社会人にとって海外留学は、英語力の向上や異文化体験、そしてキャリアアップにもつながる魅力的な経験です。
しかし、留学には多くの費用がかかるため、有意義な留学生活を送るためにも慎重な計画が必要です。
この記事では、社会人留学の種類や、留学タイプごとのメリット、留学にかかる費用の目安など紹介します。
社会人留学の種類とメリット
社会人留学は以下のつの種類に分けることができます。
- 語学留学
- 短期留学
- ワーキングホリデー
- 大学、大学院、MBA留学
留学の種類によって、それぞれ異なるメリットがあります。
ここではそれぞれの特徴やメリットを解説していきます。
語学留学で世界中の仲間と英語を学ぶ
語学留学には、2週間〜3ヶ月間の短期留学もあれば、3ヶ月〜1年以上の長期留学もできます。
短期間の留学であれば休職や退職をせずにおこなえるため、お試しで短期留学する社会人も多いです。
語学留学では、ほとんどの方が現地の語学スクールに通い、英語を学ぶための授業を受けます。
語学学校には、世界中からたくさんの留学生が集まっています。
異なる国の留学生たちと交流することで、英語力だけでなく、異文化理解力の向上や国際交流の経験を得ることができます。
さらに学校によっては、ビジネス英語の習得に特化したコースや、TOEICなどの試験対策コースもあり、ビジネスで役立つ英語力を身につけられます。
短期留学で本場を体験する
海外生活を体験してみたい方には、ホームステイやインターンシップ、ボランティアをしながらの短期留学がおすすめです。
インターンシップやボランティアの期間は、プログラムによって異なります。
短期留学の多くは1ヶ月〜3ヶ月ですが、中には1〜2週間のプログラムもあります。
社会人にとって短期留学のメリットは、仕事や家庭の都合に合わせて留学できることです。
長期留学では仕事を辞めてから留学をする人が多い一方で、短期留学であればキャリアにブランクを作ることなく、有給や長期休暇などを使って留学ができます。
また、留学期間が短ければ滞在費用も抑えられます。
これらの理由から、短期留学は旅行の延長線上のような感覚で気軽に行けるため、社会人から人気です。
ただの旅行とは異なり、現地でボランティアやホームステイを体験することで、異文化理解を深め、現地の人々の生活スタイルを学ぶことができます。
留学へ行き環境を変えることで、気持ちの入れ替えや新たな人間関係を作れたり、人生を見つめ直す良い機会にもなります。
ワーキングホリデーで働きながら現地生活を楽しむ
ワーキングホリデーは、観光・就学・就労を好きにできる自由度の高いビザです。
ワーキングホリデーの期間は、国によって異なります。
基本的には、渡航先の国に1年間滞在できます。
また、一定の条件を満たすと最大2〜3年ワーホリビザを延長でき、滞在できる場合があります。
ビザの有効期間内であればいつでも出入国が可能なため、3ヶ月や半年など、1年よりも短い期間で帰国する方も多くいます。
ワーホリビザの取得には年齢制限があり、原則として18〜30歳までがビザを利用することが可能です。
最大の特徴としては、就労制限のある学生ビザと異なり、現地でアルバイトをして働きながら海外生活ができる点です。
英語を習得しつつ、お金をたくさん貯金して帰国する方も多くいます。
また、語学学校で勉強だけでなく現地で働くことで、ビジネス英語スキルも含めた英語力の向上が期待できます。
大学、大学院、MBA留学では専門性を磨く
学位を取るのに必要な期間は国によって異なりますが、大学留学は2〜4年間、大学院留学の修士課程では1〜2年間が一般的です。
海外の大学・大学院留学では、英語力が伸びるだけでなく、日本では学ぶことが難しい分野の勉強ができたりと、キャリアアップに役立つ専門的な知識を習得できます。
なにより、社会人にとって大学・大学院留学へ行くことは、キャリアアップのチャンスにつながります。
留学先の大学で得た知識や経験を業務で生かせるだけでなく、留学の経験自体が、将来的に転職したりキャリアを構築するうえでアピールポイントとなることもあります。
また、海外の大学・大学院では学べる専攻の種類が非常に幅広く、自身が学びたい分野を選択することができるため、キャリアチェンジを検討している方にとっても海外留学は有効な選択肢です。
キャリアアップやキャリアチェンジを目指す社会人の方には、MBA留学も人気が高いです。
MBA留学の渡航先といえば、アメリカというイメージが強いですが、実はイギリスやオーストラリアも人気です。
社会人留学にかかる費用はどのくらい?
