2023/07/14

元留学生が語る!アメリカ大学院留学を体験して感じた価値観の変化とは

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この記事を書いた人

講師
西牧 健太 Kenta Nishimaki
大学院留学と外資系営業を経て英語教育に携わる。現在は、TOEIC4技能満点英語コーチとして主に活動。バークレーハウスでは、TOEFL対策講座、都内私立大学での講義を担当。

今回は、私がアメリカに留学をしていたときの経験を紹介します。

アメリカ留学中は、大学院で勉強をしながら日本語を外国人へ教えていました。

なんとなく留学をしたいと考えている方や、アメリカへの留学を検討している方の参考になればと思います。

目次

プロフィール

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西牧先生プロフィール
年齢30代
職業社会人
留学先アメリカ/ポートランド
留学期間2年
学校名Portland State University
(ポートランド州立大学)
大学院での専攻日本学
留学前と留学後での語学力の変化留学前
TOEIC満点(990点)。
スピーキングはTOEICスコアに見合わず、TOEFLでは合計85点程度で、Speakingが16点程度、TOEIC Speakingは140点だったため、LRに換算すると600点程度。
レクチャーもある程度理解できるが、発言ができない。
留学後
TOEFLは103点で、スピーキングセクションは23点まで上がった。
レクチャーはほぼ理解でき、多少複雑な意見も言えるようになった。
しかしネイティブの議論に入るのは躊躇する。

留学を決めたきっかけ

留学を決めた理由は、英語教師になる目標をもっていたため、海外での経験を積みたいと思ったからです。

何か留学する方法がないかと考えていたときに、“ALLEX” という留学のプログラムを見つけました。

留学には、多額の費用と時間がかかるため、留学のハードルが高いと感じる方が多いと思います。

私もすでに半年ほど日本の大学院で過ごしていたため、普通に日本で就活をするのなら、留学なんてしてる場合ではないと思っていました。

しかし、留学をすれば絶対に自分のためになると直感的に感じたため、迷うことなく決断しました。

ポートランド州立大学大学院を選んだ理由

私がポートランド州立大学大学院を選んだ理由は複数あります。

ポートランド州立大学大学院を選んだ理由

  • 留学先として1番人気のアメリカに行きたかった
  • 日本語教育プログラムがあった
  • ポートランドが住みやすい街だった
  • 知っている教授がいた

英語教師になるために、もっとも人気のある留学先であるアメリカに行きたいと思っていました。

将来私が担当する生徒たちが興味をもつであろう国で経験を積みたかったのです。

また、外国で日本語を教えてみたいという希望もありました。

ポートランド州立大学院は、しっかりとした日本語教育プログラムがある点が魅力でした。

それと同時に、なによりポートランドが住みやすい街だったことと、多様性などの観点でかなり進んでいました。

そのため、大学院だけでなく、私生活でもさまざまな経験ができると思ったためです。

また、もう1つの理由は、ALLEXの面接官であった教授が、ポートランド州立大学で教えていたということも大きいです。

面接の際に、私が興味をもっている研究内容について話したところ、その教授は大変興味を示してくれました。

「ここでなら自分が望む勉強ができる!」と、そこで確信できたのも大きな理由です。

大学院ではどんな勉強をしていた?

私が専攻していたコースが日本学科だったため、日本についての授業が多かったです。

アメリカで日本についての勉強をするのはなかなか変ではありますが、海外の方がどのような視点で日本を見ているのかなど、多くの学びがありました。

文学の授業では、歌舞伎や能についての勉強をするなかで、ほかの生徒と一緒に歌舞伎の劇を練習し、披露したこともありました。

また、文学の授業のなかで、作家の星新一の研究をしました。

その内容に関して、隣の州であるワシントン州立大学の “Colloquium” という討論会で発表したのも良い思い出です。

実際のところ、授業内容は私が学びたいと思っていたものではありませんでしたが、その代わりに修士論文で自分が興味をもっていた研究をしました。

私の研究内容は、口頭でのコミュニケーションと、チャットでのコミュニケーションの違いについてでした。

メールや手紙と比べると、明らかにチャットの方が口頭のコミュニケーションに近いですが、実際にどのような部分が似ていて異なっているのか、などを研究しました。

留学中の生活はどんな感じ?

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平日

私の場合は、一般的に厳しいといわれているアメリカの大学院生生活を送りながら、 “Teaching Assistant”(TA)としての仕事も担っていました。

TAといっても、実際の仕事内容は普通の日本語の先生と同じだったため、とても大変でした。

TAは、最低でも週に20時間の仕事量がありましたが、試験前やそのほかの対応がある場合は、もうすこし増えるときもありました。

そのため、大学院の勉強に加え、毎日4時間以上はTAの仕事に時間を使っていたと思います。

平日は、寮・オフィス・教室で過ごした記憶ばかりです。

そんな私の平日の生活は、以下のような感じでした。

  • 8:00 起床
  • 11:00 授業
  • 13:00 昼食
  • 14:00 授業
  • 16:00 日本語の授業準備
  • 18:00 自分の授業の予習
  • 21:00 帰宅

