スコットランドに行く予定がある人なら、文化や歴史を知りたいと考える人も多いですよね。スコットランドはイギリスの一部ですが、他のエリアとは異なる独自の文化を築いてきた魅力的な地域です。
スコットランドの歴史や文化の特徴を知ることで、より違った見方ができるでしょう。そこで今回は、スコットランドの文化や歴史、イギリスの他の地域との違いを徹底解説します。
これからスコットランドに訪問予定の方は、ぜひ参考にしてくださいね。
スコットランドの概要と歴史
イギリスのことは知っていてもスコットランドのことはあまり分からない人も多いはずです。まずは、スコットランドの概要と歴史から確認しましょう。
スコットランドとは?
そもそもイギリスの正式名称を知っていますか?
イギリスの正式名称は、「グレートブリテンおよび北アイルランド連合王国」です。実はイギリスは、イングランド・ウェールズ・北アイルランド・スコットランドの4つの国から成立する連合国なのです。
自治権は各国にありますが、公用語は英語が使用されています。
スコットランドの首都は、南東部に位置するエディンバラです。火山の溶岩の上に形成された街で、地盤が強固になっています。
7世紀に建設された古い都市で、市内は新旧両市街に分かれているのが特徴です。旧市街の方にはエディンバラ城があります。
その後、新旧両市街の美しい街並みはユネスコの世界遺産に登録されました。エディンバラは、イギリスのロンドンに次いで観光客が多い都市です。
スコットランドの最大都市は、経済の中心地であるグラスゴー。グラスゴーはスコットランド中西部に位置しており、全長170kmの長さを誇るクライド川の下流部に臨む港湾都市です。
1451年に創立したグラスゴー大学など、高等教育機関や図書館、博物館、美術館などが集まっています。
スコットランドの歴史
グレートブリテンおよび北アイルランド連合王国に含まれるスコットランドの歴史を見ると、ケルト人などの民族が形成したことが始まりでした。
ケルト人が形成したスコットランドは、1707年にイングランドと併合し「大ブリテン王国」になりました。ここから、現在のスコットランドに繋がるのです。
実はスコットランドは、過去に何度もイギリスからの独立を望んできました。ただスコットランドの望みは叶わず、2014年の住民投票では独立の反対意見が集まり否決されてしまったのです。
今でもイギリスの一部として存在していますが、独立した位置で独自の文化を築いてきました。
スコットランドの文化の特徴
イギリスに含まれるスコットランドですが、独自文化を築いてきた歴史があります。ここからは、スコットランドの特徴を確認してきましょう。
特徴1. 自然
スコットランドには、世界各国から訪れる多くの観光客を魅了する大自然が広がっています。自然に関連した観光スポットも多くあり、例えばスコットランド北部のスカイ島に位置する「妖精のプール」もそのひとつでしょう。
大自然の中に、まるで妖精の遊び場のような美しい湖と滝筋を見ることができます。
また、観光スポットである「レンコー渓谷」もスコットランドで自然を感じられる場所です。山々や湖、滝などによって形成されたダイナミックな光景が広がっています。
レンコー渓谷にはいくつもの絶景ポイントがあり、多くの観光客が車を一時停止してその光景の美しさを楽しんでいます。
特徴2. 歴史的な街並み
スコットランドの大都市であるエディンバラやグラスゴーには、中世から現代に至るまで歴史が堆積されています。
市内は新旧市街に分かれており、旧市街は歴史的な街並みが広がっているのが特徴です。またゴシックやアール・ヌーヴォー様式などの歴史的な建造物も市内に点在しています。
例えばエディンバラ城をはじめ、1120年に創建された「セント・ジャイルズ大聖堂」や1128年に造られた「ホリルードハウス宮殿」などがあります。
特徴3. 音楽
スコットランドの有名な楽器といえば、バグパイプです。バグパイプはアジア地域の牧民の楽器だったようですが、その起源は定かではありません。
またハープとフィドルもスコットランドを代表する楽器で、現地ではハープとフィドルによる息の合った演奏を聞くことができます。スコットランドならではの伝統的な音楽を楽しめるでしょう。
特徴4. 言語
スコットランドの公用語は英語ですが、現地では英語の方言といわれるほど独特なアクセントのスコットランド語が使われています。
ただスコットランド語は英語と同じ語源で、どちらも古英語から進化した言語です。独特の発音が特徴的なスコットランド語は、イギリス人が聞いても理解することが難しいといわれています。
ある調査によると、スコットランド人の30%がスコットランド語を話すようです。現地に訪れたときは、現地の人と会話をすると理解しづらいと思うこともあるかもしれません。
特徴5. 民族衣装
スコットランドといえば、チェック柄のスカートを履いた男性を思い浮かべる人も多いでしょう。実は、あのスカートはキルトと呼ばれるスコットランドの格式高い伝統的な民族衣装です。
一見すると女性が履くスカートのように思えますが、1枚の大きな布を腰に巻いています。またキルトのチェック柄は家によって柄が決まっており、よく見ると一人ひとりチェック柄のデザインが異なります。
地位や身分が高くなるほどチェック柄の色数が増え、パターンが複雑になるのが特徴です。この点を踏まえて民族衣装を見ると、違った観点から楽しめますよね。
スコットランドと他エリアとの違い
イングランド・ウェールズ・北アイルランド・スコットランドの4つで構成される、「グレートブリテンおよび北アイルランド連合王国」。
スコットランドと他の地域の違いについて気になりますよね。実は、それぞれ独自の文化があり特徴が異なります。
例えばイングランドは多国籍で、他の地域と比べると経済と学問が活発なのが特徴です。特に首都圏はスポーツやカルチャー、ショッピングなど楽しめる要素がたくさんあります。
ウェールズは、治安がよく自然が豊かな環境が広がる暮らしやすい街です。物価が高いといわれるイギリスですが、ウェールズは物価が安いといわれています。
イングランドからは、電車で2~3時間以内に行ける距離です。
最後の北アイルランドは、歴史的な背景からスコットランドとアイルランドの両方の文化的特徴が見られる地域です。
風景はウェールズとよく似ており、美しい田舎の街並みと海岸が広がっています。言語は英語が公用語ですが、アイルランド語であるゲール語を話せる人も全人口の11%ほど存在します。
まとめ
本記事では、スコットランドの文化や歴史、他の地域との違いについてご紹介してきました。スコットランドは国自体がイギリスの一部で独立した国家ではありませんが、音楽や民族衣装など独自の文化を築いてきた長い歴史があります。
特に言語は、スコットランド独特のアクセントで話す現地の人が多く、英語が話せると思って現地を訪れると、聞き取りに戸惑うこともあるかもしれません。
もし時間に余裕があるなら、スコットランド人が話す英語を日本で聞いて耳を慣れさせておくのがよいでしょう。スコットランドを訪れる予定がある人は、ぜひ参考にしてくださいね。