聞いて覚える」ことも大切です。
とくにリスニングやスピーキングで高得点を目指すには、発音やアクセントへの慣れが不可欠です。
音声付きの単語帳を選べば、視覚と聴覚の両方を使って効率よく記憶を定着させることができます。
また、収録されている音声が「単語のみ」か「例文付き」かも重要なチェックポイントです。
一般的には「英単語 → 日本語訳」のみのシンプルな構成の方が、1語あたりにかける時間が短く、テンポよく学習できます。
TOEFL iBT英単語対策におすすめの単語帳

TOEFL iBTでは、アカデミックで高度な語彙力が求められるため、試験対策に特化した単語帳を活用することがスコアアップの近道です。
ここでは、おすすめの単語帳を紹介します。
公式TOEFL英単語
TOEFLを運営するETSが初めて開発した公式の単語帳です。
試験のデータベースから18,000語を分析し、出題頻度と重要度に基づいて厳選された1,915語が収録されています。
頻出語彙を中心に構成されており、信頼性の高さが最大の魅力です。
各単語には実際の出題例が掲載されているため、試験本番をイメージしながら学習できます。
また、音声はTOEFL試験と同じナレーターによって録音されており、リスニング対策としても効果的です。
基礎を固めたい方や、TOEFLに初挑戦する方におすすめですが、90点以上を目指す方にはやや語彙数が物足りないと感じる場合もあります。
TOEFLテスト英単語 超必須3500
Jリサーチ出版による単語帳で、10年以上の過去問分析に基づいて厳選された3,500語が収録されています。
Level 1~3の難易度別に分類されており、頻出単語から優先的に覚えられる設計で、効率よく学習を進めることができます。
アプリ連携ができるため、通学・通勤中などスマホでのスキマ学習にも便利です。
初心者から中級者、留学を目指すレベルまで幅広く対応しており、TOEFL語彙対策の入門書としても優秀です。
TOEFLテスト英単語3800 4訂版
TOEFL対策単語帳の定番として長年支持されている、旺文社のベストセラーです。
TOEFL iBTおよびITPの両方に対応しています。
収録されている3,800語は、出題頻度と難易度に応じてRank1(61点目標)〜Rank4(105点目標)に分類されており、目標スコアに応じた段階的な学習が可能です。
付録として「分野別英単語」も収録されており、アカデミックな文章で頻出する専門語彙にも対応しています。
とくにRank3までの語彙は、スコア90以上を目指す受験者にとって必須とされており、語彙力強化を本格的に行いたい方におすすめです。
改訂新版 TOEFL TEST 必須英単語 5600
アカデミックな内容に特化した、中〜上級者向けの単語帳です。
60の学術テーマ別の長文(200〜300語)を通して、語彙を学習していく構成になっており、実際の講義や論文に近い形式で英単語を習得できます。
人類学や天文学など、多様な分野にわたる語彙を5,600語がカバーされ、リーディングやライティングで高スコアを狙いたい方、語彙力をさらに一段引き上げたい方に最適です。
とくにリーディングやライティングセクションで頻出の、専門的な英単語が豊富に収録されています。
単語だけでなく、例文も大学レベルの内容に近いため、試験での実戦力が養われます。
スコア100以上を目指す学習者にとくにおすすめです。
TOEFLテスト英熟語700 4訂版
単語だけでなく、熟語(イディオム)の習得もTOEFL攻略には欠かせません。
この単語帳には、TOEFLテスト対策(iBT・ITP)で必要とされる熟語・口語表現が700厳選されて収録されています。
5日間×10週で一冊を学習することができ、各週は1日〜4日までが熟語、5日が口語表現で構成されています。
例文とあわせて意味や使い方が丁寧に解説されており、記憶に残りやすい工夫がされています。
スピーキングやライティングで表現の幅を広げたい方におすすめです。
もっとTOEFL参考書について知りたい方は、こちらの記事もぜひチェックしてみてください!
TOEFL iBTの英単語の覚え方
TOEFL iBTでは、高度な語彙力が求められるため、効率的な単語の覚え方を身につけることがスコアアップへの近道です。
続いては、TOEFL対策に効果的な英単語の覚え方を紹介します。
“広く浅く”を意識して単語帳を使う
単語学習においては、「狭く深く」よりも「広く浅く」が効果的です。
記憶は、何度も出会う情報を「重要」と判断して定着する仕組みになっているため、できるだけ多くの単語に、繰り返し触れることが大切です。
つまり、一度に完璧に覚えようとするのではなく、まずはざっと全体に目を通し、その後に何度も復習するスタイルがおすすめです。
一定期間内に同じ単語に何度も出会うことで、自然に記憶が定着していきます。
また、TOEFL iBTではIELTSのようにリスニングでの「スペリング書き取り」は求められないため、綴りを細かく覚えるよりも、「見て・聞いて・意味を認識できる」状態を目指す方が効率的です。
繰り返し目や耳に触れる学習スタイルを取り入れましょう。
すでに知っている単語と結びつけていく
TOEFL iBTでは、アカデミックな単語や抽象度の高い語彙が多く登場します。
そのため、初めて見る単語がなかなか覚えられないと感じることもあるでしょう。
そういったときに有効なのが、「すでに知っている語彙と関連づける」記憶法です。
たとえば、「flora(植物相)」や「fauna(動物相)」といった単語は馴染みがないかもしれませんが、それぞれ「plants(植物)」「animals(動物)」という基本語と対応しています。
