朝のあいさつとしては “Good morning!” がよく知られていますが、場面や相手によってはもっと丁寧な言い回しや、もっとカジュアルな表現が求められます。
実は、友人どうしのあいさつで “Good morning!” を使うことはほとんどありません。
この記事では、定番のあいさつはもちろん、「これで『おはよう』って意味になるの?」というフレーズまで紹介します。
定番のフレーズ
はじめに、よく使われる定番フレーズからみていきましょう。
Good morning!
英語で「おはよう」といえばコレ!という定番フレーズです。
多くの方が、英語の勉強をはじめたばかりの頃に習ったはずです。
家族や友達のような近しい人はもちろん、職場の上司の方にも使えるあいさつです。
しかし、正式には “I wish you a good morning.” であり、英語圏では「とても丁寧な朝のあいさつ」という印象が強いです。
そのため、友達のような間柄の人に対して使うことはあまりないでしょう。
日本語の「おはよう」は朝早いことの事実描写ですが、英語の “Good morning.” は素晴らしい朝が訪れるように伝えている点が素敵ですね。
Morning!
“Good morning.” から派生した、カジュアルなフレーズです。
“Good morning.” が「おはようございます」だとすれば、“Morning.” はより軽いニュアンスの「おはよう」にあたります。
Hello! / Hi!
“Hello” と “Hi” は「こんにちは」のイメージが強いですが、実は朝の時間帯にも使えるあいさつです。
“Good morning” に比べると、カジュアルなニュアンスになるため、フランクなあいさつとしてよく使われます。
強いていえば “Hello” の方が “Hi” よりもすこし丁寧なイメージです。
I bid you good morning.
だいぶ古い表現ではありますが、英語圏における朝のあいさつの一つとして紹介します。
“bid” は古英語で「(あいさつなどを)述べる・告げる」という意味の単語で、直訳すると「あなたに朝のごあいさつを述べさせていただきます」といったところでしょうか。
日常会話で耳にすることはほとんどありませんが、劇などで聞く機会はあるかもしれません。
家族・友だちどうしで使えるフレーズ
家族や友だちどうしでは、定番のフレーズよりもカジュアルな表現がよく使われます。
定番のあいさつに名前や “sunshine” などのフレーズを足すと、より親しげなあいさつができます。
Morning, friend!
友だちに気軽に「おはよう」と伝えるときに使われるフレーズです。
“friend” の部分には、ほかに “buddy” や “brother” や “sister” なども入れられます。
どれも「親しい友だち」や「相棒」を意味する言葉です。
しかし、家族や友だちに対してあいさつするときには、“friend” ではなく下の名前で呼びかける方が一般的です。
親しい友だちに “friend” と呼びかけるのは他人行儀にも聞こえてしまうため、注意しましょう。
Morning, sunshine!
“Morning, friend!” とよく似ていますが、こちらの方がより親しい人向けのあいさつです。
文末の “sunshine” は「太陽光」や「陽の光」を表しており、あえてフレーズを直訳すると「おはよう、お日様さん!」といった感じでしょうか。
「陽の光」「太陽」は「太陽のように素敵な人・明るい人」を指しており、自分にとって大事な人・親しい人を表しています。
Top of the morning to you!
もともとはアイルランドで使われていた表現です。
現在ではアイルランド以外の英語圏においても、カジュアルなあいさつとして使われています。
ニュアンスとしては「朝の一番すてきなひとときがあなたに訪れますように」でしょうか。
ちなみに “Top” は “The best” に置き換えることもできます。
アイルランド系の方からあいさつされたときは、“And the rest of the day to you!” 「朝以外の時間帯にもすてきなひとときが訪れますように」と伝えると喜んでもらえますよ。
(Good) Morning, rise and shine!
