皆さん、こんにちは!
さて今回は、IELTS未受験者必見の、「スコアの仕組み」を徹底解説していきます!
- IELTSのスコア構成はどういう仕組みなのか
- 他の英語試験と比べてレベルはどうなのか
- IELTSのスコアが何点だと何ができるのか、どのくらいのレベルなのか
といったことをご紹介します。
自分の目的達成のため、スコアはいくつ必要なのかをイメージしてみてください。
竹林先生
IELTS スコアの仕組み
IELTSの評価は「合否」ではない
竹林先生
リスニングとリーディングの合計990点満点で点数が出る「TOEIC」と同じ方式ですね。
竹林先生
IELTSでは4技能の能力を測れるため、かつての大学受験における「センター試験」に代わる民間試験の1つとして、学校教育の現場でも注目され始めています。
4つのバンドスコアとオーバーオールスコア
竹林先生
Reading | Listening | Speaking | Writing |
9.0 | 9.0 | 9.0 | 9.0 |
8.5 | 8.5 | 8.5 | 8.5 |
8.0 | 8.0 | 8.0 | 8.0 |
7.5 | 7.5 | 7.5 | 7.5 |
7.0 | 7.0 | 7.0 | 7.0 |
6.5 | 6.5 | 6.5 | 6.5 |
6.0 | 6.0 | 6.0 | 6.0 |
5.5 | 5.5 | 5.5 | 5.5 |
5.0 | 5.0 | 5.0 | 5.0 |
4.5 | 4.5 | 4.5 | 4.5 |
4.0 | 4.0 | 4.0 | 4.0 |
3.5 | 3.5 | 3.5 | 3.5 |
3.0 | 3.0 | 3.0 | 3.0 |
竹林先生
この4技能の平均値から割り出した総合点のことを「オーバーオール」と言うんですよね。
竹林先生
スコアは0.25刻みで「切り下げ」「切り上げ」を行う
4技能のスコアの平均値 | オーバーオール |
9.0〜8.75 | → 9.0 |
8.74〜8.25 | → 8.5 |
8.24〜7.75 | → 8.0 |
7.74〜7.25 | → 7.5 |
7.24〜6.75 | → 7.0 |
6.74〜6.25 | → 6.5 |
6.24〜5.75 | → 6.0 |
5.74〜5.25 | → 5.5 |
5.24〜4.75 | → 5.0 |
4.74〜4.25 | → 4.5 |
4.24〜3.75 | → 4.0 |
3.74〜3.25 | → 3.5 |
3.24〜2.75 | → 3.0 |
Aさんの場合
R | L | S | W | 4つの平均値 | Overall |
6.0 | 6.5 | 6.0 | 5.0 | 5.87 | 6.0 |
Bさんの場合
R | L | S | W | 4つの平均値 | Overall |
3.5 | 5.0 | 4.0 | 4.0 | 4.12 | 4.0 |
こんな感じになります。
IELTS 日本人の平均スコアは?
日本語話者のIELTS受験者の平均スコアは、IELTSが公式に発表している母国語別ランキングによると、以下のようになっています。
日本語話者の平均スコア Reading:6.1 Listening:5.9 Speaking:5.6 Writing:5.4 Overall:5.8
竹林先生
ではずばり、オーバーオールで「6.0」というのはどれくらいの英語力なのでしょうか?
TOEIC満点と比べて、このスコアは上なのか下なのか?
仕事で英語をよく使う人がIELTSを受けたらどれくらいのスコアになるのでしょうか?
竹林先生
スコア別のレベルと評価
IELTSのスコアは、他の試験と比較してどのくらいのスコアに匹敵するのでしょうか?
そもそも、試験ごとに求められる技能や目的が違うため、単純に比較することは難しいのですが、目安としては以下の通りです。
IELTS | TOEFL iBT | TOEIC | 英検 | CEFR |
9 | 118-120 | – | – | C2 |
8.5 | 115-117 | – | – | |
8 | 110-114 | – | – | C1 |
7.5 | 102-109 | 970-990 | – | |
7 | 94-101 | 870-970 | 1級 | |
6.5 | 79-93 | 820-870 | – | B2 |
6 | 60-78 | 740-820 | 準1級 | |
5.5 | 46-59 | 600-740 | – | |
5 | 35-45 | 550-600 | 2級 | B1 |
4.5 | 32-34 | 500-550 | – | |
4 | -31 | 450-490 | 準2級 | |
3.5 | – | 300-440 | – | – |
3 | – | 291-299 | 3級 | – |
日本人の平均「オーバーオール6.0」とはどれくらいの英語力か
竹林先生
- TOEIC(L&R) 740〜820点程度
- 実用英語技能検定準1級(合格者の中では上位)
- TOEFL iBT 60〜80点程度
また、IELTS公式の解説によると、IELTSの「オーバーオール6.0」の英語力は、以下のように定義されています。
Band 6 = Competent User / “Has generally effective command of the language despite some inaccuracies, inappropriacies, and misunderstandings. Can use and understand fairly complex language, particularly in familiar situations.”
