実は英検の3級以上では、スピーキングテストがおこなわれます。
今回は、英検3級のスピーキングテストの試験内容や試験対策、勉強法などを紹介します。
英検3級をはじめて受験する、またはスピーキングテストの対策方法を知りたい場合は、ぜひ本記事を参考にしてください。
英検3級のスピーキングテストの特徴
英検3級の二次試験では、スピーキングテストが実施されます。
スピーキングテストの試験形式や構成、配点や合格ラインがどうなっているのかを本記事で解説しています。
試験内容
英検のスピーキングテストは、個人面接の形式で実施されます。
現在は、対面方式とパソコンで録音しながら実施されるS-CBT方式の2通りあります。
対面式の面接時間は約5分で、S-CBTは最大15分です。
英検3級のスピーキングテストは、対面式での実施が一般的で、面接官と1対1でおこなわれます。
試験問題の構成
スピーキングテストの試験問題は、音読と問題カードを用いる計5問に回答する形式が一般的です。
5つの試験構成の内容は、以下の通りです。
- No.1:パッセージについての質問
- No.2、No.3:イラストについての質問
- No.4、No.5:受験者自身に対する質問
日常生活に関する場面や題材が出題されるので、普段の生活で起こることを英語で説明できるようにしておきましょう。
英検スピーキング試験の配点と合格ライン
英検のスピーキング試験の合格点は、2級から3級では33点中20点、準1級では38点中22点です。
基本的にスコアの換算方法は公開されていませんが、6割以上の合格点が取れていれば合格できるでしょう。
スピーキングテストの合格率は、2015年以降公開されていませんが、それまでの傾向で見ると約9割です。
スピーキングテストの減点ポイントはどこ?
スピーキングテストで減点されないために、以下の4つの点に注意しましょう。
- Yes また No のみで返答が終わる
- 疑問視を無視した回答をしてしまう
- 返答がわからず、黙り込む
- 思わず日本語が出てしまう
スピーキングテストでは質問に対して、正しく英語で返答できるかが重要です。
また、質問に回答する際は具体的な内容を答えられるようにしておきましょう。
アティチュードの重要性
英検の二次試験は、面接形式で実施されることからアティチュードも評価の対象となっています。
アティチュードで気をつけるべき点は、以下の3つです。
- 聞き取りやすい声で答える
- アイコンタクトを取る
- 答えるまでの間をなくす
スピーキングテストはアティチュードも配点の対象で、英検2級や準1級と同じく満点は3点です。
また、アティチュード点の詳しい内容を知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。
英検3級のスピーキングテストの流れ
個人面接は試験時間が約5分間と短く設定されており、入室から退室までの流れが決まっています。
そこで、本章では英検3級のスピーキングテストの流れを解説します。
英検3級のスピーキングテストにおける、アティチュード点を取るためのポイントや面接官とのコミュニケーション方法を記載していますので、ぜひ参考にしてください。
入室から試験開始まで
英検のスピーキングテストにおける、入室から試験開始までの大まかな流れは下記の通りです。
- 入室
- 面接カードを面接官に渡す
- 着席
- 自己紹介をし、面接官と挨拶を交わす
入室の際は、” Hello “や” Good morning “などと面接官に挨拶をしましょう。
面接において第一印象は重要ですので、入室する際には態度(アティチュード)に注意をする必要があります。
下記が、入室時のイメージとなります。
入室したら” Can I have your card, please? “と言われるので、” Here you are. “と言いながら面接カードを渡しましょう。
その後、” Please sit down. “と着席を促されてから” Thank you. “と答えて着席します。
” May I have your name, please? “と名前を聞かれたら、” My name is ~. “と回答しましょう。
また” Mr. / Ms. ~, this is the third grade test, OK? “と試験の階級に関して確認されますので、” OK “と返します。
これらが終わると” How are you? “と簡単な会話があるので、” I’m fine, thank you. “と答えましょう。
上記はあくまで例になります。
実際に、この通りに面接官が喋ってくれるかどうかはわかりません。
ですが、上記の流れを覚えてさえいれば対応は難しくないでしょう。
問題カードを受け取る
簡単な挨拶が終わると、早速試験に入ります。
面接官から” This is your card. “と英文とイラストが書かれた問題カードが渡されるので、” Thank you. “と答えて受け取りましょう。
黙読
