海外留学を目指している多くの方々にとって、まず気になるのは費用面についてではないでしょうか。
留学というと、かなりお金がかかるイメージのため、諦めてしまう方も多いかと思います。
しかし昨今では、グローバルな人材を育てることを目的として、さまざまな種類の奨学金があります。
本記事では、アメリカ留学を検討している方々に向けて、奨学金の種類や特徴、そして奨学金を得るための方法を紹介します。
アメリカ留学を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください!
奨学金とは?
奨学金とは、家庭の事情や経済的な理由で、進学や留学が困難な方々に向けて費用を援助する制度です。
奨学金制度は大きく分けて、給付型(返済不要)・貸与型(返済要)の2種類があります。
日本国内の公的機関や民間の団体が提供している奨学金機関や、留学先の大学や研究機関が提供している援助金を奨学金として受けられます。
そのため、留学が決まったら、上記2種類の奨学金を確認しましょう。
さらに、奨学金制度を活用して国内外の学校に進学する方々が増えており、その割合は大学生の5割に達しており、年々増加しています。
アメリカ留学には奨学金の活用が役立つ
アメリカ留学を検討する際に費用が心配な方は、まず奨学金制度を確認してみることをおすすめします。
奨学金のなかには、返済不要のものや生活費まで支援してくれるものもあります。
また、奨学金の申請プロセスも多岐に渡ります。
各奨学金には、志望動機を記述するエッセイの提出や成績による選考など、異なる要件が存在します。
以下では、奨学金の概要と、アメリカ留学に活用できるさまざまな奨学金制度を紹介します。
アメリカの大学生が多くが奨学金を活用している
アメリカでは、奨学金制度を活用する方が日本よりも多く、奨学金利用が当たり前の状況となっています。
アメリカの大学生が奨学金を利用する理由は、以下の2つです。
奨学金を利用する理由
- アメリカ国内の奨学金制度が充実しているため
- 多くの留学生を受け入れているため
上記のような理由から、留学生向けの独自の奨学金も提供されています。
アメリカ留学に活用できる奨学金制度の種類
アメリカ留学に活用できる奨学金には、以下2つの奨学金制度があります。
- 日本国内の公的機関や民間団体が提供する奨学金制度
- アメリカの大学や研究機関などが提供する奨学金制度
それぞれの特徴について、以下で詳しく解説します。
アメリカ留学で使える国内の奨学金の特徴
日本国内の公的機関や民間団体による奨学金制度には、その制度によって給付額や応募要件など、さまざまな特徴があります。
違いの1つ目は、給付期間や給付額です。
支給方法には、毎月一定額が支給される奨学金や、一括で支給される奨学金があります。
また、学費のみが実費で支給される奨学金や、学費と滞在費の全額が支給される奨学金など、さまざまなタイプが存在します。
もう1つの違いは、前述した給付型(返済不要)と貸与型(返済要)の差です。
これに加えて、奨学金の申請方法や応募期間が指定されていたり、家庭の経済状況や居住地域などが条件として要求される場合もあります。
また、日本国内の奨学金制度は、アメリカの奨学金制度と比べて、英語力の条件が厳しくない点も特徴の一つです。
ほとんどの奨学金制度の詳細は、Webサイトでチェックできます。
自分が求める奨学金の種類と合っているものかどうかを確認しながら、活用するものを決めてみましょう!