(訳:Band 6 = 有能なユーザー / 多少不正確さ、不適切さ、誤解はあるものの、全般的に英語を効果的に使いこなす。特に慣れた状況においては、かなり複雑な言葉を使い、また理解することができる。
竹林先生
- 易しいトピックであれば4技能において滞りなく意思疎通ができる
- やや難解なトピックにおいても、ある程度は柔軟に意思疎通をこなせる
- 難解なトピックでは誤解をしたり、ネイティブから見て不自然な表現をしたりする事が増える
竹林先生
つまり、日本人でIELTSを受ける人たちは、相当な力を付けてきてから受験しているのだろうと推測できますね。
自分には「オーバーオール6.0」で充分か?
竹林先生
- 短期・語学留学 = 5.0〜5.5 程度
- 日本国内の大学(帰国子女枠など)= 5.5〜6.0 程度
- 英語圏の国の大学に入学 = 6.0〜6.5 程度
- 英語圏の国の超難関大学に入学 = 7.0 程度
- 英語圏の国の大学院に入学 = 7.0〜7.5 程度
竹林先生
竹林先生
海外の大学院に進みたい場合は、7.0〜7.5が求められることが多いようです。
竹林先生
ではここからは、4技能の各セクションの日本人の平均スコアが、どれくらいの英語力に匹敵するかを見ていきましょう。
日本人の平均「リーディング6.0」はどれくらいの英語力か
竹林先生
竹林先生
リーディング バンドスコア6.0 = 40問中23〜26問正解
IELTSアカデミック(大学・大学院入学希望者向け)リーディングスコア表
バンドスコア | 正解数(40問中) |
9.0 | 39〜40 |
8.5 | 37〜38 |
8.0 | 35〜36 |
7.5 | 33〜34 |
7.0 | 30〜32 |
6.5 | 27〜29 |
6.0 | 23〜26 |
5.5 | 19〜22 |
5.0 | 15〜18 |
4.5 | 13〜14 |
4.0 | 10〜12 |
3.5 | 8〜9 |
3.0 | 6〜7 |
竹林先生
- TOEICのリーディングで495点中、400点前後が取れる
- 英検準1級の長文(文法25問除く)問題で6〜8割取れる
- TOEFL iBTのリーディングで30点中、20点前後が取れる
また、普段どれくらい英語をやっているかで言えば↓↓
- 中級~難関大学受験レベルの長文読解問題を勉強したことがある
- 英字新聞(学習者用ではなく本格的な)を日頃から読んでいる
- 英語で書かれた学術論文などを読む機会がよくある
上記のような方は、IELTSのリーディングで6.0に届くポテンシャルがあります。
- 一方、以下のようなケースは、今すぐに6.0に届くかは微妙です。
- × 外国人の友達とSNSで英語でやり取りをしている
- × 仕事上、英語で書かれたメールや短い書類を読んでいる
- × 幼少期を海外で過ごした帰国子女である
竹林先生
帰国子女であるのも不充分ですか?
すごく英語ができそうなイメージですが。
竹林先生
意外とリーディングの「6.0」は道のりが長そうですね。
IELTSの専用の対策、もしくはそれと同等の英語試験の勉強をやることが重要なのでしょうか。
竹林先生
被る単語は1つも無いのにほぼ同じ意味・・。
そうした「言い換え表現」に瞬時に気づく必要があるのですね。
竹林先生
日本人の平均「リスニング6.0」はどれくらいの英語力か
次に、リスニングです。
竹林先生
IELTSのリスニング「6.0」はどれくらいの聞き取り能力なのでしょうか。
竹林先生
リスニング バンドスコア6.0 = 40問中23~25問正解
IELTSリスニングスコア表(Academic / General共通)
バンドスコア | 正解数(40問中) |
9.0 | 39〜40 |
8.5 | 37〜38 |
8.0 | 35〜36 |
7.5 | 32〜34 |
7.0 | 30〜31 |
6.5 | 26〜29 |
6.0 | 23〜25 |
5.5 | 18〜22 |
5.0 | 16〜17 |
4.5 | 13〜15 |
4.0 | 10〜12 |
3.5 | 8〜9 |
3.0 | 6〜7 |
竹林先生
リスニングで「6.0」が取れる人の強み: ■ 音源で言っていることが半分以上聞き取れる ■ アメリカ英語、イギリス英語、オーストラリア英語、どのなまりにもあまり抵抗が無い ■ 簡単な会話表現はおおよそ理解できる ■ 英検準2級レベルの単語は一通り正しいスペルで書ける(空欄補充問題があるため)
一方で、スコアが「6.0」の人は、以下の様な弱みがあると言えます。
リスニングで「6.0」を取る人の弱み: ■ 聞き取れてはいるが、引っ掛け問題に引っ掛かってしまう ■ 問題文を読むのがやや遅い、または読んでも誤解することがある ■ 聞き取れない会話表現が出ると、引きずってその後の内容が把握できなくなる ■ 英検2級以上の単語になると、スペルに自信が無い
竹林先生
聞き取り能力に自信の無い方は、どうしたらいいでしょうか?
