2023/02/03

英検5級のリーディング必勝法を解説!難易度や内容、対策のコツまで

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バークレーハウス編集部 BerkeleyHouse
東京・市ヶ谷にある語学スクール。IELTS公式テストセンターの運営のほか、IELTSやTOEFLの対策講座、英語や中国語をはじめとする40言語に対応した語学教育を提供。

5級は、英検級の中では一番低い難易度の試験です。

中学初級レベルの英語力があれば、じゅうぶんに合格可能な英語試験です。

しかし、はじめて英検を受ける方にとっては試験形式がわからず、不安に感じる点も多いと思います。

本記事では、5級のリーディング問題について解説をします。

紹介するリーディングパートのコツや時間配分、学習法を実践し、確実な合格を目指しましょう。

目次

英検5級の難易度は中学初級レベル

英検は老若男女、年齢や世代に限らず幅広い層がどの級からでも挑戦ができる試験です。

上から、1級・準1級・2級・準2級・3級・4級・5級の全部で7つのレベルが存在します。

自身の英語レベルに合わせていずれかの級に申し込み、試験で合格ラインの点数を取得できれば、受験級の資格が合格認定されます。

登竜門となる5級の難易度は、中学初級レベルと明記されていますが、中学1〜2年生で習うような内容と考えて問題ないでしょう。

取得するタイミングとしては、小学校や中学校がおすすめです。

5級の審査基準は、「初歩的な英語表現を理解することができ、同時に表現することができる」という基準です。

たとえば、中学1年生で習うような現在形・否定文・疑問文などの文法が必要とされ、家庭や学校などの日常会話で使用する単語や挨拶表現が頻出されます。

英語初心者の最初の目標、また力試しとしては最適です。

英検の上級レベルに挑戦するのも自由ですが、まずは5級から着実に合格を目指すのも良いでしょう。

5級の試験は、単語・文法の知識が問われる問題がバランス良く出題されるため、5級の対策勉強は英語を学ぶ土台となる基礎力が身につきます。

英検5級の試験内容とは?

英検5級は他の級と同様に、試験会場で年に3回実施されます。

2022年度は、6月(第1回)・10月(第2回)・1月(第3回)の日程で実施されました。

また、2023年度の英検試験日程については、こちらの記事を参考にしてください。

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英検は試験級ごとに試験時間は異なります。

5級は一次試験が筆記25分、リスニングが20分となっています。

すべてペーパー試験形式で、いくつかの選択肢から答えを選び、解答用紙に記入します。

英検4級までは、リーディングとリスニングの2技能の点数次第で合否が決まります。

3級以上になると、リーディング・リスニング・ライティング・スピーキングの4技能で合否判定されます。

5級は一次試験のリーディングとライティングで合格点を取得すれば、5級の資格が合格認定されることとなります。

他の英検級のように二次試験としてスピーキングも実施されますが、5級では二次試験は5級の合否そのものに影響ありません。

2016年度第1回試験より、5級にスピーキングテストが導入されるようになりました。

しかし、一次試験の合否に関わらず、受験者で希望する方は自宅で受験できるような方式です。

スピーキングを受験すれば、スピーキングのみの力試しができます。

5級の試験で出題される英語の範囲は、以下で挙げるような身近な話題となります。

自分や身の周りの人(家族や友達)について話すといったシチュエーション設定が多くなっています。

シチュエーション

  • 家庭
  • 学校
  • 地域(各種店舗・公共施設を含む)

