海外留学を検討する際に必須となるのが、留学資金の確保です。
実際に準備を進めるなかで、留学中の生活費が心配という方もいるでしょう。
留学前に十分な留学資金が用意できない場合、留学中のアルバイトも視野に入れる必要があります。
本記事では、海外留学中のアルバイトについて、アルバイトの探し方などについて解説します。
さらに、主要な留学先7か国の、アルバイトの可否・規定・条件なども紹介します。
留学中のアルバイトを検討している方は、ぜひ参考にしてください!
海外留学中にアルバイトはできる?
海外留学中にアルバイトするためには、就労可能なビザを取得する必要があります。
留学先の国が、留学生のアルバイトを認めている場合は、働いて収入を得ることも可能です。
ただし、アルバイトが認められていない場合、不法就労がみつかると強制送還になることもあります。
留学中のアルバイトを検討する際は、各国の規定をかならず確認するようにしましょう。
短期留学ではアルバイトができない
観光ビザでのアルバイトは、原則禁止されています。
3か月以内の短期留学では、観光ビザが発行されることが多いため、基本的にアルバイトが許可されません。
また、専門スキルを得るための留学であっても、観光ビザの場合アルバイトはできないため注意しましょう。
留学生のアルバイトの可否は国によって異なる
海外留学生の就労条件は、国によって異なります。
留学中のアルバイトを希望する方は、まずは留学先の就労条件を確認してください。
原則、海外でアルバイトをするためには、学生ビザかワーキングホリデービザの取得が必要です。
海外留学中にアルバイトができるビザ
海外留学のために取得できるビザは、主に以下の3種類です。
留学に必要なビザの種類
- 観光ビザ
- 学生ビザ
- ワーキングホリデービザ
そのなかで、アルバイトが可能なのは学生ビザとワーキングホリデービザのみになります。
学生ビザとワーキングホリデービザの取得条件や就労条件について詳しく解説します。
学生ビザ
学生ビザは、留学先の国で学校に通うことを条件に発給されるビザです。
基本的には、学業に専念する方向けのビザですが、国によっては条件つきで就労することが認められています。
たとえば、オーストラリアやニュージーランドなどは、規定が比較的緩いため、学生ビザでも働きやすいでしょう。
ワーキングホリデービザ
ワーキングホリデービザは、18歳〜30歳までの若者を対象としたビザで、一部の国では25歳までが条件となっています。
主に、休暇や就労を目的に渡航する方向けのビザで、最長で1年間の滞在が認められています。
滞在の目的は旅行の延長など、多岐にわたりますが、取得できる国は全世界というわけではありません。
2023年現在、ワーキングホリデー制度が導入されているのは、日本と協定を結んだ29か国の国・地域のみです。
とくに、オーストラリアやカナダは、毎年多くの希望者が出ることで知られています。
ワーキングホリデービザの魅力は、1年以内であれば自分の好きな仕事を選んで収入を得られる点にあります。
COOP留学
COOP留学とは、カナダ特有の留学プログラムで、専門学校で半年の専門教育を受けたあと、その分野で有給インターンとして働くことが可能な制度です。
参加する際の年齢制限はなく、高校卒業以上の方であれば、誰でも参加可能ですが、一定の英語力が求められます。
英語力の目安は学校やコースによって異なりますが、一般的にはIELTS5.0〜6.5程度が求められます。
COOP留学に参加する方法は、大きく分けて以下の2つです。
- ①日本で英語テストを受験し、必要なスコアを取得後、正式な就労ビザを取得してからカナダへ渡航
- ②現地の専門学校で英語力を向上させ、就労ビザを取得し、学校の就労担当者などを通じてインターン先を探す
現在の英語力や留学期間などを考慮して、自分に合った方法を選びましょう!
