英検5級は、英語学習をはじめた方が最初に目指すべき試験であり、難易度は中学初級程度とされています。
英語を学びたての中学生などが、基礎知識を身につけるきっかけにピッタリの試験でしょう。
今回は、英検5級の中でも「リスニング」に注目して、問題対策・勉強法や解答のコツについて解説をいたします。
英検5級リスニング試験は何点で合格?
英検5級の一次試験は、筆記とリスニングでおこなわれ、それぞれリーディングスキル、リスニングスキルを測定します。
測定技能 | 問題数 | 得点目標 |
リーディング | 25 | 10点以上 |
リスニング | 25 | 21点以上 |
一次試験は50満点中31点以上(得点率62%以上)で合格となります。
とくに、リスニングについては25満点中21点以上(得点率84%以上)が合格ラインとされているため、確実に得点する必要があります。
リスニングの点が足りない場合は、リーディングとライティングで点数を稼ぐ必要があるため、確実に合格するためには、リスニング対策が必須となるでしょう。
英検5級の勉強・対策について知りたい方は、以下のページでもご紹介しています。
こちらも参考にしてみてください。
一次試験の合否を早く知る方法とは
一次試験を受けたあとはできるだけ早く合否を知って、次の学習などについて計画を立てていきたいですよね。
英検5級の一次試験については、英検公式HPで確認できる解答速報を利用して、自己採点をすることで合否を確認することができます。
答え合わせをするためには、試験後に持ち帰れる問題用紙に解答を書いておくことが必要です。
試験中には確実にマークしておき、問題用紙を忘れず持ち帰りましょう。
なお、試験時間が終了する前に会場を出てしまうと、問題用紙がもらえないため注意が必要です。
英検5級のリスニング問題の構成を解説
英検5級試験は筆記25分、リスニング20分で構成されています。
リスニング問題の具体的な出題形式について解説をいたします。
大問1:会話の応答文選択の問題
音声の最後の発話に対する応答としてもっとも適切な解答を選びます。
音声は2回放送されるので、落ち着いて聞き取りましょう。
なお、問題用紙に補助イラストがあるので、それを参照しながら音声を聞くことができます。
大問2:会話の内容一致選択の問題
音声の男女の会話を聞いたあと、会話の内容に関する質問の音声が流れます。
質問に対して正しい解答を、問題用紙の選択肢の中から選びましょう。
大問1と同様、音声は2回放送されます。
大問3:イラストの内容一致選択の問題
問題用紙にイラストが描かれています。
短文が3つ流れますので、イラストを表現するものとしてもっとも適切なものを1つ選びましょう。
こちらも放送回数は2回です。
リスニング問題を解くコツ・テクニック
選択肢を先読みする
リスニング問題を解くコツは、どれだけ問題を先読みできるかどうかです。
できるだけ早く筆記試験を完了し、筆記試験の余った時間で、リスニング問題の先読みをしましょう。
先読みするとき、問ごとのポイントは以下のとおりです。
大問1:問題用紙の補助イラストに目を通しておく。
大問2:選択肢の共通点を考え、「質問してくるかもしれない疑問詞」を予想する。
大問3:イラストから、「どのような描写がされているイラスト」なのかを把握し、聞かれてくるかもしれない質問を予想する。
質問文を良く聞く
音声の英文は1文で完結する短文であることが多いため、しっかりと聞いて頭の中で和訳しましょう。
短文なので、和訳しながら考え解答したとしても、次の問いに間に合うはずです。
なお、音声の英文には選択肢の単語が混じっていますが、正解とは限らないので注意が必要です。
とくに会話系の問題は、1人目の話し始めた人物の会話が解答のカギを握っているため、聞き逃さないようにしましょう。
試験が後半になってくると、集中力も途切れがちになりますので、1問ずつ気持ちを切り替えて確実に聞き取りましょう。
リスニング問題の勉強法
単語について
英単語は、リスニングで聞き取れるように必ず正しい発音で覚えましょう。
単語帳で暗記をするときにも、音声を聞くことを意識して、「聞いてわかる」状態まで仕上げることが大切です。
単語の他に挨拶、命令などの定型表現も覚えておくと、余裕を持ってリスニング音声を聞けるはずです。
問題演習について
試験を迎えるにあたって、事前に過去問や問題集を解いて、形式に慣れておきましょう。
過去問や問題集を解く際には、かならず答え合わせをするとともに、間違った問題をチェックして、間違えないようになるまで繰り返し練習をしましょう。
また、解答に書かれている解説にも目を通し、解答の流れを理解しておくことも必要です。
問題に慣れてきたら、本番と同じ試験時間を測って問題演習をしておきましょう。
