世界のグローバル化が進むなか、英語でのコミュニケーション能力は必要不可欠なスキルとして求められるようになっています。
英語が好きな小中学生や、英語教育に力を入れている保護者の方のなかには、中学生からアメリカ留学を検討する方も少なくありません。
本記事では、アメリカ留学を検討されている小中学生や保護者の方に向けて、中学生がアメリカへ留学するメリット・デメリットや留学の方法、費用の目安などについて解説します。
短期留学と長期留学の違いについても併せて紹介します!
中学生のアメリカ留学の特徴
中学生がアメリカに留学する方法は、大きく分けて2種類あります。
- 交換留学
- 私費留学
それぞれの留学方法の特徴について詳しくみていきましょう。
交換留学
交換留学は、主に国際交流を目的とした留学スタイルになります。
学校や民間の留学エージェントなどが提供するプログラムに参加するケースが一般的です。
参加するには、英語力のスコアなど、一定の選考基準をクリアする必要があります。
交換留学の留学期間は、大体1週間〜1年です。
期間や留学先は自由に決められないため、注意しましょう。
プログラムによって、滞在費や授業料などの費用を抑えられるのが魅力です。
私費留学
私費留学とは、留学費用を自分で全額負担して行く留学スタイルです。
個人が直接学校を選んで留学するスタイルのため、留学する地域や時期・学校・ホームステイなどが自由に選択できます。
アメリカの生活体験を目的とする短期留学から、アメリカの高校・大学進学を目指す長期留学まで、一人ひとりの目的やプランに合わせて計画を立てやすいのがメリットといえるでしょう。
日本とアメリカの教育制度の違い
日本とアメリカでは、教育制度にさまざまな違いがあります。
アメリカの教育制度の特徴とはどのようなものなのか、しっかり確認していきましょう。
学年の違い
アメリカでは、学年を “Grade” と呼び、Grade1からGrade12までの合計12年間が義務教育となります。
Grade1が日本の小学1年生、Grade7〜9が中学1〜3年生にあたります。
日本では、小学校から高校までは「6年・3年・3年」で分けられるのが一般的ですが、アメリカでは州や学校によってGradeの分け方が異なります。
たとえば、「5年・3年・4年」で分けられることもあれば、「6年・2年・4年」で分けられることもあるのが特徴です。
学年度の違い
アメリカの学年度は、“Academic Year” と呼ばれ、9月に始まり、6月で終わります。
学期は、以下のように区切られるのが一般的です。
- 秋学期(9月から11月末)
- 冬学期(12月から3月中旬)
- 春学期(3月下旬から6月上旬)
アメリカには、日本でいう春休みはありませんが、夏休みは6月上旬から8月末までと長期間になります!
留学生用にESLがある
世界各国から多くの留学生を受け入れているアメリカでは、多くの学校で留学生用のESLコースが用意されています。
ESLとは、“Engflsh as a Second Language” の略で、英語を第二言語として学ぶ方のためのコースです。
初めてのアメリカ留学で、英語力に自信がないという方は、ESLコースから始めるケースが多いでしょう。
学校の入学要件が厳しい場合でも、ESLコースを経由することで、条件が緩和される場合もあります。
中学生がアメリカに留学するメリット
中学生がアメリカに留学することには、具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。
10代前半という若い年齢での留学の魅力について、以下で詳しく解説します。
英語力が向上する
中学生でアメリカ留学する大きなメリットは、英語力の飛躍的な向上が期待できることです。
語学の習得に関しては、一般的に年齢が低い方が、吸収スピードが早いといわれています。
アメリカ留学中、英語だけの環境に身を置くことで、自然に英語を英語のまま、聞き取れるようになるでしょう。
毎日英語を話す機会を得ることで、英語でコミュニケーションを取ることにも慣れていきます。
中学生で本場の英語に触れることで、高い英語力が身につき、その後の英語学習へのモチベーションアップに繋がるでしょう。
進路を決めやすくなる
中学生でアメリカに留学した場合、その後の進路が決めやすくなるのもメリットの一つです。
留学終了後は、アメリカの高校や大学に直接進学することも可能です。
そして、帰国後に日本の学校で帰国子女枠を利用して、進学もできます。
また、ほかの英語圏の高校・大学に進学しても良いでしょう。
留学のタイミングが早ければ早いほど、その後の進路の選択肢が大きく広がります!
