2022/05/04

英検のCEFRとはどんな基準?各段階のレベルを解説

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バークレーハウス編集部 BerkeleyHouse
東京・市ヶ谷にある語学スクール。IELTS公式テストセンターの運営のほか、IELTSやTOEFLの対策講座、英語や中国語をはじめとする40言語に対応した語学教育を提供。

英検を受験するにあたり、「CEFR」や「CSEスコア」といった言葉が気になっている方もいるのではないでしょうか。

CEFRとは、語学力の習熟度を測るための国際的な指標のことを指します。

ここではCEFRの基本的な概要をはじめ、CEFRと英検の関係性、他の英語技能試験との関係性をご紹介します。

目次

CEFRとは?

CEFR(セファール/シーイーエフアール)とは、語学力の習熟後を評価するためのガイドラインです。

正式名称は「外国語の学習・教授・評価のためのヨーロッパ言語共通参照枠(Common European Framework of Reference for Languages: Learning, teaching, assessment)」で、頭文字を取ってCEFRと呼ばれます。

「European」という言葉からわかるとおり、ヨーロッパの欧州評議会によって開発・公開されました。

2001年に正式に発表されましたが、日本語版が導入されたのは2004年。

2018年には補遺版が発表され、大学受験や留学、ビジネスなど幅広い場面で語学力を測る指標として取り入れられています。

現在では日本やヨーロッパ各国をはじめ、中国や台湾、シンガポールなどアジア各国の英語教育政策にもCEFRが使われています。

CEFRは英語だけでなく、その他の言語学習にも共通して使用できるのが特徴です。中国語やドイツ語などの熟達度を測る際にも用いることができます。

CEFRのレベルは全6段階

CEFRのレベルは、高い順からC2~A1まで全6段階に分かれています。

その言語を用いてどのような意思疎通ができるか・どのようなことができるか、といったことがレベル別に評価されます。

また、CEFRの評価軸をより大まかに分けると「熟達した言語使用者」「自立した言語使用者」「基礎段階の言語使用者」の3つに分けられます。

C2やB2など、それぞれのCEFRレベルがどの評価軸に属しているのかを把握することも大切なのです。

以下の表では、レベルごとの熟達度をまとめて解説しています。

段階 CEFR 能力レベル別に「何ができるか」を示した熟達度一覧
熟達した言語使用者 C2 聞いたり読んだりした、ほぼ全てのものを容易に理解することができる。いろいろな話し言葉や書き言葉から得た情報をまとめ、根拠も論点も一貫した方法で再構築できる。自然に、流暢かつ正確に自己表現ができる。
C1 いろいろな種類の高度な内容のかなり長い文章を理解して、含意を把握できる。言葉を探しているという印象を与えずに、流暢に、また自然に自己表現ができる。社会生活を営むため、
また学問上や職業上の目的で、言葉を柔軟かつ効果的に用いることができる。複雑な話題について明確で、しっかりとした構成の詳細な文章を作ることができる。
自立した言語使用者 B2 自分の専門分野の技術的な議論も含めて、抽象的な話題でも具体的な話題でも、複雑な文章の主要な内容を理解できる。母語話者とはお互いに緊張しないで普通にやり取りができるくらい流暢かつ自然である。幅広い話題について、明確で詳細な文章を作ることができる。
B1 仕事、学校、娯楽などで普段出会うような身近な話題について、標準的な話し方であれば、主要な点を理解できる。その言葉が話されている地域にいるときに起こりそうな、たいていの事態に対処することができる。身近な話題や個人的に関心のある話題について、筋の通った簡単な文章を作ることができる。
基礎段階の言語使用者 A2 ごく基本的な個人情報や家族情報、買い物、地元の地理、仕事など、直接的関係がある領域に関しては、文やよく使われる表現が理解できる。簡単で日常的な範囲なら、身近で日常の事柄について、単純で直接的な情報交換に応じることができる。
A1 具体的な欲求を満足させるための、よく使われる日常的表現と基本的な言い回しは理解し、用いることができる。自分や他人を紹介することができ、住んでいるところや、誰と知り合いであるか、持ち物などの個人的情報について、質問をしたり、答えたりすることができる。もし、相手がゆっくり、はっきりと話して、助けが得られるならば、簡単なやり取りをすることができる。

