カナダは、一般的に治安の良い国とされていますが、日本のように世界的に治安が良い国から留学する場合、カナダの評判を鵜呑みにしていまうのは危険です。
海外では、日本にいるときには想像もできないようなトラブルに巻き込まれる可能性もあるため、最低限の安全対策は欠かせません。
本記事では、カナダの犯罪発生率や、治安が良いとされる理由、現地での注意点、各地域ごとの治安状況などについて解説します。
カナダで犯罪に巻き込まれずに、安心・安全な留学生活を送るための参考にしてください!
留学前に知りたい!カナダの犯罪発生率
治安が良いことで知られているカナダですが、実際に日本と比較すると、どれくらい安全なのでしょうか。
以下では、カナダの犯罪発生率や、治安を調べる際の具体的な方法について紹介します。
カナダの犯罪率は日本の12倍
カナダは先進国のなかでも、治安の良い国として知られています。
国全体で犯罪率が低く、留学生や観光客が安心して生活できる環境が整っているといえるでしょう。
とくに、大都市や観光地では、警察による警備が充実しているため、公共の場や交通機関も安全です。
ただし、世界的に安全な国である日本と比べると、カナダの安全性はやや劣るといわざるを得ません。
カナダの犯罪発生率は日本の約12倍といわれており、油断はできません。
アメリカと比較すると治安は良い方ですが、日本と同じ感覚で過ごすことは危険といえます。
カナダの治安が良いという評判を鵜呑みにせず、しっかりとした安全対策を講じることが大切です。
治安の調べ方はさまざま
カナダの治安について詳しく調べるためには、いくつかの方法があります。
まず参考にしたいのが、外務省の海外安全ホームページです。
海外安全ホームページでは、危険地域や各国の安全対策に関する基礎情報を日本語で確認することが可能です。
留学先を決める際や、渡航前にかならずチェックすることをおすすめします。
また、一部の留学エージェントにはカナダ在住のプランナーがいることもあります。
もし現地のプランナーがいる場合は、現地の最新情報を教えてもらうといいでしょう。
さらに、過去にカナダへ留学した方の体験談も貴重な情報源です。
なお、カナダではシェルターの多い地域で犯罪発生率が高い傾向にあります。
カナダ政府は、ホームレスを含むすべての人に対して最低限の生活を保障しており、ホームレスには政府が運営するシェルターでの滞在が可能です。
日本では、ホームレスが公園や路上で暮らす光景がよく見られますが、カナダでは政府建設のシェルターに、ホームスレスが無料、またはほぼ無料で住むことが可能です。
こうした背景から、シェルター周辺では犯罪が起こりやすくなるといわれています。
そのため、カナダの治安を調べる際は、シェルターの多い地域かどうかも判断材料の一つにしてください。
エリアごとの治安
カナダの治安は、地域によって異なる特徴があります。
留学先として人気のある、バンクーバー、トロント、モントリオールの治安状況について、それぞれ詳しく解説します。
バンクーバーの治安
過去10年間、バンクーバーにおける犯罪発生数は減少傾向にあります。(2022年時点)
しかし、窃盗事件に関しては、2021年から2022年にかけて、やや増加しています。
バンクーバーは基本的に安全な街ですが、いくつか危険なエリアもあるため、注意が必要です。
【チャイナタウン周辺】
チャイナタウン周辺はリーズナブルなお店が多く、日中は多くの人で賑わっています。
しかし、スリや窃盗が頻繁に発生しているため、貴重品の管理には細心の注意が必要です。
また、夜間にはホームレスや薬物中毒者が集まる傾向にあることから、夜遅くに一人で近づかないように注意しましょう。
【スタンレーパーク】
スタンレーパークは国内最大の国立公園の一つです。
日中は観光客も多い人気の観光スポットですが、夜間はホームレスの寝床になっているほか、傷害事件などの犯罪も報告されています。
そのため、夜に一人で付近を出歩くことは避けるようにしましょう。
【ロブソン通り】
ロブソン通りは店が多く、観光地としても人気があります。
昼夜問わず人通りが多く明るいため、比較的安心して歩けるでしょう。
ただし、人が多い分、トラブルが起こりやすい側面もあるため、油断は禁物です。
バンクーバーは全体的に治安が良いとされていますが、夜間の外出には細心の注意を払いましょう。
犯罪に巻き込まれないためにも、危険なエリアには極力近づかないようにすることをおすすめします。
トロントの治安
トロントは2021年から2022年にかけて、凶悪犯罪や窃盗犯罪の発生数がやや増加しています。
コロナ禍で減少した犯罪発生数が元に戻っている状況といえるでしょう。
トロントは、北米のなかでもっとも凶悪犯罪が少ない安全な都市として知られていますが、日本と比較すると犯罪発生率は高くなります。
また、トロント内にも危険なエリアが存在するため、できる限り近づかないようにすることが賢明です。
とくに、Jane streetとFinch streetの交差点や、Sherbourne駅周辺、Allen Gardenは治安が悪い場所として知られているため、注意しましょう。
モントリオールの治安
モントリオールでは、2021年から2022年の間に窃盗事件が増加しています。
基本的には治安の良い地域とはいえるものの、フランス語と英語が共通言語として使われていることから、言語の違いによるトラブルが頻繁に発生する傾向にあることが特徴です。
