- カナダ留学に興味があるけど、IELTSって何?
- カナダ大学に留学するのに必要なIELTSのスコアってどれくらい?
- TOEFLとIELTSの違いは?どっちがおすすめ?
カナダの大学やカレッジに留学することに興味がある方で、このような悩みや疑問を持っている方はいませんか?
結論から申し上げると、大半のカナダの大学やカレッジに入学するためにIELTSは必要不可欠です。
英語の4技能すべてを測る試験であること、1回の受験料が25,000円を超える高額な試験であることから、はやめに対策をしなくてはなりません。
この記事では、IELTSの概要や、カレッジや大学に入学するために必要なスコアの目安、そしておすすめの対策法などについて詳しく解説します。
これを読めば、カナダの大学やカレッジに留学するための準備としてまず何をすべきかはっきりとイメージできるようになるでしょう。
カナダの大学やカレッジに留学することに興味がある方は必読です!
カナダ留学に必要なIELTSとは?
IELTSとは” International English Language Testing System”の頭文字を取った世界最大級の受験者数を誇る英語能力試験のことです。
下記の3つの団体が共同で運営しています。
- ケンブリッジ大学英語検定機構
- ブリティッシュカウンシル
- IDP(IELTSオーストラリア)
カナダの大学やカレッジに留学する場合、入学の条件にIELTSのスコアが定められており、そのスコアを取得したことを証明することが必要です。
ここでは、IELTSの試験内容や受験方式など概要について詳しく解説します。
カナダの大学やカレッジへの留学を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
IELTSの試験タイプ
IELTSの試験は、「アカデミック・モジュール(「アカデミック」と呼ばれることもある)」と、「ジェネラル・トレーニング・モジュール(「ジェネラル」と呼ばれることもある)」の2種類にわかれています。
違いについては、以下になります。
アカデミック・モジュール | ジェネラル・トレーニング・モジュール | |
受験の目的 | カナダやオーストラリアなど英語圏の大学や大学院に留学をする歳に、各大学の入学レベルに達しているか評価するための試験 | 英語圏の国で就職や移住を希望する方がビザを申請する際に英語力を証明するための試験 |
試験内容 | ・大学の講義 ・学術論文 ・専門家の講演 | ・日常生活 ・職場でのやり取り |
受験料 | 27,500円 | 27,500円 |
スコアの算出 | 1〜9までの0.5点刻みのバンドスコア | 1〜9までの0.5点刻みのバンドスコア |
受験者の特徴 | ・学士や修士号を取得するために留学をする方 ・イギリスの大学に入学するための学生ビザ”Tier 4″を申請する方 | ・学士以下の留学やトレーニングに参加する方 ・英語圏での一般的な就労や職業訓練を希望している方 ・英語圏の国への移住を希望している方 |
アカデミック・モジュールとジェネラル・トレーニング・モジュールそれぞれで試験の目的が大きく異なるため注意しましょう。
カナダへの留学を希望している方はかならず”アカデミック・モジュール”を受験してください。
またスコアについては、いずれのモジュールも1〜9までの0.5点刻みのバンドスコアで算出されます。
英語4技能のセクション別スコアと、平均スコア(オーバーオール・バンドスコア)が出され、留学先の大学やカレッジによって求められるバンドスコアが異なるため、こちらについても要注意です。
IELTSの試験内容
IELTSはアカデミック・モジュール、ジェネラル・トレーニング・モジュールいずれも、下記の英語の4技能を測る試験です。
- Reading
- Listening
- Writing
- Speaking
リーディングとスピーキングは同じ問題が出題されますが、ライティングとリーディングについてはそれぞれのモジュールで出題される問題が異なります。
アカデミック・モジュールでは学術的で専門的な内容が出題されて難易度が高くなりますが、スコアを取得するために必要な正答率はジェネラル・トレーニング・モジュールよりも低めに設定されているのが特徴です。
また、試験ではアメリカ、カナダ、オーストラリアなどさまざまな英語圏の国々の英語が使われていますが、イギリス発祥の試験であるため、下記の部分でイギリス英語が中心に使われています。
- 単語のスペリング
- リスニングにおける英語の発音や表現
しかし、スピーキングやライティングでアメリカ英語を使っても減点になることはないので安心してください。
IELTSの受験方式
IELTSの受験方式は2種類あり、下記の通りです。
- ペーパーテスト
- コンピューターテスト
いずれの方式でも、スピーキングテストは試験官と対面して面接を実施します。
近年の面接方式
- 一部の試験会場では、高画質なビデオ通話を使用しスピーキングテストを実施する「ビデオコール・スピーキングテスト」を導入しています。
カナダ留学に必要なIELTSスコアの目安
つづいて、カナダ留学に必要なIELTSのスコアの目安について、下記の2つのケースに分けて解説します。
- カレッジ入学に必要なスコア
- 大学入学に必要なスコア
カナダのカレッジ入学に必要なIELTSスコア
カナダのカレッジは、日本と同じように公立と私立のカレッジにわかれています。
