- カナダに留学したいけど、中学生ではまだ早い?
- 中学生がカナダ留学するにはどれくらいの英語力が必要?
- 中学校の夏休みを利用してカナダ留学したいが、どんな選択肢があるのか?
- 中学生でカナダに留学して危険な目に会わない?
近ごろ、中学から留学を検討する人は増えてきています。
しかし、上記のようなことで心配されている中学生や保護者の方は多いのではないでしょうか?
実は、多くの方が中学から留学をしています。
この記事ではカナダ留学を検討している方に向けて、事前に押さえておきたいポイントを紹介します。
メリット・デメリットや費用の目安、留学方法のほか、日本との教育制度の違いについても解説しています。
ぜひ、参考にして準備を進めてください。
中学生の留学先としてのカナダの特徴
カナダは留学先として高く、独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)の留学先調査によると、アメリカ、オーストラリアに次いで3番目の人気を誇ります。
人気の理由は、以下の通りです。
- 中学生の留学にも安心の環境
- 訛りや癖が少ない英語で、聞き取りやすいとされている
- 北米地域のなかでも比較的治安がよく、過ごしやすい気候
- 移民国家で受け入れられやすい
- 東部地域では、英語とフランス語を学ぶことも可能
中学生がカナダ留学する方法
中学生がカナダ留学を目指す場合、方法はいくつかあります。
【短期】ホームステイ
短期留学で一般的な滞在方法はホームステイです。
カナダ人の一般家庭に滞在して、ホストファミリーと共に異文化体験・交流ができるのが一番の魅力です。
学校だけでなく、常に英語を話してコミュニケーションを取る必要があるので、短期留学でもある程度の英語力向上が見込めます。
語学学校の授業が含まれている、親子で行けるなど留学方法も豊富で、期間は1週間から1ヶ月の短期から参加できます。
はじめて海外で生活する人や、6ヶ月以内の短期留学の人など、さまざまな人にオススメできるのがホームステイです。
一方で、カナダ留学で定番の滞在方法であるものの、デメリットがあることも押さえておきましょう。
ホームステイ先では、各家庭で異なるルールがあったり、完全なプライバシーを確保できない場合もあります。
自由な生活を重視するひとには不向きなケースもあります。
【短期】サマースクール
カナダの夏休みである6月末から8月末にかけて、現地の語学学校や大学が主催する語学留学プログラムです。
日本の夏休み期間と合わせれば、日本の学校を休まずに現地で学べるので、人気があります。
1週間程度のプログラムから参加できるので、選択肢の幅が広いのも魅力の一つです。
デメリットとしては、航空券の相場が一番高い夏にしか開催されないので、航空券代が高くなってしまうことです。
留学費用をできるだけ節約したい方は、LCCなどを使い、航空券代を安く抑える必要があります。
【長期】公立または私立の学校
1年以上留学するなら、現地の公立または私立の学校への正規留学が選択肢となります。
カナダは国をあげて移民を受け入れているので、公立学校であれば留学生や英語に不自由な人を対象にESLクラスを設置して、サポートしている場合が多いです。
「ESL」とは”English as Second Language”の略で、英語を母国語としない生徒のための英語クラスです。
さまざまな国やバックグラウンドの生徒と一緒に勉強するので、カナダ人以外の友達もできるでしょう。
私立学校でもESLを準備しているところはありますが、公立に比べると少ないことは覚えておきましょう。
【長期】ボーディングスクール
1年以上留学するのであれば全寮制のボーディングスクールを検討してもいいかもしれません。
ボーディングスクールは数が極めて少ないですが、充実した設備や授業内容が長所です。
また、生徒たちが共同生活を送ることで、協調性や規則正しい生活を身につけられます。
授業料・設備費・食費が学費に含まれていることが多い分、費用は1年間で500万円から700万円と高くなり、公立の3倍、私立の2倍が一般的です。
次に、留学先として人気のバンクーバーとモントリオールのボーディングスクールを紹介します。
Brentwood College School
バンクーバーにあり、1923年創設と歴史は古く、カナダだけでなくアメリカやヨーロッパから生徒が集まる名門中の名門校です。
日本の中学3年生に相当する、Grade 9から入学可能です。
