近年、留学先としてカナダ・トロントを選ぶ留学生が増えています。
しかし、留学を経験したことの無い方は現地での生活をイメージしにくいのではないでしょうか?
この記事では、留学先で注目されているトロントについて必要となる費用や、基本的な情報を解説しています。
カナダへの留学を検討している方は、ぜひ本記事を参考にしてください。
カナダ留学で人気のトロントとは?
【トロントの基本情報】
州 | オンタリオ州 |
日本との時差 | 14時間(サマータイムの3~11月は13時間) |
年間平均気温 | 平均最高気温:25度 平均最低気温:17度 |
人口 | 643万人(2023年) |
面積 | 630.18km2 |
トロントは、カナダ東部にあるオンタリオ州の州都です。
カナダ3大都市の1つで、カナダ経済の中心地になっています。
そのため、世界中から多くの留学生や移民が集まっていて多国籍な都市です。
移民や留学生も多く、人種のモザイクと呼ばれることもあります。
カレッジや大学、語学学校の数も多く存在するため、目的に合った学校を選ぶことができるでしょう。
トロントでの中学・高校留学
グローバル人材に対する需要の高まりで、中学・高校留学の希望者が増加しています。
日本と同様に、カナダにも公立学校と私立学校があります。
細かな違い
- 施設や学習内容に大差はありませんが、学費や入学に必要な書類が異なるため注意が必要です。
- カナダの学校では入学が9月、年度の終わりは6月となる点にも気をつけてください。
また、カナダ政府には日本の文部科学省のような教育関連の省庁が存在しません。
州ごとに教育省の機能を持った機関があるため、州によって教育制度が異なります。
英語よりもフランス語の教育に力を入れる州があったり、中学校がない地域があったりといった具合です。
そのため、カナダに中学・高校留学する際には各州の教育制度や特徴について十分なリサーチをしてから留学先を決めることをおすすめします。
トロントでの大学留学
カナダには大学が100校ほどありますが、ほとんどが4年制の公立大学です。
質の高い教育を受けられることで定評があり、世界中から多くの留学生が集まります。
また、週20時間以内であれば在学中にアルバイトをして経験を積むことができる点も魅力的なポイントでしょう。
大学、あるいは希望する学部やコースによって入学基準が異なります。
まずは大学留学を通じて自分が何を学びたいのかを考えてから学校選びをしてから、求められる学業成績や英語力をチェックしましょう。
トロントでのワーキングホリデー
トロントは世界有数の多国籍な都市です。
グローバルな環境での就労・学習が実現するでしょう。
トロントのワーキングホリデーでは、下記のような仕事をすることができます。
職種・仕事内容 | 給料の目安(円ベース) |
日本食レストランのスタッフ | 時給C$16.55(およそ1,800円) |
美容院のアシスタント | 時給C$27(およそ2,940円) |
トロントの最低賃金は$16.55(2023年現在)となっており、賃金は毎年変動します。
英語力が高いほど仕事の選択肢の幅が広がるとともに、時給の高い仕事にも就ける可能性が高まります。
まずは、出発前に基本的な英語力を身につけておきましょう。
また、ワーホリ前にはパスポートやビザの申請料、そして航空券などの費用として50万円ほど準備しておくことが必要です。
ワーホリについてもっと詳しく解説した記事はこちら!
