
- 独学でIELTSのスコアは本当に上げられる?
- 自分のレベルに合った効果的な勉強法は?
- 各セクションの対策方法は?
留学や海外就職を目指す方にとって、IELTSは避けては通れない英語試験です。
しかし、対策講座は高額で通えないという悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。
実は、正しい学習計画と効果的な勉強法があれば、独学でも目標スコアの達成は十分に可能です。
本記事では、IELTS現役講師が自身の指導経験をもとに、レベル別の勉強法や各セクションのスコアアップのコツを詳しく解説します。
独学でもIELTSの目標スコアは達成できる?

独学で本当に目標スコアが取れるのか?と不安に感じる方も多いかもしれません。
結論からいうと、正しい戦略を立てて勉強を継続すれば、独学でも十分に目標スコアを達成することは可能です。
実際に、オンライン教材や過去問題、英語学習アプリなどを活用しながら、自分のペースでスコアを伸ばしている受験者もたくさんいます。
独学の大きなメリットは、自分に合ったスケジュールで学習できる自由度と、費用を抑えられる点にあります。
しかし、スピーキングやライティングなどのアウトプット技能は、独学では客観的なフィードバックをおこないにくく、スコアを伸ばしづらいです。
そのため、スピーキングやライティングは模擬試験や添削サービスを活用し、フィードバックをもらうことで、より効果的に学習を進められます。
IELTSを独学するための学習計画の立て方
独学でIELTSのスコアアップを目指すには、戦略的な学習計画を立てることが非常に重要です。
ここでは、計画の立て方を3つのステップに分けて解説します。
現在のレベルを把握する
最初にやるべきことは、自分の現在の英語力を客観的に把握することです。
スタート地点を正確に理解していないまま学習を始めてしまうと、無理な学習計画を立ててしまい、挫折の原因になりかねません。
まずは、学習計画を立てる前に、IELTS公式問題集や模擬試験を使って、本番形式でテストを受けてみましょう。
各4技能のスコアを確認し、それぞれの得意・不得意を分析することで、今後の学習方針が明確になります。
また、IELTS公式サイトで提供されている無料のオンライン模試や、アプリを使ったレベルチェックツールも手軽に現在の英語力を知る手段として便利です。
目標スコアを定める
現在の英語力を把握したあとは、明確な「目標スコア」を設定します。
留学や移住、就職といった目的によって、必要とされるIELTSスコアは異なります。
たとえば、海外の大学に進学するには6.0〜7.0、大学院では6.5〜7.5が求められることが一般的です。
また、全体スコアのほかに各セクションの最低スコアが設けられていることもあります。
目標が決まったら、現在のスコアとの差を確認し、「どのセクションで何点伸ばす必要があるのか」を具体的に把握しましょう。
そのスコア差をもとに、必要な学習内容や学習時間を逆算して、学習スケジュールを立てていきます。
\留学にはIELTSスコアはどれくらい必要?/1か月でどのくらい上がる?学習時間の目安
IELTSのスコアを上げるために必要な勉強時間は、現在のレベルと目標スコアの差によって大きく異なります。
一般的に、スコアを1.0上げるには約120〜180時間の学習が必要とされており、週に10〜15時間の学習を約3か月続けるイメージです。
また、バンドスコアが4.0以下の英語初級者が5.0を目指す場合と、5.5〜6.0程度の中級者が7.0を目指す場合では、必要な学習時間や難易度に大きな差があります。
スコアが高くなるほど、より正確で自然な英語運用能力が求められるため、難易度も上がります。
そのため、4.0から5.0へスコアアップを目指す場合よりも、6.0から7.0を目指す場合のほうが学習の負荷が高く、より多くの学習時間が必要になる傾向があります。
このように、現在のスコアと目標スコアの差を客観的に把握したうえで、必要な学習時間を見積もり、現実的で無理のない計画を立てることが大切です。
\こちらもあわせてチェック!/独学でIELTSのスコアを最短で上げるコツ

独学でスコアアップを目指すには、限られた時間をいかに効率よく使うかがカギです。
ここでは、問題演習を進めるうえで意識すべきポイントを2つに絞って紹介します。
試験本番に向けて問題形式と時間配分に慣れる