英語力は自己申告ですが、ESLは設置されていません。
そのため、日本のインターナショナルスクールで学習済み、もしくは帰国子女など英語圏で何年か生活した英語力がないと授業についていけないかもしれません。
珍しく留学生には国籍制限を設け、一つの国からの留学生は全体の20%以内に抑える、という決まりがあります。
日本人は平均1〜3名在籍しています。
Stanstead College
モントリオールから車で約2時間、世界でもっとも美しい村10選に数えられるスタンステッドにあるボーディングスクールです。
1872年創立で現在は創立150周年を超えています。
Grade 7から12までの生徒を受け入れている学校です。
ESLは設置されていて、入学条件はフレキシブルに対応してくれるのが大きなポイントです。
年平均で5〜8名の日本人生徒が在籍しています。
中学生でカナダ留学した後の日本の進学先・方法
中学生でカナダ留学をした場合の留学後の進路は、そのまま海外留学を続けるか、日本に戻り高校進学をするなど、人それぞれです。
ここでは留学後の進路について解説します。
中学生は留学しても留年にはならない
実は、中学生が留学した場合の義務教育の扱いに関する明確な決まりはなく、帰国後に留年となるケースはありません。
そのため場合によっては留学後に留年の対象となる高校と違い、中学のほうが留学しやすいという見方もできるでしょう。
帰国後は個々の学校や教育委員会、地方自治体と調整を図らなければいけないかもしれませんので、1年以上の長期留学を検討している人は事前に確認しておきましょう。
帰国後に帰国子女枠で高校受験が可能
海外で一定期間を過ごした子どもに対して、入学試験の際に帰国子女枠を設けている高校があります。
帰国子女枠では、試験で国語の代わりに別の言語を選択でき、一定以上の英検やTOEFLなどの英語資格を持っていれば英語の試験で満点とみなされる、といった対応をしてくれます。
ただし学校によって帰国子女の定義が異なるので注意しましょう。
1年で帰国子女とみなされる場合があれば、2年以上の海外生活が必要な学校もありますので、留学後に日本で高校受験を考えている場合は事前に確認が必要です。
中学生のカナダ留学にかかる費用の目安
留学を検討するときに多くの人が気になるのが費用だと思います。
ここでは留学タイプによる費用の目安を解説します。
留学期間ごとの費用の目安
留学先として人気が高いカナダ留学は方法がさまざまで、留学期間の差だけでなく、さまざまなプログラムから選べます。
一般的に期間が長くなるほど高額になります。
期間 | 留学する学校費用 | 費用 | 備考 |
2週間〜 | サマースクール | 50万円〜 | サマーシーズン限定のため航空券が高くなりやすい |
1ヶ月 | 語学学校 | 70万円〜 | |
1年 | 公立高校 | 250万円〜 | |
1年 | ボーディングスクール | 800万円〜 | 夏休みなど長期休暇は寮から出なければいけない |
中学生がカナダ留学するメリット
中学生といえば子どもから大人へ成長し、アイデンティティを形成する上で非常に大切な時期です。
そんな多感な時期に海外生活を体験するメリットはたくさんありますが、ここでは代表的なメリットを紹介します。
自立心が芽生える
カナダで留学生活を送る場合、生活の自己管理や日常の判断に責任が生じます。
金銭面の管理をはじめ、学校や学校以外での時間をどう過ごすかなど、自由な判断には責任が伴うことを学ぶいい機会です。
なかにははじめて親元を離れて暮らす方もいるかもしれません。
1週間の短期留学でも、経験が自信につながるでしょう。
国際感覚が養われる
日本では出会ったことのない国の人と話すことで、価値観や考え方の幅が広がるでしょう。
カナダは移民国家のため、さまざまな国から移民や留学生を受け入れています。
留学先のクラスには色んな国や人種の生徒がいて、はじめて出会う国の人もいるかもしれません。
日本人が少ないエリアであれば、彼らからしてもはじめて会う日本人の可能性があります。
現地の人からすれば、何もかもが新しく感じ、日本では考えてもみなかった質問をされることもよくあります。
ときには答えられない場合があるかもしれません。
うまくいかなかった経験を重ねて、海外から見た日本や自分の日本に対する感覚・価値観が形成されていくでしょう。
中学生がカナダ留学で気をつけること、デメリットとは?