留学生としてトロントに滞在する方法
留学生としてトロントに滞在する方法は以下になります。
- ホームステイ
- ホテル滞在
- ルームシェア
- アパート
1〜3ヶ月ほどの短期留学の場合はホームステイかホテル滞在、3ヶ月以上の中・長期の留学の場合はルームシェアや学生寮に滞在することが一般的です。
それぞれの滞在方法にメリットとデメリットがあり、費用も大きく異なります。
また、近年トロントの住宅は値上がりをしており家賃は上昇傾向にあるため注意してください。
予算や目的に合わせた滞在方法を選びましょう。
トロントの交通機関
トロントにはToronto Transit Commission(TTC)が運営するバス・地下鉄・ストリートカー(路面電車)が充実しているため便利です。
これらの交通機関を活用する際には現金、あるいは電子カードのPRESTOで支払います。
PRESTOは日本のSuicaやPasmoのようなICチップの入ったチャージ式カードのことです。
あらかじめチャージや、定期券として購入しておくことで、交通費を支払う手間が省けます。
駅構内やSHOPPERS GRUG MARTなどで購入することが可能です。
【TTCの運賃について】
種類 | 大人 | 学生 | シニア | その他 |
Cash | $3.35 | $2.40 | $2.30 | 片道切符 どの区間、また乗り換えをしても一律の料金 |
PRESTO | $3.30 | $2.35 | $2.25 | 電子カードでの支払い SuicaやPasmoと同じ使用方法 |
Day Pass | $13.50 | $13.50 | $13.50 | 1日券 |
Monthly Pass | $156.00 | $128.15 | $128.15 | 定期券 PRESTOカードが必須 |
カナダ留学でトロントに行く際にかかる費用
カナダ留学でトロントに行く際にかかる費用の目安は、下記の通りです。
留学期間 | 費用の目安 |
1ヶ月 | 30〜50万円 |
6ヶ月 | 110〜180万円 |
内訳は下記の通りです。
- 航空券(往復)
- ビザ・パスポートの申請料
- 海外旅行保険
- 学費
- 滞在費
内訳について、詳しく解説していきます。
航空券(往復)
トロントへの航空券は往復で10〜20万円が相場です。
しかし、下記のような方法を選ぶことで航空券購入にかかる費用を節約することができます。
参考にしてみてください。
- LCCを活用する
- 観光オフシーズンに渡航する
- 直行便ではなく、乗り継ぎ便で渡航する
- 早めに航空券を購入する
ビザ・パスポートの申請料
カナダに留学する場合、留学する期間や目的によって必要なビザが異なります。
6ヶ月以上滞在する場合は、学生ビザと電子許可証であるeTA両方の取得が必要です。
【カナダのビザの種類と申請費用】
種類 | 申請費用 |
電子渡航許可証eTA | $7(およそ760円) |
学生ビザ | $235(およそ26,000円) |
ワーキングホリデービザ | $338(およそ37,000円) |
パスポートの申請にかかる費用は、下記の表を参考にしてください。
【パスポート申請にかかる費用】
パスポートの種類 | 費用 |
10年間有効(18歳以上) | 18,000円 |
5年間有効(12歳以上) | 13,000円 |
5年間有効(12歳未満) | 8,000円 |
残存有効期間同一申請 | 8,000円 |
海外旅行保険
海外旅行保険は留学する期間や補償内容によって異なりますが、以下が費用の相場となっています。
【海外旅行保険にかかる費用の目安】
留学期間 | 費用の目安 |
1ヶ月 | 1〜3万円 |
12ヶ月 | 15〜20万円 |
カナダは日本とは異なり、医療費が高額です。
そのため、万が一に備えて海外旅行保険に加入しておいてください。
学費
選択するコースによって値段は変動しますが、トロントの語学学校にかかる学費の月平均8〜15万円程度です。
授業料とは別途入学の際に入学金が必要になるため気をつけてください。
入学金の費用も学校によって異なりますが、一般的には1〜3万円程度です。
滞在費
トロントの滞在費は月に4〜10万円程度です。
滞在費用を節約したい場合は、郊外のシェアハウスに住むことがおすすめです。
シェアする人数が多いほど家賃が低くなります。
注意ポイントとして、人数が多いほどキッチンやシャワーなどの共有スペースが使えなかったり、うるさくて勉強に集中できなかったりすることもあるため気をつけてください。
ホームステイでの滞在費用は一見、高いように見えます。
しかし、家賃だけでなく食費や水道光熱費も含まれているのでかならずしも高額であるとは限りません。
カナダの文化や習慣を学ぶこともできるため、はじめて海外留学する方にはホームステイもおすすめです。
カナダ留学でトロントに行く際に必要な持ち物
最低限必要となる持ち物は、下記の通りです。
必須書類 | 必要な持ち物 |