就職の選択肢が増える
中学でアメリカ留学を経験した方は、進学だけでなく、就職でも選択肢が増えるというメリットがあります。
留学後、高校・大学でも英語を学び続けた学生は、日本企業だけでなく、外資系企業や海外企業なども視野に入れた、幅広い就職活動が可能になるでしょう。
また、就職活動では、自分の強みや学生時代に力を入れたことについてのアピールが大切になります。
アメリカ留学によって身に付けた英語力や国際感覚・行動力・自立心などは、非常に大きな強みになるはずです。
中学生がアメリカに留学するデメリット
中学生がアメリカに留学する際は、どのようなことに注意すればいいでしょうか。
留学生活を始めてから焦らないよう、デメリットについても、事前にしっかりおさえておきましょう。
治安が悪い地域がある
中学生がアメリカに留学する際、もっとも注意すべき点は、日本に比べてアメリカは治安面に不安があるということです。
アメリカは、銃社会であり、個人の銃所持が認められています。
そのため、盗難やスリ、強盗といった軽犯罪の発生率も、日本より高くなっています。
アメリカに留学する際は、自分の身は自分で守る必要があることを心に留めておいてください。
治安に関しては、アメリカのなかでもどの都市やエリアに滞在するかによって大きく変わってきます。
学校を選ぶ際は、インターネットなどで各都市の治安に関する情報も集めるようにしましょう!
費用が高くなる場合がある
中学生がアメリカに留学する場合、費用が高くなる場合があるのもデメリットの一つです。
アジアをはじめとした、ほかの英語圏の国への留学に比べ、アメリカ留学の費用は割高になる傾向があります。
また、中学生が単身でアメリカに留学する場合、現地での生活をサポートする後見人(ガーディアン)が必要です。
留学準備では、ガーディアンを手配する費用も含め、予算を多めに見積もるようにしましょう。
中学生がアメリカに留学する方法
中学生のアメリカ留学と一言でいっても、さまざまな留学スタイルがあります。
ここでは、中学生がアメリカ留学するための4つの方法について、詳しく解説します。
公立中学校
アメリカの公立中学校への留学では、現地の中学生と同じように地域の学校に通います。
地元の中学生と一緒に授業を受け、行動をともにすることで、現地に馴染んだ英語が自然に身につくでしょう。
公立中学校に通う場合、アメリカ人家庭にホームステイしながら通学するのが一般的です。
アメリカ人中学生と同じような生活を、リアルに体験できるのが大きな魅力といえるでしょう。
ボーディングスクール
中学生のアメリカ留学では、ボーディングスクールも人気です。
ボーディングスクールとは、全寮制で生活する学校のことを指します。
特徴として挙げられるのは、私立校が多く存在し、学校ごとに独自の方針にもとづいた少人数制の教育が提供される点です。
これにより、個々の学生に対してきめ細やかな指導が行われます。
また、健康面や生活全般のサポートも充実しており、共同生活を通して、自立心や社会的なマナーも身につきやすいでしょう。
ほかの学生や教師とより親しい関係が築きやすく、英語力だけでなく、人としても大きな成長が期待できます。
ホームステイ
中学生がアメリカに留学する場合、一般的には現地の家庭でホームステイしながら学校に通うことが多いです。
学校が終わったあともホストファミリーと英語で会話することで、まさに英語漬けの日々が送れるでしょう。
アメリカの一般家庭の生活を体験することで、日本とは違うアメリカの文化をより深く理解できます。
ホームステイでは、家族の一員として各家庭のルールを守り、積極的に家事のお手伝いをするよう心がけましょう。
アメリカのホームステイについて詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてみてください。
\ ホームステイの特徴から注意点まで解説!/短期留学
中学生のアメリカ短期留学は、日本の学校の夏休みや冬休み中に行くケースがほとんどです。
サマーキャンプや現地校の体験といった、さまざまなプログラムがあります。
アメリカ人の学生やほかの留学生と交流し、さまざまな国の文化に触れることは、短期間でも中学生にとって大変貴重な経験になるに違いありません。
長期留学をする前に現地での生活を体験してみたいという方は、短期留学がおすすめです!