話題

  • 家族
  • 友達
  • 趣味
  • 旅行
  • スポーツ
  • 天気
  • 道案内
  • 自己紹介
  • 休日の予定

単語や会話文の選択問題となるリーディング分野では、基本的な単語や会話表現、英文法の習得度も試される内容となっています。

4級以上で出題される、英語の長文読解は5級では出題がありません。

リスニング問題では、短い英文や会話の応答を聞き取る必要があり、より実践的な英語力が問われます。

英検5級の一次試験の構成は以下の通りとなります。

リーディング

①大問1・・・短文の語句空所補充(15問)
短い英文で空所に入る適切な語句を入れる。
名詞、動詞など各品詞から出題され、現在進行形・代名詞など文法知識も問われます。
②大問2・・・ 会話文の文空所補充(5問)
短い会話文の中で、空所に入る適切な英文を選択します。
会話の中での決まり文句や挨拶、疑問文に適切な答えを選ぶなどの形で出題されています。
③大問3・・・・日本文付き短文の語句整序(5問)
並べ替え問題で、いくつかの単語が並んでいるのを適切な語順で答えます。
文法知識がとくに必要となり、疑問文のときの語順に注意して解く必要があります。

リスニング

①大問4・・・ 会話の応答文選択 (10問)
問題用紙に印刷されたイラストの場面にそって会話が流れ、登場人物の適切な応答を流れてくる英文の選択肢の中から選びます。
問題文、答えとなる英文は問題用紙に印刷されていません。
②大問5・・・会話の内容一致選択(5問)
1ラリーの会話を聞いて、その内容に関する質問に答えます。
会話と質問文は印刷されていません。
会話の中の数量・人名・場所など具体的な内容を聞き取る必要があります。
③大問6・・・ イラストの内容一致選択(10問)
3つの英文が流れ、イラストの内容に合う英文を3択で選びます。
イラストのみが印刷され、英文は記載されていません。

*リスニング問題の英文は2回放送されます。

英検5級の難易度と合格スコア

英検は独自のスコア基準採用しており、それによって合格点が決められています。

合格基準のスコアによって合否判定がされる、ということです。

単に1問1点というような計算ではないので、注意が必要で、正確なスコアを自己採点することは困難となっています。

5級では、リーディングパートに該当する大問1〜3で25問ほど出題され、リスニングパートに該当する大問4〜6でも25問出題されます。

しかし、3級以上でライティング問題とスピーキングが加わってくると、リーディング・リスニング・ライティング・スピーキングの各分野の問題数が異なってきます。

このCSE基準では、技能ごとにスコアを均一の割合で算出するため、1問1点のような基準では計算できず、分野ごとの正答数がCSEスコアとして換算されています。

5級では問題数で言うと、リーディング・リスニングそれぞれ25問ずつとなっています。

この25問が、CSEスコアとしてリーディングとライティングそれぞれ425点満点で換算され、5級全体のCSEスコアは850点満点となっています。

この850点満点中、419点以上が合格点となっています。

リスニングとリーディングで合わせて合格点以上を取れば良いため、どちらかが極端に低くても合計で419点以上超えれば合格ということです。

しかし、CSEスコアで419点以上と言われてもイメージがしづらいと思います。

1次試験50問中、30問~40問の正解で、合格の可能性があると考えて良いでしょう。

つまり、正答率を6~7割超えることを目標にすれば良いのです。

英検5級は、しっかりと基礎を身につければ合格可能なレベルで、受験者全体の合格率は約80%です。

英検の公式データによると、2016年度以降は、正確な合格率は発表されていません。

2015年度に最後に公表された合格率は81.4%でした。

さらに、2010年以降の合格率は概ね80%で横ばいです。

試験の難易度が現在まで大きく変わっていないことを考えると、5級は高い合格率であることが分かります。

しっかりと対策をすれば合格可能な試験です。

英検5級リーディングパートの問題内容

英検5級のリーディングについては、「初歩的な語句や文を理解することができる」ことが審査領域となります。

家族や趣味、スポーツなど自分の身の回りに関する英語が中心です。

リーディング問題は、大問3つで以下の問題から構成されます。

合計で25問の問題となります。

すべて選択式の問題で、答えを記述する問題はありません。

  • 短文の語句空所補充(15問)
  • 会話文の文空所補充(5問)
  • 日本文付き短文の語句整序(5問)