また、ダウンタウンやSt.Laurent〜Berri UQAM駅周辺のエリアでは、スリなどの軽犯罪がよく起きているため、とくに注意が必要です。
カナダで生じやすい4つの犯罪
次に、カナダでよくみられる、4つの犯罪について紹介します。
具体的にどのような犯罪に遭遇しやすいのかを把握しておくことで、被害に遭わないための行動がとりやすくなります。
留学前に改めてチェックしてください。
1. 薬物関係
カナダでは日本と同様に覚醒剤は違法ですが、2018年以降マリファナは合法となっています。
ただし、留学中、カナダに住んでいたとしても、日本国籍の方がマリファナを吸引することは違法です。
「カナダ留学中なら大丈夫」と勘違いをして使用することは、絶対にしないようにしましょう。
また、カナダでは薬物中毒者によるトラブルも多く発生しています。
路上で堂々と麻薬を吸っている方もいるため、それらしい人を見かけた場合はできるだけ近寄らないようにしましょう。
2. 車上荒らし
カナダの都市部で多発している犯罪が、車上荒らしです。
日本人留学生がカナダで車を所有することは少ないかもしれませんが、レンタカーを借りた際に被害に遭う可能性も考えられます。
車から離れる際、貴重品を車内に放置するのは大変危険です。
窓ガラスを割って盗難されるケースもあるため、貴重品はかならず持ち歩くようにしましょう。
また、貴重品以外の持ち物で車に置いておきたい場合は、外から見えないトランクに入れておくことが安心です。
3. 物乞い
カナダでは、物乞いやホームレスが多くみられます。
ただお金を恵んでほしいと話しかけてくる場合もあれば、外国人に危害を加える物乞いもいるため、できるだけ近づかない方がいいでしょう。
なかには、薬物やアルコールを求めて物乞いをしている方もいるため、彼らの要求に応じてお金を渡すことは避けるべきです。
4. スリ・置き引き
公共の場である空港や駅などでも、スリや置き引きが多発しています。
外国人は多額の現金を持っていると思われていることから、留学生や観光客を狙った犯罪も起こっています。
そのため、被害に遭わないよう、細心の注意を払ってください。
とくに、外出中は日本にいるときと同じ感覚で過ごすことは大変危険です。
図書館やレストラン、カフェなどで鞄を置いたまま席を立つような行動は絶対にしないようにしましょう。
女性は「性犯罪」の危険も
女性の場合は、性犯罪にも十分な注意が必要です。
カナダでの性犯罪の数は多くはありませんが、実際に性犯罪の被害も報告されています。
とくに、日本人女性は小柄な方が多く、狙われやすくなる危険性があるため、暗い夜道を一人で出歩くのは避けましょう。
また、カナダは同性愛者も多く、男性であっても安全とは言い切れません。
女性だけでなく、男性も被害に遭うケースがあるため、自分は大丈夫だろうと過信せず、警戒心をもつようにしましょう。
カナダの治安が良いとされる3つの理由
これまで、カナダで生じる犯罪について解説しましたが、それでもカナダは凶悪犯罪が少なく、先進国のなかでも治安が良い国とされています。
日本に比べると犯罪発生率は高いものの、安全な国といわれる理由はなんなのでしょうか。
以下では、カナダの治安が良いとされる、3つの理由について解説します。
1. 銃の規制が厳しい
まず、カナダの治安が良いとされる大きな理由として、銃規制が厳しいことが挙げられます。
カナダでは、許可を取れば銃の所有が可能ですが、そのためには国が規定したコースを受講し、テストに合格する必要があります。
一般的に銃を持ち歩くことは認められておらず、警察や軍隊など、限られた職業の方のみ許可されています。
このような銃の規制があることから、アメリカなどと比べるとカナダは治安が良いと感じられるでしょう。
ただし、発砲事件の発生もゼロではないため、注意することが大切です。
2. 穏やかな国民性
カナダ人の穏やかな国民性も、カナダの治安が良いという印象を作っています。
一般的にフレンドリーな方が多く、お互いに助け合いの精神が根付いていることから、困ったときに快く助けてくれる方が多いです。
また、カナダは移民が多い国でもあるため、異なる文化を尊重する雰囲気があります。
そのため、外国人に対しても寛容な姿勢で接してくれます。
3. 住みやすい都市ランキングの常連
カナダは「世界の住みやすい都市ランキング」の常連国です。
主要都市であるバンクーバーやトロント、モントリオールなどは、何度もランクインしています。
多くの都市が住みやすい都市ランキングに入っていることから、カナダの治安が良い国というイメージを強化しているといえるでしょう。
カナダ留学の注意点
安心・安全な留学生活を送るためには、留学中に注意すべき点を把握し、しっかりと対策することが大切です。
留学生活を安心して楽しむために、以下の4つの注意点を詳しくみていきましょう。
貴重品の管理を徹底する
貴重品は、つねに所持するようにしておきましょう。
短時間であっても、レストランやカフェで貴重品を置いたまま席を離れるのは避けてください。
タクシーに乗る際も、荷物は自分の手元に置いておくようにしてください。
そのほかにも、留学中の服装についても注意が必要です。
派手な服装で外出すると、窃盗のターゲットにされやすい傾向があります。
高級なアクセサリーは留学先へ持っていかないか、控えめにしておくことがおすすめです!
