英検は日本国内でとくに知名度が高く、幅広い年齢層が受験している英語能力試験です。
学習レベルに応じてステップアップできる英検は、英語学習のモチベーション維持に適しています。
また、英検の特徴として成績優秀者を表彰する制度があり、受験級によっては満点を取ると賞状やバッジがもらえます。
「英検で満点を取るにはどのように勉強すればいいの?」
「英検の満点スコアは、入試や就職に有利になる?」
このような疑問を持つ方もいるのではないでしょうか。
今回は、英検で満点スコアに近づくためのさまざまな勉強法を紹介します。
英検満点を取得したら入試や就職で有利になるのか、他の英語能力試験との比較を交えて解説しています。
ぜひ参考にしてみてください。
英検の級ごとの満点は何点?
英検の満点は級ごとに異なります。
それぞれのスコアを以下の表にまとめたので、見ていきましょう。
英検の満点スコア一覧表
級 | 満点 | 一次試験 | 二次試験 |
1級 | 3,400 | 850×3 | 850 |
準1級 | 3,000 | 750×3 | 750 |
2級 | 2,600 | 650×3 | 650 |
準2級 | 2,400 | 600×3 | 600 |
3級 | 2,200 | 550×3 | 550 |
4級 | 1,000 | 500×2 | ー |
5級 | 850 | 425×2 | ー |
英検は1次試験がリーディング、リスニング、ライティング、2次試験がスピーキングのテストです。
4つの技能が総合的に評価されます。
ただし、4級、5級はリーディングとリスニングのみ実施されるので、上限のスコアが低くなっています。
一次試験・二次試験の合格基準は?
英検合格に必要なスコアには基準があります。
英検の試験ごとの合格基準スコア
級 | 一次試験 | 二次試験 | 正答率(%) |
1級 | 2,028 | 602 | 77.4 |
準1級 | 1,792 | 512 | 76.8 |
2級 | 1,520 | 460 | 76.2 |
準2級 | 1,322 | 406 | 72.0 |
3級 | 1,103 | 353 | 66.2 |
4級 | 622 | ― | 62.2 |
5級 | 419 | ― | 49.3 |
5級から5割以上取得していれば合格です。
4級・3級は全体の7割以上が合格ラインと言えます。
準2級〜1級は全体の8割以上が合格の目安です。
満点を取ると賞状・バッジがもらえる
英検では年に一度、成績優秀者が表彰される制度があります。
個人に贈られる賞の種類と、賞与の条件を確認してみましょう。
英検の成績優秀者の種類
賞 | 賞与の条件 |
文部科学大臣賞 | 米国大使賞、ブリティッシュ・カウンシル駐日代表賞、カナダ大使賞、オーストラリア大使賞、商工会議所会頭賞の方の中から、一番英検CSEスコアが高い人に贈られる |
米国大使賞 | 英検CSEスコアの高い大学生、短期大学生、専修学校生に贈られる |
ブリティッシュ・カウンシル駐日代表賞 | 英検CSEスコアの高い高校生に贈られる |
カナダ大使賞 | 英検CSEスコアの高い中学生や小学生に授与される |
オーストラリア大使賞 | 英検CSEスコアの高い教員に贈られる |
日本商工会議所会頭賞 | 英検CSEスコアの高い社会人に贈られる |
生涯学習奨励賞 | 英検CSEスコアの高い60歳以上に授与される |
日本英語検定協会奨励賞 | 過去10年間で1級を3回以上合格した人に贈られる |
日本英語検定協会特別賞 | 過去10年で5級~1級の全ての級を取得した人 ※原則該当年度に1級を取得した人が対象 ただしそれ以外の人でも全級合格が確認できた場合、選考対象となる可能性がある |
日本英語検定協会満点賞 | 4級と5級で満点を取得した人全員に贈られる ※第1回~第3回のいずれかの満点合格者に翌年度郵送で表彰とバッジが贈られる |
英検4級と5級では、満点を取った人全員に、記念の賞状と満点バッジが贈られます!
