英語は、「世界の公用語」として世界中で話されている言語です。
英語が話せるようになれば、世界中の多くの人たちと意思疎通を図ることが可能になるでしょう。
英語は大きく分けると、「イギリス英語」と「アメリカ英語」があります。
学ぶ英語によって留学しやすい国や選ぶべき講師も変わってくるため、違いを知った上で自分が学ぶべき英語を最初に決めておくことが大切です。
この記事では、こんな方に向けた情報をご紹介します。
- イギリス英語とアメリカ英語、どちらを勉強するのが良いか知りたい
- イギリス英語とアメリカ英語に違いがある理由を知りたい
- イギリス英語とアメリカ英語の具体的な違いが何かを知りたい
これから英語を勉強して海外に留学、または移住したいと考えている方におすすめの勉強方法や資格もご紹介しているので、ぜひ最後まで読んでみてください。
イギリス英語とアメリカ英語、どっちを勉強するべき?
イギリス英語とアメリカ英語に違いがあることは分かっていても、どちらを勉強すべきかは迷うところだと思います。
イギリス英語とアメリカ英語、おすすめなのはそれぞれどんな人でしょうか。
英語を学ぶ前に考えておくべきポイントを下記にまとめました。
アメリカ英語をおすすめする人
多くの異なる民族が暮らす中で発展したアメリカ英語は、より多くの人が不便なく使えるように簡略化された結果、省略系が多く、カジュアルな英語になりました。
以下のような人はアメリカ英語がおすすめです。
- アメリカの企業と取引がある、仕事をしている
- ハリウッド映画など、アメリカの文化が好き
- とにかく英語を学びたい、たくさんの人と話せるようになりたい
イギリス英語をおすすめする人
イギリス英語は元々、上流階級や知識人の間で使われていた英語が原語となっており、それが一般にも使われるようになったとされています。
そのため、文法的にも正しく、きっちりとした英語と言われています。
以下のような場合は、イギリス英語がふさわしいでしょう。
- イギリスの企業またはイギリス英語を話す国の企業と取引がある、仕事をしている
- 国際会議など国際的な場所で幅広く活躍したい
- 文法や発音などがきちんとした英語を学びたい
イギリス英語とアメリカ英語、それぞれどんな国で使われる?
イギリス英語とアメリカ英語のどちらを学ぶべきか判断する基準の一つとして、それぞれの英語がどんな国で使われているか、というのも気になる点でしょう。
「どこの国で(あるいはどこの国出身の講師に)英語を学ぶか」は、英語を学ぶ際に最初に考えるべき重要な項目になります。
国によって使われる英語が異なる大きな理由としては、植民地時代の名残りがあげられるでしょう。
イギリスがかつて植民地として支配していた国々は、その名残りとして現在に至るまでイギリス英語が使用されています。
- イギリス英語を使用する主な国:
イギリス、アイルランド、インド、オーストラリア、ニュージーランド、シンガポール、香港など - アメリカ英語を使用する主な国:
アメリカ、カナダ、フィリピンなど
イギリス英語とアメリカ英語の具体的な違いを知ろう
イギリス英語とアメリカ英語の発音の違い
では、改めてイギリス英語とアメリカ英語の具体的な違いを見て行きましょう。
まず有名なのは「can’t」の発音ではないでしょうか。
イギリス英語では「カーントゥ」、アメリカ英語では「キャーントゥ」と聞こえますよね。
単語の発音の違いにはいくつかのルールがあります。覚えておけば違いにも対応できるでしょう。
「R」の発音の違い
イギリス英語では、後に子音が続く場合以外は発音が控えめになるか、発音されません。
一方で、アメリカ英語では舌を巻くようにはっきりと発音されます。
- store (英)ストー /(米)ストアー
- more (英)モー /(米)モアー
「T」の発音の違い
イギリス英語では「T」の音がはっきり聞こえますが、アメリカ英語ではきちんと発音されず、単語によっては「R」や「D」に聞こえることもあります。
- water (英)ウォーター /(米)ウォーラー
- party (英)パーティー /(米)パーリー
イギリス英語とアメリカ英語のスペルの違い
イギリス英語とアメリカ英語では、たとえ意味が同じ単語でもスペルが微妙に異なる単語がたくさんあります。