このように、C1~C2は「熟達した言語使用者」、B1~B2は「自立した言語使用者」、A1~A2は「基礎段階の言語使用者」と評されています。

ヨーロッパの教育機関では、「卒業までに生徒の第二言語レベルをB1からC1へ上げる」というように、CEFRの基準を活用した教育指針を掲げているところも少なくありません。

これまで、英語をはじめ外国語の熟達度を測る尺度は国によって差異がありました。

たとえば、日本で高い知名度を誇る英検(実用英語技能検定)は、日本の法人である「公益財団法人日本英語検定協会」が運営しています。

よって必ずしも国際的な知名度があるとは限らず、海外の方へ英検の級をアピールしても「どの程度のレベルなのか判別しづらい」と思われてしまう可能性があります。

グローバル化の昨今、英語をはじめとした外国語の熟達度を測るためには世界共通の指標が必要です。

CEFRは、そうした背景から生まれたといえます。

特に、CEFRが開発されたヨーロッパは他民族が入り混じる地域です。

英語だけでなくスペイン語やフランス語、ドイツ語、イタリア語など言語の種類も多いため、「母国語以外の言語をどの程度使用できるか」という統一的な指標は特に重要となります。

CEFRでこれまでの英語・外国語教育と何が変わる?

これまで、英語教育をはじめとした語学教育は語彙の豊富さや文法の正確さなどが評価基準となっていました。

これに対し、CEFRでは「その言語を使い、具体的にどのような意思疎通・行動ができるのか」という点を大きな評価軸としています。

知識量や正確さだけでなく実践的なスキルも評価されるため、大学入学時をはじめ、移住や就労、留学などの場面でも活用できる指標となっているのです。

CEFRの同じカテゴリでも詳細なスキルレベルに違いがある

B1とB2は、カテゴリ上でみると「熟達した言語使用者」に分類されます。しかし、両者には具体的な違いもあるのです。

B2の熟達度は、「自分の専門分野の技術的な議論も含めて、抽象的な話題でも具体的な話題でも、複雑な文章の主要な内容を理解できる。

(中略)幅広い話題について、明確で詳細な文章を作ることができる」と評されています。

一方のB1の評価は、「仕事、学校、娯楽などで普段出会うような身近な話題について、標準的な話し方であれば、主要な点を理解できる。

(中略)身近な話題や個人的に関心のある話題について、筋の通った簡単な文章を作ることができる」となっています。

つまり、「高度で複雑な話題でも要点を理解できるか」「さまざまなシチュエーションにおいて英語(外国語)を使用できるか」「話題の要点を詳細に伝えられるか」というポイントが両者の違いとなります。

言い方を変えると、CEFRレベルを1段階アップさせるためには、これら3つの要素を意識して学習することが大切だといえるでしょう。

英検の「CSE」と「CEFR」の違い

英検には、「CSEスコア」と呼ばれるスコアシステムが導入されています。

これはリーディング・リスニング・ライティング・スピーキングの4技能別スコアと、それらを合計した総合スコアを算出する指標のことです。

CSEスコアは、CEFRのレベルに換算できるように開発されています。

これによって英検の級・スコアを国際的な基準に照らし合わせることができるようになり、自身の英語レベルを国際基準で測りやすくなりました。

たとえば、CEFRのC1レベルは英検の級に当てはめると1級にあたり、英検のCSEスコアは2,630~3,299点となります。

以下の表は、CEFRレベルと英検の級、CSEスコアの対照表です。

どの級がどのCEFRレベルに該当するのか、またCEFRの目標レベルにまで達するためには英検でいうCSEスコアはどの程度必要なのかを考える際の参考にしてみてください。

<CEFRレベルと英検の級、CSEスコア対照表>

英検の級 CSEスコアの配点 CEFRのレベル
1級 ・合格ライン:2,630点
・全技能の満点:3,400点
・各技能の満点:850点
C1
準1級 ・合格ライン:2,304点
・全技能の満点:3,000点
・各技能の満点:750点
B2
2級 ・合格ライン:1,980点
・全技能の満点:2,600点
・各技能の満点:650
B1
準2級 ・合格ライン:1,728点
・全技能の満点:2,400点
・各技能の満点:600
A2
3級 ・合格ライン:1,456点
・全技能の満点:2,200点
・各技能の満点:550
A1