さらに上の級を目指す良いきっかけになりそうです。
英検で満点スコアに近づくための勉強法を紹介
英検3級以上に合格するためには、一次試験のリーディング、ライティング、リスニング、二次試験のスピーキング、すべてパートの対策が必要です。
まず英検のHPに公開されている過去問を解いて、問題の形式や傾向を把握しましょう。
英検2級、3級に合格するための詳しい勉強法については以下の記事で紹介しています。
さらに英検で満点スコアに近づくためには英語力を土台から鍛える必要があります。
日頃から出来るだけ多くの英語をインプットすること、自分の意見などを英語でアウトプットする習慣を身につけることが重要です。
スキマ時間に取り組めて、毎日無理なく続けられる英語学習法を紹介します。
小説や漫画を読む
リーディング力をアップさせるには英語で小説や漫画を読むのがおすすめです。
小説を読む
自分の英語レベルに合った、簡単に読めるものをたくさん読みましょう。
分からない単語は推測しながら読むことでリーディング力の強化につながります。
挫折しないよう興味のあるジャンルを選ぶことが重要です。
日本作家の好きな作品を英語版で読むのも良いでしょう。
漫画を読む
漫画はリアルな英会話表現を学ぶのに役立ちます。
センテンスが短く、絵から内容を推測できるので読みやすいです。
お気に入りの漫画を英語で読めば楽しく続けられます。
初めはバイリンガル版を選ぶのも良いでしょう。
枠の外に日本語のセリフも書かれているのですぐに意味を確認できます。
リスニングはニュースや洋画を見よう
リスニング力向上には外国のニュース動画や、海外映画を視聴するのが有効です。
毎日見ることで耳が英語のリスニングに慣れていきます。
外国のニュース動画を見る
外国メディアのHPやYouTubeチャンネルなどで、ニュース動画をチェックしましょう。
CNN、ABC NEWS、BBCなどが有名です。
YouTube動画は字幕ボタンで英語字幕を出せる場合がほとんどなので必要な方は活用してください。
VOAやBBC Learning Englishなど、英語を母語としない学習者向けのサイトではスピードがゆっくりで理解しやすい英語が話されています。
海外映画を見る
海外映画でもリスニングの練習ができます。
以下の手順で見るのがおすすめです。
①音声は英語、字幕は日本語で見る。
②音声と字幕、どちらも英語で見る。
③英語音声のみ、字幕なしで見る。
英語のセリフを字幕なしでそのまま聞き取れるようになるのが目標です。
ライティングは日記やSNSを活用
ライティング力を鍛えるには日記を英語で書いたり、SNSを活用して英語で交流したりするのがおすすめです。
英語でアウトプットする力がつくと、スピーキング力強化にもつながります。
日記を英語で書く
日々のできごとや自分の考えを英語で考え、表現する力が身につきます。
ネイティブスピーカーの先生や友達がいる方は内容をチェックしてもらうといいでしょう。
文法の間違いを指摘してもらったり、より自然な英語表現を教えてもらったりすることで着実にライティング力がアップします。
SNSを活用
Twitter、InstagramなどのSNSを活用して英語で交流するのも良い方法です。
自分が伝えたいことを英語で書いて発信すると、英語でコメントがもらえることもあります。
まずは好きな海外俳優やアーティストなどをフォローし、英語で情報を得るところからはじめてみましょう。
英検の満点は入試や就職に有利となる?
英検を入試や就職に活かしたい場合は、満点を取ることよりも、より上位級への合格を目指す方が効果的です。
英検は何級を持っているかで英語力をはかる試験なので、満点でも何級かによっては英語力のアピールに繋がりにくいことがあります。
ただし、成績優秀者は英検協会から表彰されるメリットがあるので、「受けるからには高い目標が欲しい」「賞状やバッジが欲しい」という方は満点を目指して学習するのも良いでしょう。
英検が評価されやすいのは2級以上から
英検が入試や就職で評価されやすいのは、高卒レベルの2級以上からです。
2014年度以降、英検の合格証明書にはCSEスコアが表示されるようになりました。
英検2級以上を満点で取れれば就職や入試で有利になる可能性があります。
外資系企業や海外での就職を希望する場合は、英検よりも世界的に使用されているTOEFLやIELTS、TOEICなどの受験も視野にいれることをおすすめします。
英検満点とIELTS、TOEFLを比較
TOEFLやIELTS、TOEICはスコアで英語力をはかる試験です。
これらの試験において、満点スコアは極めて高い英語力の証明になります。
英検とその他の英語能力試験のスコア換算は以下のようになります。
IELTS | ケンブリッジ | TOEFL iBT | TOEFL CBT | TOEFL PBT | TOEIC | 英検 |
9 | CPE | 120 | 297~300 | 673~677 | ー | ー |
8.5 | 〃 | 119 | 293 | 670 | ー | ー |
8 | 〃 | 117~118 | 287~290 | 660~667 | ー | ー |
7.5 | 〃 | 109~116 | 267~283 | 630~657 | 970~990 | ー |
7 | CAE | 100~108 | 250~263 | 600~627 | 870~969 | 1級 |
6.5 | 〃 | 90~99 | 233~274 | 577~597 | 820~869 | ー |
6 | FCE | 80~89 | 213~230 | 550~573 | 740~819 | 準1級 |
5.5 | 〃 | 69~79 | 192~212 | 521~549 | 600~739 | ー |
5 | 〃 | 61~68 | 173~190 | 500~520 | 550~599 | 2級 |
4.5 | PET | 52~60 | 150~170 | 470~499 | 500~549 | ー |
4 | 〃 | 45~51 | 130~149 | 450~469 | 450~499 | 準2級 |
3.5 | 〃 | 33~44 | 110~129 | 400~449 | 300~449 | ー |
3 | KET | 29~32 | 100 | 391~399 | 291~299 | 3級 |
2.5 | 〃 | 20~28 | 90 | 390 | 270~290 | ー |
2 | ー | 12~19 | ー | 350~389 | 260~269 | 4級 |
1.5 | ー | ー | ー | ー | 100~259 | 5級 |
まとめ
英検における級ごとの満点スコアと合格基準、成績優秀者へ贈られる賞や、満点に近づくための勉強法について紹介しました。
英語力の証明として入試や就職で評価されやすいのは英検2級からです。
外資系や海外での就職を希望する方はTOEFL、IELTS、TOEICなどの受験も視野に入れることをおすすめします。
今回紹介した英検満点に近づく勉強法は、どの試験で高スコアを目指すときにも役立ちます。
毎日の英語学習に取り入れられそうなものがあれば、ぜひ試して見てくださいね。