リーディングの試験時間は25分間で、試験時間から25分を過ぎるとリスニングの音声が流れ、リスニングの問題を解き始めることとなります。

5級の概要について説明しましたが、リーディングパートの問題形式ごとの対策や語彙など、詳しくは以下のURLでも詳しく紹介しています。

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どのような英語が必要になるか、詳しく見ていきましょう。

英検5級のリーディングパート対策

5級の試験では、リーディングで安定して高得点を狙うと、リスニングが苦手でもカバーでき、合格できる可能性が高くなります。

リスニングでは、連続して英語を聞くことに慣れてない人が多いため、実際つまずく人も多いのです。

まず、リーディングでポイントとなるのが単語です。

小・中学校で習うようなベーシックな単語や教科書に載っている語彙は覚えていきましょう。

また、単語のメインとなる意味だけ押さえれば足ります。

英単語の中には、複数の意味を持つものも多いです。

たとえば、”like”という単語は、動詞で「~が好き」という意味がよく使われ基本の意味となりますが、他にも前置詞で「~のような」という意味も持ちます。

しかし、5級で問われるのは基本的な意味を1つ知っているかで、この場合は「~が好き」という意味だけ知っておけば良いのです。

さらに、5級合格に必要な語彙数は600語と言われています。

多いように見えますが、これは ” dog ” や “ cat ”といった基本的な名詞も含めて600語で、中学の授業レベルで達することができる数です。

現在、小学校で習う英語の語彙数レベルは、600〜700語と言われています。

単語については、教科書や過去問で出てきた単語をおさらいし、分からない単語が出てきたら都度覚えていくのが良いでしょう。

5級はすべて選択式の問題で、たとえスペルが分からなくても何となく単語の意味を覚えていれば正解できることも多いです。

ただ、適当に覚えていても、基礎知識に繋がりません。

勉強法としては、問題ごとに解きながら傾向をつかみ対策をしていくことが、着実な合格へと繋がります。

短文の語句空所補充(15問)の対策

大問1は次のような形式で25問出題されます。

Tom ( ) in a band with her friends.
① puts
② paints
③ sings
④ speaks

この問題では、動詞が出題され、意味に合う適切な動詞を選ぶこととなります。

出題される品詞はさまざまで、動詞・名詞・形容詞などの単語が出題されています。

まぎらわしい引っ掛けの問題はなく、知識があれば答えられる問題となっています。

たとえば、スペルで間違いを促すような問題はまず出題されません。

選択肢ではまったく意味の異なる問題が並び、そこから答えを選びます。

家族を表す単語、動作を表す単語など、日常会話の語句を中心に覚える必要があります。

たとえば、一人称(私)・二人称(あなた)・三人称(彼、彼女)などの名詞と、それに伴うbe動詞や一般動詞の変化形はマスターしておきましょう。

” me “や” mine “など代名詞の格変化も頻出です。

動作を表す動詞では、” like “、” watch “、” read “、” eat “など日常生活で身近な動詞が出題されることが多いです。

また、単語の意味だけで解ける問題もありますが、文法問題も出題されています。

現在形・否定形・疑問形・疑問詞・命令形をはじめとして、中学校1〜2年生で習う文法事項の基礎は押さえておきましょう。

現在形と現在進行形ではどのように動詞の形が違ってくるのか、といったことをしっかり覚えてください。

会話文の文空所補充(5問)の対策

大問2は、選択肢で単語ではなく英文から、空所に入る適切なものを選ぶ内容となります。

会話は1往復、2人の人物の会話という設定です。

Mother : How about this skirt, Ann?
Girl : ( ) It’s my favorite color.
1 I can go.
2 I’m 13 years old.
3 I’m sorry.
4 I love it.