危険場所には近づかない
カナダでは、地域や時間帯によっては危険なこともあるため、最低限の安全対策は欠かせません。
夜の路地裏や公園といった、人通りの少ない場所には立ち入らないようにしましょう。
とくに、カナダで治安が悪いとされるエリアには、以下のような特徴があります。
カナダで治安が悪い場所
- 繁華街(ストリップクラブやカジノがあるエリア)
- ゴミが多い、荒らされている
- シェルターが多い
- 学校が少ない
- 住宅のドアが二重扉になっている
- 家賃が安い
- ダウンタウン
カナダの小さな都市に住む場合でも、上記のような特徴をもつ場所は治安が悪い可能性が高いため、できるだけ近づかないようにしましょう。
治安の悪そうな場所を見極め、近づかないようにすることで、危険な目に遭うリスクを大幅に減らせます。
滞在場所はセキュリティを重視して選ぶ
カナダ留学中の住まい選びは、セキュリティを重視して選ぶべきといえます。
セキュリティシステムの基準は、日本と同様に考えて問題ありません。
たとえば、オートロック付きの物件を選んだり、1階の物件は避けることが有効です。
また、物件だけでなく、周囲の環境や住人の雰囲気も考慮したうえで、滞在場所を決めるようにしましょう。
夜間は出歩かない
犯罪に巻き込まれないためには、夜間の外出は避けるべきです。
日本でも同様ですが、多くの犯罪は夜間やひと目のつかない場所で発生しています。
もし、やむを得ず夜間に外出する場合は、人通りの多い道を選んで歩くようにしてください。
カナダでトラブルがあったときの対処法
カナダで過ごす際の注意点を把握し、安全対策を講じていても、留学中にトラブルに遭わない可能性がゼロとは言い切れません。
以下では、カナダでトラブルに遭った際の具体的な対処法を3つ紹介します。
トラブルに巻き込まれたときにパニックにならないために、あらかじめ把握しておきましょう。
「911」へ通報
カナダで通報する際は、警察と救急どちらも「911」に電話します。
いざというときのために「911」という番号は覚えておいてください。
電話が繋がったら、まずは「Japanese Please.」と伝えてみましょう。
カナダの主要都市では、日本語が話せる担当者が常駐している場合もあります。
トラブルは突然起こるため、英語で説明できるか不安になるかもしれませんが、安心して通報しましょう。
日本大使館を頼る
万が一トラブルに巻き込まれてしまった場合は、現地の日本大使館を頼ることも一つの手です。
大使館に連絡すれば、もちろん日本語で対応してもらえます。
カナダには、トロント、バンクーバー、モントリオールなどの主要都市5つに日本大使館があります。
窃盗被害やパスポートを紛失してしまった場合も、速やかに大使館に連絡しましょう。
留学エージェントへ問い合わせる
留学エージェントをとおして留学している場合は、留学エージェントにも連絡をすることがおすすめです。
これまで多くの留学生のトラブルに対処してきた経験があるため、いざというときにアドバイスがもらえます。
また、スリや窃盗被害に遭った場合は、クレジットカード会社も頼れることがあります。
留学前に各クレジットカード会社の被害に対する補償内容を確認することをおすすめします。
安全対策は万全にしていこう
カナダは先進国のなかでも治安の良い国とされていますが、犯罪発生率は日本の約12倍というデータもあり、油断は禁物です。
貴重品の管理を徹底し、危険な場所には近づかず、夜間はできるだけ出歩かないといった安全対策を徹底しましょう。
万が一、トラブルが起きたときは警察や救急に速やかに通報する、場合によっては日本大使館や留学エージェントに相談するなど、落ち着いて行動するようにしてください。
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