2022/03/10

英語の5文型をわかりやすく解説!SVOCの意味と見分け方のコツ

この記事を書いた人

講師
今北 一成 Kazunari Imakita
スイス生まれ、日・仏・米育ちのトライリンガル講師。パリ大学を卒業後、それまでの多国での人生の経験と異文化・語学の知識を活かし、コミュニケーション・アドバイザーの道へ進む。 2005年以降は、会話や語学テストをはじめ、法人や専門職のためのコミュニケーションスキルに関する研修を提供している。バークレーハウスでは、ビジネス向け異文化コミュニケーション講座を担当。

日本語の文を英訳しようとして「単語の順序が違う」と指摘されたことはありませんか?

ネイティブの先生であれば「Please answer in a complete sentence」と指摘するかもしれません。

基本的に文章は、主語(Subject)、述語(Predicate)、Punctuation(句読点)で構成されており、その組み合わせ方が文型です。

さまざまな文型を活用できると、正しい文章を構成したり、特定の部分を強調したりできます。

この記事では、5文型の特徴、例文、見分け方について解説します。

今北先生
今北先生

複雑な文章を理解するうえで5文型の理解は必要不可欠です!

目次

英語の5文型とは

5文型とは、5つの基本的な文の形です。

5文型に則って構成された文章は、正しく意味の伝わる文章となり、英語では「complete sentence」と呼ばれます。

5文型は、主語(Subject)、動詞(Verb)、目的語(Object)、補語(Complement)から構成されています。

主語(Subject)

主語には、以下のようなものがあてはまります。

主語になるのは…
  • 人名(Kenta、Tom)
  • 名詞(dogs、my teacher、the player)
  • 名詞句(to play the piano)
  • 代名詞(I、you、he、she、it)
  • 動名詞(walking、learning)
  • 不定詞(to study English、to run in the park)
今北先生
今北先生

英語の5文型はすべてSから始まります!

動詞(Verb)

動詞は、必ず主語の後ろにきます。

動詞の後ろには、目的語(Object)、補語(Complement)のどちらも置くことができます。

目的語(Object)

目的語になるのは、名詞句、代名詞のどちらかです。

目的語には、直接目的語(Direct Object)と間接目的語(Indirect Object)の2種類があります。

  • 直接目的語:行為の直接的な対象を表す
  • 間接目的語:行為によって間接的に影響を受ける

第4文型(SVOO)では、間接目的語、直接目的語の順になります。

今北先生
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文型では登場しませんが、前置詞の目的語(Object of preposition)も存在します!

補語(Complement)

補語には、以下のようなものがあてはまります。

補語になるのは…
  • 形容詞(adjective)
  • 名詞句(noun phrase)
  • 前置詞句(prepositional phrase)

もともと、Complementには「補足して完全にするもの」という意味があります。

つまり、ある表現の意味を完全にする単語、句、節が補語になります。

補語には、主格補語(Subject Complement)と目的補語(Object Complement)があります。

今北先生
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補語の使い分けは、後ほど文型のところで詳しく解説します!

第1文型:SV

第1文型とは、SVの構造となっている文章です。

日本語では、文章に主語がなくても文脈から意味を理解できます。

しかし、英語の5文型には主語(S)と動詞(V)が必須です。

主語(S)と動詞(V)のみからなる文章を第1文型といいます。

第1文型の例文

  • Tom works. 
  • Tom doesn’t work.
  • We laughed.
  • We didn’t laugh.
  • I remember.
  • I don’t remember.
  • The economy is growing.
  • Talking helps.

第1文型の見分け方

第1文型は、主語(S)と動詞(V)の順序を変えると、おかしな文章になってしまいます。

今北先生
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続いて、第1文型のSVをもとにした第2文型・第3文型について解説します!

第2文型:SVC

第2文型とは、SVCの構造となっている文章です。

第2文型に使える動詞(V)は限られていて、be、seem、tasteなどの連結動詞(linked verb)になります。

また、主格補語と目的補語の2種類があると紹介しましたが、第2文型の補語は主格補語です。

つまり、補語(C)は主語(S)について情報を追加します。

今北先生
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連結動詞には、状態を表すbeやkeep、感覚を表すlookやtasteなどがあります。

第2文型の例文

  • French grammar is difficult.
  • Japanese grammar isn’t difficult.
  • This soup tastes spicy.
  • This soup doesn’t taste spicy.
  • You look happy.
  • The train becomes crowded.

第2文型の見分け方

第2文型は、補語(C)を省いてしまうと文の意味が不完全になってしまいます。

たとえば、「French grammar is.」までで終えてしまうと「Is what?」と聞き返されてしまいます。

第3文型:SVO

第3文型とは、SVOの構造になっている文章です。

日本語はSOV型の言語といわれており「トムは電車に乗る」という文になりますが、SVO型の英語は「Tom takes a train.」となります。

第3文型の目的語(O)には、直接目的語、前置詞の目的語の2種類があります。

文章に目的語(O)が一つしかなく、前置詞がなければ、直接目的語です。

第3文型の例文

直接目的語を使った例

  • The presenter answered the question.
  • The presenter didn’t answer the question.
  • Tom took the train.
  • I remembered to call.
  • Scotty passed the ball.
  • Mark teased Amy.