ここでは選択肢はどれも文法的に正しく、間違っている単語も出てきません。

あくまで、会話の流れのなかで最も適切な表現を選ぶことがポイントです。

挨拶、疑問文など全体の文脈に沿って答えている選択肢が正解です。

たとえば、「何歳ですか。」と聞かれたら年齢を答えている表現が正解となります。

上記の問題であれば2の選択肢が正解です。

3の「すみません。」と答えている選択肢や、4の「私はそれが好きです。」ではまったく文脈に沿わないとわかると思います。

まずは全体を読み、どのような話題なのかをなんとなく推測、イメージしながら正解を導くことも大切です。

日本文付き短文の語句整序(5問)の対策

大問3は、日本語訳があり、それに対していくつか単語がランダムに並んでいます。
それを適切な語順に並び替える問題です。

ケイトはどこでテニスをしますか。
① does
② where
③ Cate
④ play
⑤ tennis

文の構成を考える問題で、適切な文法力と単語力が試されます。

ここでは、肯定文・否定文・疑問文の正しい語順を捉える必要があります。

とくに疑問詞が入った疑問文では、疑問詞が先頭に来ることに注意です。

英語の文で必ず必要な骨格となる、主語と述語を捉え、そこから文章を組み立てる解き方をすると良いでしょう。

英検5級リーディングパートの時間配分

英検は試験時間が限られており、時間までに問題を解き終わらないということも珍しくありません。

無回答の問題は、当然0点となってしまい点数がつきません。

無回答の問題が増えると全体の正答率が下がり、合格に不利となります。

多少急ぎ足でも、まずはリーディングで時間内に25問全問解き終えるように練習をしましょう。

大問1の短文の語句空所補充(15問)は、1問あたり約30秒を目安に、計15問で7〜8分くらいで回答できるようにしましょう。

次の問題で時間をとるために、ここでは1問あたりに時間をかけすぎてはいけません。

単語の意味を理解していると、素早く答えることができ、結果的に時間を短縮することができるでしょう。

単語の意味が分かるか分からないかで、解けるか解けないかが決まるので、素早く答えを判断しましょう。

大問2の会話文の文空所補充(5問)は、1問あたり1分を目安に5問を約5分で回答するペースが理想です。

会話文形式で出題されますが、選択肢の部分だけではなく、問題文全体に目を通すようにします。

大問3の日本文付き短文の語句整序(5問)は、1問あたり1〜2分を目安に、5問を約5~10分で回答するペースが理想です。

ここは一番ケアレスミスが発生しやすくなっています。

適切な語順で組み立てるために、一番時間を取る必要があります。

また、可能であれば見直しの時間を取れるようにしましょう。

余った時間で全体のマークミスがないか見直して、わからなかった問題をじっくり考えることができます。

まずは全体を解き終えることが優先です。

選択肢を見て迷っても時間をあまり掛けすぎずに進むように心がけてください。

英検5級のリーディングパートの勉強法

英検5級は大問1〜3でそれぞれ異なる問題形式となり、さらに当日は試験時間が限られています。

合格のための近道は、試験問題の形式で問題を解き慣れることです。

回数をこなすほど、合格が近づくと思ってください。

とくに英検は過去問が公開され、市販の参考書でも過去問集が入手しやすくなっています。

過去問は試験の問題傾向を把握し、頻出の単語を押さえ、試験形式の問題演習をするのに最適です。

まずは時間を計測しながら解答し、解いたらそのままにせず間違えた設問は解説を丁寧に読みましょう。

英単語の対策としては、メインとなる単語の意味を覚えていきます。

学校の教科書で扱う単語、過去問で出てくる単語を都度マスターしていけば問題はないでしょう。

文法は、難しい内容では出題されず、文の形や構成・動詞の変化が理解できているかが問われます。

文法に苦手意識があれば、中学1〜2年生の文法問題を中心に、問題集でトレーニングをしてください。

英検の問題形式に慣れると同時に、英語の基礎力が重要となります。

基礎力がついていれば過去問の練習で解ける問題も増えていくため、英語が苦手な方は基礎から勉強することがおすすめです。

基礎を復習すれば十分に合格可能レベルとなります。

まとめ

5級は一番難易度の低い英検試験ということもあり、英語の基礎知識が正しく身についているのかを確認するのにも最適な試験です。

単語を間違った意味や用法で覚えていて基礎が身についていないと、英語力を伸ばすために支障となってします。

英検5級にチャレンジする段階から英語に直接触れる環境があれば英語への抵抗感もなくなり、将来的には英語力の大幅な伸びにつながります。

しっかりとリーディング対策をしてから、5級にチャレンジしてみましょう。

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