英検取得が転職や大学入試に活かせることはよく知られていますが、実は海外留学にも活かすことができます。
現在、 アメリカを含む大学約400校で、英検が留学時の英語力証明として認められているのです。
海外留学に英検を活かす場合は、準2級以上の取得が必要といわれています。
海外留学を目指して準2級の取得を検討している方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、英検準2級の出題傾向や対策方法について解説します。
二次試験の面接で落ちる方の特徴も解説するため、試験対策の参考にしてみてください!
英検準2級のレベル
日本英語検定協会の公式ページによると、英検準2級は高校中級程度とされています。
日常生活でよく使われる英語の理解と使用ができるレベルとされています。
また、大学入試や海外留学で評価されるレベルです。
英語の基礎学力がメインであった3級と比べ、より実践的な英語力が求められます。
英検準2級の試験内容
英検準2級は、一次試験と二次試験に分かれており、一次試験に合格しなければ二次試験を受験できません。
一次試験と二次試験、それぞれどのような形式で問題が出題されるのかを、以下で解説します。
一次試験
一次試験は、筆記(75分)およびリスニング(約25分)で構成されています。
筆記は、リーディングとライティングの試験で構成されています。
筆記試験終了後にリスニング試験が開始されます。
リーディング
リーディングは、次の4つの形式で出題されます。
出題形式 | 問題数 | 詳細 |
短文の空所補充 | 20 | 短文の空所に合う語句を4つの選択肢から選ぶ問題 |
会話文の空所補充 | 5 | 会話の空所に合う文や語句を4つの選択肢から選ぶ問題 |
長文の空所補充 | 5 | 長文の空所に合う語句を4つの選択肢から選ぶ問題 |
長文内容の一致選択 | 7 | 長文の内容に関する質問の答えを4つの選択肢から選ぶ問題 |
ライティング
ライティングの出題形式は英作文で、問題数は一問です。
質問に対する 自分の意見を、賛成・反対のいずれかの立場から、50〜60語の英文で書きます。
質問内容は、学校生活や日常生活に対する質問が多く出題されます。
リスニング
リスニングは次の形式で出題されます。
出題形式 | 問題数 | 詳細 |
会話の応答文選択 | 10 | 会話の最後に発話される質問に対する答えを3つの選択肢から選ぶ問題 |
会話の内容一致選択 | 10 | 会話の内容に関する答えを4つの選択肢から選ぶ問題 |
文の内容一致選択 | 10 | スピーカーによるナレーションのあと質問に対する答えを4つの選択肢から選ぶ問題 |
二次試験(スピーキング)
二次試験は面接形式で実施され、試験時間は約6分程度です。
出題形式 | 問題数 | 詳細 |
音読 | 1 | 面接官から渡された問題カードのパッセージ(50語程度)を音読する |
パッセージについての質問 | 1 | 音読したパッセージ内容の質問について答える |
イラストについての質問 | 2 | ・問題カードのイラストの人物の行動を説明する ・登場人物の気持ちや状況を説明する |
受験者自身の意見など | 2 | ・問題カードのトピックに関して受験者自身の意見を問う質問に答える ・日常生活の身近なことについての質問に答える |
英検準2級の出題傾向
次に、英検準2級の一次試験および二次試験の各問題の出題傾向を説明します。
リーディング
リーディングは次の形式で出題されます。
出題形式 | 出題傾向 |
短文の語句の空所補充 | ・英単語、英文法知識が問われる ・英文法は主に中学生レベルの表現が出題 |
会話文の空所補充 | ・熟語や会話表現が出題 ・空所の前後の文章を正しく読み取るだけでなく、重要表現を覚えることが必要 |
長文の語句の空所補充 | ・準2級から出題される(5級〜3級は出題されない) ・単語だけではなく、文脈を読み取る力が問われる |
長文の内容の一致選択 | ・準2級レベルの単語を使ったEメールや説明文が出題 ・制限時間内に長文を読み、解答できる読解力が必要 |
ライティング
ライティングは、筆記試験のなかで唯一記述式の問題です。
質問に対する自分の意見を50〜60語の英文で書きます。
質問内容は、 買い物、食事、天気、旅行や趣味など日常生活や将来についてのテーマが出題されやすいです。
まず質問に対して賛成か反対かの立場を述べたあと、その理由を2つ述べ、最後に結論を書くことがポイントです。
リスニング
英検準2級になると、リスニング音声が一度しか流れません。
聞き逃さないためにも、音声が流れる前に選択肢に目を通しましょう。
出題形式 | 出題傾向 |
