IELTSについて調べている方のなかには、TOEICとの難易度の違いや、ほかの英語試験と比べたレベル感などについて気になる方もいるでしょう。
本記事では、IELTS 4.5を目指すための具体的な難易度や効果的な学習法について詳しく解説します。
自信をもってIELTSの試験に挑めるように、ぜひ参考にしてみてください。
IELTS 4.5はどんなレベル?
IELTS 4.5は、英語を学び始めた初中級レベルの方が目指すスコアです。
ヨーロッパの基準であるCEFRでは、B1レベルに相当します。
B1レベルは、日常会話や簡単な情報のやり取りはできるものの、複雑な文章や予測しづらい状況では対応が難しいと感じるレベルです。
上記のことから、英語の基礎をある程度身につけた段階といえるでしょう。
IELTS 4.5の難易度
IELTS 4.5は、英語初心者にはすこし難易度が高いスコアですが、中学・高校で学んだ基礎的な英語力があれば達成可能です。
ほかの英語試験と比べると、TOEICで約550点、TOEFL iBTで32〜34点に相当します。
そのため、TOEICやTOEFLを受験した経験がある方は、IELTS 4.5に向けた学習がしやすいかもしれません。
以下の表は、IELTSとほかの英語試験のスコア比較表です。
IELTS | TOEFL iBT | TOEIC | 英検 |
7.5 | 102〜109 | 970〜990点 | – |
7.0 | 95〜101 | 870〜970点 | 1級 |
6.5 | 79〜94 | 820〜870点 | – |
6.0 | 60〜78 | 740〜820点 | 準1級 |
5.5 | 46〜59 | 600〜740点 | – |
5.0 | 35〜45 | 550〜600点 | 2級 |
4.5 | 32〜34 | 500〜550点 | – |
4.0 | 〜31 | 450〜490点 | 準2級 |
上記の表を参考に、英検を基準に見てみましょう。
英検では、準2級が高校2年生レベル、2級が高校卒業程度のレベルのため、IELTS 4.5は高校2〜3年生相当の英語力があれば十分に狙えるスコアです。
次に、IELTS 4.5のレベルを技能別に解説します。
リーディング
リーディングでは、広告やニュース記事、教科書の一部など、日常生活や学習に関連する内容が出題され、主に情報の理解や要点の抽出、事実と意見を区別する力が求められます。
また、日常的なやり取りや指示に関する文章も含まれることが多いです。
そのため、IELTS 4.5を目指す方にとっては、長い文章問題が難しく感じられるかもしれません。
なお、リーディングでもっとも必要とされるのは、単語や表現の理解に加え、文章全体の流れや構成を把握する力です。
リスニング
IELTS 4.5を取得する方のリスニング力は、基本的な日常会話や簡単な情報のやりとりができるレベルです。
ゆっくりと話す英語であれば理解でき、短い指示にも対応できますが、速いペースの会話や複雑な内容には難しさを感じることが多いです。
また、リスニング問題では、日常生活や学術的な場面での会話が出題され、話の要点や詳細な情報を聞き取る力が求められます。
しかし、スコア4.5の方のレベルでは難しい単語や専門用語が含まれると理解が難しくなることがあります。
そのため、全体的には日常で役立つリスニング力が備わっているものの、さらに練習が必要となるレベルといえるでしょう。
スピーキング
スコア4.5の方のスピーキング力は、基本的な自己紹介や簡単な質問への回答ができるレベルです。
日常的な話題については話せますが、複雑な意見や抽象的なテーマを表現するのは難しいことが多いです。
具体的には、簡単な質問に対して短い回答をし、相手との会話を続けることが可能ですが、流暢さに欠けることが多く、言葉を選ぶのに時間がかかることがあります。
また、語彙や文法に限界があるため、詳細な説明や意見を伝えることが難しいこともあるでしょう。
日常会話はできるものの、より複雑な話題にはさらなる学習と練習が必要です。
ライティング
ライティングの能力は、短いエッセイや手紙が書けるレベルです。
基本的なアイデアや情報を整理して書くことはできますが、文法や語彙のミスが多いでしょう。
簡単な文を使って、日常的なトピックについて自分の意見や経験を述べられるものの、複雑な文や幅広い語彙を使うことは難しいです。
そのため、文章の流暢さや正確性に欠けることがあります。
基本的なライティングのスキルはあるものの、さらに文法の理解を深めることが必要です。
IELTS 4.5に必要な勉強時間
IELTS 4.5を目指す場合、初心者の方は約200〜300時間の学習が推奨されます。
上記の勉強時間には、文法や語彙力の強化に加え、リスニング、スピーキング、ライティングなどの各スキルの習得が含まれます。
これにより、基礎的な英語力が向上し、日常会話や簡単な文章を書くための能力が向上します。
学校で学んだ英語や過去に学んだ内容がどれだけ記憶に残っているかも考慮すると、学習に必要な時間は短く済むでしょう。
【技能別】IELTS 4.5達成のための学習法
ここからは、リスニング、リーディング、スピーキング、ライティングの各分野において、効率的な学習方法を紹介します。
