比較級とは、「あのパンはこのパンよりも安い」や「iPhone13は、iPhone12よりもパフォーマンスがずっと良い」などの表現です。
日常生活において比較表現はよく用いられており、それは英語でも同じです。
しかし、英語学習者の間では「比較級・最上級は難しい」とイメージが定着しているのも事実です。
今回の記事では、比較級・最上級の文法や表現について解説します。
比較級とは
比較級は、2つのものを比較するときに使います。
日本語では「~~より~~」という表現が比較級にあたります。
単純に2つのものを比較するだけでなく、1つとその他、AグループとBグループのように比較することもできます。
最上級とは
最上級は、3つ以上のものを比較するときに使います。
日本語では「もっとも~~」という表現が最上級にあたります。
比較級の作り方と例文
比較級の作り方には、3つのパターンがあります。
- 形容詞・副詞の後ろに-erをつける
- 形容詞・副詞の前にmoreをつける
- 形容詞・副詞の前後にasをつける
続いてそれぞれの方法について詳しく紹介します。
形容詞・副詞の後ろに-erをつける
比較級では、人やものの状態を表す形容詞・副詞が変化します。
形容詞や副詞の後ろに-erをつけるのは、もっとも基本的な比較級の形です。
最後にthanをつけて比較対象を示せば完成です。
<例文1>
This computer is cheaper than that one. 「このコンピューターはあのこのコンピューターよりも安い。」
“cheap” 「安い」という形容詞の最後に-er thanをプラスしています。
<例文2>
He can run faster than other classmates. 「彼はほかのクラスメイトよりも速く走ることができる。」
“fast”「速い」という副詞の最後にer thanをプラスしています。
また「ほかのクラスメイト」を一つのグループにすることによって「1つとその他」の比較になっています。
形容詞・副詞の前にmoreをつける
形容詞・副詞が長めのときは、単語の前にmoreをつけ、形容詞・副詞はそのまま残します。
その後、thanをつけて文章を作ります。
<例文1>
Science is more difficult than English. 「科学は英語よりも難しい。」
“cheap”, “fast”と異なり、”difficult” “expensive”などの単語は長めなので”more”をつけます。
<例文2>
Tokyo Tower is more famous than Tokyo Skytree. 「東京タワーはスカイツリーよりも有名だ。」
“famous”が長めの単語なのか迷う人が多いですが、”more famous”の形になります。
形容詞・副詞の前後にasをつける
上では「AはBより~~だ」のように、AとBが異なる状態を比較してきました。
しかし、比較したら同じだった、という状況も多くあると思います。
「AはBと同じくらい~~だ」と同等の比較をする場合、形容詞・副詞の前後にasをつけて表現することができます。
<例文1>
He is as tall as I. 「彼は私と同じくらい背が高い」
“tall”の前後に”as”をつけて「同じくらい」という意味にします。
”er”, “more”, “than”はつけません。
<例文2>
I am not as tall as he (is). 「私は彼ほど背が高くない。」
“not”をつけることによって「AはBほど~~でない」という意味になります。
”He is taller than I”と言いかえることも可能です。
最上級の作り方
最上級の作り方には、2つのパターンがあります。
- 形容詞・副詞の後ろに-estをつける
- 形容詞・副詞の前にmostをつける
形容詞・副詞の後ろに-estをつける
最上級では、形容詞・副詞の単語に-estをつけます。
また、形容詞・副詞の前には”the”をつけるのも忘れないようにしましょう。
<例文1>
Kevin is the smartest student in his class. 「Kevinはクラスで一番頭がいい。」
“smart”という形容詞にestをつけ、その単語の前に”the”をつけます。
また、最上級では「学校で」や「東京で」のように、どの範囲で一番なのかを説明するフレーズがつきます。
<例文2>
Okinawa is the warmest place in Japan. 「沖縄は日本で一番暖かいです。」
形容詞・副詞の前にmostをつける
比較級と同じように、長い単語は前にthe mostをつけます。
<例文1>
This flower is the most beautiful in this shop. 「この花はこのお店の中で一番きれいだ。」
“beautiful”という単語は長いので、estをつけずに、the mostをつけます。
<例文2>
This house is the most expensive in this area. 「この家はこの地域で一番高い。」
不規則に変化する形容詞・副詞の一覧
ここまで紹介したのは、比較級・最上級の基本的な作り方です。
しかし、動詞に規則動詞と不規則動詞があるのと同じく、一部の形容詞・副詞は、比較級・最上級にすると不規則に変化します。
原級 | 比較級 | 最上級 |
good(良い) | better | best |
well(上手に) | better | better |
bad(悪い) | worse | worse |
badly(ひどく) | worse | worse |
ill(病気で) | worse | worse |
many(多数の) | more | most |
much(多量の) | more | most |
little(少量の) | little | little |
比較級・最上級を使った慣用表現
はじめに紹介したとおり、比較級や最上級は日常的によく使われる表現です。
そのため、慣用表現に比較級や最上級が入っていることも多くあります。
以下で紹介する表現はとくに重要なので、おさえておきましょう!
the 比較級 ~, the 比較級 … 「~すればするほど…」
<例文1>The sooner, the better. 「早ければ早いほどよい。」
<例文2>The more you exercise, the more you lose weight. 「運動すればするほど痩せる。」
比較級 and 比較級 「ますます~」
<例文1>More and more people start using Internet recently. 「最近はますます多くの人がインターネットを使い始めている。」
<例文2>Your speaking skills are getting better and better. 「話す能力がだんだん良くなっていますね。」
no more than ~ 「たった~」
<例文>Our school teacher gave us no more than two tasks. 「私たちの先生はたった2つの課題しか出さなかった。」
no less than ~ 「~も」
<例文>My friend has no less than 100 books. 「私の友達は本を100冊も持っている。」
at least 「少なくとも」
<例文>I have to read at least two books in a semester. 「私は少なくとも1学期に2冊本を読まないといけない。」
まとめ
「比較級・最上級は難しくて複雑だ」というイメージをもっている人も多いですが、ルールの数はそこまで多くありません。
しかし、慣用表現が多いうえ、言い換え表現なども多数登場するため、難しく感じやすい部分もあります。
普段の練習の中で、さまざまな比較表現を用いて練習してみてください。