上記で紹介したコツやテクニックは、問題演習を繰り返し学習しアウトプットすることで身についていきます。
英文つき・英文なしをシャドーイング
シャドーイングとは、聞こえた音声を真似しながら、音声についていくように発音する学習法です。
最終的には、テキストの文章を見ないで音声を復唱していきます。
慣れないうちはテキストを見ながら練習する、オーバーラッピングという方法を用いて勉強していきましょう。
音声に合わせて自分で発話できるようになった英文については、リスニングでも聞き取れるようになるはずです。
単語や文法などの知識だけを学ぶより、音読やシャドーイングをとおして発声することで、しっかりとした英語力として定着します。
参考書・問題集の選び方
参考書・問題集を選ぶ際には自身の英語レベルに合わせることが必要です。
可能であれば書店で実際に手に取るなどして、予想問題集の問題量や解答ページの解説量をチェックすることがおすすめです。
とくに、わかりやすさを重視したレイアウトや、イラストを使って要点を記載しているテキストは飽きずに続けられるでしょう。
書店に行く時間がない方は、以下のテキストやアプリで学習すれば効率よく英検5級の学習を進めることができます。
英検5級 頻出度別問題集
過去10年間の試験で実際に出題された単語や文法などをもとに編成されています。
「頻度別」というタイトルのとおり、よく出る順にA・B・Cとランク分けされているので、重要な問題から効率的に解いていくことができます。
旺文社 英検5級 でる順パス単
英検5級対策における定番の単語帳です。
過去問の分析から出る順に構成されているのはもちろん、「学校で習う単語」「英検にでる単語」という風に区分けもされています。
アプリで音声も聞けるので、スキマ時間を使っての学習もできるでしょう。
英検5級ポイント攻略問題集
「頻出問題」に照準を合わせてピンポイントで解説がされています。
リスニング問題を多数収録しているので、リスニングの集中特訓にも使えます。
巻末には頻出の単語も掲載されていて、復習するのにも便利です。
英検5級 過去6回全問題集
過去6回の過去問が収録されています。
過去問を解くことは、試験の傾向をつかむために必要不可欠です。
リスニング音声も、アプリやダウンロードで手軽に聞くことができるので、本番の前に繰り返し学習しておくことをおすすめします。
Duolingo
Duolingoは、世界中で1億人以上の言語学習者が使っているアプリです。
課題をクリアすると、経験値が得られてレベルアップするなど、ゲーム感覚で楽しく英語を学ぶことができます。
英検専門のアプリではありませんが、様々なキャラクターのリスニング音声にも触れることができ、リスニング力の向上につながります。
Duolingoについて知りたい方は、以下の記事で詳しく紹介しています。
こちらも参考にしてみてください。
スタディギア
このアプリは、英検準1級〜5級に対応した英語学習サービスです。
1回の学習は3分から可能で、ゲーム感覚で着実にレベルアップできます。
まずはベーシック版から試してみると良いでしょう。
ベーシック版は無料で利用可能ですが、プレミアム版は有料となります。
英検5級と4級のリスニング問題の違い
次に、英検5級と4級のリスニング問題形式の相違について解説していきます。
会話系の問題の違い
英検5級と4級のリスニング問題では、会話問題における往復回数が異なります。
英検5級 | 1往復する会話に関する問題が出題される |
英検4級 | 2往復する会話に関する問題が出題される |
英検5級は会話が1往復で済むため、会話の流れをしっかり押さえることができます。
一方、英検4級では、2往復する会話に対して回答が求められるため、より高度な英語の理解力が求められるでしょう。
イラスト系問題の違い
イラスト系問題における両者の違いは以下のとおりです。
英検5級 | イラストに描かれている内容を読み取り、流れてくる英文の中からイラストと合致するものを選ぶ |
英検4級 | イラストに描かれているような会話が音声で流れてくる |
英検5級は音声の聞き取りだけでなく、イラストを読み取ることも大切になります。
事前にしっかりとイラストにも目を通しておき、体制を整えたうえで、リスニング音声を聞きましょう。
まとめ
以上、英検5級のリスニング対策などについて解説をいたしました。
英検5級のリスニング問題は25満点中21点以上(得点率84%以上)が合格ラインとされています。
リスニング問題を解くコツ・テクニックを身につけるには、問題演習が必要です。
とくに間違えた問題については、繰り返し復習をおこない、試験本番で確実に合格できるだけの実力を身につけておきましょう。
また、参考書・問題集を選ぶときは、自分のレベルに合ったものを購入することが大切です。