社会人留学にかかる費用について、留学のタイプごとにみていきましょう。
※国や渡航先の都市によって留学費用は異なります。
語学留学の費用
語学留学にかかる費用の目安は、1年間で300〜400万円程度となっております。
語学留学で必要な費用を以下にまとめました。
- 授業料
- 宿泊費
- 食費
- 航空運賃
- 交通費
- 保険料
- 教材費
滞在費は、寮やホームステイ、アパートなどの滞在方法によって異なります。
他には、学校がホームステイを手配する費用や、留学エージェントに依頼する費用などがかかる場合があります。
語学留学の渡航先としては、アメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリアなどが有力ですが、留学費用が比較的安く済むニュージーランドも人気の国の一つです。
短期留学の費用
一般的には、ホームステイや学校の授業料を含めた1週間から1ヶ月程度の短期留学では、17〜40万円程度の費用が必要になります。
2ヶ月間の短期留学だと、60〜80万円ほどの費用が必要になることが多いです。
なるべく費用をおさえて短期留学したい方におすすめの渡航先として、フィリピンが挙げられます。
フィリピンは日本から比較的近く、物価も安いうえ、30日間の短期留学であればビザを取得せず留学できるため、留学先として人気を誇っています。
ワーキングホリデーの費用
1年間のワーキングホリデーでかかる費用は、おおよそ70〜250万円です。
ワーキングホリデー中の過ごし方は人それぞれで、多種多様なスタイルがあるため、平均費用に幅があります。
ワーホリをしている方のなかには、英語力を伸ばしたり友達を作るために、渡航後1ヶ月から半年ほど、語学学校に通う方も多くいます。
語学学校に通ったり、旅行をしながら滞在する場合は、そのぶん費用が高くなります。
一方で、語学学校に通わず旅行も控えめに、就労のみをするワーホリ生活の場合は、生活費と宿泊費が主な出費になるため、費用は70〜100万円程度で済みます。
大学・大学院・MBA留学の費用
大学留学にかかる年間費用の目安は、学費・生活費・滞在費などを合わせて、おおよそ200〜500万円です。
大学院留学の場合は、300〜600万円ほどです。
MBA取得を目指して、フルタイムで現地のビジネススクールに通学する場合、学費は2年間で700万円~2,000万円程度です。
学費に加えて、ビジネススクールへの入学に必要な、TOEFL・GMATなどの資格試験費用、留学先への航空券や現地での生活費などが必要になります。
大学・大学院・MBA留学においては、入学する大学・ビジネススクールによって費用が大きく異なり、文系・理系によっても差が出てきます。
国別の大学、大学院留学の平均費用
続いて、大学・大学院留学にかかる費用について、国ごとにみていきましょう。
※通う大学・大学院、専攻する学部などによって留学費用は異なります。
アメリカの平均留学費用
アメリカの大学留学にかかる費用の目安は、2年制大学の場合は年間220万円からで、4年制大学の場合は年間410万円ほど必要になるでしょう。
大学院留学の場合は、年間200〜500万円です。
名門の私立大学では質の高い授業を受けられますが、授業料が高くなります。
アメリカの大学では、学生は基本的に大学が提供している寮で生活します。
学費とは別途で、寮費と食費がかかりますが、寮生活はアパートやシェアハウスに住むよりも費用が安く済みます。
イギリスの平均留学費用
イギリスの大学留学にかかる費用の目安は、年間320万円からです。
大学院留学の場合は、年間350〜550万円です。
イギリスでは、ほとんどの大学が国立大学であるため、どの大学でも高いレベルの授業が提供されており、学校ごとの違いが比較的少ないという特徴があります。
イギリスは物価が高いため、留学費を安く抑えるには、都市部から外れた地方都市の学校に通うのも選択肢の一つです。
カナダの平均留学費用
カナダの大学留学にかかる費用の目安は、年間190万円〜です。
大学院留学の場合は、年間150〜400万円です。
カナダの大学・大学院はほとんどが公立大学のため、他国と比べると学費が全体的に安く大学による教育の差が少ないというメリットがあります。
また、アメリカやイギリスと比較してカナダは物価が安いため、留学中の生活費をなるべく抑えたい方におすすめの国です。
オーストラリアの平均留学費用
オーストラリアの大学留学にかかる費用の目安は、年間320万円からです。
大学院留学の場合は、300〜420万円です。
オーストラリアでは、政府や教育機関だけでなく、私立財団や州政府などでも奨学金を提供しており、多様な奨学金制度が整備されています。
オーストラリアの学生ビザでは、週に20時間まで、長期休暇中は無制限のアルバイトが認められているため、留学費用の一部に充てることができます。
自分にぴったりな社会人留学をするために
自分にぴったりな社会人留学をするためには、以下のポイントを考慮することが大切です。
目的に合った適切な留学を選ぶ
自分が留学をする目的は何かを明確にし、その目的に沿った留学プログラムを選ぶことが重要です。
例えば、英語力を向上させるために語学留学をするか、キャリアアップのために大学院留学をするか、海外での仕事経験を積むためにワーキングホリデーをするかなど、留学の目的によって最適な留学スタイルは異なります。
どの留学を選んでも英語力を伸ばすことは可能なため、英語の習得以外にどんな目的で留学をしたいのか考えてみましょう。
キャリアにつながる留学を選ぶ
社会人留学においては、留学を自身のキャリアにつなげる方法を考えながら、留学計画を進めることをおすすめします。
なんとなく海外生活を経験したり英語がすこし上達しても、帰国後の仕事にプラスにならなければ、
- キャリアを捨ててまで渡航する必要があったのか
- 留学費用が勿体なかった
と、考えてしまう方も少なくありません。
ワーホリやインターンシップなどで就労するのであれば、帰国後のキャリアに関連する内容の仕事を選ぶことで、留学経験がより重宝される可能性があります。
希望しているキャリアに必要な経験やスキルは何かを具体的に考え、それらを得られるような留学ができれば理想的です。
まとめ
今回は、社会人の留学にかかる費用の目安や、人気の留学先などを紹介しました。
海外留学を検討する際には、自分に合った留学プランを考え、費用の面でも十分なリサーチをして、しっかりと準備をすることが大切です。
とくに社会人の方の場合、キャリアアップを目的として留学される方が多いため、留学経験をどのようにキャリアに生かすかを事前に考えてから渡航することをおすすめします。