会話の応答文選択 | ・男女2人の会話を聞き、会話の続きとして適切な解答を選択 ・音声の最後の発話を聞き逃さないことが重要 |
会話の内容一致選択 | ・男女2人の会話が一度のみ流れる ・ 会話する人物の行動や状況を問う質問が多い ・会話の流れを正確に聞き取ることが重要 |
文の内容一致選択 | ・ナレーションが流れ、その内容についての質問に答える ・内容は人物エピソード、社会的レポート、公共アナウンスなど ・ナレーション内容のポイントを掴めるかが重要 |
スピーキング
二次試験のスピーキングテストは、面接官との約6分程度の個人面接です。
面接官から問題カードを受け取り、カードに記載されたパッセージの音読、パッセージに関する質疑応答を行います。
最後は、問題カードのトピックに関して自分の意見を述べます。
面接でよく出題されるトピックは、以下のような日常的な話題がほとんどです。
- ボランティアガイド
- ホームシアター
- 映画祭
- プリペイドカード
英検準2級の合格点数
英検では、CSEスコアと呼ばれる採点方法が採用されています。
英検準2級の合格点は、一次試験が1,322点、二次試験が406点です。
リーディング・リスニング・ライティングの技能ごとに算出された指標をもとに一次試験の合否を判定しています。
そのため、各問題に配点が固定されておらず、自己採点ができないのが特徴です。
また、合格率は2015年度の36.7%以降公表されていません。
英検準2級の合格に必要な学習時間
英検3級程度の英語力があると想定した場合、合格に必要な学習時間は約26〜33時間ほどです。
各学習内容の時間配分のイメージは以下の通りです。
学習内容 | 学習時間 |
過去問を解く | 11〜12時間 |
苦手分野や弱点の復習 | 8〜10時間 |
苦手分野の復習 | 4〜6時間 |
スピーキングの練習 | 3〜5時間 |
あくまでも目安の学習時間です。
当然ですが、学習開始時の英語力には個人差があり、また勉強方法によって学習効率も異なります。
英検準2級の勉強法
ここからは英検準2級の勉強法を解説します。
英検準2級レベルの単語や重要表現をマスターし、過去問を繰り返し解き、出題形式に慣れることが重要です。
英検準2級の勉強法
- 単語力を上げる
- 過去問を繰り返し解く
- 二次試験の対策を行う
単語力を上げる
高校1〜2年のレベルまで英単語のレベルを高めましょう。
一次試験の大問1「短文の語句の空所補充」の20問中、10問程度は単語の知識を問う問題です。
準2級用の単語集を利用して、音声とともに何度も繰り返し覚えることが大切です。
通学・通勤や休憩のスキマ時間を活用して勉強をするなら、英単語専用アプリがおすすめです。
過去問を繰り返し解く
単語レベル、文法、英熟語の基礎を固めたあとは、過去問を繰り返し解きましょう。
問題集の模範解答や解き方のポイントを参考に問題を解くことが大切です。
繰り返し解くことで、出題形式に慣れるでしょう。
また、実際の試験と同じ問題数を制限時間内に解く訓練を行いましょう。
実際の試験で解答時間に余裕ができれば、それだけ解答を見直す時間を確保できます。
二次試験の対策を行う
二次試験の面接の練習をする場合、可能であれば、友人や先生に頼んで面接官の役を演じてもらいましょう。
二次試験用の問題集を使ってシミュレーションするのがおすすめです。
試験の評価には、アティチュードが含まれています。
そのため、アイコンタクトやコミュニケーションを積極的に取ろうとする態度も練習しましょう。
英会話に慣れておくことも重要です。
\ アティチュードってなに?/英検準2級の対策におすすめの書籍
英検準2級の対策におすすめの書籍を3つ紹介します。
【問題集】DAILY20日間 英検準2級 集中ゼミ
本書は英検の出題形式ごとに、解き方のポイントが詳しく解説されています。
英検を初めて受ける方や、英検対策初心者の方におすすめです。
1日30分、1単元ずつ学習すれば、20日間で一次試験合格を目指せるように作られていて、学習計画を立てやすく続けやすいでしょう。
赤いセルシート付きで、ポイントとなる英単語の暗記に便利です。
【問題集】英検準2級 過去6回全問題集
本書には、過去6回分の過去問が収録されています。
6回分の過去問を解くことで、出題形式に慣れることができるでしょう。
正解以外の単語にもすべて解説がついているため、正解した問題の解説もしっかり参考にしながら学習できます。
Web特典として、「自動採点サービス」や、「面接シミュレーション動画」が付いています。
【単語帳】英検準2級でる順パス単
英検準2級でる順パス単は、過去5年間の過去問を分析して作られた単語帳です。
試験でよく出題される順に英単語、英熟語、会話表現が並べられています。