短期間でスコアを伸ばすためには、IELTS特有の問題形式と時間配分に慣れておくことが不可欠です。
いくら英語力があっても、試験形式に慣れていなければ、本来の実力を十分に発揮できないリスクがあります。
とくにリーディングやライティングでは、限られた時間内で問題を解き終えるスキルが求められます。
そのため、模擬試験を定期的に実施し、本番と同じ条件で問題を解く練習を繰り返すことが非常に効果的です。
以下のような練習を積み重ねることで、試験本番でも落ち着いて対応できる力が身につくため、ぜひ試してみてください。
- 本番の時間配分を意識する
- 制限時間内に全問解き終える感覚を身につける
- 解答のスピードと精度をバランスよく鍛える
本番で使えるテクニックを習得する
IELTSで高スコアを取るには、英語力だけでなく、戦略的な試験テクニックの習得も重要です。
具体的には、以下のようなテクニックが挙げられます。
- リスニング:設問の先読み/キーワードのメモ取り
- リーディング:スキミング(概要読み)・スキャニング(情報探し)
- ライティング:テンプレートを活用して構成と時間を安定させる
- スピーキング:即答力を鍛えるためのフレーズを準備する
これらのテクニックは、問題演習をおこなう際に意識的に取り入れるようにし、実践するなかで定着させることが大切です。
慣れてくれば、自然と時間配分や回答の精度が向上し、効率よくスコアアップを目指せます。
\スコアアップに効果的な勉強法は?/【レベル別】独学でできるリスニング対策
続いては、IELTS現役講師が、各セクションの対策法をレベル別に解説します。
独学で実践できる方法ばかりのため、自分の現在のスコアに合わせて取り組んでみましょう。
まずは、リスニングセクションの勉強法を紹介します。
IELTS 4.5以下の方
現在の英語力がIELTS 4.5以下(英検準2級以下/TOEIC 500点未満/TOEFL iBT 60点未満)の方は、英語の音を正確に聞き取る力がまだ十分に身についていない可能性があります。
まずは、英語を「文字」ではなく「音」として捉える練習からスタートしましょう。
おすすめの学習法は、以下のとおりです。
- IELTS問題集のスクリプトを音読し、英語の音に慣れる
- わからない単語をを見つけたら、意味と発音を調べてノートにまとめる
- 語彙を「意味と音」の両方でで覚えることを意識する
この段階では、語彙力と発音の基礎をしっかり築くことが最優先です。
IELTS 5.0〜6.0の方
英語レベルがIELTS5.0〜6.0(英検2級〜準1級/TOEIC 500〜800点/TOEFL iBT 60〜80点)の方は、ある程度英語は聞き取れるものの、一度で内容を理解する力がやや弱い傾向にあります。
そのため、聞こえた英語をその場で処理する力を鍛える必要があります。
おすすめの学習法は、「心のなかでシャドーイングをする」方法です。
英語の音源を流して、聞こえた英語を頭のなかで同時に繰り返す練習をおこないましょう。
声に出すシャドーイングはレベルが高いため、無理に声に出さなくても問題ありません。
シャドーイングを続けることで、聞いた英語を瞬時に処理する回路が鍛えられます。
IELTS 6.5以上の方
すでにIELTS 6.5以上(英検1級相当/TOEIC 800点以上/TOEFL iBT 80点以上)の英語力がある方は、英語そのものの理解にはほとんど問題がないレベルにあるといえます。
この段階でスコアをさらに伸ばすためには、出題される選択肢の「ひっかけ(distractor)」に惑わされないリスニング力を磨くことです。
おすすめの学習法は、問題演習後に間違えた問題を徹底分析することです。
間違えた問題について「なぜその選択肢が正解なのか」「なぜそれ以外の選択肢が不正解なのか」を自分の言葉で説明できるまで理解を深めましょう。
おとり情報(Distractor)に意識を向けながら音声を聞き、設問と選択肢の関係性を論理的に読み解く習慣をつけましょう。
このレベルでは、単に英語を聞き取るだけでなく、聞き取った情報を正確に判断し、正答に結びつける精度を高めることが求められます。
【レベル別】独学でできるリーディング対策
次に、リーディングセクションの勉強法を紹介します。
IELTS 4.5以下の方
IELTS 4.5以下(英検準2級以下/TOEIC 500点未満/TOEFL iBT 60点未満)の方は、語彙力がまだ十分に身についておらず、英文全体の意味を正確に理解するのが難しい段階にあります。
