留学を夢見ている方々にとって、海外大学への編入は理想的な進学方法の一つではないでしょうか。
海外大学へ編入留学する方法には、さまざまなパターンがあります。
本記事は、海外大学への編入方法について、詳しく解説します。
また、日本の大学で取得した単位を海外大学で移行できるのか、編入に必要な英語力や成績についても、併せて紹介します。
今回は、アメリカの4年制大学への編入を例に、詳しく解説します!
海外大学への編入はこんな方におすすめ
海外大学への編入にはメリットがあります。
そのメリットを踏まえて、編入がどんな方に向いているかを以下で解説します。
費用を抑えつつ、海外大学で学位を取得したい方
海外大学の学費や生活費は、年々上昇傾向にあります。
奨学金を利用しないで進学すると、年間で500万円以上かかる大学も珍しくありません。
海外大学への留学を諦める方の多くは、語学力・時間・費用が主な理由といわれています。
しかし、編入のルートを考慮すると、4年制大学へ留学するよりも費用を抑えられます。
日本の大学に1〜2年間通い、3〜4年生を海外大学で過ごせば、費用は数百万円も節約できる計算になります。
海外の教育を受けたい方
海外の大学は、留学生の比率も高く、多国籍な環境であることは間違いありません。
そのため、海外の教育環境を経験したいという意欲をもつ方におすすめです。
また、授業のスタイルも講義形式だけでなく、ループディスカッションやグループタスクが課される場合もあり、生徒同士のつながりが大切になってきます。
そのため、自然とさまざまな国の友人も増えることでしょう。
また、簡単に卒業できる日本の大学とは異なり、学術的に生き抜く力が求められるのが海外大学の特徴です。
宿題やレポートも多く、テストも難易度は高いため、自ずと1人で生き抜く力が身につくといえるでしょう。
語学力の向上を目指したい方
現地での学生生活で、もっとも伸びると期待されるのは語学力です。
友人との会話、教授の講義、日常生活の買い物など、すべて現地の言葉でやり取りする必要があります。
ネイティブスピーカーと直接的な英語の環境で学ぶことにより、劇的に英語力が向上するでしょう。
しかし、日本人とばかり過ごしていると、英語力があまり向上しない場合もあるため、その点には注意が必要です。
将来につながる海外経験をしたい方
大学卒業後に、海外の大学院へ進学したい、海外で就職したい、海外に住んでみたいと考えている方は、海外大学の学位があるととても有利になります。
海外大学の学位があると、語学力やアカデミックスキル、コミュニケーション力、異文化理解力があることの証明になるため、さまざまな場面で活躍が期待されます。
また、在学中にインターンシップやボランティア活動に積極的に参加しておけば、企業や現地の団体とコネクションを形成する絶好の機会ともいえます。
海外大学への編入方法
海外大学への編入は、留学や海外での学びを追求したい学生にとって、魅力的な選択肢です。
それでは、どうすれば海外大学へ編入できるのでしょうか。
以下では、いくつかの編入ルートを紹介します。
日本の大学から海外大学へ編入する
在学している日本の大学の姉妹提携校や協定校との交流がある場合、編入手続きがスムーズに進むことが多いです。
しかし、海外大学へ編入するには、在学中の大学での学業成績がとても重要です。
また、日本の大学で取得した単位を移行すれば、海外大学の学費を抑えたり、卒業までの年数を短縮できる可能性もあります。
それでは、単位移行について詳しくみていきましょう。
日本の大学で取得した単位移行
もし、在籍している大学の姉妹提携校へ編入したいと考えている場合は、単位移行できる可能性が高いです。
その場合は、提出書類や手続きが各大学によって異なるため、在籍している大学の学生課に聞いてみましょう。
志願先が姉妹提携校でない場合は、アドミッションオフィスにメールなどで事前に問い合わせて確認することをおすすめします。
ただし単位移行には、以下のようないくつかの注意点があります。
単位移行に関する注意点
日本の大学で取得した単位が、海外大学の単位に移行できるかどうかは、入学許可を得たあとに認定申請をしてみないとわかりません。
一般的には、学部や専攻が同じ場合、認定されることもあります。
しかし、日本の大学で取得した英語の単位が、海外大学で認められないケースも一部あります。
海外大学の英語の授業は、英語古典文学などのハイレベルなものを指し、日本の大学の英語授業はESL扱いとされるためです。
日本の単位がほとんど認められず、卒業が伸びてしまったというケースもあるため、注意しましょう。
そのため、日本で取得した単位が移行できるかの最終的な判断は、ケースバイケースです。
また、大学側と交渉して認められることもあるため、大学のアドミッションオフィスとメールでよく連絡を取り合いましょう。
現地の短期大学に入学後、編入する
現地のコミュニティ・カレッジ(2年制大学)に入学し、卒業後に4年制大学の3年次に編入するというもっともポピュラーな編入パターンです。
コミカレ2年+編入後2年の4年間在籍することになります。
ただし、すでに日本の大学に在籍している場合、卒業まで4年以上かかることになります。
また、最大のメリットは、より高いレベルの大学を狙えるということです。
カリフォルニアの超難関大学のUCLAは、正規入学はとても難しいですが、コミカレから3年次への編入は難易度がさほど高くないといわれています。
当然、コミカレでの優秀な成績がベースになるため、最初の2年間でしっかりと学業に専念して成果を残しましょう。
コミカレは、編入のサポートをしてくれるところが多いため、安心して学業に専念できるでしょう。
コミカレのデメリットは、日本人学生が多いこと、また学生寮がない場合がほとんどなため、アパート暮らしなど生活コストがかかることが挙げられます。
上記のメリット、デメリットをよく考慮したうえで検討しましょう!
