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日本の企業では英語力の証明としてTOEICが用いられることが多いですが、外資系企業ではIELTSを重視する傾向が強く、求められるスコアによって狙える職種も異なります。
この記事では、IELTSの概要から、スコア別に狙える職種例、そして高スコアを取得するための勉強法などを解説します。
外資系企業への就職や転職を考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
IELTSで外資系企業への道が開ける!
IELTSは、外資系企業への就職や転職において、受験者の英語力を判断するための重要な指標として、多くの国で活用されています。
ヨーロッパの企業では、IELTSで高スコアを取得しておくことで、応募できる職種の選択肢も広がり、給与面でのメリットも期待できます。
国内ではTOEICが重宝されていますが、外資系企業でのキャリアを歩みたいと検討している方は、IELTSのスコア取得を目指すのがおすすめです。
IELTSとは?
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IELTS(International English Language Testing System)は、英語を母国語としない人々のための英語力試験で、世界中で広く利用されています。
英語圏での留学や移住、就職を目指す際の語学力証明として用いられることが多く、とくにイギリスやオーストラリアなどでよく使用されています。
IELTSの試験概要と評価基準
IELTSには2種類の試験がある?
- IELTSには「アカデミック・モジュール」と「ジェネラル・トレーニング・モジュール」の2種類があります。
- アカデミック・モジュールは大学や大学院の入学を目指す人向けで、ジェネラル・トレーニング・モジュールは就職や移住を希望している人に向いています。
外資系企業への就職を目指して受験をする場合、ジェネラル・トレーニングが適していることが多いです。
試験では、リスニング、リーディング、ライティング、スピーキングの4技能が測定されます。
各セクションが0.5点刻みの9.0点満点で評価され、全体の平均点で総合スコア(オーバーオールスコア)が決定します。
求めるスコアは企業や職種によって異なりますので、自分が目指す企業・職種の要件を確認し、自分の目標に合ったスコアを目指すことが重要です。
TOEICやTOEFLとの違い
IELTSと他の英語試験であるTOEICやTOEFLには、試験内容や評価基準に大きな違いがあります。
TOEICはおもにビジネス英語の能力を測ることを目的とした試験で、日本国内での就活、転職、昇進の際の語学力証明としてよく使用されています。
TOEFLはアカデミックな内容が中心で、アメリカの大学や大学院進学を目指す方によく用いられています。
TOEICはリーディング、リスニングの2技能のみを評価しますが、TOEFL、IELTSは4技能を総合的に評価するため、実践的な英語力を強みとしてアピールしやすいのが特徴です。
また、TOEFLは試験がコンピュータでおこなわれ、スピーキング試験もコンピュータに向かって話しますが、IELTSは対面形式でおこなわれます。
そのため、実際の会話能力をより正確に測ることができます。
スコア別!狙える職種例
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続いては、バンドスコア別に、狙うことのできる職種の例を紹介します。
ただし、求められるスコアは同じ職種であっても企業や業務内容によって異なります。
この記事はあくまでも参考として捉え、自分が目指す企業、職種で求められている要件を事前に確認して、自分の目標に合ったスコアを目指しましょう。
バンドスコア5.0〜:事務職、カスタマーサポートなど
バンドスコア5.0は、基本的な日常会話と簡単なビジネスコミュニケーションが可能とされるレベルです。
一般的に外資系企業への就職ではバンドスコア6.0〜6.5以上が求められることが多いです。
上記のスコアで狙える職種は、おもに事務職やカスタマーサポートなど、英語を使う頻度が比較的少ない仕事です。
外資系企業でも対日本企業向けの事務職や、日本人向けのカスタマーサポートなど、日本語を多く使用する業務では、英語力がそれほど求められないケースもあります。
また、英語メインの環境であっても、事務職やカスタマーサポートでは、マニュアルに基づいた英語での対応が可能であれば十分に活躍できる可能性もあります。
ただし、複雑な交渉や高度なプレゼンテーションが必要な職種では、5.0のスコアは不足する場合がありますので、このスコアを土台にさらなるスコアアップを目指すことで、キャリアの選択肢を広げることができます。
バンドスコア6.0〜:営業、マーケティングなど
バンドスコア6.0は、仕事で必要となる基本的な英語力、英語コミュニケーション能力が身についているとされるレベルです。
実務において英語を十分に運用できると見なされ、多くの外資系企業で採用の選択肢が広がります。
営業やマーケティング職など、顧客との直接的なコミュニケーションが必要で、より英語を使う頻度が高い職種を狙うことが可能です。
営業職では、英語での商談やクライアントとのメールのやり取り、マーケティング職では海外の市場調査や、グローバルなキャンペーンの企画・運営などで英語力を活かすことができるでしょう。
とくに、英語の使用頻度が高い部署で活躍したい方には、6.0以上を目標に設定するのがおすすめです。
バンドスコア7.0〜:マネージャー、コンサルタント、エンジニアなど
バンドスコア7.0は、ビジネスでも十分に活用できる高度な英語力があることを示し、業務で英語を頻繁に使用する職種を狙える可能性もあります。
たとえば、英語での部下への指示や報告書の作成、会議運営などが求められるマネージャー職、市場分析やプレゼンテーションなどの機会が多いコンサルタント、海外チームとの共同作業や技術文書の作成などで英語が必要となるエンジニア職などが挙げられます。
7.0以上のスコアを取ることは、外資系企業でのキャリアアップを目指す方にとっては乗り越えるべき重要な指標といえます。
