日本の就活においては、英語力の証明としてTOEICの点数が一般的であることもあり、
- IELTSは就活にどれくらい有利なの?
- TOEICとの違いは?
- スコアをどうアピールすればいいの?
と疑問をもっている方も多いのではないでしょうか。
本記事では、IELTSとTOEICの違いや、IELTSのスコアが評価されやすい業界や職種、スコアを履歴書や面接で効果的に活用する方法を詳しく解説します。
また、目標スコア別のIELTS試験対策法や、スコア以外の英語力をアピールするポイントも紹介。
今回紹介する内容を参考に、就活を成功に導くためのIELTSスコア活用術を身につけましょう。
IELTSは就活に有利?
IELTSは、英語を母語としない方々が英語力を証明するために、世界中で広く利用されている試験です。
しかし、日本国内ではTOEICのスコアを求める企業が多いため、一般的な日本企業ではIELTSは必須ではありません。
ただし、海外では、IELTSの方が主流の国もあり、グローバル化が進んでいくなかで、IELTSのスコアが就職活動においても注目されるようになってきました。
日本国内でも、外資系企業などの英語力が重視される職種や職場では、IELTSのスコアが就活での強いアピール材料になります。
また、IELTSではリスニング、リーディング、ライティング、スピーキングの4技能を測定するため、IELTSスコアは実践的な英語力を具体的に示す指標といえます。
とくに、グローバル企業や海外関連業務をおこなう会社では、高いIELTSスコアをもっていると、即戦力として評価されやすいです。
そのため、就活においてIELTSスコアを保持していることは、面接官に自信をもって英語力をアピールするための重要な要素といえるでしょう。
就活を有利に進められるIELTSスコア
海外展開している企業や外資系企業では、IELTSスコアが採用の重要な判断材料となることがあります。
IELTSのスコアを就活で活用するためには、目指す業界や職種に応じた一定数以上のスコアが必要です。
スコアは高いほど有利ですが、一般的には6.5程度のスコアがあれば、英語環境での職場で基本的なコミュニケーション能力をもつことを示す指標となります。
とくに、外資系企業や海外進出をしている企業などでは、高スコアを求めてくる場合もあるため、応募前に要件をチェックしておきましょう。
なお、実践的な英語力を備えていることを示すためには、7.0以上のスコアをもっていると、就活において非常に強みとなります。
IELTSとTOEICどちらが有利?
TOEICは、日本国内の企業で広く認知されている英語試験で、多くの企業が採用の基準として活用しています。
ビジネス英語に特化した試験であり、おもにリーディングとリスニングの2技能を測定するスコアが使用されます。
一方、IELTSはリスニング、リーディング、ライティング、スピーキングの4技能を総合的に評価する試験です。
そのため、グローバル企業や英語を多用する職場など、実践的なコミュニケーション能力が必要となる企業では、IELTSのスコアが重視される可能性があります。
また、IELTSは学術的な内容も含むため、研究職や専門職での評価も高いのが特徴です。
そのため、TOEICは日本国内で転職や昇進の基準として使われることが多いのに対し、IELTSは国際的なキャリアを目指す場合により有利となります。
可能であれば両方取得するのが望ましいですが、目指す業界やポジションに応じて、IELTSかTOEICを選ぶことが重要です。
IELTSは就労ビザ取得時にも必要
多くの英語圏の国では、就労ビザを申請する際の英語力証明として、IELTSのスコアが必要とされます。
そのため、将来的に海外で働くことを目指している方にとって、IELTSスコアを取得しておくことは大きなメリットとなります。
就労ビザの申請に必要とされるスコアは、国や職種によって異なりますが、通常はIELTS 5.5〜6.0程度が求められることが多いです。
このことから、IELTSのスコアは、日本国内での就職や転職に限らず、グローバルなキャリアを目指すうえでも就活を有利に進めるための強力な武器となるといえるでしょう。
IELTSとほかの英語試験の違い
IELTSのほか、TOEIC、TOEFLは英語力を証明する試験としてよく知られています。
IELTSは、英語圏での留学や移住、就職を目指す方の語学力証明として用いられており、とくにイギリスやオーストラリアでよく使用されています。
TOEICは、おもにビジネス場面での英語力を測定することに特化した試験で、日本国内での就活、転職、昇進の際によく用いられています。
TOEFLは、アメリカの大学や大学院進学を目指す方によく用いられている英語試験です。
TOEICはリスニングとリーディングの2技能を評価するため、話す・書くといった実際の運用能力を証明するには限界があるといえます。