また、単語が覚えやすいようにすべての単語に用例がついています。
頻出とされている単語を重点的に学べるため、効率よく学習できるでしょう。
別冊単語帳付きで、書き込みながら単語を覚えられます。
英検準2級の面接で落ちる人の特徴
「一次試験はクリアしたけど、二次試験が合格できない」という方も多いのではないでしょうか。
面接では、アティチュードが評価対象となっており、机上の勉強だけでは十分な対策ができません。
ここでは、二次試験の面接で落ちてしまう方の特徴を解説します。
面接に苦手意識がある方は、当てはまる点がないか参考にしてください。
準備不足
二次試験に臨む前に、最低でも以下の3点を把握しましょう。
- 試験の流れ
- 問題カードや面接官からの質問内容
- 採点基準
面接の流れや求められるポイントを理解したうえで試験に臨まなければ、本番の緊張で本来の力を発揮することができないでしょう。
\ スピーキング対策をもっと詳しく解説!/積極的な姿勢がない
二次試験の評価項目にアティチュードがあります。
これはコミュニケーションに対する姿勢に対する評価です。
面接官からの質問の解答に詰まってしまい時間稼ぎをしたいときは、無言は避けましょう。
以下のような、「考え中です」という意思表示をするようにしましょう。
- Let me see…
- What should I say…
また、面接官が話している最中に相槌をうったり、面接官の発言が聞き取れなかったときに、聞き返すフレーズ “I beg your pardon?” なども覚えておきましょう。
カジュアルな言葉を使ってしまう
二次試験は、フォーマルな形式で実施されるため、カジュアルな英会話とは異なります。
面接開始直後は、受験者をリラックスさせるため、試験と直接関係のない会話があるかもしれません。
しかし、問題カードを渡されたあとは試験が始まっています。
丁寧な言葉遣いを心がけましょう。
また、参考書で学んだ言葉だけを発するような機械的なコミュニケーションは避けましょう。
英検準2級の合格のポイント
最後に、英検準2級に合格するためのポイントを解説します。
準2級レベルの単語・熟語の習得し、過去問を使って出題形式や時間配分に慣れるのがポイントです。
リーディング
準2級の単語帳を使って、まず単語・熟語を定着させることが大切です。
ある程度単語・熟語が定着したら、過去問を使って実際の試験と同じ制限時間で問題を解きましょう。
その際は、各問題の時間配分を意識しながら解きます。
長文問題に時間を残すためにも、前半の短文問題はスピード感をもって解けるようにトレーニングしましょう。
また、長文問題は、文章を読む前に、長文のタイトルと問題の選択肢に一度目を通しましょう。
何についての文章なのか、どんなことが問われているのかを推測することができます。
ライティング
ライティングはある程度型にはまった構成が存在します。
まずその構成を習得しましょう。
ライティングの構成は以下の流れが基本です。
目安の単語数は50〜60語です。
ライティングの構成ポイント
- 1. 主張:トピックに対して賛成か反対か立場を明確にする
- 2. 理由:具体例を挙げながら、自分の意見を根拠づける理由を2つ述べる
- 3. 結論:最後に意見をまとめる
リスニング
リスニングは、音声が流れる前にその問題の選択肢を先読みすることが重要です。
また、大問1「会話の応答文選択」では、スピーカー1人目の2回目の発言に集中しましょう。
なぜなら、スピーカー2人目の2回目の発言が問題の選択肢であるためです。
また、音声が聞き取れず正解がわからない場合は、適当に選択肢を選んで次の問題へ進みましょう。
解答に時間をかけていると、次の問題の音声が始まってしまいます。
気持ちを切り替えて次の問題に集中しましょう。
スピーキング
前述した通り、スピーキングは積極的にコミュニケーションをとる姿勢が評価の対象となっています。
面接官の発言・質問にはアイコンタクトや、“Thank you.” など何らかのリアクションを起こしましょう。
また、面接官の発言が聞き取れるように、日頃からネイティブスピーカーの発音に慣れておくと良いでしょう。
英検対策をするならバークレーハウス
今回は、英検準2級の出題傾向や対策方法について解説しました。
また、二次試験の面接で落ちる方の特徴についても詳しく紹介しました。
二次試験の面接では、積極的なコミュニケーションを評価するアティチュードも重要になってきます。
独学で習得するのが難しければ、ネイティブスピーカーや英語講師との面接対策が効果的です。
英検準2級に合格するならバークレーハウスの英検対策講座がおすすめです。
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