
- IELTSの勉強にどのくらい時間が必要?
- 効率的な学習方法とは?
- 短期間でスコアを上げるコツは?
IELTSの受験を考えている、IELTSのスコアアップに向けて対策をしている中で、このような疑問を持つ方も多いのではないでしょうか?
IELTSで目標スコアに到達するためには、効果的で戦略的な学習アプローチをおこなうことが大切です。
本記事では、IELTS公式テストセンター長がおすすめする、IELTSのスコアアップのための具体的な学習方法や、効率的に勉強時間を確保する方法を解説します。
IELTSの目標スコア達成に必要な勉強時間は?

IELTSのスコアアップに必要な学習時間は、現在の英語力と目標スコアによって大きく異なります。
受験者一人ひとりの状況に応じて、柔軟に学習計画を立てることが重要です。
スコアの差で必要な勉強時間が異なる
IELTSのスコアアップに必要な勉強時間は、現在のレベルと目標スコアの差によって大きく異なります。
一般的に、バンドスコアが4.0以下の英語初心者が5.0を目指す場合と、5.5~6.0以上の英語中級者が7.0を目指す場合とでは、必要な学習時間に違いがあります。
高いレベルになればなるほど、より正確で自然な英語能力が求められるため、バンドスコア4.0から5.0にアップするよりも、6.0から7.0へアップするほうが難易度が高くなります。
現在のスコアと目標スコアの差を考慮して、取得のために必要となる学習時間を把握し、適切な学習計画を立てることが大切です。
1.0のスコアアップで3ヵ月程度の学習が目安
一般的に、IELTSのスコアを1.0上げるためには、3ヵ月程度の学習期間が目安とされています。
これは週に10~15時間程度の学習を継続した場合の目安となり、3ヵ月間で約120~180時間の学習時間が必要という計算になります。
具体的な学習スケジュールの例としては、1日2時間の学習を続ける場合、約3ヵ月(90日)で180時間の学習時間を確保できます。
ただし、この期間は個人の学習環境や英語力の基礎によって大きく変わります。
英語圏に滞在経験がある方や、日常的に英語を使用している環境にいる方は、より短期間でスコアアップできる可能性があります。
勉強時間の長さだけでなく、学習の質と継続性も非常に重要です。
IELTSの勉強時間を効率的に確保する方法
限られた時間の中で効果的にIELTS対策を行うためには、学習時間の確保が鍵となります。
また、単に時間を費やすだけでなく、学習時間の質を上げることも大切です。
バークレーハウスIELTS公式テストセンターのセンター長を務める長田拓也さんに、勉強時確保するコツ、勉強時間の質を上げるコツを教えてもらいました。
勉強時間はどうやって確保する?

長田
分からないことを学ぶわけですから、最初から効率の良い勉強をできる訳がありません。
いろいろと試行錯誤している内にだんだんと効率の良い勉強法が分かってくるものです。
そのため、まずは勉強時間を最大限に確保して、効率が上がってきたら勉強時間を削っていく、という方法がおすすめです。
では勉強時間を最大限に確保するためには何が必要になるでしょうか?
学生の方なら英語以外の勉強、社会人の方なら仕事や家庭の用事など、やらなければいけないことがいろいろあると思いますが、勉強時間を最大にするためには、単純に「空き時間をすべて勉強に充てる」ことです。
一度、起床直後や通勤中、入浴中なども含め、生活習慣のなかに英語の勉強を入れてみましょう。
学生の方であれば1日7~8時間、社会人の方でも1日2~3時間は確保できると思います。
私たちが日本語の勉強をしなくても日本語ができるのは、普段の生活のなかで、日常的に日本語を読み、書き、聞き、話しているからです。
英語も同じで、日々の生活の随所に英語の勉強を組み込むことにより、英語の感覚を体に染み込ませることが必要です。
そのためには、起床直後、通勤・通学の時間、お風呂の中、就寝前など、あらゆる時間に勉強を組み込んでいくことが大事です。
勉強量や勉強効率を最大化するコツ
勉強時間を確保しても、ダラダラ勉強していては効率は上がりません。
次に大事なのは、確保した勉強時間の中でおこなう勉強量を最大化することです。
まずは、単位時間当たりの「勉強量」を段階的に増やしてみましょう。
「1週間で単語を100個覚える」という目標を立てると、最初は100個覚えるのがギリギリかもしれませんが、毎日やっているうちに慣れてきて、余裕が出てきます。
その後150個、200個と段々ハードルを上げていき、限界を目指していきましょう。
このように段階的に勉強量を増やすと、次第に効率が上がり、勉強のペースが上がっていきます。
しかし、自然と効率は上がりますが、ある程度勉強を進めたところで勉強方法を修正してみることも大事です。