問題カードを受け取ったら、” Please read the passage silently for 20 secounds. “と言われるので、問題カードに記載されている内容を20秒間で黙読します。
音読をすることになるので、内容をしっかりと抑えたうえで取り組めるようにしましょう。
音読
黙読が終わると、” Now, please read it aloud. “と指示があるので、問題カードの英文を音読します。
面接官は、発音や流暢さをチェックしているので、意味を理解した上で面接官に伝わるようにしましょう。
単語ははっきりと発音し、意味の区切りで一拍を入れながらゆっくりと読むことが重要です。
英検3級のスピーキングテストでは、英語での会話がスムーズにできるかはもちろん、面接官とのコミュニケーションや態度を見られています。
面接での所作を意識し、姿勢や目線にも気を配り挑むようにしましょう。
Q&Aに答える
問題カードの音読が終わると、” Now, I’ll ask you five question. “と面接官から5つの質問をされます。
質問では、正しい英文で返答できるかを見られます。
質問内容がうまく聞き取れなかった場合は、もう一度聞けますが減点の対象になるので注意が必要です。
どうしてもわからなかった場合は、すぐに” I beg your pardon? “と聞き返しましょう。
質問をもう一度聞きたい場合は、丁寧にお願いすることが重要です。
No.1
質問1では、” According to the passage ~ “と音読したパッセージの内容について質問され、問題カードを見ながら回答します。
質問は” Why ~ “から始まることが多いですが、使われる疑問詞に注意して聞き取りましょう。
質問の答えは、パッセージの中から正しいと思う文章を探して答えます。
No.2・No.3
質問2と3では” Please look at the picture. “といわれ、問題カードに印刷されたイラストの内容を説明します。
イラスト内の人物の行動やものの状況描写について聞かれるので、その状態などを簡潔に答えましょう。
解答が終わると、” Please turn over the card and put it down. “と問題カードを裏返すよう指示されます。
No.4・No.5
質問4と5では、問題カードとは関係のない質問をされます。
出題内容は、日常生活の身近な事柄に関する受験者自身のことです。
受験者自身の意見を聞かれるので、面接官の目を見てアイコンタクトをとりながら答えるようにしましょう。
特にNo.5では1つ目の質問に対する答えを受けて、さらにもう1つ質問をするペア・クエスションという形式です。
自分自身について具体的に答えられるように準備をしておくことが重要です。
問題カードを面接官に返す
5つの質問が終了したら、面接官から終了を告げられます。
その後、” May I have your card back, please? “と言われるので、” Here you are. “と言いながら問題カードを返却しましょう。
退室
問題カードを返却したら” That’s all for today, You may go now. “と退室を促されるので、” Thank you so much. “とお礼をして退出します。
完全に退出するまで気を抜かず、態度や姿勢を意識して、ドアの前で” Thank you. Have a good day. “や” Goodbye. “などと最後に別れの挨拶をしましょう。
英検3級のスピーキングテストでは4級までとは違い、正しくスムーズに英語での会話ができるかを見られます。
面接官の目を見て、丁寧に質問に答えていくことで、アティチュード点をもらえるよう意識しましょう。
スピーキングテストでのポイント
スピーキングテストでは、英語でのコミュニケーションを正しくとれているか、スムーズに英語を話すことができるかを見られる他に、面接での態度も評価対象です。
本章では、面接時の場面ごとに気をつけるべきポイントを解説しています。
こちらもぜひ、参考にしてみてください。
入室~退出
面接では、入室・退出時の作法も評価に関わる重要なポイントです。
試験中はアティチュード点を意識して、積極的にコミュニケーションをとっていく必要があります。
減点ポイントを確認し、リラックスした状態で相手の目を見て答えるようにしましょう。
汎用的な表現例
面接の質問では、基本的に質問の疑問詞に対して正しい文法で返答ができているかが重要です。
たとえば、疑問詞 “Why” で質問された場合、
- because ~
- so ~
- due to, to ~
このように、質問へ回答する必要があります。
また、質問が聞き取れなかったり、理解できなかったりする場合には、下記のテンプレートを使って聞き返しましょう。
- Pardon?
- Pardon me?
- Can you say that again?
- Excuse me. One more time ,please.