このレベルでは、いきなり問題演習に取り組むよりも、まずは基礎的な語彙力の強化に重点をおいた学習が効果的です。
具体的には、以下のような学習がおすすめです。
- 英文を読んでいるなかで出てきた知らない単語はその都度調べ、ノートにまとめて覚える
- 単語の意味だけでなく、品詞・例文・発音もあわせてインプットする
- 読解練習では、本文を和訳して内容を正しく理解する
- 和訳を終えたあとに問題を解くことで、読解力と解答力を同時に鍛える
この段階では、文章の構造や単語の意味を丁寧に積み上げる学習スタイルが効果的です。
焦って問題を解くよりも、まずは語彙と文の構造を正確に理解する習慣を身につけましょう。
IELTS 5.0〜6.0の方
IELTS 5.0〜6.0(英検2級〜準1級/TOEIC 500〜800点/TOEFL iBT 60〜80点)レベルの方は、英文全体のおおまかな意味は理解できているものの、細かい部分で意味を取り違えてしまうケースが多く見られます。
そのため、無理に高得点を狙うよりも、まずはIELTS特有のひっかけ問題に慣れることが重要です。
問題演習をおこなったあとは、間違えた設問の本文をかならず読み直し、「なぜその選択肢を選んでしまったのか」「なぜそれが間違いだったのか」を自分の言葉で説明できるようにしましょう。
IELTSのリーディングでは、一見正しく見える選択肢が、本文と微妙にズレていることがよくあります。
こうした巧妙なひっかけに気づけるようになると、リーディングセクションのスコアは大きく安定してきます。
IELTS 6.5以上の方
現在IELTS 6.5以上(英検1級/TOEIC 800点超/TOEFL iBT 80点超)の英語力がある方は、英文を何度も読み返さなくても、1回の読解で内容をほぼ正確に把握できるレベルにあるといえます。
この段階でさらにスコアを伸ばしていくには、先入観にとらわれず、本文に書かれている内容をもとに、落ち着いて設問に向き合うことが大切です。
リーディングでは、「こう書いてあるだろう」という思い込みや一般常識に頼らず、文章のなかにある事実や論理にもとづいて選択肢を判断する力が問われます。
読解力そのものに加えて、設問の意図を的確に読み取り、情報を客観的に処理するスキルを高めていくことが、安定した高スコア取得へのカギとなります。
【レベル別】独学でできるライティング対策
続いては、IELTSライティングセクションの勉強法を、英語レベル別に紹介します。
IELTS 4.5以下の方
IELTS 4.5以下(英検準2級以下/TOEIC 500点未満/TOEFL iBT 60点未満)の方は、まずは50〜60語程度の短い英文を書く練習から始めるのがおすすめです。
トピックは、難しいものである必要はありません。
英検準2級レベルのライティング課題や、身近なテーマで十分です。
これらのトピックで、1日一つずつ英文を書く練習を2週間ほど続けてみましょう。
毎日すこしずつ書いていくことで、よく使われる表現や文のパターンも自然と身についていきます。
書くことに慣れてきたら、語数をすこしずつ増やしていきましょう。
IELTS 5.0〜6.0の方
IELTS 5.0〜6.0(英検2級〜準1級/TOEIC 500〜800点/TOEFL iBT 60〜80点)レベルの方は、すでに100語以上の英文を書く力が十分に備わっていると考えられます。
次の目標は、200語以上のまとまった英文を、制限時間内に書き上げる力を身につけることです。
200語以上の英文を書くためには、各段落に2つ以上の理由や具体例を盛り込むことが効果的です。
また、このレベルになると、英語力(語彙・文法)だけでなく、「内容の質」もスコアに大きく影響してきます。
スコアをさらに伸ばすためには、「何を書くか」と「どう書くか」の両方にバランスよく取り組むことが大切です。
日頃から理由と具体例をセットで考える練習をしておくと、本番でもスムーズにアイデアを展開できるようになります。
IELTS 6.5以上の方
IELTS 6.5以上(英検1級/TOEIC 800点超/TOEFL iBT 80点超)の方は、すでに高い読解力を備えており、英文を一読して大意や細かいニュアンスを理解できるレベルにあります。
この段階では、読み取りの「精度」と「論理力」をさらに高め、設問に対して本文の根拠を明確に示す習慣をつけましょう。
設問形式ごとの解き方や時間配分も工夫し、本番での安定感を上げることが大切です。