パスポート | クレジットカードまたはデビットカード |
ビザ許可証 | SIMフリーのスマホ |
留学先の入学許可証 | 日本の運転免許証・国際免許証 |
海外保険証明書 | ノートパソコンあるいはタブレット |
航空券 | 変圧器 |
英文の残高証明書 | 各種充電器 |
滞在先の住所・電話番号 | 筆記用具やノートなど文具類 |
現金(日本円・カナダドル) | 洗面用具 |
常備薬など薬類 | コンタクトレンズ・メガネ |
衣類・下着類 | 折り畳み傘 |
留学先の許可証は税関を通過する際に、提示を求められることがあります。
コピーして、すぐに見せられるようにしておきましょう。
為替レート
- カナダドルは現地で換金する方が割高で、手数料がかかりません。
- 現金については、日本円とカナダドルそれぞれ1〜2万円ほど用意しておいてください。
昨今では、カナダをはじめ多くの国でキャッシュレス化が進んでいます。
なるべくクレジットカードやデビットカードを持っていくようにしましょう。
留学生が現地でクレジットカードを作るのは非常に難しいです。
事前に日本で作成しておきましょう。
また、クレジットカードの種類によっては海外保険が付帯しています。
怪我をした際など、いざというときに役立つはずです。
用意しておくと便利な物
必需品ではないものの用意しておくと便利なものは下記の通りです。
- ポケットティッシュ
- 歯ブラシ
- 帽子
- サングラス
- 日焼け止め
日本では街頭でポケットティッシュを無料で配布している方をよく見かけますが、海外ではそのようなことはありません。
つまり、ポケットティッシュは購入しないと手に入らないのです。
日本のティッシュは品質も高いため、海外のティッシュよりも使いやすいというメリットもあります。
ポケットティッシュは日本から持っていくと便利でしょう。
次に歯ブラシですが、カナダで販売されている歯ブラシのサイズは非常に大きいです。
人にもよりますが、口に合わない人もいるはずです。
きちんと歯磨きができないと虫歯や歯周病にかかってしまい、その治療に莫大な治療費がかかってしまいます。
そのため、日本で歯ブラシを購入して持っていく、もしくは歯科治療を済ませておくことをおすすめします。
“トロント=寒い”というイメージを持っている方が多いため、帽子・サングラスが必要であることについては意外に思う方がいるかもしれません。
確かに、トロントの冬は厳しいですが、夏の紫外線は日本よりも強いです。
帽子やサングラス、日焼け止めといった日焼け対策グッズがあると役に立つでしょう。
もちろん現地で購入することもできますが、日本製品の方が合いやすく、かつ品質も高いです。
日本から持ち込むことをおすすめします。
カナダ留学でトロントを選ぶメリット
カナダ留学でトロントを選ぶメリットは、下記の6つです。
- 教育機関が多く高水準な教育を受けられる
- 治安が良いので安心できる
- 多種多様な文化に触れられる
- 観光やエンターテインメントが楽しめる
- 仕事が見つかりやすい
- アメリカへ行きやすい
ここでは、それぞれのメリットについて詳しく説明します。
教育機関が多く高水準な教育を受けられる
トロントには、トロント大学を筆頭に高水準な教育を受けられる教育機関が数多くあります。
また、トロント市内だけでもおよそ100ヶ所の公立図書館があり通信環境も整っているため、勉強場所を探すのに苦労することはないでしょう。
治安が良いので安心できる
2023年に発表されたGlobal Peace Indexによると、カナダの治安は11位にランクインしており、日本(9位)と大差ありません。
また、イギリスのエコノミスト誌が発表している「世界でもっとも住みやすい都市ランキング」でトロントは上位の常連です。
2023年には9位にランクインしています。
このようなデータからトロントの治安の良さが伺えます。
しかし、世界のなかでもかなり安全な街であるとはいえ、置き引きや窃盗など軽犯罪が多発しています。
貴重品の管理や、夜間の一人歩きには十分に注意してください。
多種多様な文化に触れられる
トロントは世界中から多くの移民や留学生が集まる国際的な都市です。
市民の半分以上が移民だと言われています。
そのため、他国から来た移民や留学生に対して親切で寛容な方が多いという点が特徴です。
トロントの街中を歩くと、さまざまな文化や習慣に触れられるでしょう。
異文化に触れることは自分の価値観を変えたり、視野を広げることに役立つはずです。
観光やエンターテインメントが楽しめる
トロントにはCNタワーやロイヤル・オンタリオ博物館など、世界的にも有名な観光地が数多く存在します。
野球やアイスホッケーなど、ミュージカルなどのエンターテインメントも盛んであるため、娯楽に困ることはないでしょう。
また、トロントはカナダの中でも四季がある地域のため、季節ごとに違った街の様子を楽しむこともできます。
都市部から少し離れるとナイアガラの滝やアルゴンキン州立公園があり、カナダでしか味わえない大自然に触れられます。
