イギリスの大学院留学は、授業料や生活費など多額の費用がかかるので金銭的な理由で諦める方も少なくありません。ただ、留学の奨学金を活用すれば、金銭的な援助を受けられるのでイギリス留学を実現させることができるのです。
そこで今回は、イギリスの大学院留学を対象にした奨学金を紹介します。学生だけでなく社会人向けの奨学金制度もあるので、イギリスの大学院留学を検討する方はぜひ参考にしてくださいね。
【給付型】イギリスの大学院留学に活用できる
給付型は、返済の義務がない奨学金のことです。返済の義務がないので経済的な問題も解消され、大学院留学を実現できるのが魅力でしょう。
ただし返済義務が不要であるメリットはあるものの、採用基準は高く成績や英語力など厳しい条件が設けられることも多いです。
奨学金制度によって条件は異なるので、事前に確認しておくことをおすすめします。では、イギリスの大学院留学に活用できる給付型奨学金から見ていきましょう。
奨学金1.イノアック国際教育振興財団
多感な若者の人材育成を目的として、設立されたノイアック国際教育振興財団。海外の大学や大学院に留学する学生を対象にした奨学金制度です。
対象者は応募時に大学や大学院に在学、または在籍中の学生になります。大学の研究生は対象外になるので注意しましょう。
奨学金の費用は月10万円で、交付期間は10ヶ月以上2年以内になります。申請は所属する学部や担当部署にて必要書類の提出が必要です。
奨学金2.平和中島財団
海外の大学や大学院などに留学を志望する日本人に対して給付される奨学金です。対象者は高等学校を卒業する方であれば、留学先や専攻に関係なく審査を受けられる権利があります。
また年齢制限も設けられていないので、学生だけでなく社会人も応募可能。奨学金の費用は学部生が月15万円、大学院生が月20万円で、期間は最長2年受けられます。
日本人留学生の応募は、毎年9月~10月頃から開始されます。
奨学金3.伊藤国際教育財団
海外の大学や大学院に留学する日本人を対象にした奨学金です。
対象者には年齢制限があり、該当年4月1日時点で29歳以下であることが条件になります。ただし進学が遅れた正当な理由がある場合は、30歳以上でも応募することが可能です。
奨学金のプログラムは、2種類あります。
1つめは、欧米またはオーストラリアやニュージーランド、カナダへの留学予定がある方を対象にした「プログラムA」。
2つめは、プログラムA以外の国に留学予定がある方を対象にした「プログラムB」です。
奨学金の費用は、プログラムAが月2,000ドル、プログラムBが月1,500~2,000ドルで、交付期間は2年以内と決められています。年齢制限はありますが、学生はもちろん社会人でも応募可能です。
奨学金4.トビタテ!留学JAPAN 日本代表プログラム
若者が海外留学に一歩踏み出すための機会を作り出すことを目的とした奨学金制度です。文部科学省により、2013年より開始されました。
大学や大学院はもちろん、インターンやボランティアなどさまざまな留学が対象になるのが特徴。
奨学金の費用は留学先や地域にもよりますが、月12万円もしくは16万円になります。
また留学準備金としてアジア地域は15万円、アジア以外の地域は25万円を支援してもらえるのも魅力です。奨学金の給付期間は、28日以上~1年以内です。
ただ、「トビタテ!留学JAPAN 日本代表プログラム」の応募条件には年齢制限があります。留学を開始する4月1日時点で30歳以下であること。
他の奨学金制度と比較しても魅力的な部分が多いので、興味がある方は早めに準備を始めましょう。
奨学金5.英国外務省チーヴニング奨学金
イギリス大学院に進学を希望する学生を対象にした奨学金です。対象者は大学の学部課程で優秀な成績を残し、英語力はTOEFL79以上、2年以上の職務経歴があることが条件として設けられています。
奨学金は学費や生活費、渡航費などが含まれ、給付期間は1年間。「英国外務省チーヴニング奨学金」はイギリス政府から直接給付される奨学金なので、他の奨学金と比べると条件も厳しくなっています。
興味がある方は早めに準備を進めるのが望ましいです。
奨学金6.吉田育英会
海外の大学や大学院に留学を志望する日本人を対象にした奨学金です。
対象者は日本の大学院に在籍、国内大学もしくは大学付置の研究機関に在籍し研究に従事する方のみになります。学生に限らず、教授や講師、研究職の方も応募可能です。
ただし、留学先の大学における専攻分野は、社会科学、自然科学のいずれかになるので注意しましょう。
奨学金は月20万円で、給付期間は2年以内になります。専攻が特定分野ですが、条件に該当する方は応募してみるのがおすすめです。
【貸与型】イギリスの大学院留学に活用できる奨学金
貸与型は、大学院卒業後に返済の義務がある奨学金です。留学期間中は経済的な支援を受けられますが、課程を修了した後に返済の義務が生じるのでデメリットに感じる人も少なくありません。
ただ給付型と異なり、審査が通りやすいメリットがあります。また奨学金の種類によっては利子が発生しないものもあるので、経済的な負担を背負ってでもイギリスの大学院に留学したい場合には貸与型も検討してみましょう。
奨学金1.JASSO海外留学支援制度
海外留学を希望する方を対象にした貸与型の奨学金制度です。奨学金制度に申し込みをすると、本人に支払い義務が生じます。
そんなJASSO海外留学支援制度には、4つの種類があります。
種類 | 特徴 |
---|---|
第二種奨学金(海外) | 海外の大学や大学院へ進学を希望する方、もしくは海外の大学・大学院に在学中の方を対象とした貸与型奨学金 |
第二種奨学金(短期留学) | 海外の大学や大学院へ3ヶ月以上1年以内の短期留学を希望する方を対象にした貸与型奨学金 |
第一種奨学金(海外協定派遣対象) | 海外留学支援制度(派遣対象)に採用してもなお、経済的支援を必要とする方を対象とした貸与型奨学金 |
第一種奨学金(海外大学院学位取得型対象) | 海外留学支援制度(大学院学位取得型)に採用してもなお、経済的支援を必要とする人を対象とした貸与奨学金 |
イギリスの大学院留学で奨学金の申請を通りやすくするために
給付型と貸与型では求められる条件は異なりますが、どちらに応募するにしても最低限押さえておきたいポイントがあります。
例えば、英語力もそのひとつです。奨学金制度には一定スコア以上の英語力が条件になる場合もあります。
日本ではTOEICの認知度が高いですが、イギリスでよく知られているのはTOEFLやIELTSです。TOEFLやIELTSで英語力を提示しなければいけないことも多いので、早めに勉強を始めましょう。
また、最終学歴の成績証明の提出を求められることもあります。一定上の成績を満たしていない場合は、そもそも応募ができないこともあるのです。
在籍中の学生ならまだしも社会人は学業の成績は変えられないので、学生の頃から真面目に取り組む必要があるでしょう。
まとめ
本記事では、イギリス大学院への留学に活用できる奨学金についてご紹介しました。
奨学金には返済義務がない給付型と、返済義務がある貸与型があります。給付型は返済不要なので経済面の負担が少なくなりますが、審査には厳しい条件が設けられていることも多いです。
一方、貸与型は修了後に返済しなければいけませんが、給付型より審査が通りやすいです。もし給付型の応募が難しいようであれば、貸与型を検討するのもひとつの方法です。
現在イギリスへの大学院留学を検討している方は、今回ご紹介したポイントを踏まえ、具体的な留学プランを立ててみてはいかがでしょうか。