パスウェイプログラムを利用し、編入する
パスウェイプログラムとは、いわゆる条件付き合格のことを指します。
日本の大学と異なり、入学基準よりも成績や英語力がすこし下回っていても、海外大学は合格を出してくれるのです。
その代わりに、一部ESLコースや英語基礎の授業を取ることを条件とされている場合が多いです。
つまり、合格はしても最初の1年間は、ほかの1年生とは異なる授業も取らなければならないという大学側の条件があるということです。
1年間を無事に修了すれば、2年次からはほかの学生と同様に履修できるようになります。
1年目から海外大学の経験ができ、時間と費用の節約になる点はメリットです。
自分の第一志望の大学であれば、条件付きでも合格できるため、メリットはとても大きいといえるでしょう。
必要な英語力とそのほかのスキル
次に、海外大学編入に必要な英語力について解説します。
基本的に求められる英語力は、通常の合否判定と同等になります。
TOEFL・IELTSのスコア
海外大学の合格判定に使われる資格試験は、TOEFLとIELTSが一般的です。
TOEFLはアメリカを中心に、IELTSはカナダやイギリスなどの国で活用されることが多いです。
TOEFLやIELTSは、以下のスコアが目安とされています。
有名私立大学/難関大学 | 州立大学 | |
TOEFL | 100 | 80 |
IELTS | IELTS Band 7〜 | IELTS Band 6.5〜 |
どちらのスコアでも良い場合もありますが、事前に希望する大学のHPでしっかり確認しましょう。
編入審査の場合は、足切りに使われることが多いです。
求められるスコアは、何年制の大学に通うのか、私立か州立か、大学のレベルなどによって変わってきます。
一定のGPAを維持する力
海外の大学では、授業で座っているだけでは参加したとは認められません。
科目によってさまざまな学びのスタイルが存在しますが、主な授業は以下のとおりです。
- グループディスカッション
- ペアトーク
- 学生主体のプレゼンや質疑応答
- リサーチ結果の発表
- グループ創作活動
このような授業に積極的に参加することで、楽しみながら学び、成長しようとしている学生が多いのが特徴です。
世界から集まる学生たちは、大学の学びにとても真剣です。
高額な学費を払っていたり、奨学金を受けている学生は、一定以上のGPAを確保しないと奨学金を打ち切られたりするためです。
もちろんそうでない学生もいますが、日本の大学よりも授業やテスト期間は、とくに緊張感があります。
あらかじめ予習を日常的に行う力
海外大学では、予習前提で講義や授業が進んでいきます。
教授の講義から学ぶのではなく、「事前に学んで授業では話し合う」と思っておいた方が良いでしょう。
たとえば、一回の授業に参加するために、50ページほどの論文を読み、要点をまとめてエッセイを書いて授業時に持っていく、といった予習は日常です。
留学生にとっては、最初の1か月はかなり厳しいと覚悟しておきましょう。
このような課題や授業を経験することで、確かな英語力と生き抜く力が身につきます!