それぞれの分野で必要なスキルを高めるための具体的なアプローチを理解し、計画的に学習を進めることで、目標達成への道が明確になるでしょう。
自分に合った学習法を見つけ、効率よくスコアアップを目指しましょう。
全体的な学習戦略
IELTSの試験対策では、まず中学・高校レベルの単語や文法を復習することが大切です。
とくに、リーディングやリスニングはほかのスキルよりも時間がかかるため、最初に対策を始めると効率的です。
具体的な対策としては、過去問などから簡単な英文を選び、読み間違いをしないように精読することが効果的です。
この段階で基礎をしっかり固めておくことで、全体的なスコアアップに繋がります。
以下では、各技能についてさらに詳しく解説します。
リーディング対策
IELTSリーディング対策には、以下の具体的なステップが効果的です。
IELTSリーディング対策のポイント
- 基礎の確認
- 時間配分の練習
- 多様な問題形式への対応
- ミスの分析
- 定期的な練習
- 基礎の確認
中学・高校レベルの単語や文法を復習し、理解を深めましょう。
文章全体の意味を把握しやすくなります。
- 時間配分の練習
各セクションにかける時間を意識し、時間内にすべての問題に答える練習をします。
とくに、初めは簡単な英文から取り組み、徐々に難易度を上げていくことが重要です。
- 多様な問題形式への対応
ヘッディングマッチング、選択問題、真偽判定など、さまざまな問題形式を練習することで、試験本番に備えます。
- ミスの分析
模擬試験を受けたあとは、間違えた問題を分析し、どこでミスをしたのかを確認します。
自分の弱点を把握し、重点的に対策できます。
- 定期的な練習
毎日一定の時間をリーディングに充てることで、着実に力をつけていきましょう。
簡単な文章を多読するのも効果的です。
リーディング対策を計画的に進めることで、スコア向上に繋がります!
リスニング対策
IELTSリスニング対策には、以下の具体的なステップが効果的です。
IELTSリスニング対策のポイント
- 基礎の強化
- パートごとの対策
- 音声の再生回数に慣れる
- スクリプトを活用する
- 実際の試験形式での練習
- 基礎の強化
まずは日常会話のリスニング力を高めるため、中学・高校レベルのリスニング教材やポッドキャスト、YouTubeの簡単な英語動画を活用しましょう。
- パートごとの対策
IELTSのリスニングは4つのセクションに分かれているため、各セクションに慣れることが大切です。
とくに、最初の2セクションは日常生活の会話が中心で、後半は学術的な内容が増えるため、徐々に難易度を上げていく練習をしましょう。
- 音声の再生回数に慣れる
試験本番では音声は一度しか流れないため、繰り返し聞かずに答えを見つける練習をおこないます。
また、放送のスピードに慣れるため、最初はゆっくりした音声で練習し、慣れてきたら通常の速度の音声を使用することが効果的です。
- スクリプトを活用する
リスニング教材にはスクリプトが付いている場合が多いため、リスニング後にスクリプトを見て、聞き取れなかった部分を確認し、リスニング力を強化します。
- 実際の試験形式での練習
模擬試験や過去問題を使って、実際の試験形式でリスニングすることも大事です。
これにより、本番でのリズムや流れに慣れることが可能です。
リスニングではメモを取らず、聞きながらその場で解答する形式のため、実際の試験と同じ方法で練習することが大切です。
また、イギリス、アメリカ、オーストラリアなど、さまざまな国のアクセントに慣れることも重要です。
これにより、異なる発音にも対応できるようになります。
スピーキング対策
IELTSスピーキング対策は、以下のポイントを意識しておこなうと効果的です。
IELTSスピーキング対策のポイント
- 自己紹介や簡単な会話の練習
- 幅広い話題への対応力
- 文法と語彙の強化
- 流暢さと一貫性
- フィードバックを受ける
- 自己紹介や簡単な会話の練習
IELTSスピーキングでは、パート1で日常的な話題について答える必要があります。
自己紹介や日常の出来事について話す練習をしましょう。
話題は自分の興味や仕事、家族、趣味など簡単な内容が中心のため、自信をもって話せるようにしておきます。
- 幅広い話題への対応力
パート2では1〜2分間のスピーチが求められます。
とくに「あなたが最近行った場所」や「好きな本」など、抽象的なテーマでも話ができるよう、さまざまなテーマについて自分の意見を述べる練習をしましょう。
- 文法と語彙の強化
スピーキングでは、文法と語彙力が評価されます。
日常の英語表現を学びながら、表現のバリエーションを増やし、簡単な言い回しを避ける練習を心がけます。
- 流暢さと一貫性
スムーズに話し続ける練習も重要です。
間違いを気にしすぎず、自分の意見を述べ続けることで、流暢さと一貫性が評価されやすくなります。
相手の質問に対して、できるだけ長めに具体的に答える練習を重ねましょう。
- フィードバックを受ける
できればネイティブスピーカーや英語教師から定期的にフィードバックをもらい、自分の弱点を改善します。
また、試験形式の練習をおこない、質問に対して適切に返答する力を養うことも大切です。