一方、IELTSとTOEFLは、英語の4技能(リスニング、リーディング、ライティング、スピーキング)を総合的に評価するため、実践的な英語力を強みとしてアピールしやすいのが特徴です。
以下は、IELTSとTOEFL、TOEICのスコア換算表です。
自分の現在のスコアがほかの英語試験ではどれくらいのスコアにあたるのかを、確認してみましょう。
IELTS | TOEFL iBT | TOEIC |
9.0 | 120 | ー |
8.5 | 115~119 | ー |
8.0 | 110~114 | ー |
7.5 | 102~109 | 970~990 |
7.0 | 94~101 | 870~970 |
6.5 | 79~93 | 820~870 |
6.0 | 60~78 | 740~820 |
5.5 | 46~59 | 600~740 |
5.0 | 35~45 | 550~600 |
4.5 | 32~34 | 500~550 |
4.0 | 31 | 450~490 |
IELTSスコアが評価されやすい業界・職種
IELTSスコアは、とくに英語力を求められる業界や国際的なビジネスの場で高く評価されます。
IELTSの公式ホームページでは、IELTSを採用している団体を検索するページも設けられています。
以下では、IELTSスコアがとくに有利とされる業界や職種を紹介します。
外資系企業
外資系企業では日本国内の企業に比べて、TOEICよりもIELTSを重視する傾向があります。
グローバルな環境での業務が多いため、英語でのコミュニケーション力が非常に重要です。
そのため、IELTSのスコアはTOEICよりも実践的な英語力を反映しており、応募者がどれだけ実際の業務で英語を使いこなせるかを示す証明として役立ちます。
とくに、英語が社内公用語となっている会社や、社内の会議や資料作成、顧客対応などで英語を使用する機会が多い場合、IELTSのスコアが強みとなるでしょう。
職種によって求められるスコアには差がありますが、営業職であれば6.5以上が一般的です。
さらに、一部の外資系企業では7.0〜7.5以上が求められることもあるため、応募要件を確認しましょう。
また、外資系企業では、就職後も昇進や海外赴任の機会にIELTSスコアが考慮されることがあります。
海外へ行く機会の多い機関・会社
海外出張や研修が多い業界や国際的な機関などでは、社員が現地でコミュニケーションを取る機会が多いため、IELTSスコアが重視されることがあります。
たとえば、国連機関やNGO、国際協力機構(JICA)などの公的機関や航空会社などでは、IELTSのスコアが英語力の証明として評価されるのが一般的です。
客室乗務員や国際線のグランドスタッフ、海外営業部門だけでなく、研究機関や大学などのアカデミックな分野でも、英語力が重視されます。
さらに、報道機関の国際部門や海外特派員なども、高いIELTSスコアが求められる職種です。
また、国際展示会やイベント運営に関わる企業でも、英語でのプレゼンテーションやレポート作成などが日常的にあり、IELTSスコアが重要な評価要素となる場合もあります。
このように、海外へ行く機会の多い業界や職場を目指す場合は、IELTSスコアを保有していることで実践的な英語力が評価されやすくなります。
入社後も、昇進や海外研修の機会において、有利に働く可能性が期待できます。
海外進出している日本企業
日本国内で海外進出を積極的におこなっている企業では、IELTSスコアの重要性が年々高まっています。
とくに、製造業や商社、IT企業など、海外拠点との連携が多い職場では、現地法人やパートナー企業との交渉・連絡が日常的におこなわれるため、英語力が重視されます。
こうした企業ではビジネス英語だけでなく、幅広いコミュニケーション力が求められるため、IELTSスコアが採用や昇進の重要な基準となることも多いです。
さらに、近年では中小企業でも海外展開を進める企業が増えており、英語力のある人材へのニーズが高まっています。
IELTSのスコアを通じて、実務に即した英語力が証明できるため、海外進出を視野に入れる日本企業でのキャリアアップにも有効です。
なお、就活の際にアピールするのであれば、6.0〜6.5のスコアが目安となります。
海外営業・貿易事務、通訳など
海外営業や貿易事務、通訳、翻訳など、英語力が必要不可欠な業務は、IELTSスコアのもつ価値が非常に高い分野です。
日常的に英語でのコミュニケーションが必要とされるだけでなく、商談や契約交渉、書類作成、プレゼンテーションなど、正確で高度な英語力が求められます。
とくに、実務に関わるスピーキングとライティングの能力が重視されることもあり、IELTSの総合スコアだけでなく、各セクションのスコアを詳しく評価される場合もあります。
これらの職種では、IELTSスコアは7.0以上の取得が目安となります。
また、技術翻訳や医療通訳などの専門分野では、さらに高いスコアが要求されることもあるため、事前に確認が必要です。
就活でIELTSスコアを活かすには?