竹林先生
誰かと英語を話す練習もあった方がいいですか?
竹林先生
英会話は、やはり英語のネイティブとやった方がいいですよね?
竹林先生
IELTSの過去問を解く上で、「引っ掛け問題が多い」とおっしゃいましたが、どんなことに気を付けて勉強すればいいでしょう?
竹林先生
「火曜」ですね(笑)。
「おとり」の情報にまどわされないよう意識すれば「6.0」達成できますか?
竹林先生
いきなり結果が出るのは難しいですもんね。
「意識」していれば徐々に変わっていく、ということですね。
日本人の平均「スピーキング5.5」はどれくらいの英語力か
竹林先生
IELTSのスピーキングは、以下の4つの項目で評価されます。
IELTSスピーキング4つの評価項目 ■ Fluency & Coherence(流暢さと首尾一貫性) ■ Pronunciation(発音) ■ Lexical Resource(語彙) ■ Grammatical Range & Accuracy(文法の幅と正確性)
竹林先生
この4つの項目をバランスよく磨いていくことが大切ですね。
竹林先生
では、日本人受験者の平均である、IELTSスピーキング「5.5」は、他の英語試験と比べると何点くらいになるのでしょう?
竹林先生
- TOEICは、一般にリーディングとリスニングしか無い
- 英検は、試験官が日本人なので(1級ではネイティブも加わるが)、日本語訛りの英語を大目に見てくれる
- TOEFL iBTは、英文を読んで聞いて情報をまとめるIntegrated Speakingという試験が含まれ、その内容の正確さも問われるので、IELTSとは試験内容が異なる
竹林先生
竹林先生
スピーキングで「5.5」が取れる人の強み: ■ 発音に強いなまりがあるが、何て言っているかはほぼ全て相手に伝わる ■ 英会話教室に通ったことがあるなど、英語を人前で話すことに抵抗が無い ■ 質問を受けてからあまり時間をおかず、比較的すぐ話し始めることができる
スピーキングで「5.5」を取る人の弱み: ■ 最低限の英語で文章を作っており、ワンランク上の語彙や文法にチャレンジしない ■ 話をあまり掘り下げない、具体例に乏しい、話が短い ■ ネイティブから見て、不自然なイントネーションや間の取り方が見られる
竹林先生
1人で練習するのも声に出した方がいいんですね。
本番でうまく話せなくなった時は、面接官が「×××じゃない?」「私の場合は○○〇だけどあなたの場合は?」みたいにヘルプを入れてくれますか?
竹林先生
竹林先生
日本人の平均「ライティング5.5」はどれくらいの英語力か
最後は、ライティングの解説です。
竹林先生
竹林先生
IELTSライティング4つの評価項目 ■ Task Achievement(タスクの達成度) ■ Coherence & Cohesion(話の首尾一貫性と文章同士の結束性) ■ Lexical Resource(語彙) ■ Grammatical Range & Accuracy(文法の幅と正確性)
日本人平均のIELTSライティングは「5.5」ですが、これは、英語圏の高等教育が学生に求める最低限のライティングを心得ている、といったレベルです。
このレベルの人としては、以下のような特徴があると言えます。
ライティングで「5.5」が取れる人の強み: ■ 文字数(Task1は150語以上、Task2は250語以上)に届いている ■ 段落分けが適切に行えている ■ 質問に答えている
ライティングで「5.5」を取る人の弱み: ■ 最低限の英語で文章を作っており、ワンランク上の語彙や文法にチャレンジしない ■ 話をあまり掘り下げない、具体例に乏しい
竹林先生
つまり、外国人の友達とチャットをしているとか、仕事で短めの英文のメールを打つことがある、などのライティング力ではまだ足りないということですね。
竹林先生
竹林先生
分かりました・・!