スピーキングは比較的採点基準が甘いとされており、ポイントを押さえた練習をすることでスコアアップが狙えます。
とくに、流暢さと会話の繋ぎ方が重要で、文と文をスムーズに繋げて自然に話す練習をしましょう。
また、フィラー(um, uh など)を上手に使うことも評価されます。
さらに、発音も評価されるため、正しい発音やイントネーションに注意しながら練習を続けることが効果的です。
ライティング対策
IELTSライティング対策は、以下のポイントを意識することが大切です。
IELTSライティング対策のポイント
- タスクごとの対策
- 文法と語彙力の強化
- エッセイの構成練習
- 模範解答の分析
- フィードバックを受ける
- タスクごとの対策
ライティングはTask1とTask2に分かれています。
Task1ではグラフや図表のデータを要約するスキル、Task2ではエッセイを書く力が求められます。
まずはどちらのタスクにも対応できるよう、それぞれのフォーマットや書き方を習得しましょう。
- 文法と語彙力の強化
正確な文法と幅広い語彙の使用が重要です。
とくに、Task2では論理的な構成や多様な表現を使うことが評価されます。
簡単な表現だけでなく、言い換えや文をつなげる技術を練習することが必要です。
- エッセイの構成練習
Task2のエッセイでは、序論、本文、結論という明確な構成が求められます。
論理的に自分の意見を展開し、主張を裏付ける具体例を挙げることで、高い評価を得られます。
とくに意見を述べる練習を積み、自己主張を明確にできるようにします。
- 模範解答の分析
過去の模範解答や高得点のエッセイを分析することで、どのような構成や表現が高評価につながるのかを学びます。
定期的に模擬試験をおこない、タイムマネジメントも練習しましょう。
- フィードバックを受ける
自分で書いたエッセイを第三者、できれば英語教師やIELTSの経験者に添削してもらい、改善点を確認します。
文法ミスや構成の弱点を把握することで、着実にスキルアップができます。
全体的な学習戦略として、まず文法を復習し、正しい文を作れるようにしましょう。
短いエッセイを頻繁に書き、添削やフィードバックを受けることで文章力を向上させることが可能です。
上記で紹介した学習法を取り入れることで、ライティングスキルを効率的に高められます。
IELTS対策に効果的!おすすめ教材4つ
IELTS 4.5の取得に向けて、おすすめ教材を紹介します。
オンラインやアプリで学習できるものも紹介するため、自分のレベルやスタイルに合うものからスタートしていきましょう。
【問題集】これでわかる英文法中学1〜3年
『これでわかる英文法中学1〜3年』は、初心者向けの教材で、中学レベルの英語をしっかり網羅したい方におすすめです。
とくに、文法の解説を読むだけでなく、練習問題を通じて理解を深め、実践的な力を身につけることができます。
中学1年から3年までの内容がカバーされているため、基礎を固めたい方に最適です。
【問題集】Complete IELTS Bands 4–5 Student’s Book with Answers
『Complete IELTS Bands 4–5 Student’s Book with Answers』は、初心者向けで、IELTSオーバーオールスコア4〜5を目指す方に適した教材です。
リスニング、リーディング、スピーキング、ライティングといった全セクションで注意すべきポイントが網羅されており、バランスよく学習できます。
全編が英語で書かれているため、英語での学習に抵抗がない方向けの内容となっています。
【問題集】スコアに直結!IELTS徹底対策テキスト&問題集
『IELTS 徹底対策』は、元IELTS試験官であり、日本で15年以上IELTSを指導しているベテラン講師が著者の教材です。
IELTSの試験内容や概要の解説が含まれており、初めて受験する方にもわかりやすく丁寧に説明されています。
実践的な対策が詰まっているため、スコアアップを目指す方におすすめの一冊です。
【アプリ】ELSA Speak
ELSA Speakは、パーソナライズされたAI英語コーチを提供するアプリで、スピーキング力向上を目指します。
8,000以上のアクティビティを通じて、発音の改善だけでなく、文法や語彙の強化も効果的におこなうことが可能です。
IELTSのスピーキングセクションで高スコアを目指すために、実践的な練習ができる点が特徴です。
IELTS対策はバークレーハウスへ
今回はIELTS 4.5の取得に向けた効果的な学習法や難易度などについて解説しました。
IELTS 4.5は、英語力の基本を固めるための大事なステップで、初めて英語試験に挑戦する方にとっても、目指しやすい目標となります。
スコア4.5を取ることで、日常会話や簡単な話題を理解できる力が証明され、自信をもって英語を使えるでしょう。
バークレーハウスでは、IELTS対策講座を提供しています。
レッスンごとに、IELTSを知り尽くした日本人・ネイティブ講師を選択できるほか、スコアアップに必要なスキルを中心に、自由にカリキュラムを組むことが可能です。
レッスンは対面・オンラインのどちらでも受講できるため、ぜひ一度体験レッスンを受講してみてください。