朝のあいさつというよりも眠っている人を起こしてあげる表現として使われます。
お母さんやお父さんが子ども部屋のカーテンを勢いよく開け、子どもたちを起こす様子をイメージするとよいかもしれません。
直訳するとすれば「おはよう、朝だよ!」といったところでしょうか。
“rise and shine” の表現には、「もう太陽が昇っているよ(だから起きて!)」が由来になっているとするもの、アメリカ海兵隊の「起きて早くブーツを磨け!」から生まれたものなどの説があります。
Wakey-wakey!
寝ている人を起こすときの表現ですが、“Morning, rise and shine!” が大人・子どもを問わず使える表現であるのに対し、こちらは幼い子どもによく使うフレーズです。
文脈によっては、友だちに対しておどけた感じで使うこともできます。
ニュアンスとしては「起きて起きてー!」と、ぐっすりと眠っている子の目覚めを促しているようなあいさつです。
文末に “eggs and bakey!” 「朝の目玉焼きとベーコンが焼けてるよ!」と添えるパターンもあります。
同僚どうしで使えるフレーズ
次に、家族や友達ほど近しい間柄ではないにせよ、職場で仲がよい人たちに使えるあいさつをいくつか紹介します。
なお、以下で紹介するフレーズは、職場の同僚どうしで出張に行き、翌朝顔を合わせたときに交わされるあいさつです。
丁寧すぎず、カジュアルすぎないニュアンスのため、ある程度気心の知れた仲であれば、上司に使っても問題ありません。
Did you sleep well (last night)? / Were you able to get some sleep (last night)?
どちらも「(昨晩は)よく眠れましたか」と尋ねて、朝のあいさつとするフレーズです。
ホテルなどではあまり眠れない人もいますし、相手を気遣う表現でもあります。
文頭に “(Good) Morning” をつけると、より丁寧なあいさつになります。
How did you sleep?
こちらも「よく眠れましたか」と相手に尋ねるようなニュアンスの表現ですが、こちらはよりカジュアルなフレーズです。
同い年や年下の同僚などに使うとよいでしょう。
上司や先生などの目上の人に使えるフレーズ
最後に、丁寧な朝のあいさつとして使うことが出来るフレーズを紹介します。
丁寧なニュアンスを伝えたいときは、文頭に “Good morning.” をセットで添えるのが前提です。
Good morning, Sir / Ma’am / Miss / Ms.
「おはようございます」と伝える表現としては、もっとも丁寧、かつ万能な朝のあいさつです。
あいさつする相手(初対面の人やお客さんなど)の名前が分からなくても使えます。
男性には “Sir”、既婚女性には “Ma’am” (Madam) 、未婚女性には “Miss”、女性(既婚・未婚問わず)には “Ms.” となっています。
Good morning, Mr. (Ms.) Tanaka.
あいさつのあとに、相手の名前(+敬称)を添えるパターンです。
最後に名前を呼びかけることで、その後の会話が続きやすくなります。
あいさつに続ける形で “How may I help you?”「ご用件をお伺いします」や “How are you today?”「ご機嫌はいかがですか」などのフレーズを添えると、より相手とのコミュニケーションがスムーズに進むでしょう。
Good morning, ladies and gentlemen.
複数の相手へのあいさつとして使えるフレーズです。
会議前のあいさつ、スピーチやプレゼンテーションを始める前のあいさつとして使われます。
ほかに授業開始時の呼びかけとして、先生が口にすることもあります。
Good morning, class (everyone).
先生や講師が使うあいさつ表現です。
“ladies and gentlemen” に比べると親しみを込めた表現となっており、小学校のように年齢層の低い教育機関でよく使われています。
日本語に訳すと「みなさん、ごきげんよう」となりますが、使われる単語によってニュアンスに違いが生まれます。
まとめ
「おはよう」というフレーズをひとつでも、あいさつを交わす相手によって、さまざまな使い分けがされています。
あいさつのバリエーションが多ければ、状況や相手によって適切な距離感でコミュニケーションがとれるでしょう。
この記事で紹介したのはあくまでも一例にすぎません。
ぜひいろいろなあいさつ表現を調べてみてください。