バンドスコア8.0〜:エグゼクティブ、専門職など
バンドスコア8.0は、ネイティブと問題なくビジネスがおこなえるレベルの英語運用能力があることを示します。
英語での交渉やプレゼンテーションが頻繁に行われるCEOやディレクターといった経営層の役割はもちろん、高度な専門用語を正確に理解し、使用できる英語力が必須となる法律、医療、金融などの専門職などが挙げられます。
このレベルのスコアは、英語圏での就職や国際的なプロジェクトのリーダーとして活躍するための大きなアドバンテージです。
エグゼクティブや専門職など、極めて高い英語力が必要な職種での活躍も期待できます。
IELTSで高スコアを取得するための勉強法
IELTSで高スコアを狙うためには、やみくもに勉強量を増やすのではなく、計画的、戦略的に対策をおこなうことが効果的です。
高スコアを取るための試験対策のコツや、効果的な勉強法、おすすめの教材を紹介します。
試験対策の方法
IELTSは各セクションの平均点で総合スコアが算出されるため、高スコアを狙うためには、弱点を補強することが重要となります。
各セクションの試験形式と出題傾向を理解したうえで、それぞれに特化した対策をおこないましょう。
まずは公式問題集や模擬試験を利用して試験形式に慣れるよう心がけるようにしましょう。
できるだけ本番の試験と似た状態で練習をしておくことで、時間配分や問題の傾向を掴むことができます。
また、スピーキングでは模擬面接を繰り返しおこない、英語での即答力や自然な表現力を鍛えることが大切です。
苦手なセクションのスコアを上げるには、時間がかかる場合もあります。時間に余裕を持って、計画的に学習を進めるように心がけましょう。
効果的な学習方法と教材
効率よくスコアアップするためには、教材選びも重要なポイントです。
IELTSの試験形式やイギリス英語に慣れるためには、IELTSの試験を作成しているケンブリッジ大学出版が手がけている公式問題集を活用するのがおすすめです。
そのほか、「IELTSブリティッシュ・カウンシル公認・本番形式問題3回分」(旺文社)などの教材でも、本番形式に近い模擬問題で、実践的な問題演習をおこなうことができます。
IELTSはイギリス英語が中心で構成されているため、アメリカ英語での学習が長く耳慣れていない場合は、イギリス英語に慣れる工夫も取り入れましょう。
イギリスのニュース番組やドラマ、イギリス英語のポッドキャストなどを視聴するのも効果的です。
学習をおこなう際は、しっかりと目標を設定して取り組むことが重要です。最終的に取得したいバンドスコアから、各セクションの目標スコアを決めましょう。
さらに、取得目標時期から逆算し、3カ月後の目標スコア、半年後の目標スコアなど、マイルストーン化することにより、モチベーションも保ちやすくなります。
IELTSスコア取得以外にするべき対策
外資系企業への就職や転職を目指す場合、評価されるのは英語力だけではありません。履歴書や面接での態度や発言など、さまざまな側面から合否が判断されます。
最後に、IELTSスコアの取得以外で対策すべき3つのポイントを紹介します。外資系企業への応募を考えている方はぜひ参考にしてみてください。
履歴書の書き方
IELTSスコアを履歴書に記載する際は、単に総合的なスコアを示すだけでなく、各セクションのスコアも併記すると効果的です。
- 例:IELTS Overall 7.0 (L:7.0, R:7.0, W:7.5, S:7.5) 2024年1月取得
また、スコアを記載するだけではなく、「海外顧客とのコミュニケーションに必要なリスニングとスピーキングスキルを保持」、「英語でのプレゼンテーション経験あり」など、その英語力を実際に企業でどのように役立てることができるかを明確に伝えることも重要です。
余白があれば、IELTSスコア取得に向けた学習経験や、そこで培った能力、学習意欲についても言及するとよいでしょう。
面接対策
面接は、コミュニケーション能力を直接示すことができる絶好の機会です。
面接対策!
- 日本語で面接される際には、「IELTSでバンドスコア7.0を取得し、ビジネス環境での英語使用に自信があります」と述べた上で、実際にどのような業務で英語力を役立てることができるかや、これまでにビジネスで英語を使用した経験など、具体的なエピソードを加えると説得力が増します。
また、英語面接の場合は、事前に業界に関連する専門用語やフレーズを準備しておくとスムーズです。
「problem-solving skills(問題解決能力)」や「client engagement(顧客対応)」など、自己PRに活用できるキーワードやビジネス用語は自然に使えるように練習しておきましょう。
IELTS試験と同様に、面接も繰り返し練習することが大切です。
模擬面接をおこない、どんな質問がきても即答する力を磨き、好印象を与えられるよう態度や話し方を工夫することで、本番でのパフォーマンスが向上します。
企業分析
企業分析を深めることで、履歴書や面接で具体的な志望動機を伝えることができます。日系企業への就職と同様、外資系企業への就職を目指す場合も、企業分析は欠かせません。
企業のビジョンやミッション、求める人材像を理解し、自分のスキルや経験とどうマッチするかを明確にすることが重要です。
企業の公式ウェブサイトやプレスリリースはもちろん、他媒体に掲載されている社員のインタビュー記事や社員のLinkedInなどの情報も参考になります。
「貴社の⚪︎⚪︎事業において、IELTSで培った英語力を活かしたい」といった具体的な表現で説得力を高められるよう、企業のメイン事業のみならず、英語力が求められる具体的な業務内容も把握しておくのがおすすめです。
IELTSで外資系企業の夢を実現しよう!
IELTSのスコアは、外資系企業への就職や転職において、自身の英語力をアピールできる強みとなります。
職種によって求められるスコアは異なるため、目指す職種や企業の要件を調べ、目標スコアを設定しましょう。
また、高スコアを取得するだけでなく、履歴書や面接でそのスコアをどう活かすかを考えることも重要です。
この記事で紹介した勉強法や面接対策を活用し、外資系企業へのキャリアを踏み出してみてください。