中学生がアメリカに留学する際の費用目安
中学生がアメリカに留学する際の費用の目安は、1年間で約400〜700万です。
アメリカへ長期留学する場合、公立学校か私立学校のどちらを選ぶか、滞在先はホームステイか全寮制か、などによって費用が大きく変わります。
留学計画を立てる際は、まず自分がアメリカでどのような留学生活を送りたいのか、長期留学と短期留学どちらを選ぶかなどについて、できるだけ具体的にイメージしましょう。
サマープログラムなどを利用した短期留学の場合は、留学費用を大きく抑えられます。
短期留学と長期留学の違い
海外留学を計画する際は、まず短期留学と長期留学のどちらにするか、選択する必要があります。
短期留学と長期留学とは何かについて、以下で改めて解説します。
短期留学
短期留学は、約1週間〜3か月以内で帰国する海外留学のことです。
短期留学のプログラムが3か月以内、週18時間未満であれば、学生ビザは必要ありません。
中学生が短期留学をする場合は、夏休みなどを利用して留学するスタイルが一般的です。
長期留学
長期留学とは、3か月以上〜数年間の長期にわたる海外留学のことです。
アメリカに3か月以上留学するには、学生ビザが必要となります。
長期留学をする際は、海外でどのような体験をしたいのか、どの程度の語学力向上を目指したいのかなど、じっくり考えたうえで選ぶようにしましょう。
\ アメリカ留学に必要なビザを確認しておこう! /アメリカの短期留学と長期留学
アメリカへの短期留学と長期留学には、以下のようなメリットとデメリットがそれぞれあります。
どちらが自分の希望や条件に合っているか、留学を検討する際の参考にしてください。
短期留学
アメリカ短期留学のメリット
- 気軽に留学が可能
- 留学費用が抑えられる
アメリカ短期留学のデメリット
- 英語力の大きな向上は難しい
- 現地で英語を学べる時間が短い
短期留学は約1週間から可能なため、英語力にあまり自信がない方や、まとまった期間の確保が難しい方でも気軽に留学が可能です。
また、長期留学に比べ、学費や滞在費などの留学費用も大幅に抑えられます。
一方、滞在期間が短いため、英語力を飛躍的にアップさせるのは難しいかもしれません。
アメリカでの学校生活やホームステイ先に慣れた頃に帰国しないといけないため、すこし物足りないと感じる方もいるでしょう。
長期留学
アメリカ長期留学のメリット
- 海外生活を長期間体験できる
- 英語力の向上が期待できる
アメリカ長期留学のデメリット
- 帰国のタイミングによっては進学や就職に影響が出る
- 遊ぶだけで留学が終わる可能性がある
長期留学では、長期間にわたって海外生活を体験できます。
英語だけの環境で長期間勉強できるため、英語力の劇的な向上も期待できるでしょう。
一方、帰国のタイミングによっては、日本での進学や就職に影響が出てしまう可能性があるのがデメリットです。
また、長期だからこそ良くも悪くも学校生活に慣れてしまい、遊びの誘惑に負けてしまうケースもあります。
長期留学が、長い海外旅行のような「遊学」で終わってしまう可能性もないとは言い切れません。
長い間勉強に対する意欲を保ち続けられるかどうかが、アメリカ長期留学成功のカギといえます。
アメリカ留学に関するQ&A
初めてアメリカに留学する中学生の方々は、留学後の生活がどのようになるのかについて、さまざまな疑問を抱えていることでしょう。
ここでは、アメリカ留学に関してよくある質問について答えます。
アメリカ生活で日本人が気をつけるべき点なども含めて解説していくため、ぜひチェックしてください。
コミュニケーションのコツは?