日本からの留学生が使えるアメリカの奨学金の特徴
アメリカの奨学金制度には、スカラシップというものがあります。
スカラシップとは、成績優秀者や学費に困っている方に対する大学や大学院からの金銭的な援助であり、アメリカの場合は返済不要です。
このスカラシップ制度は、アメリカ国外からの留学生でも利用できる唯一の奨学金制度であり、日本からの留学生でももちろん利用できます。
成績に問題がなければ、奨学金の支給期間は卒業まで継続されるため、金銭的な理由で学業を続けることが難しくなるリスクを軽減できます。
最近では、大学や大学院が留学生を積極的に迎え入れ、キャンパスの多様化と国際化を推進するために、スカラシップに加えて留学生向けの奨学金も提供されています。
スカラシップにも種類がある
スカラシップにも、2つの種類があります。
- ニード型奨学金
- メリット型奨学金
大学入学後、家庭の経済状況にもとづいて奨学金の支給が決定されるニード型は、手続きが複雑ですが、申請する価値はあります。
メリット型奨学金は、学業で優れた成績をおさめる学生や、スポーツや芸術の分野で卓越した才能をもつ学生に与えられる奨学金制度です。
支給される額はさまざまですが、合格したあとにどれくらいの金額が支給されるかが明確になります。
奨学金を得る流れ
ここからは、奨学金申請のプロセスを、日本国内の奨学金とアメリカの奨学金の2つについて解説します。
それぞれの場合において、奨学金申請のプロセスは異なることがあります。
まずは、日本国内の奨学金について紹介します。
国内の奨学金を得るための流れ
前述したとおり、奨学金制度によって応募期間や条件が異なるため、注意しながら期限までに応募しましょう。
たとえば、日本学生支援機構(JASSO)の場合、支援対象学生の申請から採用までの流れは以下のとおりです。
在籍している日本の大学などを通して、申請のプロセスが進められます。
日本学生支援機構の申請の流れ
- 在籍大学などが、支援対象学生の募集及び選考を行う
- 在籍大学などが、日本学生支援機構に支援対象学生の申請を行う
- 日本学生支援機構が、支援対象学生の承認可否を在籍大学などに通知する
一方で、伊藤国際教育交流財団が提供する海外の修士課程留学向け奨学金は、大学を経由せずに個人で応募する方法です。
書類選考を通過した応募者は面接を受け、そのなかから毎年10名程度が候補生として選ばれます。
このように国内の奨学金制度は、その奨学金基金や種類によってプロセスが大きく異なるため、注意しましょう。
アメリカの奨学金を得るための流れ
アメリカの奨学金の場合、一般的には大学や大学院への出願と同時に奨学金の申請も行います。
入学の承諾通知と同時に、奨学金の受給可否についても通知されることが一般的です。
審査のなかでもっとも重要視されているのは、高校時代のGPAや、在籍している大学の前年度の成績などです。
また、生徒会やクラブ活動、ボランティアといった課外活動も評価の対象となることがあるため、その学生の総合的な活動を評価されるといえます。
そのほか、英語力の証明も必要となり、TOEFLやIELTSといったスコアを提出するのが一般的です。
出願先によっても異なりますが、面接・英文での志望動機のエッセイ、健康診断書の提出、高校や大学の先生からの推薦状などが必要な場合があります。
アメリカの奨学金申請のプロセスの一例として、一般的な流れは以下のとおりです。
アメリカの奨学金申請の流れ
- 留学エージェントなどの説明会に参加
- 個別カウンセリングを受ける
- 出願書類作成・提出
- 出願した大学側からの奨学金オファー
- 英語力の証明となるもの(TOEFL・IELTSなど)を提出
- 留学する大学を決定
- 入学許可証を受領→奨学金受給決定
- アメリカ大使館にて学生ビザ申請のための面接をパスする
おすすめは返済不要(給付型)の奨学金
奨学金のなかでも、貸与型のものを受ける場合は、卒業後に返済が必要となるデメリットがあります。
給付型の奨学金に比べて、申請条件のハードルは低くなる傾向があります。
しかし、将来的に返済が困難になる可能性もあるため、できるだけ返済不要の給付型奨学金を目指すのがおすすめです。
アメリカの奨学金の場合は基本返済不要ですが、日本国内でも給付型で返済する必要がない奨学金制度が増えてきています。
国内の給付型奨学金(一覧)
次に、日本国内とアメリカでの返済が不要な給付型奨学金の事例を、それぞれの特徴とともに一覧で紹介します。
国内の給付型奨学金は以下のような種類があります。
日本学生支援機構(JASSO)
日本学生支援機構(JASSO)の場合は、以下4つの奨学金プログラムが用意されています。
- 協定派遣
- 学部学位取得型
- 大学院学位取得型
- 貸与奨学金(返済必要)
学部学位取得型の場合、募集要項は例年9月頃公開され、翌月10月中旬に応募締切となります。
支援予定人数は未定ですが、2022年度の採用人数は45名でした。
支援期間は、原則4年となっています。
トビタテ!留学JAPAN
文部科学省主体の官民合同事業である「トビタテ!留学JAPAN」は、30歳までの高校生・高専生・大学生・大学院生・専門学生が対象の海外留学のための奨学金制度です。
