TOEFLと聞くと、大勢の受験者が会場に集まり試験を受ける光景を思い浮かべる方は多いと思います。
しかし、昨今のコロナ禍の影響でTOEFL iBTを自宅受験することが可能になりました。
この記事では、TOEFL iBTの自宅受験を検討している方に向けて、自宅受験のポイントやメリット、注意点、受験に必要なものなどを解説していきます。
TOEFL iBTの自宅受験とは?
TOEFL iBTを自宅受験する際には、「TOEFL iBT Home Edition」という名称の試験を受験することになります。
TOEFL iBT Home Editionは新型コロナウイルス感染症の感染拡大への対応策として2020年4月からはじまりました。
自宅から受験することができ便利な一方で、使用機器や受験環境の要件を満たす必要があり、会場受験のTOEFL iBTに比べて制約がとても厳しく設定されています。
TOEFL iBTを受験する際の条件などは以下の記事で詳しく紹介しておりますので、ぜひ最後までご覧ください。
TOEFL iBT自宅受験のポイント
まず、TOEFL iBTを自宅受験する上で押さえておきたいポイントについて解説します。
内容や受験料は会場受験と同じである
TOEFL iBTを自宅受験しても、会場受験と問題形式は変わりません。
- Reading
- Listening
- Speaking
- Writing
上記の4セクションで構成され、試験時間はおよそ3時間です。
また、受験料も245ドルで一律です。
自宅受験でも公式スコアとして認められる
TOEFL iBT自宅受験で獲得したスコアは、公式に認められております。
そのため、入学試験に活用することができますし、資格として履歴書に記入することも可能です。
しかし、自宅受験のスコアを提出不可としている場合もあり、事前に申請先の大学や機関に確認してから受験するようにしましょう。
なお、スコアレポートの会場コードと会場名が「Test Center STNRPJPN - Home Edition」という表記になるため、自宅受験と会場受験のどちらの形式で受験したのかはすぐに確認できるようになっています。
TOEFL iBTを自宅受験するメリット
続いて、TOEFL iBTを自宅受験するメリットについて述べます。
受験の日程を調整しやすい
従来の会場受験では基本的に土日の日中にしか受験することができません。
しかし、自宅受験では週に4日24時間受験が可能であり、自由度が格段に上がっています。
また、空き状況に応じて開始時間を10分ごとに選べるため、細かく日程を選ぶことが可能です。
最短、翌日の受験が可能
通常の会場受験では、7日前までに申し込みを終える必要があります。
一方で、自宅受験では空き状況にもよりますが翌日に受験することも可能です。
そのため、急にTOEFL iBTを受験しなくてはいけない際の場合に自宅受験を選ぶとよいでしょう。
TOEFL iBT自宅受験に必要な準備
次に、TOEFL iBTを自宅受験する際に必要なものについて説明します。
環境を整えた部屋
自宅受験とはいえ試験ですから、一人きりになれる個室で受験する必要があります。
公園やインターネットカフェ、レストランなどは当然ですがNGです。
また、部屋にある扉はすべて閉めましょう。
加えて、不正行為を疑われないためにできるだけ背中を部屋の入り口側に向けておくことが望ましいです。
モニターや本といったすこしでも不正行為を想起させる物はあらかじめ部屋の外に出しておくと、試験当日の環境チェックがスムーズに進行しますよ。
テストに適した服装
服装に関しては厳しい規定はありません。
そのため、カジュアルな服装で問題ありませんが、肌の露出が多いものは避けた方が無難でしょう。
また、試験中は耳・顔・腕が見えるようにしなければなりません。
マスクやヘッドフォン・イヤホン、腕時計などのアクセサリー類は身に付けないようにしましょう。
試験時のPC環境
パソコンはデスクトップ、ノートパソコンのどちらでも構いませんが、試験当日の環境チェックで360度部屋をカメラに移すよう指示があることを考えるとノートパソコンに軍配が上がります。
もちろん、外付けカメラ・マイクを使うことで、デスクトップPCでも受験可能です。
デュアルモニターは使用禁止ですので、注意しましょう。
また、タブレットやスマートフォンでの受験も禁止です。
OSはWindows 10およびMac OS 10.15が推奨されています。