IELTSスコアを就活で効果的に活かすためには、履歴書の書き方や面接でのアピール方法を工夫することが大切です。
スコアを提示するだけでなく、面接において具体的にどのようなスキルがあるかを示すことで、採用担当者に効果的に英語力をアピールできます。
履歴書への効果的なIELTSスコアの書き方
IELTSスコアを履歴書に記載する際は、単に総合的なスコアを示すだけでなく、各セクションのスコアも以下のように記載すると効果的です。
IELTS Overall 7.0(L:7.0, R:7.0, W:7.5, S:7.5)2024年1月取得
さらに、自己PRの欄などにIELTSスコアがどのように業務に役立つかも添えて説明すると良いでしょう。
たとえば、「海外顧客とのコミュニケーションに必要なリスニングとスピーキングスキルを保持」といった具体的な業務シーンを挙げることで、実務での英語力をアピールできます。
また、余白があれば、IELTSスコア取得に向けた学習経験やそこで培った能力、学習意欲についても言及すると効果的です。
インターンシップや留学経験がある場合は、それらとIELTSスコアを関連付けて記載することで、より説得力が増します。
スコア以外の英語力もアピール
IELTSスコアも十分に英語力を示す証明となりますが、そのほかの実績や経験も合わせてアピールすることで、英語力の実践性をさらに強調できます。
たとえば、海外インターンシップや留学経験、ボランティア活動など、実際に英語を使用した経験があれば、面接や履歴書で紹介すると効果的です。
また、日本国内でも英語でのプレゼンテーション経験や、外国人との共同プロジェクト経験などがあれば具体的に説明しましょう。
このように、IELTSスコアに加えて実際の場面で英語を使いこなした経験を示すことで、実践的な英語力をもっていることを証明できます。
さらに、オンライン英会話やLanguage Exchangeなどで、定期的に英語を使用している経験も有効なアピールポイントとなります。
「英字新聞を購読して毎朝読んでいる」や「英語でブログを執筆している」など、自主的な英語使用の経験も積極的にアピールしましょう。
スコアだけでなく、実際の活動を通じた英語力が伝われば、採用担当者に対して説得力のある自己PRとなります。
面接でのIELTSスコア活用方法
面接でIELTSスコアをアピールする場合は、スコア取得のためにおこなった努力やエピソードを交えて話すことが効果的です。
スコアを得るためのプロセスを話すことで、自己成長への意欲や継続力もアピールできます。
まずは、スコア取得に向けた学習プロセスや工夫について具体的に説明できるよう準備しましょう。
とくに、時間管理や目標設定の方法、困難を乗り越えた経験など、学習過程で得た経験を話せるようにすると良いです。
さらに、IELTSの各セクションで培ったスキルを、業務や職場で具体的にどのように活かせるかを説明できると理想的です。
たとえば、英語を使ったコミュニケーションが必須のポジションであれば、日常的に英語でのコミュニケーションが可能である旨を説明します。
また、スピーキングセクションでの高スコアがある場合、海外顧客対応や現地社員との連携が円滑におこなえる点をアピールすると良いでしょう。
英語を多用する業種を受ける場合は、英語での自己PRや志望動機の説明を求められた場合に備えて、事前に準備しておくことも重要です。
業界や企業特有の専門用語を英語で説明できるよう、準備しておくと良いでしょう!
