2023/06/29

アメリカに留学したら納税が必要?Form 8843の提出について

アメリカ留学_税金

この記事を書いた人

バークレーハウス編集部 BerkeleyHouse
東京・市ヶ谷にある語学スクール。IELTS公式テストセンターの運営のほか、IELTSやTOEFLの対策講座、英語や中国語をはじめとする40言語に対応した語学教育を提供。

アメリカに留学し、アルバイトや有給インターンシップなどで収入を得たいと考えている人も多いのではないでしょうか。

留学先で収入を得た場合には、留学している国へ税金を納めなければなりません。

この記事では、納税の際に必要なForm 8843の提出について詳しく解説していきます。

アルバイトをする人、しない人のどちらにも役に立つ内容になっていますので、ぜひ参考にしてみてください。

目次

アメリカ滞在時、納税の流れ

アメリカ国内で「働いて賃金をもらう」という経済活動をおこなうと、たとえ留学生であっても納税の義務が発生します。

1年間の収入を計算し、必要分の税金を納めることを「確定申告」と呼びます。

詳しく見ていきましょう。

毎年必要な確定申告

確定申告(Tax Return)とは、前年の1/1 – 12/31までの所得税の申告と納税の手続きのことをさします。

留学生の場合、収入の有無によって必要な提出書類が異なるので注意しましょう。

アルバイトをしない人も、アメリカの場合は提出する書類があります。

収入がなく、たとえば日本の親からの仕送りのみで生計を立てている人は、Form 8843の提出が必要になります。

また、書類の提出先はIRS、米国内国歳入庁ですので、間違えないようにしましょう。

期日までに必要書類を提出しよう

基本的に、納税書類の提出は毎年4/15までです。

前年の1月1日から12月31日までの収入に関して申告します。

申告書類を揃えたり、税金の計算をするのに4ヶ月半の時間が与えられているということになります。

非居住者向け書類は自動的に2ヶ月延長した6/15までとなります。

ただし、州税や市税は地域によって期日が異なるので注意しましょう。

また、意外と学期の終わりの時期は忙しく、税金関係のことを処理する時間がなくなります。

早めにコツコツと準備しておくことをおすすめします。

また、期限までに提出が間に合わないとペナルティが科されるため、前もって準備しておく必要があります。

注意!

  • 世界中どの国でも、税金に関して「忘れていた」「知らなかった」は通用しません。
  • アメリカはとくに、提出遅延のペナルティに厳しい国です。

期日に注意して、忘れず申請をおこないましょう。

提出後も書類を保管しておこう

申請後のポイントですが、提出する前にかならずコピーを作成、またはデジタルで取り込んで保管しておきましょう。

提出書類のコピーは、IRSからの問い合わせや調査に対応できるように、保管しておく必要があるからです。

不安な場合は税理士を頼ろう

留学生といっても、無収入やアルバイト中の方、なかには株や不動産などの不労所得を得ている方もいるかもしれません。

ビザステータスや収入状況によって必要書類や内容が複雑なため、不安な場合は税理士に依頼するのも一つの手段です。

納税の遅延や、脱税の疑いなどが掛かると再入国できなくなるケースもありますので、気をつけてください。

確定申告をしなかった場合はどうなる?

収入があるのに万が一、確定申告をしなかった場合はどうなるかご存知でしょうか?

書類の提出や納税をしなかった場合には、無申告ということで延滞の利息をつけられるといったペナルティが生じることがあります。

また、未提出の申告には時効がありません。

期限を過ぎていても、早急に提出をする必要があります。

収入が一切ない方でも、Form 8843の提出は必須になります。

提出不備やペナルティの加算などは、今後の出入国に影響を及ぼす可能性がありますので、十分注意しましょう。

留学生が提出する書類

では、どういった書類が必要になるのでしょうか。

ここでは、留学生が税金に関して提出する書類を解説していきます。

Form 8843

  • 税法上、非居住者扱いであることを証明するための書類です。

納税内容ではなく、非居住者であるという身分を申告する書類でもあります。

注目ポイント

  • 5年以下滞在の学生ビザ(F-1)保持者は非居住者となるので、収入の有無に関わらず、かならず提出が必要です。

留学生も、収入の有無に関係なく提出する必要があります。

Form 1040NR

  • 非居住者向けの所得税申告書です。

課税対象となる収入がある場合、提出が必要です。

先述のように、アルバイトによる給与や有給インターンシップ、有償ボランティアなどによる収入がすこしでもある場合には、このフォームの提出が必要になります。

Form W-2

  • 日本での源泉徴収票にあたります。

アルバイト先やインターンシップ先の企業などから受け取るものです。

あなたの働くお店や企業は、給与からいわゆる「天引き」して税金を収めています。

源泉徴収票では給与額や、会社が天引きして税金を納めた額が表示されているはずです。

確認したら施錠可能なロッカーなど、安全でわかりやすい場所に保管しておきましょう。

学生ビザで、収入がない場合

留学生の方は、特別な収入がない事の方が多いはずです。

次に、留学生で収入が無い場合の解説していきます。

Form 8843の申告が必要

先述のように、たとえ収入がなくとも、所得税の申告は必要ありませんがForm 8843の提出が必要になります。

これは、非居住者であることを証明するためです。

収入も奨学金もない学生の場合は、Form 8843にサインのみの送付でOKということになっています。

要確認

  • 留学先の学校によっては、International Student Officeが代わりに提出してくれることもあるようです。

入学が決まったら、メールで事前に相談、確認しておくと安心です。

学生ビザで、収入がある場合

ここでは、アルバイトやインターンシップで収入を得た場合を解説します。

アルバイトの収入がある場合

収入のある人は、Form 8843と、Form 1040NRの提出が必要になります。

基本的にアルバイト先が源泉徴収を行うはずなので、アルバイト先から受け取った源泉徴収票(Form W-2)も一緒に提出することになります。

複数から収入を得ている場合は、すべての源泉徴収票が必要になります。

日本から奨学金や企業給付金を得ている場合

教育または生計維持のために得ている日本政府からの奨学金や日本の企業からの給付金は、日米租税条約により課税対象になりません。

つまり、上記の通り非課税となりますが、自動で非課税となるわけではなく、Form 1040NRとForm 8833を提出し、非課税であることを証明しなければなりません。

現地の大学から奨学金を得ている場合

課税対象となる金額は、在学している(する予定の)大学に確認してください。

大学のHPに記載されている場合もあります。

課税対象となった場合、Form 8843とForm 1040NR、源泉徴収票(Form W-2)の提出が必要になってきます。

International Office や Student Officeが相談窓口になってくれますので、わからない場合は問い合わせましょう。

OPTで収入を得ている場合

実務研修生(Optional Program Training)で収入を得ている場合は、収入のすべて課税対象となります。

そのため、Form 8843と、Form 1040NRの提出が必要です。

ただし、5年以下の滞在の場合は、ソーシャル・セキュリティー税とメディケア税が非課税となります。

まとめ

ただでさえ税制は複雑ですが、アメリカの税制ルールは州ごとに異なります。

慣れていない税金ルール、留学中は不安になってしまいますよね。

しかし、自分の収入のケースをきちんと把握し、該当する書類をしっかり提出すれば問題ありません。

事前に大学へ相談したり、手続きが複雑な人は税理士さんに相談するのも一つの方法かもしれません。

いずれにせよ、余裕を持って準備をはじめることが大切です。

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