長田
そこで、1日目に40個、2日目は30個、3日目以降は10個ずつ、のように段階的に新たに覚える単語の量を減らしていくことで勉強時間が均等になりました。
このような効率化の方法はある程度の量の勉強をこなしていくことで初めて見えてきます。
人によって合うスタイル、合わないスタイルがあるので、あくまでも大量の勉強をこなしながら自分に合うやり方を見つけていくことが大事です。
【IELTS公式テストセンター長が伝授!】IELTSの学習計画の立て方
1日や1週間の学習計画を具体的に設定しておくことで、勉強を継続しやすくなります。
学習スケジュール例も、バークレーハウスIELTS公式テストセンターセンター長の長田拓也さんに教えていただきました。
1日の学習スケジュール例
勉強時間を確保したら、その時間で「何を」「どのように」「どのくらい」やるかをできるだけ具体的に決めることがおすすめです。
「1日1時間はリーディング」と漠然と決めるのではなく、やるべき手順と目標時間を分単位で決めるように心がけてみましょう。
↓
IELTS 15のReadingの文章を読み、解答 (20分)
その後の25分で辞書を使って精読 (25分)
次の5分で調べた単語を10回ずつ音読 (5分)
最後の10分で文章全体を2回音読する (10分)

長田
実はこの感覚は語学の勉強において非常に大切です。
IELTSの試験では、基本的にゆっくり考える時間はありません。
リーディングでは制限時間内に英文を読み、素早く選択肢を吟味して回答する必要がありますし、リスニングでは次の音声が聞こえてくる前に、選択肢や図表から手早く情報を把握するといった、英語をスピードの中で運用する能力が求められています。
そうした試験に対応するためには、普段の勉強から常に時間を意識し、次から次へと、スポーツのようにメニューをこなしていくことが大切です。
1週間の学習スケジュール例
ぎっしり詰まった勉強スケジュールをこなしていると、時には無理が生じてしまうものです。
決めた分量がこなせなかったり、急な予定が入って勉強時間が十分取れなくなってしまう、ということもあると思います。
そのため、1週間の中で1日か2日は予備日を設定しておくことがおすすめです。
もちろんこの予備日は「勉強を休む日」ではないので、計画通りに勉強が進んでいるならば「総復習の日」として使いましょう。
その週にやったことを短時間で繰り返し、定着を図ったり、週に1度か2度、ペースメーカー感覚で、英語のレッスンを受講したりするのもおすすめです。
自分だけの学習計画は、自分の都合でスケジュールを変更できますが、レッスンを予約すると、基本的には変更ができません。
それが良い意味での拘束力となり、計画通りに勉強する力となることもあります。
また、レッスンを受講しながら講師の先生やカウンセラーに自分の勉強計画を確認してもらうこともできます。
初心者必見!IELTSを短期間で効率よくスコアアップする学習法

初心者がIELTSで高得点を目指すためには、戦略的に学習計画を立てることが必要です。
セクション別に優先順位をつけるなど、限られた時間で最大の成果を上げられるように工夫しましょう。
効率よく学習するためのポイントは、下記を参考にしてみてください。
セクション別に優先順位をつけて取り組む
短期間でスコアアップを目指すには、4つのセクションの中で、自分の得意・不得意を分析し、優先順位をつけて取り組むことが重要です。
まず初めに模擬テストなどで、各セクションの現状のレベルを把握しましょう。

