日本語の文を英訳しようとして「単語の順序が違う」と指摘されたことはありませんか?
ネイティブの先生であれば「Please answer in a complete sentence」と指摘するかもしれません。
基本的に文章は、主語(Subject)、述語(Predicate)、Punctuation(句読点)で構成されており、その組み合わせ方が文型です。
さまざまな文型を活用できると、正しい文章を構成したり、特定の部分を強調したりできます。
この記事では、5文型の特徴、例文、見分け方について解説します。
複雑な文章を理解するうえで5文型の理解は必要不可欠です!
英語の5文型とは
5文型とは、5つの基本的な文の形です。
5文型に則って構成された文章は、正しく意味の伝わる文章となり、英語では「complete sentence」と呼ばれます。
5文型は、主語(Subject)、動詞(Verb)、目的語(Object)、補語(Complement)から構成されています。
主語(Subject)
主語には、以下のようなものがあてはまります。
英語の5文型はすべてSから始まります!
動詞(Verb)
動詞は、必ず主語の後ろにきます。
動詞の後ろには、目的語(Object)、補語(Complement)のどちらも置くことができます。
目的語(Object)
目的語になるのは、名詞句、代名詞のどちらかです。
目的語には、直接目的語(Direct Object)と間接目的語(Indirect Object)の2種類があります。
- 直接目的語:行為の直接的な対象を表す
- 間接目的語:行為によって間接的に影響を受ける
第4文型(SVOO)では、間接目的語、直接目的語の順になります。
文型では登場しませんが、前置詞の目的語(Object of preposition)も存在します!
補語(Complement)
補語には、以下のようなものがあてはまります。
もともと、Complementには「補足して完全にするもの」という意味があります。
つまり、ある表現の意味を完全にする単語、句、節が補語になります。
補語には、主格補語(Subject Complement)と目的補語(Object Complement)があります。
補語の使い分けは、後ほど文型のところで詳しく解説します!
第1文型:SV
第1文型とは、SVの構造となっている文章です。
日本語では、文章に主語がなくても文脈から意味を理解できます。
しかし、英語の5文型には主語(S)と動詞(V)が必須です。
主語(S)と動詞(V)のみからなる文章を第1文型といいます。
第1文型の例文
- Tom works.
- Tom doesn’t work.
- We laughed.
- We didn’t laugh.
- I remember.
- I don’t remember.
- The economy is growing.
- Talking helps.
第1文型の見分け方
第1文型は、主語(S)と動詞(V)の順序を変えると、おかしな文章になってしまいます。
続いて、第1文型のSVをもとにした第2文型・第3文型について解説します!
第2文型:SVC
第2文型とは、SVCの構造となっている文章です。
第2文型に使える動詞(V)は限られていて、be、seem、tasteなどの連結動詞(linked verb)になります。
また、主格補語と目的補語の2種類があると紹介しましたが、第2文型の補語は主格補語です。
つまり、補語(C)は主語(S)について情報を追加します。
連結動詞には、状態を表すbeやkeep、感覚を表すlookやtasteなどがあります。
第2文型の例文
- French grammar is difficult.
- Japanese grammar isn’t difficult.
- This soup tastes spicy.
- This soup doesn’t taste spicy.
- You look happy.
- The train becomes crowded.
第2文型の見分け方
第2文型は、補語(C)を省いてしまうと文の意味が不完全になってしまいます。
たとえば、「French grammar is.」までで終えてしまうと「Is what?」と聞き返されてしまいます。
第3文型:SVO
第3文型とは、SVOの構造になっている文章です。
日本語はSOV型の言語といわれており「トムは電車に乗る」という文になりますが、SVO型の英語は「Tom takes a train.」となります。
第3文型の目的語(O)には、直接目的語、前置詞の目的語の2種類があります。
文章に目的語(O)が一つしかなく、前置詞がなければ、直接目的語です。
第3文型の例文
直接目的語を使った例
- The presenter answered the question.
- The presenter didn’t answer the question.
- Tom took the train.
- I remembered to call.
- Scotty passed the ball.
- Mark teased Amy.
前置詞の目的語を使った例
- My friend is waiting at the station.
- I will talk to him.
- We laughed at the joke.
- He studied for a test.
- He didn’t study for a test.
- Amy works until 7pm.