CSEスコア導入までの経緯

英検にCSEスコアが導入されたのは、2016年度のことです。

英検は日本国内において高い知名度や信頼度を誇る英語の技能試験ですが、グローバル化に伴って従来の採点基準を見直したという経緯があります。

より国際的な視点で受験者の英語力を評価できるよう、国際基準であるCEFRに対応しているCSEスコアのシステムが導入されました。

他の英語試験のスコアとの比較

CEFRのレベルは、英検のCSEスコアだけでなくTOEICやTOEFL、IELTSなどの英語試験のスコアにも換算可能です。

以下の表で、CEFRと各試験の換算例をまとめました。

これから受験予定の級をCEFRレベルに換算するとどのような結果になるのか」、「どれぐらいのスコアを取ればCEFRレベルを上げられるのか」など、自身の現在地とレベルを知る際の目安にしてみてください。

CEFRレベル TOEIC TOEFL IELTS
C2 115~120 8.5~9.0
C1 L&R945~
S&W360~
94~114 7.0~8.0
B2 L&R785~
S&W310~
72~93 5.5~6.5
B1 L&R550~
S&W240~
42~71 4.0~5.0
A2 L&R225~
S&W160~
3.0
A1 L&R120~
S&W80~
2.0

TOEICの場合

TOEICのスコアには、CEFRレベルのC2に該当する範囲がありません。

L&Rで945点以上、S&Wで360点以上のスコアがCEFRレベルのC1になります。

TOEICは、英検と並んで日本国内で高い知名度を誇る英語試験です。

TOEICスコアはA~Eの5段階に分かれており、最も高いのはAレベル、スコアは860以上とされています。

具体的な評価としては、「非ネイティブとして十分なコミュニケーションができる」「経験の範囲内であれば、専門外の話題でも十分に理解でき、ふさわしい表現を使用できる」「語彙・文法・構文のいずれも正確に理解し、流暢に駆使することができる」となっています。

TOEFLの場合

TOEFLは、欧米やアジア各国など160ヶ国以上の国・エリアで導入されている英語試験です。

英語圏の大学や大学院へ入学を目指している、非英語圏出身の方の英語力を目的に開発されました。

アメリカやカナダなど英語圏の大学で学ぶことを目標としている方に向けた英語試験であるため、試験内容も学術的なものや大学生活に関係するものであるケースが多くみられます。

TOEFLの115~120点は、CEFRレベルでいうと最高レベルのC2に該当します。

大まかな目安にはなりますが、CEFRのA2以下に該当するスコアは公開されていません。

IELTSの場合

IELTS(アイエルツ)とは、世界でも最大級の受験者数を抱える英語試験です。IELTSの受験を考えている方は、目標や目的がさまざま。

国内大学への入学をはじめ、海外の大学・大学院への進学を検討している方、海外赴任のVISA取得や英語圏への移住を目的としている方も少なくありません。

IELTSは、進学やビジネスに必要な英語力を客観的に証明できる英語試験だといえます。

IELTSのスコアは、9.0~1.0に分かれています。

最高点である9.0点を取得した方は「エキスパートユーザー」と評され、具体的な評価は「適切かつ正確、流暢に英語を駆使できる」とされています。

CEFRレベルに換算すると、最高レベルのC2に該当します。

CEFRレベルを意識した英語学習を

CEFRは、欧米やアジア各国で導入されている評価基準です。

目的や目標にもよりますが、これからの英語学習はCEFRのレベルを意識することが大切だといえるでしょう。

特に、海外の大学や大学院への進学を考えている方、長期留学や移住を検討されている方は、CEFRレベルを強く意識して計画的に英語学習を進めることが重要となります。

そのためには、CEFRへの対応の有無を教材選び・スクール選びの基準として据えるのがおすすめです。

前述のように、CEFRは「その言語を使って具体的にどのようなことができるのか」を測る基準。

受験する英語試験によっては、難解で学術的な話題を正確に読み解く高度な英語力が求められます。

よって、独学でCEFRのレベルを上げるのには限界があります。

バークレーハウス語学センターでは、IELTSをはじめ英検やTOEIC、TOEFLなどの試験対策講座を実施中。

自身の目標に合った対策講座が受講できます。

各対策講座では、無料の体験レッスンも行っています。

それぞれの英語試験に精通した専門の講師が、基本マンツーマンで指導し、自身の得意分野・苦手な分野を着実に補強できるのが強みです。

詳細は、以下の「語学試験対策 一覧」でご確認いただけます。CEFRレベルを意識した英語学習は、バークレーハウス語学センターへぜひお任せください。

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