【目標スコア別】IELTS対策法
IELTSスコアを目標レベルに到達させるためには、スコアに応じた対策をおこなうことが重要です。
各スコアごとの勉強方法を理解し、効率的に学習を進めましょう。
スコア5.5を目指す場合
スコア5.5を目指すためには、日常英会話の基本的な理解が必要です。
このレベルでは、まず基礎的な文法と語彙力の強化が重要となります。
リスニングとリーディングの基礎的な問題を多く解き、英語の文法や語彙力を増やしていきましょう。
リーディングでは、英語の新聞記事や雑誌を定期的に読む習慣をつけ、リスニングでは日常的な会話や短い英文を聞く練習を積み重ねることが効果的です。
BBC NewsやCNNなどの英語ニュースなど、自分が興味をもてる英語教材を毎日15分程度視聴することがおすすめです。
ライティングでは、基本的な文章構造を理解し、150ワード程度のエッセイを書けるようになることを目標しましょう。
毎日の練習として、その日あった出来事を英語で日記にすることも効果的です。
また、スピーキングでは、基本的な自己紹介や日常会話ができるレベルを目指しましょう。
AIと会話形式で練習できるアプリもありますが、オンライン英会話を週2〜3回活用して実践的な会話練習をすることもおすすめです。
また、試験形式に慣れるため、公式問題集を使用した試験対策も忘れずにおこないましょう。
スコア6.0を目指す場合
スコア6.0は、多くの企業で評価される一般的な目標スコアとなります。
アカデミックな内容も含めた、より幅広い英語力が必要となり、会話や文章の詳細な理解と適切な語彙を使った表現力が求められます。
リーディングでは複雑な文章にも慣れるようにし、専門的な記事や学術論文なども読めるよう、徐々にレベルを上げていきましょう。
また、時間配分を意識した模擬テストを定期的に実施し、本番での時間管理力も養うことが大切です。
リスニング対策としては、ニュースやポッドキャストなど、すこし難易度が高い音声素材に挑戦し、聞き取れなかった箇所を復習しながら練習を続けるのがおすすめです。
さらに、ライティングやスピーキングでは、日常的なトピックについて自分の意見を述べる練習をおこない、スムーズに英語で表現できるようにすることが重要です。
ライティングで伸び悩んでいる方は、ネイティブ講師に添削を依頼するなど、より実践的なフィードバックを得ることをおすすめします。
スコア6.5を目指す場合
スコア6.5は、外資系企業や海外進出している企業において、即戦力としての英語力を証明できるレベルです。
英語を使って意見をしっかりと伝えられる力が必要となり、アカデミックな内容に加え、ビジネスシーンでの高度な英語力が求められます。
リーディングでは複雑な文法や長文にも対応できるようにし、精読をおこないながら文章全体の構成を理解する練習が効果的です。
幅広いテーマの文章に慣れるとともに、リーディングの速度を上げることも意識して取り組みましょう。
また、試験時間をしっかりと測って問題演習をおこない、各セクションでの時間配分を最適化していきましょう。
リスニングでは、異なるアクセントの英語を聞き分ける力を養い、BBCやCNNといったニュース素材を利用しながら、さまざまな話題に触れることがポイントです。
IELTSでは、さまざまな地域の英語が登場するため、異なるアクセントや話速にも対応できる練習をしておくと安心です。
海外ドラマやポッドキャストなども活用し、より自然な英語に触れる機会を増やしましょう。
ライティングやスピーキングでは、論理的に文章を組み立てる練習を意識すると良いでしょう。
スコア7.0以上を目指す場合
スコア7.0以上は、高度な英語力を証明する優れた目標スコアとなります。
このレベルでは、英語を流暢かつ効果的に使いこなせる能力が求められます。
また、語彙力においてもニュアンスの違いを理解し、場面に応じて適切な表現を選択できることが重要です。
リスニングでは、学術的な講義や専門的なディスカッションが理解できるレベルを目指しましょう。
さらに、リーディングにおいても、学術論文や専門書を正確に理解し、批判的に分析できる力を養うことが大切です。
難易度の高い教材を用いてより実践的な問題に取り組み、各セクションで高得点を安定して取れるよう訓練するのがおすすめです。
スピーキングでは、複雑なトピックについても流暢に議論できる能力が必要です。
そこで、ディスカッションやディベート形式の練習が非常に役立ちます。
ライティングでは、説得力のある論述や、高度な分析レポートが書けることが求められるため、明確で論理的な構成をもつエッセイを執筆する練習が必要です。
しっかりと時間を測って過去問を解き、解答速度や時間配分を意識したトレーニングも効果的です。
IELTSスコアを就活に繋げよう!
IELTSスコアは、就職活動において大きなアドバンテージとなります。
ただし、IELTSスコアを就活で効果的に活用するためには、スコアの取得だけでなく、どのようにそれを企業にアピールするかが重要です。
どのような場面でスキルを活かせるかを話すと具体性が増し、さらにIELTS受験を通じての学びや努力も強調することで、積極的に取り組んだ姿勢が評価されやすくなります。
IELTSのスコアを最大限に活かし、就活を成功へと導きましょう。
バークレーハウスは、IELTS公式テストセンターと留学センターを運営しており、IELTS対策や受験、留学に関して幅広いノウハウをもっています。
約1時間の無料体験レッスンと同時にカウンセリングも受けられ、プロ講師からマンツーマンで目標スコアの達成に向けた学習方法やポイントなどを学べます。
まずはお気軽に無料体験レッスンをお試しください!
対面かオンラインどちらでも受講可能です!