長田
分析をもとに、最も点数の低いセクションに重点的に時間を割きつつ、他のセクションもバランスよく学習すると効率的です。
また、リーディングやリスニングは比較的短期間でスコアが伸びやすいですが、ライティングやスピーキングは時間をかけて練習しなければなりません。
そのため、IELTS初心者の場合は、初めにスコアの上がりやすいリーディングやリスニングを強化して、安定したスコアを取れるように対策しましょう。
スクール・オンライン講座を活用する
IELTSスコアを短期間でアップさせるには、独学だけでなく、スクールやオンライン講座を活用するのがおすすめです。
特に、ライティングやスピーキングは、独学での学習が非常に難しく、講師からのフィードバックが重要となるため、スクールやオンライン講座、または個別指導が受けられるサービスを活用するとよいでしょう。
IELTS専門のスクールやプログラムを選ぶと、試験の傾向を熟知した講師から指導を受けられるため、独学よりも短期間でスコアアップが期待できます。
オンライン講座であれば、場所や時間を選ばず学習できるため、通勤時間や昼休み、就寝前など、自分のライフスタイルに合わせて学習時間を確保できるのでおすすめです。
朝に勉強時間を確保するようにする
IELTSの勉強を習慣化するためには、朝に学習時間を確保するのが効果的です。
朝は脳がリフレッシュされ、最も活性化していて集中力が高いため、この時間帯に学習することで、情報の吸収率と記憶の定着率が向上します。
また、朝に勉強することで、その日の予定に左右されることなく、安定した学習時間を確保できるというメリットもあります。
起床後の1時間をIELTS対策に充てるだけでも、1週間で7時間、1ヵ月で30時間以上の学習時間を確保できます。
朝の時間を活用し、リスニングやリーディングの演習を行うことで、効率的にスコアアップを目指しましょう。
IELTSの勉強を続けるためのモチベーション維持のコツ
IELTSのスコアは、1日2日の勉強で上げられるものではなく、継続的に学習することが必要です。
勉強を続けるために最も重要なのは、モチベーションの維持です。
最後に、モチベーションを維持するための3つのポイントを紹介します。
中間目標を設定する
長期間にわたる目標を達成するためには、中間目標を設定することが大切です。
大きな目標だけを見ていると、なかなか達成感が得られないため、モチベーションが低下してしまいます。
「3ヵ月後にバンドスコア7.0を取る」という大きな目標だけでなく、「1ヵ月後にリーディングのスコアを0.5上げる」「2週間で500単語を覚える」など、中間目標を設定しましょう。
明確な数値目標があると進捗が把握しやすくなるため、中間目標は具体的で測定可能なものが理想的です。
無理な目標設定は挫折の原因となるため、「しっかり頑張れば達成可能」なレベルの目標を心がけましょう。
模擬テストや実際の試験で実力を測る
定期的に模擬テストを受けることで、自分の実力を客観的に把握でき、努力が報われていることを実感しやすくなります。
また、IELTSでは、本番形式に慣れることがスコアアップの鍵となるため、定期的に模擬テストや模擬試験を取り入れるのがおすすめです。
家の机で受験する場合でも、スマートフォンをサイレントモードにし、時計を用意して、本番同様の緊張感を持って取り組みましょう。
さらに、テスト結果は単なる実力チェックではなく、次のステップへのフィードバックとして捉えることが大切です。
伸びたセクション、苦手なセクションを把握し、改善するべきを見つけ、学習計画に反映しましょう。
学習スケジュールを定期的に見直す
IELTSの学習は長期戦となるため、学習計画の定期的な見直しは欠かせません。
「リーディングのスコアが伸びたので、次はライティングに重点を置く」「スピーキングが伸びていないので、スピーキングの練習量を増やす」など、学習の進捗に応じて、柔軟に学習内容を変更することが大切です。

長田
仕事が忙しくなる時期には一時的に学習量を減らし、余裕がある時期に集中的に学習するなど、現実的な調整を行いましょう。
さらに、定期的に学習の振り返りをおこない、「どの学習方法が効果的だったのか」「どの部分に時間をかけるべきか」を分析すると、より効率的に勉強を進めることができます。
まとめ
IELTSのスコアアップのためには、ただ勉強時間を増やすだけではなく、戦略的に学習計画を立て、勉強時間の質を高めることも重要です。
また、スコアアップのためには、3ヵ月以上学習を続けることが目安となるため、モチベーションを維持するための工夫も大切です。
無理なく続けられる自分のライフスタイルに合わせた学習計画を立て、焦らず、着実に、勉強に取り組んでみてくださいね。