答えに詰まったときに使える表現例
質問の内容は理解できたものの、なんと答えればいいか迷っている場合など、間が空いてしまう場合は、
- Well…
- Let’s see…
- Let mee see
無言になってしまわないよう間を埋めましょう。
その他、スピーキングテストで使える単語や表現については下記の記事で紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
問題カードの黙読と音読
以下の章では問題カードを受け取り、実際に試験に入室した際の注意点や意識すべきポイントを紹介します。
それぞれのポイントを確認し、テストに備えた練習をしておきましょう。
黙読
20秒間の黙読では、タイトルに注目しパッセージの意味を把握しましょう。
そのあと、本文に目を通し、名詞・動詞・形容詞に注意しながら黙読しましょう。
音読
音読では、棒読みにならないよう抑揚や強弱をつけて読むことが重要です。
焦らずにはっきりと面接官が聞き取れる音量と発音で音読し、わからない単語があっても読み飛ばしせずに読み進めます。
また、言い間違えた場合は言い直しをしましょう。
かなり前に言い間違えてしまっていたことに気づいた場合は、そのまま最後まで進めた方がいいでしょう。
No.1
問題カードに関する質問が出されるNo.1では、疑問詞、主語、動詞をきちんと聞き取ることが重要です。
回答する際は、パッセージの主語を代名詞に置き換えて答えます。
No.2、No.3
イラストを見て質問に答えるNo.2、No.3では、文頭の疑問詞に続く主語を聞き取り、イラストの場面内容を読み取って回答します。
質問の主語を適切な代名詞に置き換え、動詞を適切な形にして答えましょう。
No.4、No.5
自分自身のことについて聞かれるNo.4、No.5では、質問に対応する表現を覚えておくことが重要です。
例として、下記の表現が挙げられます。
- I would like to do ~
- I want to ~
- I like ~
また、No.5では、” Please tell me more. ” と解答に対して深掘りをされるので、話題からはずれないよう注意して具体的に回答しましょう。
スピーキングテストに合格するための対策
英検3級のスピーキングテストで合格するためには、どのような対策をすれば良いのか、ここでは具体的な方法を紹介します。
過去問・問題集を繰り返し解く
英検3級を受ける際は、過去問や問題集を繰り返し解いて問題や解答に慣れておく必要があります。
スピーキングの問題演習では発声し、正しく発音できているか、アクセントを意識して解答をしましょう。
入室~退室までの流れを練習する
スピーキングテストは、面接形式であるため入室から退室までの流れを確認しておくとよいです。
スピーキングテストは英検3級から実施されるため、面接経験が少ない方は練習を通じてテストの流れや所作を覚えておく必要があります。
面接官とコミュニケーションを取ろうとする意欲や、アイコンタクトの練習をおこない、アティチュード点を意識して受験しましょう。
スピーキング対策に最適!おすすめの参考書やアプリを紹介
本章では、英検3級のスピーキング対策におすすめの参考書やアプリを紹介します。
試験対策で何をすればよいのかわからない方、英検3級のスピーキングを初めて受験する方はぜひ参考にしてください。
英検公式過去問
英検の公式サイトでは、実際に英検で出題された過去の問題を公開しています。
過去問を解くことで試験の傾向を掴めるので、受験前は英検公式の過去問サイトに掲載されている問題を解いておきましょう。
7日でできる!英検3級二次試験・面接 完全予想問題
こちらの参考書は、英検3級のスピーキングテスト合格に向け、7日間分の予想問題を収録した問題集です。
動画で面接をリアルに体験でき、スマホで簡単にリスニングの練習ができます。
本番さながらのシミュレーションで対策ができるので、はじめて英検3級を受ける方にもおすすめです。
英検3級面接大特訓
英検3級のスピーキングテストの最新傾向を掴んでいる英検3級面接大特訓は、音読練習から発話訓練まで段階的にトレーニングができる参考書です。
模擬テスト8回分を収録しており、本番の感覚でシミュレーション練習ができます。
ポイントを押さえた解説文もついているので、1回目の受験で合格できる面接力を身につけられます。
Duolingo
AI機能を搭載している外国語学習アプリ「Duolingo」は、初級から上級まで幅広いレベルの英語学習ができます。
スピーキングトレーニングでは、AIによる発音分析で英検3級のスピーキングテストに向けた発音練習をすることができます。
英検に特化しているわけではありませんが、自分のレベルに合わせて無料で利用できるアプリです。
また、Duolingoの使い方やおすすめポイントを紹介している記事がございます。
こちらも、ぜひ参考にしてみてください。
Quizlet(クイズレット)
クイズレットでは、自分だけの単語帳を作れたり、また他のユーザーが作った単語帳で学習ができる、世界的に有名な単語学習アプリです。
こちらのアプリでは、単語の意味を覚えるだけでなく、スペルの読み方なども確認することも可能です。
ミニゲームなどで楽しく単語学習ができ、一度間違えた単語は集中して繰り返し出題されるので、苦手克服につながります。
Quizletアプリの使い方やおすすめポイントなどを詳しく知りたい方は、下記の記事で紹介していますので、こちらも参考にしてください。
まとめ
英検3級のスピーキングテストは、中学卒業レベルの難易度であることから比較的解きやすい問題が多いでしょう。
しかし、英検独自の試験方法・内容であることから、はじめて受験する場合はある程度テクニックを覚えておきましょう。
本記事では、英検3級のスピーキングテストの流れや合格におけるポイント、参考書などを紹介しました。
受験前には面接試験の流れを掴み、きちんと試験対策をして挑むことが大切です。
英検テクニックを身につけ、スピーキングテストを優位に進めましょう。