また、カナダの公立・私立のカレッジは以下のような違いがあります。
公立カレッジ | 私立カレッジ | |
特徴 | ・カナダ政府によって運営、管理されている ・将来の専門性を高めるために通う | ・小規模で、日本の専門学校に該当する教育機関のことを指す ・「キャリアカレッジ」とも呼ばれており、職業訓練や専門分野のトレーニングを受けられる ・年間で複数の入学日が設定されている |
入学時に必要なIELTSスコア | アカデミック・モジュールでOAスコア6.0〜6.5以上 | アカデミック・モジュールでOAスコア5.5以上 |
学費の目安 | 年間C$12,500〜18,000 ※学校やプログラムによって変動 | 年間C$6,000〜12,000 ※学校やプログラムによって変動 |
同じカレッジであるとはいえ、入学時に求められるIELTSのスコアの目安が公立と私立で異なるため、注意しましょう。
カナダの大学入学に必要なIELTSスコア
つづいて、カナダの大学入学に必要なIELTSスコアは、アカデミックモジュールでオーバーオール・バンドスコア6.0〜6.5です。
しかし、下記のような世界の大学トップ100にランクインするような名門大学についてはIELTSのオーバーオール・バンドスコアは6.5以上、かつ全セクションで6.0以上と厳しい条件が課されているケースが大半です。
名門大学への入学を検討している方ははやめに試験対策に取り組みましょう。
【カナダの大学TOP10校で求められるIELTSスコア】
大学名 | 世界ランク | オーバーオール・バンドスコア | ライティング | リーディング | リスニング | スピーキング |
トロント大学 | 21位 | 6.5 | 6 .0 | 6.0 | 6.0 | 6.0 |
ブリティッシュ・コロンビア大学 | 41位 | 6.5 | 6.0 | 6.0 | 6.0 | 6.0 |
マギル大学 | 49位 | 6.5 | 6.0 | 6.0 | 6.0 | 6.0 |
マックマスター大学 | 103位 | 6.5 | 6.0 | 6.0 | 6.0 | 6.0 |
アルバータ大学 | 109位 | 6.5 | 5.5 | 5.5 | 5.5 | 5.5 |
モントリオール大学 | 111位 | ※- | – | – | – | – |
ウォータールー大学 | 158位 | 6.5 | 6.5 | 6.0 | 6.0 | 6.5 |
オタワ大学 | 177位 | 6.5 | 6.5 | – | – | – |
カルガリー大学 | 201-250位 | 6.5 | – | – | – | – |
ウェスタン大学 | 201-250位 | 6.5 | 6.0 | 6.0 | 6.0 | 6.0 |
カナダでの就職や永住権取得に必要なIELTSスコアの目安
カナダの大学やカレッジに留学して、その後現地での就職や移住を検討している方もいるでしょう。
ここでは、カナダでの就職や永住権取得などに必要な英語試験や、そのスコアについて詳しく解説します。
留学後のキャリアプランを描くのに役立ててください。
カナダでの就職に必要なIELTSスコア
カナダでの就職に必要なIELTSのスコアは職種や企業によって異なりますが、最低でもIELTSのオーバーオール・バンドスコア6.0以上は欲しいところです。
ある程度の英語力がないと、業務をこなすのに支障をきたしてしまい、周囲に迷惑をかけてしまうことになります。
大学卒業後にカナダでの就職を希望している方は、留学中に英語力を高めること、そして可能な限りインターンシップやアルバイト経験などの就業体験を積み重ねていくことがおすすめです。
また、カナダ東部で就職する場合は、英語だけでなくフランス語も求められるケースがあります。
カナダ東部で就職を検討しているのであれば、フランス語の学習にも力を入れていきましょう。
カナダでの永住権取得に使える英語試験
カナダで永住権を取得する際には、下記の英語試験のスコアを使用することが一般的です。
- CLB(Canadian Language Benchmark)
- IELTSのジェネラル・トレーニング・モジュール
- CELPIP(Canadian English Language Proficiency Index Program)
CLBとはカナダ独自の英語力測定試験で、基本的にはこの英語試験のスコアを基準として永住権の審査に使用されます。
しかし、カナダ独自の英語試験CELPIPやIELTSのジェネラル・トレーニング・モジュールのスコアをCLBに換算できることから、これらの試験結果もカナダの永住権取得に使用することが可能です。
一口に「カナダの永住権」と言ってもいくつかの種類があります。
主要なビザとそれぞれのビザの申請に必要なIELTSのスコアについては、次項で詳しく解説します。
連邦スキルワークプログラムに必要なIELTSスコア
連邦スキルワーカープログラム(Federal Skilled Worker Program)は、下記の条件を満たした方が申請できる永住権ビザです。
連邦スキルワークプログラムに申請するための条件
- 所定の技術職による就労経験が1年(合計1,560時間/週30時間)以上であること。また、相当のパートタイムやアルバイトに従事した経験があること。
- 過去10年以内に所定の実務経験があり、熟練した技能を取得していること。
- 過去の実務経験が有給であること。ボランティアや無給インターンシップは対象外。
- 現在就労している職業が、新生児に希望する職業と同じであること。