やはり何事も、練習あるのみですね。
初めての受験、どれくらいのスコアが出る?
まだIELTSを受験したことがない方は、「自分がほぼノー勉で受験したらスコアはどれくらいだろう?」と思う方も多いと思います。
IELTS対策なんてしたことすらない!という方が受験したらどれくらいのスコアが出るか、目安として以下を参考にしてみてください。
- 質問に「はい・いいえ」でお答えください。
- Q1. 現在英語を勉強中、or最後に英語を勉強(高校卒業等)してから1年未満である
- Q2. 大学受験を経験し、中級レベル大学以上の勉強を真剣に取り組んだことがある
- Q3. 今現在、実生活で日常的に英語を使っている(仕事関係、外国人とのチャット等)
- Q4. 1000語近い英文を「読む」ことにさほど抵抗が無い
- Q5. 1000語近い英文を「聞く」ことにさほど抵抗が無い
- Q6. 200語程度の英文を「書く」ことにさほど抵抗が無い
- Q7. 1分ほど英語で「話し続ける」ことにさほど抵抗が無い
- Q8. 英検準1級以上、またはTOEIC740点以上を持っている
- 「はい」の数が
- 0~2個 → オーバーオール「4.5」以下
- 3~5個 → オーバーオール「5.0」~「5.5」
- 6~8個 → オーバーオール「6.0」~「6.5」
これらは、「ノー勉で」受けた場合のスコアの目安なので、IELTSの過去問でしっかり対策すれば、これ以上のスコアが出る可能性も十分あります。
独学での勉強のやり方は、このコラムに書いた事を参考にして頂けたら幸いです。
まとめ
IELTS日本人平均スコアの英語力のまとめ ■ 日本人平均「オーバーオール6.0」の英語力 ・TOEIC(L&R)で言うと、740~820点程度 ・実用英語技能検定で言うと、準1級合格程度 ・TOEFL iBTで言うと、60~80点程度 ■ 日本人平均「リーディング6.0」の英語力 ・IELTSで40問中23~26問正解 ・大学受験や英字新聞など、固めの英文も読める ・言い換え表現になっていても、言ってる事は同じだと多くの場合見抜ける ■ 日本人平均「リスニング6.0」の英語力 ・IELTSで40問中23~25問正解 ・流れる英語の半分以上は聞き取れ、英検準2級レベルの単語は正しいスペルで書ける ・音源や問題文の内容を誤解したり、よく知っている単語でもスペルを間違うことがある ■ 日本人平均「スピーキング5.5」の英語力 ・発音や表現力はやや不自然だが、何を言っているかはほぼ全て相手に伝わる ・英語を話すことに抵抗は無いが、やや話が短い ・使う語彙や文法が易しく、画一的である ■ 日本人平均「ライティング5.5」の英語力 ・文字数はクリアし、段落分けも適切で、質問にもある程度答えられる ・話をあまり掘り下げられない、or具体例に乏しい ・使う語彙や文法が易しく、画一的である
また、これからIELTS勉強を始める方のための、日本人平均点に届くための対策法は、こちら↓↓
■ 日本人平均「リーディング6.0」に届くには ・固めの英文(できれば英字新聞や論文、無ければWikipediaでも可)を読んでみる(毎日!) ・IELTSの問題を実際に解き、違う単語でも同じことを指す「言い換え表現」に敏感になる ■ 日本人平均「リスニング6.0」に届くには ・音源の英語を真似ながら、自ら英文を音読して聞き取り能力を上げる(毎日!) ・英検準2級~2級レベルの単語を正しいスペルで書けるかチェックしてみる ・IELTSの問題を実際に解き、「おとり」の情報がどれか見極めるよう意識 ■ 日本人平均「スピーキング5.5」に届くには ・1人でも相手とでも、大きな声で英語を話す練習をする(毎日!) ・発音は多少、日本人なまりでもよいので10数秒しゃべり続けるよう意識 ・10数秒話し続けるのが難しければ、慣れるまで日本語でやっても可。日本語であれ英語であれ、1日5~10トピックはこなそう ■ 日本人平均「ライティング5.5」に届くには ・時間内に文字数に届くことを意識し、実際に書いて練習する ・語彙や文法は最低限でもよいので、段落分けを適切に行い、聞かれている質問に答える
竹林先生