また、文法面では、冠詞や単複のケアレスミスをなくし、関係詞や分詞構文も正確に読み取れるようにします。
語彙力は類義語や慣用表現を増やし、パラフレーズに対応できる力を養うことがポイントです。
【レベル別】独学でできるスピーキング対策
続いては、IELTSスピーキングセクションの勉強法を、英語レベル別に紹介します。
IELTS 4.5以下の方
IELTS 4.5以下(英検準2級以下/TOEIC 500点未満/TOEFL iBT 60点未満)の方は、まず「英語で言える表現」を増やすことが大切です。
毎日、自分の身の回りのことを英訳してノートに書きましょう。
たとえば「電車に乗って〇〇へ行った」「夕食に〇〇を食べた」など、簡単な文で構いません。
まずは短い英文を書く練習を、英検準2級の過去問などを使って1日1トピックを2週間続けてみてください。
慣れてきたら語数を80語、100語と徐々に増やしていきましょう。
時間は気にせず、まずは書くことに慣れるのがポイントです。
繰り返すことで表現の幅が広がり、自信もついてくるため、焦らず一歩ずつ進めていきましょう。
IELTS 5.0〜6.0の方
IELTS 5.0〜6.0(英検2級〜準1級/TOEIC 500〜800点/TOEFL iBT 60〜80点)の方は、IELTSの問題集を使ってスピーキング練習を取り入れましょう。
最初は1文や2文で答えても大丈夫なため、慣れてきたら付け加えられることを考えてみましょう。
難しい場合は日本語で考えても構いません。
ポイントは、内容は薄くても構わないため、とにかくたくさん話すことです。
話す力が伸びると、リーディングの理解力も自然と上がります。
また、スピーキングで使った表現はリーディングでも出てくることが多いため、語彙や表現の定着につながります。
継続的に声に出すことで、英語のリズムや構造にも慣れていきましょう。
IELTS 6.5以上の方
IELTS 6.5以上(英検1級/TOEIC 800点超/TOEFL iBT 80点超)の方は、英語力そのものの理解や表現力については上級レベルにあるといえます。
この段階では、「態度(話し方)」と「発音の精度」にさらに磨きをかけることで、より高いスコアを目指せます。
鏡の前に立ち、自分の目を見ながら話すことで、アイコンタクトの練習になります。
また、自分の声を録音して聞いてみることで、発音や話し方を客観的に確認するのも効果的です。
とくに「thの音」や「母音の長短」など、自分では言えているつもりでも実際には曖昧になっていることがよくあります。
さらに、話のなかで重要な部分は強調し、緩急をつけたメリハリのある話し方を意識することで、聞き手に伝わりやすくなるため、イントネーションにも注意を払いましょう。
スピーキング・ライティング対策は添削サービスがおすすめ
スピーキングとライティングは、IELTSのなかでもとくに独学が難しいセクションといわれています。
その理由は、自分の表現が正確かどうか、評価基準を満たしているかを客観的に判断するのが難しいためです。
そんなときにおすすめなのが、添削サービスの活用です。
添削サービスでは、IELTSに精通した講師やネイティブスピーカーが、文法・語彙・論理構成などを細かくチェックしてくれます。
とくにライティングでは、自分では気づきにくいミスやクセを第三者の視点で指摘してもらうことで、劇的なスコアアップが期待できます。
またスピーキングについても、録音添削形式のサービスであれば、発音やイントネーションの改善にも効果的です。
\おすすめの添削サービスはこれ!/独学に限界を感じたら、講座や添削サービスを検討しよう

IELTSは、独学でもスコアを伸ばすことは可能です。
ただし、とくにライティングやスピーキングのようなアウトプット系のセクションでは、フィードバックが不足しがちです。
自分の間違いに気づかないまま覚えてしまい、改善点が分からず、学習の方向性に迷ってしまうといったケースも少なくありません。
そんなときは、プロの講師による講座や添削サービスを取り入れることをぜひ検討してみてください。
専門家の視点から適切なアドバイスをもらうことで大きな改善が期待できます。
必要に応じて、講座や添削といった専門的なサポートを柔軟に取り入れながら、効率よく目標スコアの達成を目指しましょう。
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