話す上では問題はありませんが、文章を書くときはつづりの細かい違いに注意しなければなりません。
代表的な例をいくつか紹介します。
- 色:(英)colour /(米)color
- 味: (英)flavour /(米) flavor
- 組織:(英)organise /(米)organize
- 免許:(英) licence /(米) license
- 中心:(英)centre /(米)center
イギリス英語とアメリカ英語の文法の違い
文法にも違いが見られます。ここでは以下の2点を解説します。
「take」と「have」の用法の違い
日本語で「する」のような意味で幅広く用いられている動詞が、「have」や「take」です。イギリス英語では「have」が、アメリカ英語では「take」がそれぞれ好んで使われる傾向にあります。
例として、「シャワーを浴びる」という意味のイディオムで説明すると、イギリス英語では「 have a shower」、アメリカ英語では「take a shower」とそれぞれ表現します。「have」と「take」を入れ替えても意味は変わりません。
イギリス英語では現在完了形がよく使われる
イギリス英語では現在完了形を、アメリカ英語では過去形をそれぞれ好んで使う傾向があります。現在完了形は「過去の出来事や行為が現在も継続している」ことを意味します。
これを例文で説明すると、
- 例文:わたしは昨日鍵をなくしてしまいました。
- (英)I have lost my key.
- (米)I lost my key yesterday.
となります。
イギリス英語では「現在に至るまで鍵は見つかっていない」という意味も含まれていますが、アメリカ英語では、現在鍵が見つかったかどうか、この文章のみでは分かりません。
この場合、「I haven’t found it yet.(まだ見つかっていません)」や、「I found it today.(今日見つけました)」などの文章を付け足すことで意味を補う必要があります。
イギリス英語とアメリカ英語の時間表現の違い
例えば、3時20分という時刻を英語で表現したいとき、アメリカ英語では「three twenty」と言います。日本人にとっても分かりやすい表現ですよね。ところが、イギリス英語では「twenty past three」となります。「何分」の方を先に表現し、「past」で「3時から何分過ぎたか」を表現しているのです。
また、イギリス英語では、30分を過ぎると時刻表現が変わります。例えば3時45分の場合では、「quarter to four」となり、「past」ではなく「to」が使われます。「4時まであと15分」という意味になります。
ちなみに、「quarter」は「4分の1」のことで、時刻表現では「15分」という意味です。イギリス英語で時刻を表現する際によく使われますので、覚えておくと便利でしょう。
そもそもイギリス英語とアメリカ英語はなぜ違う?
イギリス英語とアメリカ英語は、単語や文法、発音、表現方法に至るまで、同じ英語とは思えないくらい違いがあります。
ここまで違いができた大きな理由としては、歴史的背景が大きく影響しています。
アメリカはもともとイギリスの植民地でした。
そのため、当時アメリカに入植したイギリス人は、古いイギリス英語を使っていたと考えられます。
その後、アメリカはイギリスから独立し、その象徴としてイギリス英語との違いを際立たせるために、独自に英語の辞書を作成しました。
どちらの英語も元々は古いイギリス英語でした。
しかし、それぞれ風土に適応し独自に英語を発展させていった結果、現在のような違いとなったのです。
英語の基本を押さえるにはイギリス英語がおすすめ
本記事では、イギリス英語とアメリカ英語の具体的な違いをはじめとして、どちらを勉強すべきかなどについて紹介してきました。
それぞれの英語に特徴や違いはあるものの、はじめに英語を学ぶのであればイギリス英語がおすすめです。アメリカ英語は省略形が多いため、英語の基本を押さえるならばイギリス英語の方が良いでしょう。英語の基本を習得すれば、両者の英語の違いにも無理なく対応できるはずです。
丁寧にしっかりと基礎から英語を学びたい人は、イギリス語学圏への留学またはイギリス英語の学習を検討してみてはいかがでしょうか。