中学生は子どもから大人へ成長する大事な時期です。
留学する際は、大人が留学するときよりも気をつけなければいけないことが多くあります。
目的を見失う可能性
留学の目的を明確にしていかないと身にならないことに注意しましょう。
大都市に留学すると、人気留学先のため日本人留学生を見かけることが多いです。
失敗談
- 言葉が通じない外国で不安やホームシックになり、話しやすい日本人とばかり仲良くなって現地で何も学べなかった、というのはよくある失敗談です。
- 日本人と仲良くなるのは悪いことではありませんが、何のためにカナダに留学しているのか、常に考える必要があります。
危機管理能力の不安もあります。
はじめて親元を離れてカナダで生活すれば、すべてが新鮮に映るものです。
日本ではあまり意識してこなかった危ない場所や、行動についても考えていかなければなりません。
比較的、治安が良いとはいえカナダの軽犯罪発生率は日本の10倍以上あり、都市部では日本よりも気をつける必要があります。
社会的に未成熟な中学生が危険に巻き込まれないよう注意しましょう。
日本を離れるリスク
長期留学の場合、日本の歴史や文化に関する基礎知識が養われにくくなります。
カナダの学校で日本について学ぶ機会は当然ながら少ないからです。
留学中には世界中から集まった中学生と交流する機会があり、日本について質問されることが多くなります。
日本の歴史や文化について英語で説明することができれば、英語力アップにもつながります。
ぜひチャレンジしてみてください。
中学生のカナダ留学先選びのポイント
中学生では危機管理能力や判断力がまだ不十分です。
安全な生活をするために、留学先を選ぶポイントがいくつかあります。
安全面を考える
カナダは世界でもトップクラスの治安の良さを誇り、人気の留学先として常に上位にランクインします。
移民国家のため国籍はバラエティ豊かで、他国籍の人に対するフレンドリーさも人気の理由です。
気をつけていれば、犯罪に巻き込まれるケースは他の先進国と比べて少ないと思います。
しかし、万が一のことを考えておかなければなりません。
留学エージェントを使って留学する場合、トラブル発生時や困ったときのサポート体制がしっかりしたエージェントや留学先を検討した方がいいでしょう。
気候を考える
カナダは世界第2位の国土面積を誇り、地域によって気候が大きく変わります。
バンクーバーなど太平洋の暖流に近い都市では、夏は暑すぎず、冬も寒すぎない比較的過ごしやすい気候です。
一方でトロントやモントリオールでは、冬にマイナス20℃〜マイナス30℃になることもあり厳しい寒さが待っています。
留学先によって気候がまったく違うことを覚え、準備を進めましょう。
カナダと日本の教育制度の違い
カナダと日本では教育制度が異なり、義務教育に対する考え方も違います。
ここではどのように違うかを解説します。
義務教育期間がやや長い
日本では小・中学校までが義務教育と考えられていますが、カナダでは日本の高校生までが義務教育と考えられています。
そのため公立高校であれば無償で通えますが、留学生は費用が必要であることに注意が必要です。
学校の区分けが州によって異なる
カナダには日本の文部科学省のような教育関連を担当する中央機関はありません。
代わりに州ごとに教育関連を担当する機関が設置されています。
そのため州によって学校や学年の区切りも異なります。
基本はGrade(グレード)1〜12なのですが、小学校がGrade1〜6の州があれば、Grade7までを小学校とする州もあります。
留学する際の学年と、留学先のシステムを事前に確認しておきましょう。
まとめ
今回は中学生でカナダの短期留学を検討している人に向けて、カナダの特徴や留学する方法について、留学後の進路、費用などを紹介しました。
一口にカナダ留学と言っても、目的によって留学先や滞在方法などまったく異なることがわかります。
中学生のカナダ留学であれば、危険な目に会わないかなど、わからなくて不安になります。
本記事を参考に、中学からの留学プランを検討してみてください。