楽しく充実した留学生活を送れることは間違いないでしょう。
仕事が見つかりやすい
2024年現在、円安の影響で留学にかかる費用の負担が大きくなっており、多くの留学生が留学中にアルバイトをしたいと考えていると思います。
トロントはカナダ経済の中心地であるため、求人が多く仕事が見つかりやすいです。
また、日系企業も多く集まっているため日本人向けの求人も多くあり、基本的には見つかりますが季節によっては求人も少なくなるため仕事が見つけにくいかもしれません。
アメリカへ行きやすい
トロントがあるオンタリオ州は、アメリカのミシガン州とマサチューセッツ州と隣接しています。
トロントからニューヨークまで飛行機で約1時間半、フロリダへは約3時間で行くことが可能です。
日本からアメリカに旅行するのは高額な費用がかかりますが、カナダからアメリカであれば飛行機はもちろん、レンタカーやバスなどで費用を抑えて行くこともできます。
カナダ-アメリカ間を行き来する方は多いため、便数も非常に多いです。
留学の合間にアメリカ旅行を楽しむことができるのも、トロント、カナダ留学の醍醐味でしょう。
カナダ留学でトロントを選ぶデメリット
残念ながらトロントに留学するデメリットもあり、下記の通りです。
- 日本人が多い
- 冬の寒さが厳しい
- 物価や税金が高い
- 病院で診察を受けるまで時間がかかる
次に、それぞれのデメリットについて解説します。
日本人が多い
カナダのトロントは生活環境が良く、外国人にとっても住みやすい街です。
そのため留学先として人気があり、多くの日本人が暮らしています。
日本人が多いことで、何かトラブルや困ったことがあったらすぐに相談できるという安心感がありますが、ずっと日本語を使っていると英語力を向上させるのが難しいでしょう。
日本人同士のコミュニティも大切ですが、ネイティブや留学生の友だちと英語で話すようにしましょう。
冬の寒さが厳しい
トロントの冬は寒さが非常に厳しく、最低気温がマイナス20度に達する日もあります。
冬の外出時にはダウンジャケットなど完全防寒の服装が必要不可欠です。
寒さが苦手な方は春から夏にかけて留学したり、カナダの中でも比較的温暖なバンクーバーを留学先に選んだりすることをおすすめします。
物価や税金が高い
トロントはカナダ3大都市のなかでも、とくに物価が高いです。
東京で暮らすよりも多くの生活費が必要となるでしょう。
また、トロントがあるオンタリオ州は消費税が13%と、カナダ国内の他の州よりも税率が高い点も特徴です。
トロントに留学する場合は、多めに資金を用意しましょう。
病院で診察を受けるまで時間がかかる
カナダとは日本では医療システムが大きく異なります。
日本では皮膚科や内科など専門ごとに病院がわかれており、怪我や病気に合わせて受診する病院が異なるのが一般的です。
カナダの場合は、すぐに専門医を訪ねるのではなくウォークインクリニック、あるいはファミリードクターと呼ばれる病院に行き、その診察結果をもとに専門医を受診すべきかどうかが決められます。
ウォークインクリニック、あるいはファミリードクターは予約なしで行ける病院ではありますが、待ち時間だけで2〜3時間かかることも多いです。
かかりつけ医の予約も取りづらい状況となっており、カナダの方が日本と比べると病院で診察を受けるまでの時間がかかってしまいます。
語学留学のポイント
トロントは人気のある留学先であるため、数多くの語学学校があります。
しかし、それぞれの語学学校に特徴があるため、自分の留学目的や留学する期間に合わせて語学学校を選ぶことが大切です。
また、語学学校の規模や健全性を知るために、下記の2点をチェックしましょう。
- DLIナンバーの有無
- Language Canadaへの加盟の有無
DLIナンバーとは、その語学学校が学生ビザを申請するために必要な入学許可書を発行できる学校であることを証明する番号です。
6ヶ月以上の長期留学を検討する場合は、とくに重視してください。
Language Canadaとは、カナダの語学教育の品質向上維持を管理・監督する機関のことです。
Language Canadaに加入するためには、下記の項目で一定の基準を満たすことが求められます。
- 学習環境
- 教育の質
- 価格
- 返金規約
- 学生サービスの提供
つまり、Language Canadaに加盟している語学学校は、健全な経営がおこなわれている学校という証明となります。
そして、選択科目の充実度も重視すべきポイントです。
効率よく英語力を伸ばすことにつながるでしょう。
まとめ
この記事では、トロント留学の基本情報や費用の目安、留学のメリット・デメリットについて解説しました。
トロント留学の魅力は下記の通りです。
- 教育機関が多く高水準な教育を受けられる
- 治安が良いので安心できる
- 多種多様な文化に触れられる
- 観光やエンターテインメントが楽しめる
- 仕事が見つかりやすい
- アメリカへ行きやすい
興味がある方はぜひカナダ留学を検討してみてください。