8:00  起床

寮がキャンパスの中心で、朝も苦手だったためギリギリまで寝ていました。

朝ご飯は、近所のスーパーで大量に売っているチョコチップクッキーを食べていました。

TAとして日本語の授業が9時にあったため、前日に準備していた内容をざっと思い出してから授業に向かいます。

日本語の授業では、英語は一切使わず、日本語のみで授業を行います。 

学生は単位の取得がかかっているため、一生懸命勉強している方が多かったです。

11:00 授業

今度は、自分が授業を受ける番です。

大学院のため、もちろん予習や復習はかなり多く、意見を求められることが多かったです。

当時は英語力に自信がなかったため、授業前には自分の意見を英語である程度考え、授業中にほかの学生の意見を聞くふりをして、どのように意見するかを考えていました。

突発的な発言はできないものの、スピーキングが苦手でも工夫しながらなんとか切り抜けていました。 

お昼ご飯を食べる時間がないときもあったため、簡単な軽食を授業中に食べさせてもらうこともありました。

13:00 昼食

昼食は、SUBWAYのサンドイッチをよく食べていました。

とても大きいサイズのサンドイッチが5ドルで買えるため、半分を昼食に、残りの半分を夕食にしたりしていました。

また、ポートランドにはFood cartという屋台が多かったため、そこでもよく買いました。

タイ料理のパッタイや、メキシコ料理のブリトーなど、さまざまなものがあったため、時間に余裕があるときは楽しんでいました。

14:00 授業

昼食をとったあとは、休む間もなく午後の授業が始まります。

とくに、授業が2コマある日は大変でした。

16:00 日本語の授業準備

TAとしての仕事はお給料が発生するため、手を抜くわけにはいきませんでした。

自分が受講している授業なら単位を落とすだけで済むかもしれませんが、私が担当している授業では学生に迷惑をかけることになってしまいます。

そのため、授業が終わったら最優先で日本語の授業の準備をします。

とくに初年度は、授業の準備にかなり時間がかかりました。

1つの授業の準備に2時間程度かかることもありました…。

18:00 自分の授業の予習

日本語の授業準備が終わったら、やっと自分が受講している授業の予習に取りかかれます。

日によって異なりますが、予習には通常2〜3時間を費やしていました。

私はTAとして勤務していたため、共用オフィスがあり、そこで勉強することも多かったです。

荷物もすべてオフィスに置けるため、わざわざ図書館で勉強場所を探したりする必要もありませんでした。

オフィスは窓もない狭い部屋だったため、息が詰まったときには図書館で勉強することもありました。

21:00 帰宅

夜21時頃に帰宅することが多かったです。

経済的に余裕がなかったため、夜はいつもトップラーメンというインスタントラーメンに、冷凍の野菜をかけて食べていました。

この時間になってもまだ仕事や宿題が終わっていないこともよくありました。

その場合は、再びオフィスに戻って作業を行ったりもしました。

オフィスは深夜まで利用できたため、仕事や勉強のためにオフィスに戻るときもありました。

仕事がないときには、いつもFriendsというドラマをみてリラックスしていました。

休日の過ごし方

学生とTAという二足の草鞋の私にとっては、休日は平日の遅れを取り戻す時間でした。

そのため、休みとはいえ授業がないだけで、オフィスや図書館で勉強や仕事をしていました。

時間に追われずに仕事や勉強に集中できることは良かったです。 

大学院生や学部生たちが街で遊んでいるところを見て羨ましく思うこともありましたが、ときどき友人の家でホームパーティーをしたり、シアトルまでドライブに出かけたりすることもありました。

ポートランドは自然も豊かで、楽しめることも多い町のため、いくら時間があっても足りません。

また、土曜日には、ファーマーズマーケットがキャンパス内で開催されていました。

地元で取れたオーガニックの食材などを売っていたのですが、そこで買ったトマトがとても美味しく、感動したのを覚えています。

留学を通して感じたこと・得られたこと

異文化の理解や勉学での学びがあったのはもちろんですが、正直なところ、海外についての知識は日本でも得られます。

ただ単に知識として知りたいだけなら、Googleで調べれば十分です。

しかし、実際に「海外で体感する」という経験はまったく違います。

正直、留学中に予想もしていなかったことが実際に起こることはほとんどありませんでした。

留学生活を通して、実際に異文化の違いなどを体験することで、私の価値観がいい意味で完全に壊れたのが一番良かったと思います。

留学を通して、日本の価値観が唯一の価値観ではないことを体感したことで、さまざまなことから解放されたと思います。

もちろん、アメリカの価値観の方が優れているから、日本の価値感を捨てろというわけではありません。

どちらの文化も魅力的だと思いますが、結局私は日本の価値観の方が好きでした。

しかし、日本とアメリカのどちらの価値観にもとらわれず、自分らしく生きることができるようになったと感じています。

留学を検討している方には、ぜひ日本とアメリカの価値観の違いを実際に体験して感じてみてほしいです!

留学を考えている方へのメッセージ

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留学に行きたいとすこしでも考えているのであれば、絶対に行った方が良いです。

日本で生活するよりも費用がかかる面がありますが、それ以外にはマイナス面は見当たりません。

それ以外には行って損することは何もなく、得るものが圧倒的に多いです。

経済面に関しても、奨学金などを探すことで解決策が見つかる場合もあります。

前述したように、私が考える留学のもっとも大きなメリットは、価値観が変わることです。

私の場合は価値観が変わったことで、とても生きやすくなりました。

お金を稼いだり、知識を得ることはどこでもできますが、価値観を変えるという経験はなかなかできるものではありません。

奨学金を活用などして留学が可能なのであれば、ぜひ留学にチャレンジしてみてください。

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