主要留学先のアルバイト可否
海外留学中のアルバイトの可否や、働くうえでの条件は国によって異なります。
主要な留学先7か国における、アルバイトの規定・条件について解説します。
アメリカ
アメリカでは、語学留学生のアルバイトは禁止されています。
大学や大学院に通う留学生は、キャンパス内でのアルバイトに限り、週20時間までアルバイトが認められています。
そのため、大学生は、主に大学内の図書館やカフェテリアなどで働くことが一般的です。
大学院生には、Teaching Assistant(TA)やReserch Assistant(RA)といった、大学教授をサポートするアルバイトもあります。
また、留学生がアメリカの短大・大学・大学院を卒業したあと、Optional Practical Training(OPT)を取得し、1年間アメリカで就労することも可能です。
なお、アメリカではワーキングホリデービザは発給されていないため、注意してください。
カナダ
カナダにおいても、語学留学生のアルバイトは禁止となっています。
ただし、高校、大学、大学院に正規で在籍する留学生は、週20時間までのアルバイトが認められています。
就労場所には、とくに制限はありません。
また、ワーキングホリデービザを取得すると、1年以内の就労が可能です。
カナダには、専門学校で語学を学んだあと、その分野で有給インターンシップとして働ける、COOPプログラムもあります。
イギリス
イギリスの学生ビザは複数あり、取得するビザによってアルバイトの可否が変わります。
語学学校に6か月〜11か月通う場合は、「Short-Term Study Visa」が必要ですが、このビザではアルバイトが認められていません。
一方、大学や専門学校など高等教育課程に留学する場合は、「Student Visa」を取得します。
「Student Visa」を取得している場合、大学生や大学院生は学期中に週20時間まで、休暇中にはフルタイムでアルバイトが可能です。
英語コースに通う学生も、学期中は週10時間まで、休暇中にはフルタイムでアルバイトができます。
また、イギリスのワーキングホリデービザは「Youth Mobility Scheme」と呼ばれ、最長2年間の就労が可能です。
ワーキングホリデービザを取得している場合、アルバイトだけでなく、正規雇用や開業も認められています。
オーストラリア
オーストラリアは、学生ビザを取得している場合、語学留学生でもアルバイトが可能です。
学生ビザを持っていれば、学校の種類に関わらず、学期中は2週間に40時間まで、休暇中はフルタイムで就労可能です。
一方、ワーキングホリデービザの場合は1年間、時間に制限なく働けますが、同一雇用主のもとでの就労が最大6か月までと定められているため、注意が必要です。
また、政府が指定する地域で農業や漁業、建築などの分野において、3か月以上働いたことを証明する書類があれば、セカンド(2年目)ワーキングホリデービザの取得が可能になります。
ニュージーランド
ニュージーランドはオーストラリア同様、語学留学生であってもアルバイトが認められており、週20時間以内の就労が認められています。
ただし、NZQAのカテゴリー1に登録されている語学学校に週14時間以上通うことが条件となっています。
NZQAとは、“New Zealand Qualifications Authority” の略で、ニュージーランドの政府機関の1つで、カテゴリー1に登録されている学校は政府から高い評価を受け、信頼性が高い学校といえます。
大学や大学院へ通う学生も、1年間に120単位以上取得する場合は、週20時間以内のアルバイトが可能で、休暇中はフルタイムでの就労も許可されています。
ワーキングホリデービザの場合は、1年間は時間や場所の制限なく就労が可能です。
フィリピン
フィリピンでは、留学生がアルバイトすることは認められていません。
フィリピン留学では、期間に関わらず、SSP(Special Study Permit)を取得します。
また、60日以上の滞在にはACR I-CARD (Alien Certificate of Registration Identity CARD)が必要であり、6か月以上の滞在の場合はECC(Emigration Clearance Certificate)の取得が必要です。
しかし、これらのビザを取得したとしてもアルバイトはできません。
大学や大学院でTAとして働いた場合でも、フィリピンでは無給となります。
さらに、フィリピンではワーキングホリデービザも発給されていません。
したがって、フィリピンで就労を希望する場合は、AEP (Alien Employment Permit)と呼ばれる外国人労働許可証か就労ビザが必要です。