- CLBで7点以上、あるいはIELTSスコア全セクション6.0以上であること。
- 中等教育機関または、高等教育機関の卒業証明、または学位を保有していること。
- カナダでの生活をするために、十分な資金を保有していること。
- ケベック州以外に居住すること。
この条件にも記載されているように、連邦スキルワーカープログラム申請に必要な英語力はCLBで7点以上、あるいはIELTSスコア全セクション6.0以上です。
カナダ経験クラスに必要なIELTSスコア
カナダ経験クラス(”CEC”と呼ばれており、これは”Canadian Experience Class”の頭文字を取ったもの)は、下記の条件を満たした方が申請できる永住権ビザです。
カナダ経験クラスに申請するための条件
- 過去3年間のうち1年以上に渡ってカナダ国内で職業分類(NOC)に該当する職種に就いた経験がある、所定の技能要件を満たしていること
- 過去の実務経験が有給であること
- 就労に必要な言語能力を有していること
- ケベック州以外に居住すること
この条件のなかに「就労に必要な言語能力を有していること」とありますが、必要な言語能力は下記のようにスキルレベルによって異なります。
スキルレベル | 必要な言語能力 |
スキルタイプ0(管理職) レベルA(専門職) | ・CLB7点以上 ・IELTSスコア全セクション6.0以上 |
スキルレベルB(技術職) | ・CLB5点以上 ・IELTSスコア リスニング:5.0以上 リーディング:4.0以上 ライティング:5.0以上 スピーキング:5.0以上 |
スキルレベルについて、さらに詳しく知りたい方は移民局ホームページを確認してみてください。
カナダ留学にはIELTSとTOEFLどっちを受けるべき?
カナダの多くのカレッジや大学で、IELTSとTOEFLのスコアどちらも英語力の証明として認められています。
まずは留学先の大学やカレッジを決定したら、どちらのスコアが入学条件として使われているのか確認してください。
どちらの試験でも問題はありませんが、将来的にカナダでの就職や移住を検討している場合は、IELTSを受験することをおすすめします。
それは、カナダの永住権取得にTOEFLのスコアが使えないからです。
IELTSであれば、上記にもあるようにアカデミック・モジュールとジェネラル・トレーニング・モジュールではリスニングとスピーキング問題が同じであるため、対策しやすくなります。
IELTS対策のための具体的な2つの方法
次に、下記の2つのIELTS対策方法を紹介します。
- IELTS対策の教材で学ぶ
- 日本の語学学校でIELTS対策講座を受講する
願書提出までの期間や予算などを見ながら、自分に合った方法でIELTS対策を進めましょう。
IELTS対策の教材で学ぶ
IELTS対策の教材は、本屋で入手することができます。
【定番の対策教材】
【IELTSの試験概要や学習方法を知るのに最適な教材】
【IELTS文法対策におすすめの教材】
【IELTSの単語対策におすすめの教材】
これらの教材を使って、毎日コツコツと学習を進めてください。
下記の記事では、IELTS対策におすすめの教材についてさらに詳しく説明しています。
興味がある方はあわせてお読みください。
日本でIELTS対策講座を受講する
短期間で効率的にIELTSのスコアを伸ばしたい方には、日本の語学学校でIELTS対策講座を受講することをおすすめします。
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これまでアメリカのハーバード大学や、イギリスのケンブリッジ大学など世界のトップ校への進学を実現してきました。
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カナダの学生ビザを申請するための条件
最後に、カナダの学生ビザを申請するための条件を確認します。
カナダに6ヶ月以上留学する場合は学生ビザ(就学許可証)を取得することが求められ、学生ビザを申請するためには下記の条件を満たしていることが必要です。
カナダで学生ビザを申請するための条件
- 政府指定校じゃら入学許可証を得ていること
- 授業料や生活費、渡航費などを支払えるだけの資金力があること(学生ビザ申請時に、英文残高証明や学費の領収書などの提出が求められる)
- 犯罪歴がないこと
- 健康状態が良いこと
カナダの学生ビザを取得するうえで、IELTSのスコアの提出は不要です。
しかし、志望する大学またはカレッジ入学に必要なIELTSスコアを満たしていないと、入学許可証が出ません。
つまり、大学やカレッジが基準としているIELTSのスコアを満たしていないと、入学許可証が出ず、結果として学生ビザも取得できない状況になってしまうということです。
できる限り早めにIELTS対策をはじめることをおすすめします。
まとめ
この記事では、英語試験IELTSについて詳しく解説しました。
カナダの大学やカレッジに留学する場合、多くの方がIELTSを受験することになるでしょう。
IELTSは英語の4技能すべてを測る英語試験で、入学条件となっているスコアに到達するまでに時間がかかることが一般的です。
また、受験料が25,700円と非常に高額で、気軽に受けづらい点も特徴として挙げられます。
このような理由から、一人でIELTS対策を進めるよりも、語学学校などを活用して対策を進める方が結果として費用対効果が大きい可能性が高いです。