前置詞の目的語を使った例

  • My friend is waiting at the station.
  • I will talk to him.
  • We laughed at the joke.
  • He studied for a test.
  • He didn’t study for a test.
  • Amy works until 7pm.

第3文型の見分け方

第2文型との違いは、目的語(O)は補語(C)と違って、主語に対する追加情報ではない点です。

第3文型から目的語(O)をなくすと、第1文型のSVに変わるため、意味は通じます。

また、前置詞が含まれている文章は、たいていSVOの形をとる第3文型であるとおさえておきましょう。

今北先生
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前置詞は、大きく5つの意味に分けられます!

前置詞の5つの意味

①方向:to、in、into、on、ontoなど

She walked to school.

The school is on Baker Street.

She went in the classroom.

②時間: in、 at、 on、from、until、within、during、afterなど

The movie will end in 2 hours.

People talked during the movie.

We will eat after the movie.

③位置: in、 at、 onなど

My parents live in France.

My brother is studying at Berkeleyhouse.

The school poster is on the wall.

④場所: in、 at、 on、over、under、beneath、near、by、between、insideなど

The documents are on the desk.

The garbage bin is under the desk.

My key fell between the two cabinets.

⑤空間:above、across、along、against、ahead of、beside、nearなど

There are many boats along the coast.

We are sailing near the beach.

We will travel across the ocean.

第4文型:SVOO

第4文型とは、SVOOの構造になっている文章です。

第4文型にはOが二つありますが、一つは直接目的語(Direct Object)、もう一つは間接目的語(Indirect Object)です。

簡単な見分け方として、間接目的語は「to whom?」、「for whom?」、「for what?」などの質問に答えます。

第4文型のSVOOの場合、間接目的語、直接目的語の順になっています。

第4文型の例文

  • You promised me a gift.
  • You promised a gift to me.
  • Scotty passed Michael the ball.
  • The waiter brought us the food.
  • His friend told me a secret.
  • My husband is reading our children a bedtime story.

第4文型の見分け方

第4文型は、間接目的語を省いても意味は伝わりますが、直接目的語を省くと不完全な文章になってしまいます。

たとえば「The waiter brought us the food.」の場合、「The waiter brought the food.」としても文章が成り立ちますが、「The waiter brought us.」だと「Brought you what?」と聞き返されてしまいます。

今北先生
今北先生

第4文型(SVOO)の直接目的語と間接目的語を入れ替えて、間接目的語の前に前置詞をつけると第5文型(SVOC)になります。

第5文型:SVOC

第5文型とは、SVOCの構造になっている文章です。

第5文型で補語(C)になるのは、形容詞(adjective)、名詞句(noun phrase)、前置詞句(prepositional phrase)の3つです。

第2文型(SVC)で補語(C)になるのは主語(S)に情報を追加する補語だけでしたが、第5文型では目的補語(Object Complement)も使えます。

目的補語とは、目的語に情報を追加する補語を指します。

たとえば「The gift made her happy.」の補語(happy)は、目的語(her)に情報を追加しています。

今北先生
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目的補語をとれる動詞は限られており、make、create、name、call、elect、declareなどがあります。

第5文型の例文

<形容詞を使った例>

  • The gift made her happy.
  • The teacher caught him sleeping.
  • The couple painted the house walls beige.
  • The president of JOC declared the Olympics open.
  • The council elected him president.
  • The teacher caught him sleeping.
  • Everyone considers him the best doctor.
  • She found her dog asleep.

「The gift made her happy.」のような文では、「happy」を省くと「The gift made her.」となり意味が通じないため、補語(C)が必須です。

しかし、「The couple painted the house walls beige.」の場合は「beige」を省いても、壁を何色に塗ったのかがわからなくなるだけで意味は伝わります。

<名詞句を使った例>

  • They named their dog Pochi.
  • My friends call me Liz.
  • The council elected him president of the board.
  • She found her dog asleep in the barn.
  • The teacher caught him sleeping in class.
  • Everyone considers him the best doctor in the country.

<前置詞句を使った例>

  • Scotty passed the ball to Michael.
  • The waiter brought the food to the table.
  • My husband reads a bedtime story to our children.
  • I put my phone in my bag.
  • Tom installing a shelf on the wall.

第5文型の見分け方

第5文型は、前置詞で始まる質問に答えられます。

「Scotty passed the ball to Michael.」であれば「To whom?」に答えるイメージです。

第4文型の「Scotty passed Michael the ball.」と同じ意味ですが、語順が異なる点がポイントです。

今北先生
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第4文型と同じく、to Michaelを省いて、第3文型「Scotty passed the ball.」をつくることもできます!

まとめ

英語の5文型には、主語(Subject)と動詞(Verb)が必ず入っています。

その後に、目的語(Object)や補語(Complement)が置かれて、さまざまな文型を構成します。

これだけでも十分複雑に見えますが、もっと高度な文を作ったり、理解したりするには、基本的な文型をマスターする必要があります。

5文型を正しく使えるベースがあれば、あとは文の正しい位置に情報を足していくだけで、長い複雑な文章もつくれます。

さらに、一つひとつの単語を日本語に訳して、自然な語順に変えなくても英文を読めるようにもなるはずです。

次回から、英語の授業で「Answer in a complete sentence, please.」と先生に言われたらS、V、O、Cのどれが抜けているのかを考えてみましょう。

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