海外大学の入試では、日本の大学入試と異なる点がいくつかあります。
なかでも「課外活動」が重視される傾向にあり、海外の大学受験における大きな特徴といえるでしょう。
海外大学への進学を希望する際に、課外活動の重要性や入試でのポイントについて、しっかり理解しておくことが大切です。
本記事では、海外の大学進学を目指す方に向けて、課外活動の重要性や出願時の注意点について、詳しく解説します。
海外の大学受験に必要な「課外活動」とは
「課外活動」とは、学校が定めるカリキュラム以外に取り組む活動全般を指します。
部活や委員会、ボランティア活動など、授業以外の活動は、ほぼすべて課外活動に当てはまるといえるでしょう。
以下では、海外の大学受験において大切な要素といえる、課外活動について解説します。
海外の大学受験では「課外活動」が重視される
海外の大学、とくにアメリカの大学入試では、成績だけでなく、課外活動(Extracurricular activities)も重視されます。
ただし、トップレベルの大学入試では、はじめに学校の成績やテストの点数で志願者を選別します。
合格するためには、各大学が求めるスコアの目安をクリアしていることが前提です。
学力による選抜を通過したあと、合否は以下の総合評価によって決まります。
海外大学の評価ポイント
- 学校の成績
- テストの点数
- エッセイ
- 出願書類
- 課外活動
アメリカの大学入試において、課外活動の評価比重は約30%といわれており、日本の大学入試よりも重要視されている点が大きな特徴です。
また、課外活動をアピールする際は、内容や役割、成果などの詳細な説明が求められるため、入念な対策が欠かせません。
対象となるのは「中3~高3」の4年間
課外活動の対象期間は、中学3年生から高校3年生までの4年間です。
4年間の期間において、学業以外で自分が熱心に取り組んできたものすべてが含まれます。
学術オリンピックなどアカデミックな経験はもちろん、芸術コンテストやスポーツ大会に出場した経験などもアピールになります。
自分が4年間の間で勉強以外に何に取り組んできたのか、どのようなことに興味や意欲を抱く人物であるかを大学側にしっかり伝えましょう。
Common Appに入力できる活動は10個
課外活動を記入する際に使用するのが、コモンアプリケーション(Common Apprication)と呼ばれるウェブサイトで、コモンアップ(Common App)とも呼ばれます。
コモンアップは、オンライン上で複数の大学に出願できる共通プラットフォームで、大学出願のためのツールです。
ウェブサイトに必要事項を入力して登録することで、コモンアップに対応した複数の大学にまとめて出願が可能です。
コモンアップでは、最大10個までの課外活動を登録できます。
自分の魅力を最大限アピールするには、課外活動において自分が取り組んだことや、グループ内で果たした役割などについて、詳しく記入しましょう。
\ コモンアップを使ってみよう!/「課外活動」が重要な理由
なぜ、海外の大学入試では、課外活動が重要視されているのでしょうか。
その理由は、各大学が受験生を学校の成績やテストの結果だけでなく、課外活動やエッセイ、性格なども含めて総合的に評価しているためです。
ただし、課外活動の重要性は大学によって異なるため、自分が受験する大学の方針を確認しましょう。
大学の公式サイトに公開されている「Common Data Set」をチェックしてください。
「Common Data Set」とは、大学ガイドやランキングを作成する組織が使用している質問集で、各大学の基本情報を収集するために利用されています。
「Common Data Set」のC7の質問では、各大学の学士課程の入試において、テストの点数や課外活動など、各項目がどれだけ重要視されているかが表でまとめられています。
たとえば、スタンフォード大学の「Common Data Set 2022-2023」をみてみましょう。
C7の質問に対する答えでは、「課外活動(Extracurricular activities)」は、テストの点数やエッセイなどと同様に「Very Important」となっています。
対照的に、マサチューセッツ工科大学の「Common Data Set 2022-2023」では、「課外活動(Extracurricular activities)」の重要性は「Important」です。
一方で、性格や個人的資質(Character/personal qualities)は「Very Important」で、より重要視されていることが示されています。
課外活動は、受験生を成績だけではなく、さまざまな面で評価するうえでの大切な要素であることがわかります。
受験生が、大学にとっていかに「魅力的な人材」であるかをアピールするための重要な材料の一つといえるでしょう。
海外の大学受験での「課外活動」の評価について
海外の大学受験では、具体的に課外活動のどのような部分が評価されるのでしょうか。
課外活動をアピールする際の、3つのポイントについて解説します。
熱意があるか
課外活動について重要なポイントは、その活動に対して本人が熱意をもって取り組んでいるかどうかです。
たとえば、ボランティア活動などは短期間で参加できるものも多いため、大学出願のためにとりあえず参加しようと考える方もいる可能性があります。
しかし、大学の試験官は、これまで膨大な受験生の応募書類をみてきたプロフェッショナルです。
そのため、実際に興味がないのに行ったボランティア活動は、即座に見破られてしまうでしょう。
一貫性があるか
課外活動では、内容に一貫性があることも評価につながります。
同じテーマに関連する課外活動を複数書いていいか迷う場合もあるかもしれませんが、問題ありません。
また、出願時に提出するエッセイの内容と課外活動のテーマを関連させることもおすすめです。
自分がどのテーマに興味や関心を寄せているのかを一貫して表現できることは、大きなメリットになります。
バランスがとれているか
出願書類に一貫性をもたせるだけでなく、全体的なバランスを考えることも大切です。
たとえば、エッセイで環境問題に関する興味や関心を示し、課外活動で環境問題に取り組むボランティア活動に触れたとします。
ただし、すべての課外活動を環境問題に関連させるとバランスが悪くなってしまうため、部活動などスポーツに取り組んだ経験がある場合は、積極的に記入しましょう。
ほかの受験者との差別化をはかるためにも、柔道や茶道や囲碁など、日本ならではのスポーツや趣味をアピールすることもおすすめです。
主な「課外活動」の一覧表