韓国
韓国では、学生ビザを取得した長期留学生は、週20時間までアルバイトが可能ですが、高校生のアルバイトは許可されていません。
アルバイトの機会は、語学留学生や専門学校、大学、大学院生が対象となります。
ただし、語学留学生は、通学開始から6か月経過している方のみ、アルバイトが認められています。
アルバイトを始める前には、資格外活動許可の申請が必要になるため、希望する方は計画的に準備するようにしましょう。
海外留学中にアルバイトをするメリット
海外留学中にアルバイトするメリットは資金面だけではありません。
アルバイトで現地の生活を体験し得られる3つのメリットについて詳しく解説します。
収入を得ることで生活にゆとりができる
アルバイトをする最大のメリットは、留学中にアルバイトで生活費を増やせることです。
留学費用は、日本を出発する前に十分準備しておくことが大切です。
アルバイトで現地の方と触れ合いながら収入を増やし、さらに生活にゆとりができれば、留学生活をより楽しめるでしょう。
ただし、留学中のアルバイト代に期待して、生活費の一部に当てることは避けましょう。
実践的な語学力を身につけられる
アルバイトを通じて現地の方々と直接コミュニケーションをとることで、実践的な語学力が身につきます。
語学学校では、同じ留学生と会話をすることが多いため、ネイティブと直接会話する機会が限られてしまうこともあります。
アルバイトをすることで、日常的に現地の方と話すチャンスが得られるため、実用的な語学スキルを身につけやすくなります。
知り合いが増え人脈が広がる
アルバイトすることで新たな知り合いが増え、人脈が広がります。
海外留学をしたら、多くの友人を作りたいと考えている方も多いと思います。
しかし、留学生活では学校と滞在先の往復が主な日課となりがちで、交友関係を築くことが難しいと感じる方もいるでしょう。
アルバイトを通じて新しい出会いを増やすことで、将来にわたって付き合える友人に恵まれる可能性が高まります。
海外留学中にアルバイトをするときの課題
海外留学中のアルバイトは、かならずしもポジティブな面ばかりではありません。
アルバイトに多くの時間を費やすことや、日本語が使える仕事を選んでしまうと、逆にデメリットになる可能性もあります。
以下では、海外留学中にアルバイトするときの3つの課題について、紹介します。
一定以上の英語力が必要になる
留学中にアルバイトをするには、一定以上の英語力が必要です。
海外では、「日本人は英語でのコミュニケーションが苦手」というイメージをもたれていることも少なくなく、アルバイトの面接を受けてもかならず合格できるとは限りません。
現地の就労先では、英語でのコミュニケーション力が必要不可欠です。
まずは、語学学校や大学で英語学習に真剣に取り組み、現地の方々と問題なく会話ができるスキルを身につけることが重要です。
また、英語力が不足しているからといって、日本食レストランでアルバイトすることは避けてください。
バイト中に日本語を使うことで、英語を上達させるという本来の目的を達成しにくくなるためです。
勉強時間が減り留学の成果が出せない
アルバイトに一生懸命になりすぎると、勉強に充てる時間が減ってしまう恐れがあります。
十分な勉強時間を確保できない場合、留学の成果が十分に発揮できなくなるでしょう。
そのため、留学の本来の目的である、学業を最優先にする姿勢が非常に重要です。
とくに、コミュニケーションがメインとなるアルバイトであれば、仕事を通じて語学力を向上させることができます。
自由時間が減り息抜きができない
留学中にアルバイトすると、自由時間が減り、息抜きが難しくなることもあります。
また、友達との予定も入れづらくなるため、ストレスに感じる方もいるでしょう。
アルバイトの時間制限が厳しい国であれば心配は少ないかもしれませんが、アルバイトの時間制限が長い国に留学する場合は、適度に時間を調整することが大切です。
留学中のアルバイトでの注意ポイント
海外留学中は、学業を最優先に考えることがとても大切です。
以下では、留学中のアルバイトにおける3つの注意点について解説します。
日本語が使えるアルバイト先で働かない
アルバイトを選ぶ際は、日本語が使える環境に身を置くことは極力避けるべきです。
日本語が使えるアルバイトは、苦労が少なく手軽に収入を得やすいため、つい選んでしまいがちですが、語学力の向上にはあまり期待できません。
また、現地の方との交流の機会も減る傾向にあります。
理想的なアルバイト先を見つけるのは簡単ではないかもしれませんが、英語を使う機会が多い職場を探しましょう。
留学先の就労条件に合うアルバイト先を探す
留学する国によっては、留学生の雇用条件が厳しい場合があります。