大学や大学院の留学のみならず、インターンシップなどもサポートしてくれ、受給期間は28日間〜2年間となっています。
British Council Japan IELTS奨学金
ブリティッシュ・カウンシルが主催する奨学金制度である、British Council Japan IELTS奨学金は、毎年、日本から4人の奨学生を大学や大学院への留学に選出しています。
この制度を使うと、30万円を学費補助として支給してもらえます。
しかし、英語力をIELTSで証明する必要があるのが特徴の一つです。
柳井正財団海外奨学金
柳井正財団海外奨学金は、公益財団法人が提供する奨学金事業です。
本奨学金制度には、以下2つの種類があります。
- 公募制学校推薦海外大学奨学金(予約型)
- 公募制海外大学奨学金(合格型)
上記2つの奨学金制度には、年に2回の募集があり、合計40名ほどが選出されています。
対象者は日本国籍で、TOEFL・IELTS・SATなどのスコアをもっている方となっています。
期間は米国の場合4年間、英国の場合は3年間と定められているのが特徴です。
また、指定の大学への進学者のみ対象となるため、この奨学金を目指す場合は自分の行きたい学校が対象校か、よく確認する必要があります。
笹川平和財団スカラシップ
年齢・年収制限なしで、誰もが対象者となっているのが、笹川平和財団スカラシップです。
対象者は、社会課題解決の意欲があり、海外で学び自分自身の成長を目指したいと考えている方です。
この奨学金制度では、海外留学に関する相談を受けられたり、大学の選び方などのサポートも行っており、海外で活躍したいと考えるすべての方々へ手助けをしています。
グルー・バンクロフト基金
グルー・バンクロフト基金は、公益財団法人による奨学金基金です。
この基金では、3種類の奨学金プログラムが提供されています。
1つ目は、年間8万ドルの奨学金を受け取ることができるものです。
米国のリベラルアーツ大学に進学する方が対象で、4年間奨学金が支給されます。
2つ目は、年間2万ドルの奨学金と提携校での授業料全額免除の推薦を受けられるものです。
そして3つ目は、提携校での授業料の一部または全額免除の推薦を受けられるものです。
対象者は日本国籍の高校3年生・高専3〜4年生で、家計の所得制限もあるため確認する必要があります。
この基金の奨学金制度は、いずれも、米国のリベラルアーツ大学への進学、または提携校との大学への進学が条件です。
伊藤国際教育交流財団
伊藤国際教育交流財団は、日本から海外の大学院修士課程への進学者対象の奨学金制度を行っており、選考プロセスは書類選考後に面接という流れです。
基本的に、希望者は29歳以下の方が好ましいとされています。
しかし、30歳以上の方が留学を希望する場合でも、明確な留学理由を明記することで申請が可能となっています。
公益財団法人 渡邉利三国際奨学金
公益財団法人渡邉利三国際奨学金は、留学先で最先端の研究を目指している、日本国籍で40歳以下の大学院生・研究者・教員などが対象となっています。
この奨学金制度には、返済義務はありません。
募集人数は10名程度で、月額15万円の生活費を、最大10か月間支給してくれるものです。
孫正義育英財団奨学金
若年層育成を目的とした支援活動として誕生したのが、孫正義育英財団奨学金です。
毎年約35名程度を募集しており、アメリカ・イギリスの大学に留学する方で、応募時点で25歳以下を対象としています。
審査内容には、書類審査・面接・プレゼンなどがあります。
給付金額は、その選考の過程で決定されることになっているため、志望者の状況ややりたいことに合わせた援助を受けられるといえるでしょう。
応募基準を満たした25歳以下の方であれば、誰でも応募ができるのも特徴的です。
公益財団法人 経団連国際教育交流財団奨学金
公益財団法人 経団連国際教育交流財団の奨学金は、指定された日本の大学院に在籍していることが条件となります。
年間350万円を一律支給してくれるため、挑戦してみる価値はあるでしょう。
条件としてはTOEFL iBT 92以上またはIELTS 6.5以上であることが必要で、募集人数は1名のみと狭き門となっています。
アメリカの大学における留学生向け奨学金
アメリカの大学でも、留学生が申請できる給付型の奨学金制度が数多く存在しています。
主な大学としては、以下のような大学があります。
- ペンシルバニア州のガノン大学
- オハイオ州のオーバリン・カレッジ
- コネチカット州のウェズリアン大学
とくに、ペンシルバニア州のガノン大学では、年間約300万円×4年間の学費や寮費が免除となるため、魅力的です。
また、日本人を対象とした奨学金を出す大学も少数ながら存在します。
日本国内の奨学金制度に絞らず、検討してみてください!
留学を決めたら奨学金申請の準備をしよう
今回は、日本国内外で申請が可能な、アメリカ大学留学に役立つ奨学金制度について解説しました。
奨学金の種類や申請プロセスはさまざまで、給付金額が高くなればなるほどハードルも高くなります。
そのため、留学を決めたらできるだけ早めに申請の準備をしておくことが大切です。
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