このように、見慣れない単語でも自分がすでに知っている単語と意味的に結びつけることで、記憶に残りやすくなります。
この学習法のもう一つのメリットは、同義語(シノニム)のストックが増えることです。
リーディングやリスニングでは言い換え表現に気づきやすくなり、スピーキングやライティングでもパラフレーズがしやすくなります。
知らない単語に出会ったら、その意味と一緒に「似た意味の知っている単語」と結びつけて、単語帳にメモしておくとよいでしょう。
TOEFL iBTの英単語帳の使い方

短期間で効率よく語彙力を高めるには、「短い期間に同じ単語に繰り返し出会うこと」が重要なポイントです。
そのためには、単語帳を使う際にすべての情報を網羅しようとせず、あらかじめ注目するポイントを絞るのが効果的です。
一般的な英単語帳には、1つの単語に対して以下のような情報が掲載されています。
- 英単語(スペル)
- 日本語の意味
- 発音記号
- 同義語・対義語
- 例文
これらすべてを一度に覚えようとすると、1語あたり5つの情報を処理する必要があります。
10語覚えようとすれば、計50の情報量になり、これでは負担が大きすぎて、学習効率が低下してしまいます。
そこでまずは、①英単語、②日本語の意味、③発音記号の3点に絞って学習することをおすすめします。
これらは「読んで理解する」「聞いて意味を取る」ための最低限の情報で、リスニングやリーディングの得点力にも直結します。
この3つに集中するだけで、10語あたりの学習負担は30の情報に減り、よりスピーディに学習を進められるようになります。
「例文を無視してしまうと、ライティングやスピーキングで使い方が分からなくなるのでは?」と心配する方もいるでしょう。
たしかに、表現の使い方を知るうえで例文は有益です。
しかし、単語帳の本来の目的は、「聞いて読んで理解できる語彙(受容語彙)」を増やすことであり、「書けて話せる語彙(運用語彙)」を一気に身につけることではありません。
覚える情報を増やしすぎると、同じ単語に繰り返し出会う頻度が減ってしまい、かえって記憶に残りにくくなってしまいます。
まずは「見てわかる」、「聞いて意味が取れる」語彙を増やすことを優先し、実践演習を通して徐々に「使える語彙」へと育てていきましょう。
WritingやSpeakingで使える単語力をつけるには?
では、「書けて話せる語彙(運用語彙)」を効果的に増やすためにはどうすればいいのでしょうか?
これには、実際にその語彙を使ってセンテンスを作ることが不可欠です。
使い方はさまざまで、日記を書く、TOEFLのエッセイ課題に挑戦する、独り言で練習するなど、自分が無理なく続けられるスタイルでOKです。
大切なのは、“実際に使ってみる”というアウトプットのアクションを通じて、その単語の使い方を体にしみ込ませていくことです。
センテンスが書けたら、できれば英語が得意な人に添削してもらうのが理想的です。
せっかく覚えた単語でも、文法や使い方が間違っていると逆効果になってしまいます。
添削してくれる相手がいない場合は、単語帳や英英辞典に載っている例文を積極的に活用しましょう。
とくに動詞の場合は、どんな名詞と一緒によく使われるのか(コロケーション)や、どんな前置詞が後に続くのかなど、実用的な情報が載っているはずです。
例文を“なぞる”だけでも、自然な語順や表現を身につける助けになりますし、同じ語彙を何度も使うことで、徐々に「使える語彙」として定着していきます。
どの単語を覚えるべき?
単語学習を進めるうえで、「どの語彙を優先して覚えるべきか」は非常に重要なポイントです。
なかには「リーディングのパッセージに出てくるすべての単語をカバーする必要があるか?」と考える方もおり、とくに学習意欲が高い方ほど、すべての語彙を網羅しようとする傾向があります。
たしかに、出てきた単語をすべて覚えられれば、読むたびに語彙力を飛躍的に伸ばせるでしょう。
しかし、その作業量は膨大であり、ほとんどの受験者にとって現実的ではありません。
そこでおすすめな方法が、スコアに直結する「必須単語」に絞って覚える方法です。
もっとも簡単で効率のよい方法は、TOEFL iBT対策用の単語帳を活用することです。
多くの単語帳ではスコア帯ごとにレベル分けがされており、「60点を目指す人はRank1まで」「100点を目指す人はRank4まで」など、目標スコアに応じた語彙が提示されています。
このように、まずは自分の目標スコアに応じたセクションの語彙を優先的に覚えましょう。
たとえば、60点が目標であれば、80点や100点以上を目指す人向けの難易度の高い単語までは無理に覚える必要はありません。
というのも、高得点向けの語彙は試験中の出現頻度が低く、スコアへの貢献度が小さいためです。
また、「見たことはあるけれど意味がわからない単語」に注目するのも効果的です。
見覚えがあるということは、それだけ頻出であり重要度の高い単語である可能性が高いからです。
つまり、「頻出・スコアに直結しやすい語彙」に絞って効率よく覚えていくことが、TOEFL iBTの語彙対策では重要なのです。
まとめ
TOEFL iBTで高得点を目指すうえで、語彙力の強化は欠かせません。
まずはスコア別に必要とされる語彙数の目安を把握し、自分の現在のレベルや目標に応じて、段階的に学習を進めていきましょう。
単語帳を選ぶ際は、TOEFLに特化したものを選び、音声付きなどの機能が充実している教材を活用すると、より効率的に語彙を定着させることができます。
「広く浅く」語彙に触れつつ、実際に書いたり話したりする中で、自分の言葉として使いこなせるように練習することが重要です。
本記事で紹介した方法や教材を参考に、ぜひ効果的な語彙学習に取り組み、目標スコアの達成を目指してください。