出願のための共通プラットフォームであるコモンアップでは、課外活動の記入欄に活動分野(Activity Type)を選択する項目があります。
コモンアップ内における課外活動の活動分野(Activity Type)27種類を一覧表にまとめました。
Activity Type | 日本語訳 |
Academic | 学術 |
Art | 芸術 |
Athletics:Club | スポーツ:クラブ活動 |
Athletics:JV/Varisty | スポーツ:チーム所属 |
Career-Oriented | キャリア関連(インターンなど) |
Community Service(Volunteer) | 社会奉仕活動(ボランティア) |
Computer/Technology | コンピュータ・科学技術 |
Cultural | 文化 |
Dance | ダンス |
Debate/Speech | ディベート・スピーチ |
Environmental | 環境 |
Family Responsibilities | 家庭責任(家事、育児、介護など) |
Foreign Exchange | 国際交流 |
Journalism/Publication | ジャーナリズム・出版 |
Junior R.O.T.C | 米軍プログラム |
LGBT | セクシュアル・マイノリティ |
Music:Instrumental | 音楽:楽器 |
Music:Vocal | 音楽:ボーカル |
Religious | 宗教 |
Reserch | 研究 |
Robotics | ロボット工学 |
School Spirit | 校内活動・委員会 |
Science/Math | 科学/数学 |
Student Gov.t/Politics | 生徒会・学生自治会 |
Theater/Drama | 演劇 |
Work(Paid) | アルバイト・有給インターン・職歴 |
Other Club/Activity | そのほかの活動 |
自分が取り組んできた課外活動がどれに当てはまるかを考え、選択しましょう!
「課外活動」の記入項目
課外活動の記入欄では、以下の9つの項目について書く必要があります。
課外活動の項目
- Activity Type(活動の種類)
- Position/Leadership description(役職・リーダーシップ)
- Organization name(団体名)
- Description(詳細)
- Grade levels(学年)
- Timing of Participation(参加時期)
- Hours per week(週あたり時間)
- Week per year(年あたり週)
- I intend to participate in a similar activity in college(同様の活動に大学進学後も参加するつもりか)
受験生の方のなかには、何をどのように記入すればいいか迷ってしまうものもあるかもしれません。
以下では、各項目の書き方や記入のポイントについて解説します。
Activity type
「Activity Type」の項目では、27の選択肢から活動の種類を選択します。
具体的な項目については、前述した一覧表を確認してください。
「Activity Type」には、学術的なものからスポーツ関係、家事・育児、アルバイトなど、幅広い選択肢があります。
自分がこれまでに取り組んできた活動がいくつか該当するかもしれません。
もし、自分の活動が27の選択肢のどれにも当てはまらないという場合は、「Other Club/Activity」を選ぶといいでしょう。
Position/Leadership description
生徒会長やチームのキャプテンなど、具体的な役職がある方は、役職名を記入してください。
役職がない場合は、「Participant」や「Member」と書きましょう。
とくに肩書がなくても、活動のなかでどのようにリーダーシップを発揮したかやチームに貢献した具体的なエピソードなどを記入すると、評価につながります。
Timing of participation, Hours per week, Week per year
課外活動の期間、週あたりの時間、年あたりの時間を具体的な数字で記入しましょう。
活動期間は長い方が望ましいですが、非現実的な期間を書くと見破られてしまいます。
実際に自分が取り組んだ、正しい期間を記入してください。
I intend to participate in a similar activity in college
大学進学後も同様の課外活動を続ける意志があるかについて記入する項目です。
この項目では、基本的に「Yes」を選択します。
情熱をもって、継続的にその課外活動に取り組んでいることを、大学側にアピールしましょう。
海外の大学入試における「課外活動」のポイント
前述したとおり、海外の大学入試では課外活動が重要視されます。
しかし、学業に追われ、課外活動に参加する時間が多くとれなかったり、上手くアピールできる自信がないと不安に思う方もいるかもしれません。
以下では、課外活動を記入するうえでの2つのポイントについて解説します。
数が多い方がいいわけではない
課外活動の記入は、最大10個まで可能ですが、数が多ければいいというものでもありません。
さまざまな活動にすこしずつ取り組むよりも、いくつかの活動に絞って、長期間続ける方が高く評価される傾向があります。
その理由は、責任感や継続力の強さを感じられるためです。
そのため、アピールしたいポイントを課外活動の数ではなく「質」にこだわり、1つか2つに絞ってみてもいいでしょう。
プロのサポートを受けると安心
出願書類の作成は、自分の魅力を最大限アピールすることが大切です。
なかには、上手くアピールできるか不安に思われる方もいるかもしれません。
そんなときは、出願書類の作成において経験豊富なプロからの添削やアドバイスを受けると安心です。
書き方のコツはもちろん、自分では気づきにくいアピールポイントについても、客観的なアドバイスが受けられます。
課外活動は積極的に参加しよう
アメリカの大学では、学力と同様に課外活動が強く重視されます。
入試では、学校の成績やテストの結果だけでなく、課外活動、エッセイ、性格なども含めて総合的に評価されると考えてください。
課外活動を通じて、自分の魅力を最大限にアピールしましょう。
海外留学や大学出願において、プロのアドバイスを受けることは、留学成功への効果的な手段です。
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