アルバイトを希望する際は、決められた就労条件に合う仕事を見つける必要があります。
また、ビザの条件に合うアルバイト先を見つけることも、注意点の1つです。
就労条件を守らなかった場合、強制送還され、その後の入国が禁止される可能性もあります。
留学先の就労条件は、事前にしっかり確認し、かならず守るようにしましょう。
留学する前に十分な資金を用意しておく
留学に必要な資金は、日本を出国する前に十分用意しておきましょう。
とくに、アルバイト代を見込んで、学費の一部に充てることは避けてください。
見込みどおりにアルバイト代が稼げないと、学費が払えなくなり、留学本来の目的を見失ってしまう可能性があります。
また、学業とアルバイトの両立がうまくいかない場合もあるでしょう。
語学力が充分でない状態で働かなければならない場合、給料は低く、きつい仕事になりがちです。
留学中の生活費や、最低限の語学力が身につくまでの資金は、事前に準備するようにしましょう。
海外留学中のアルバイトの探し方
日本人が海外でアルバイトを探す際は、どのように探せばよいでしょうか。
以下では、海外でのアルバイトの探し方について紹介します。
留学先のウェブサイトで探す
最初におすすめする方法は、留学先のウェブサイトからアルバイト先を見つける方法です。
語学力が低い場合は、日本人向けのサイトも利用できるため、積極的に活用するといいでしょう。
ただし、日本語だけで働ける仕事は、語学力の向上につながらないため、避けるべきです。
語学力が向上してきたら、現地の情報を調べてアルバイト先を探しましょう。
さまざまな職種の求人情報が掲載されているため、より条件の良いアルバイト先を見つけやすくなります。
友人・知人に紹介してもらう
学校や滞在先で知り合った友人や知人から、アルバイト先を紹介してもらうのも一つの方法です。
知り合いから紹介してもらう場合、アルバイト先の情報を詳しく教えてもらいやすいため、働き始める前の不安を減らせます。
友人や知人との信頼関係にもよりますが、アルバイト先の情報を自分でも調査することで、さらに安心感を得られるでしょう。
お店に直接交渉する
お店に直接行って、交渉するのも方法の1つです。
街中で求人情報が掲示されているお店を見つけたら、アルバイトの募集があるか尋ねてみるといいでしょう。
働いてみたいと思えるお店がある場合は、アルバイトを募集していないか確認してみることもおすすめです。
日本人におすすめの海外留学中でのアルバイト
最後に、海外留学中の日本人が探しやすく、働きやすいアルバイトを3つ紹介します。
以下で紹介する情報を参考に、現地でアルバイト探しに役立ててください。
スーパーマーケットのスタッフ
語学力にあまり自信がない方は、スーパーマーケットのスタッフがおすすめです。
スーパーマーケットの仕事は、お客様とコミュニケーションを取る機会が比較的少ないです。
たとえば、商品の陳列作業ではお客様との接触が少なく、レジ業務でも会話はある程度パターン化されています。
商品の場所を聞かれたときは会話する必要がありますが、基礎的な語学力があれば対応できるでしょう。
カフェ・レストランのスタッフ
現地のカフェやレストランでのアルバイトも、留学生にとって働きやすいでしょう。
語学力に自信がないうちは、お皿洗いなど裏方の仕事をさせてくれるお店もあります。
すこし語学力に自信がついてきたら、接客の仕事に挑戦してみるといいでしょう。
カフェやレストランでの接客業務は、一般的にマニュアルが整っていることも多いです。
お客様の案内や注文取り、レジ打ちなど、マニュアルどおりに業務を進めることで、語学力アップが期待できます。
さらに仕事に慣れてきたら、すこしずつお客様と会話する時間を増やしてもいいでしょう。
自分の語学力に合わせて段階的にスキルアップできるのが、カフェ・レストランでアルバイトする魅力です。
日本語教師
留学先で、日本語教師として働くという方法もあります。
日本語教師として働く場合、日本人であるメリットを最大限に活かせるでしょう。
日本語の意味を現地の言葉で教えるためには、まずは自身の語学力を向上させる必要があります。
語学力にある程度の自信があり、さらにスキルを高めていきたいという向上心がある方におすすめのアルバイトです。
まとめ
留学中にアルバイトが可能かどうかは、各国の規定・条件によって異なります。
そのため、留学を検討している国の就労規則をかならず確認することが重要です。
また、留学の本来の目的は、学業で成果を出すことですが、アルバイトと両立できれば、より充実した留学生活を過ごせるでしょう。
アルバイトを選ぶ際には、日本語を使用しない職場を選ぶことがおすすめです。
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