ブラウザはGoogle Chromeが推奨されており、Microsoft Edgeは使用不可となっているため注意が必要です。
安定してインターネットが使用できることが求められます。
試験に必要なカメラ、マイク
スピーカーやマイク、カメラはそれぞれパソコンに内蔵されたものか外部に取り付けるタイプを用意しておく必要があります。
ヘッドセットやイヤホンは使えませんから、直前に調べて慌てることのないようにしましょう。
ホワイトボード
セキュリティ上の観点から鉛筆などで紙にメモを取ることができません。
そのため、A3〜A4程度の卓上用ホワイトボードか透明なシートプロテクターに入れた紙を用意しなければなりません。
消せるマーカーも忘れずに準備しましょう。
なお、使用できるマーカーは1本だけなので新品を買っておくとよいでしょう。
パスポートなどの身分証明書
身分証明書は予約時および受験時に必要です。
基本的にはパスポートを使用することになりますが、マイナンバーカードや運転免許証、住民基本台帳カードなどで代用することもできます。
しかし、試験監督が確認できるようアルファベットでFirst Name / Last Nameの順で記入をしなければならないので、パスポートを用意しておくことをお勧めします。
TOEFL iBT 自宅受験の流れ
続いて、TOEFL iBTを自宅受験するときの流れについて説明します。
TOEFL iBT自宅受験の前日までの準備
前日までに、使用機器のシステムチェックをしておきましょう。
At Home Testing というソフトと、ブラウザの拡張機能である proctorU Extension のダウンロードしなければなりません。
しかし、ともに難しい操作はありませんから、機械が苦手な方でも問題なく準備できますよ。
TOEFL iBT自宅受験当日の流れ
TOEFL iBTの自宅受験日は、以下の流れで進行していきます。
- 前日に届くメールに記載されているURLにアクセスする
- 試験監督によるIDの確認を受ける
- 試験環境のチェックを受ける
- 試験開始
- 10分間の休憩
- 試験環境のチェック
- 試験開始
- ホワイトボードの文字を消す
- アンケートに回答
- 試験終了
作業が多いように感じる方もいるかもしれませんが、試験監督の指示に従うだけですから心配は無用ですよ。
TOEFL iBT自宅受験の注意点
最後に、TOEFL iBTを自宅で受験する際の注意点について解説します。
部屋を片付けておく必要がある
TOEFL iBTの自宅受験では、試験実施前に試験監督による受験環境のチェックがおこなわれます。
チェック方法として、部屋を360度カメラで写すように指示されます。
不正行為を疑われないように部屋を整理整頓し、英語の本や参考書は部屋の外に出しておきましょう。
試験監督とのやり取りはすべて英語
使用される英単語は中学・高校で習うような基礎的なものではありますが、英語で指示を受けるということを念頭に入れておきましょう。
試験監督者は英語の先生ではありません。
そのため、スピード・イントネーション・アクセントなどのために聞き取りにくい場合もあります。
その場合はもう一度聞き返すなどして、落ち着いてコミュニケーションをとるようにしましょう。
休憩時間はカメラから離れる
休憩時間は画面に表示された指示に従うようにしましょう。
このとき、画面はそのままで離席することができます。
なお、休憩時間はカメラに映らない場所に移動することが望ましいです。
なぜなら、たとえ休憩時間中であってもスマートフォンの使用などで不正行為とされる場合があるからです。
休憩終了の1分前には着席し、気持ちを切り替えて試験を解きましょう。
まとめ
TOEFL iBT Home Editionは、TOEFL iBTスコアを自宅にいながら獲得することができる試験です。
試験日程を10分刻みで決められることや、平日に受験可能といった点が会場受験に比べて融通が利き、また時間短縮の最大のメリットとなります。
受験料や試験時間などは会場試験と変わりません。
一方で、使用できるデバイスに制限があるため、人によっては機材を一からそろえなければならなくなる可能性もあります。
また、一部機関によっては自宅受験で獲得したスコアの提出を認めないということもあるので、事前に確認をしておく必要があります。
当日は部屋を片付けておくこと、試験監督から英語で指示を出されても焦らないことを意識しておけば問題なく受験できるでしょう。
休日にまとまった時間が取れない、すぐにスコアを取得したい方はぜひ自宅受験を検討してみてください。