アメリカでコミュニケーションを取るうえでのコツを3つ紹介します。
1. スキンシップをとる
アメリカでは、初対面の方であっても、握手やハグなどのスキンシップをとる文化があります。
日本人にとっては、最初は気恥ずかしく感じるかもしれませんが、スキンシップはアメリカで大切なコミュニケーションの一つということを覚えておきましょう。
2. 相手の目を見て話す
アメリカでは人と話すときは、相手の目を見て話すのがマナーです。
アイコンタクトを取らないで話すと、相手に嫌な印象を与えかねないため、気を付けてください。
3. 自分の権利は主張する
アメリカでは、自分の権利をきちんと主張することが大切です。
学校や滞在先で何か困ったことがあったとしても、文句を言わないで黙っていると、状況に満足しているものと捉えられてしまいます。
アメリカでは遠慮せずに、はっきり自己主張するようにしましょう。
食事の習慣は?
アメリカは日本に比べ、全体的に食事の量が多いです。
ホームステイ先の食事が多すぎて、食べきれないこともあるかもしれません。
そのようなときは、「“I’m full.” (お腹がいっぱいです)」などと声をかけ、遠慮せず残すようにしましょう。
アメリカでは、日本の「いただきます。」「ごちそうさま。」のような、食前、食後に言う決まり文句はありません。
食事への感謝の気持ちを伝えるには、食後に「“It was delicious.”(美味しかったです)」のように、声をかけると良いでしょう。
また、家庭によっては食事の前に目を閉じて、祈りの言葉を唱えるといった習慣をもつ場合もあります。
ホームステイをしている間は、自分もその家族の一員です。
同じ宗教ではなくても、一緒に祈りを捧げるなどして、家族の習慣を尊重するようにしましょう。
アメリカの治安は?
前述したとおり、アメリカの治安は、日本と比べると決して良いとはいえません。
人が多い都市部に外出する場合は、貴重品は肌見離さず身につけるなど、細心の注意を払ってください。
アメリカ国内でも、地域によっては治安が比較的安定しているところもあります。
留学先の学校を選ぶ際は、外務省のサイトや、留学エージェントが提供している、アメリカ現地の治安情報をしっかりチェックするようにしましょう。
ホームステイの実態は?
毎年世界中から多くの留学生が集まるアメリカでは、ホームステイの受け入れ先が多くあります。
アメリカは多民族国家のため、ホストファミリーもネイティブのアメリカ人家庭とは限りません。
部屋の環境や、食事内容、家族の習慣なども家庭ごとに異なります。
ホームステイでは、各家庭のルールや考えを理解し、尊重して生活することが大切です。
日本のパソコンは使える?
基本的には、アメリカでも日本のパソコンは使えます。
アメリカはインターネットが非常に発達している国ですが、ホームステイ先にネット環境が整備されているかは、ホストファミリー次第です。
一方、ほとんどの学校では、インターネット環境が充実しています。
学校に自分のパソコンを持っていって作業できると便利でしょう。
日本の家族や友人との簡単なメールのやり取り程度であれば、自分のパソコンがなくても、学校やインターネットカフェのパソコンを利用すれば十分です。
まとめ
今回は、中学生がアメリカに留学するメリット・デメリットや、具体的な留学の方法、費用の目安などについて解説しました。
中学生という若い時期にアメリカ留学を経験することは、英語力が飛躍的に向上する、将来の進路や就職の選択肢が広がるなど、さまざまなメリットがあります。
アメリカ人の同級生やほかの国の留学生との交流を通じて、英語力だけでなく、物事を多角的に捉えられる、国際的な視野も身につくでしょう。
バークレーハウスは日本で初めてアメリカへの正規留学を実現させた、語学スクールです。
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