海外大学への編入に必要な成績
英語力の証明と合わせて重要なものは、これまでの学業成績です。
基本的には、高校3年間の学業成績、在学中、あるいはコミカレでの成績が重視されます。
合否を左右する、大学の成績
日本の大学やコミカレから編入する場合、その成績平均(GPA)が合否判定材料としてもっとも重要視されます。
GPAは科目の評定平均値のことで、4段階で表されます。
当然、最大4に近い数値を残しておいた方が良いため、編入を見据えた学習をしておきましょう。
海外大学編入に必要なGPA
GPAは、最大4で示される成績平均のことです。
名門大学に出願する場合は、3.7以上が必要といわれています。
どんな大学へ出願するにしても、2以上はあった方が出願しやすいでしょう。
万が一、特別事情で成績不振であった場合には、その旨をきちんと伝えましょう。
また、高校の成績が悪かった場合は、一度コミカレに入学してGPAを上げれば、より高いレベルの大学に編入ができるようです。
海外大学への編入に必要な出願書類
最後に、海外大学への編入に必要な書類を紹介します。
編入時に必要な書類
- 願書
- 成績証明書
- エッセイ
- スクールリポート
- 中間試験リポート
- 推薦状
- TOEFL/IELTSのスコア
- SAT/ACTのスコア
- 面接やポートフォリオ
必要な書類は各大学によって異なるため、必ず志願先の大学のHPで確認したり、アドミッションオフィスにメールなどで問い合わせて確認しましょう。
願書
大学独自のApplication Form、もしくは共通願書のCommon Applicationのいずれかを提出する必要があります。
Common Application は、一度入力すれば複数の大学に活用できるため、とても便利です。
成績証明書
在籍していた高校の英語成績証明書、かつ日本の大学、もしくはコミカレなどの成績証明書が必要になります。
コピーは不可のため、学校印が捺された証明書を学校側へ発行してもらいましょう。
日本の高校や大学でも英語成績証明書は発行してくれるため、時間に余裕をもってお願いしましょう。
エッセイ
なぜ編入したいのか、自分はどういう人間なのか、志願先の大学にどういうメリットを持ち込めるかなど、自分らしさを表現するエッセイを提出する必要があります。
とくに、私立大学はエッセイを重視する傾向にあるため、できるだけ自己アピールができるような表現ができるよう努めましょう。
大学によって、事前に設問が設定されていたり、全く自由書式である場合もあるため、事前にアドミッションオフィスに問い合わせて確認しましょう。
スクールリポート
スクールリポートは、在籍中の大学の学長や教授に書いてもらう資料です。
出願している学生の成績や学校での振る舞いについて確認するための資料です。
具体的な内容としては、学費は問題なく支払えているのか、良好な態度なのか、などです。
中間試験リポート
成績証明書には反映されない、直近の中間試験の結果を報告するためのものです。
中間試験リポートは、一部の名門大学で提出を求められることがあります。
推薦状2通
在籍している大学の先生からの推薦状が2通必要になります。
英文の推薦状を、2名異なる方に書いてもらわないといけない場合があります。
在学している大学の先生やゼミの先生など、自分のことをよく知る先生にお願いしましょう。
TOEFL/IELTSのスコア
英語力を証明するスコアは必ず必要になるでしょう。
TOEFLであれば、運営会社のETSに申請すると直接大学にスコアが送られるシステムになっています。
求められているスコアに満たない場合は、条件付き合格などの可能性もあります。
TOEFL, IELTSのほかに、Duolingo English Testで入学を受け入れている大学もあります。
Duolingo English Testについては、以下の記事を参考にしてみてください。
\ 24時間オンラインで受験可能!/SAT/ACTのスコア
難関大学の場合は、ほかの留学生だけではなく現地の大学生とも競争しなければなりません。
その際に求められるのが、SATやACTというテストのスコアになります。
日本の共通テストをイメージするとわかりやすいでしょう。
数学や理科、英文学のハイレベルな問題になりますが、難関大学の編入を視野に入れている場合は、しっかり準備して臨みましょう。
面接やポートフォリオ
大学によっては、アドミッションオフィスや卒業生と面接をする必要があります。
「この受験生は、この大学にふさわしいか」を判定されます。
将来のビジョンや、今までの経歴を聞かれることが多いです。
基本はオンライン面接になる可能性が高いため、必要に応じて対応しましょう!
早めの準備で海外大学への編入を実現しよう
大学編入は、語学力や費用、合格率の面ではとてもメリットがある留学パターンです。
なかでも1番の魅力は、最終学歴を海外の有名大学にできることでしょう。
必要な手続きや書類の準備・英語力向上・資金計画など大変な部分もありますが、早めに準備を始めれば、きっと満足のいく編入留学が実現できるでしょう。
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