第3文型の見分け方
第2文型との違いは、目的語(O)は補語(C)と違って、主語に対する追加情報ではない点です。
第3文型から目的語(O)をなくすと、第1文型のSVに変わるため、意味は通じます。
また、前置詞が含まれている文章は、たいていSVOの形をとる第3文型であるとおさえておきましょう。
前置詞は、大きく5つの意味に分けられます!
第4文型:SVOO
第4文型とは、SVOOの構造になっている文章です。
第4文型にはOが二つありますが、一つは直接目的語(Direct Object)、もう一つは間接目的語(Indirect Object)です。
簡単な見分け方として、間接目的語は「to whom?」、「for whom?」、「for what?」などの質問に答えます。
第4文型のSVOOの場合、間接目的語、直接目的語の順になっています。
第4文型の例文
- You promised me a gift.
- You promised a gift to me.
- Scotty passed Michael the ball.
- The waiter brought us the food.
- His friend told me a secret.
- My husband is reading our children a bedtime story.
第4文型の見分け方
第4文型は、間接目的語を省いても意味は伝わりますが、直接目的語を省くと不完全な文章になってしまいます。
たとえば「The waiter brought us the food.」の場合、「The waiter brought the food.」としても文章が成り立ちますが、「The waiter brought us.」だと「Brought you what?」と聞き返されてしまいます。
第4文型(SVOO)の直接目的語と間接目的語を入れ替えて、間接目的語の前に前置詞をつけると第5文型(SVOC)になります。
第5文型:SVOC
第5文型とは、SVOCの構造になっている文章です。
第5文型で補語(C)になるのは、形容詞(adjective)、名詞句(noun phrase)、前置詞句(prepositional phrase)の3つです。
第2文型(SVC)で補語(C)になるのは主語(S)に情報を追加する補語だけでしたが、第5文型では目的補語(Object Complement)も使えます。
目的補語とは、目的語に情報を追加する補語を指します。
たとえば「The gift made her happy.」の補語(happy)は、目的語(her)に情報を追加しています。
目的補語をとれる動詞は限られており、make、create、name、call、elect、declareなどがあります。
第5文型の例文
<形容詞を使った例>
- The gift made her happy.
- The teacher caught him sleeping.
- The couple painted the house walls beige.
- The president of JOC declared the Olympics open.
- The council elected him president.
- The teacher caught him sleeping.
- Everyone considers him the best doctor.
- She found her dog asleep.
「The gift made her happy.」のような文では、「happy」を省くと「The gift made her.」となり意味が通じないため、補語(C)が必須です。
しかし、「The couple painted the house walls beige.」の場合は「beige」を省いても、壁を何色に塗ったのかがわからなくなるだけで意味は伝わります。
<名詞句を使った例>
- They named their dog Pochi.
- My friends call me Liz.
- The council elected him president of the board.
- She found her dog asleep in the barn.
- The teacher caught him sleeping in class.
- Everyone considers him the best doctor in the country.
<前置詞句を使った例>
- Scotty passed the ball to Michael.
- The waiter brought the food to the table.
- My husband reads a bedtime story to our children.
- I put my phone in my bag.
- Tom installing a shelf on the wall.
第5文型の見分け方
第5文型は、前置詞で始まる質問に答えられます。
「Scotty passed the ball to Michael.」であれば「To whom?」に答えるイメージです。
第4文型の「Scotty passed Michael the ball.」と同じ意味ですが、語順が異なる点がポイントです。
第4文型と同じく、to Michaelを省いて、第3文型「Scotty passed the ball.」をつくることもできます!
まとめ
英語の5文型には、主語(Subject)と動詞(Verb)が必ず入っています。
その後に、目的語(Object)や補語(Complement)が置かれて、さまざまな文型を構成します。
これだけでも十分複雑に見えますが、もっと高度な文を作ったり、理解したりするには、基本的な文型をマスターする必要があります。
5文型を正しく使えるベースがあれば、あとは文の正しい位置に情報を足していくだけで、長い複雑な文章もつくれます。
さらに、一つひとつの単語を日本語に訳して、自然な語順に変えなくても英文を読めるようにもなるはずです。
次回から、英語の授業で「Answer in a complete sentence, please.」と先生に言われたらS、V、O、Cのどれが抜けているのかを考えてみましょう。