TOEFLをはじめ、英語試験は級位やスコアによって、受験者の英語力を測るものがほとんどです。
しかし、TOEFLは個人向けのTOEFL iBTや団体向けのTOEFL ITPのように種類が複数存在し、種類ごとにスコアの扱いが異なります。
取得したTOEFLのスコアが「ほかのTOEFLではどのくらいのスコアなのか」、または「ほかの英語試験でも通用するのか」が気になる方も多いのではないでしょうか。
今回は、複数の英語試験を受けたい方に向けて、TOEFLをはじめとしたスコアの換算表を紹介します。
英語試験の受験を検討する際に、難易度の目安としてご活用ください。
試験別の難しさを把握しておくと、自身の英語力を正しく判断しやすくなるほか、別の英語試験に挑戦する際には、取得できるスコアが算出しやすくなるため、目標が立てやすくなるでしょう。
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TOEFLには、さまざまな種類が存在します。
紙ベースで試験を行う「TOEFL PBT」や、コンピューターベースの「TOEFL CBT」もありますが、この2つの試験は廃止や新テストへの移行などに伴い、日本国内では受験ができません。
現在、日本で受験可能なTOEFLにおける種類別のスコア換算表は以下の通りになります。
TOEFL iBT | TOEFL ITP | TOEFL Junior |
TOEFL Primary (Step 2) |
---|---|---|---|
111~120 | 640~677 | – | – |
100~110 | 600~639 | – | – |
90~99 | 577~599 | 845~900 | – |
79~89 | 550~576 | 845~900 | – |
71~78 | 527~549 | 845~900 | – |
61~70 | 500~526 | 785~840 | 228~230 |
51~60 | 467~499 | 785~840 | 228~230 |
41~50 | 437~466 | 785~840 | 228~230 |
31~40 | 397~433 | 730~784 | 214~227 |
0~30 | 310~396 | 600~729 | 200~213 |
TOEFLを受験する際の目安としてご利用ください。
たとえば、TOEFL ITPでスコア600を取得している方であれば、TOEFL iBTに換算すると「100~110相当の英語力を備えている」という見方となります。
図に記載したTOEFL JuniorとTOEFL Primaryは、小学生や中高生を対象とした「初心者向けのTOEFL」です。
試験問題も比較的易しめに設定されているため、より高度な英語力を証明したい場合は、TOEFL iBT(またはTOEFL ITP)の受験を検討してください。
ちなみに、TOEFL ITP(310点)やTOEFL Primary(200点)のように、TOEFLによっては最低スコアが0ではないケースもあります。 とくに英語初心者の方だと、「高いスコアを取得できている」と勘違いしてしまうことも少なくないため、注意しましょう。
なお、TOEFL iBTの詳しいテスト構成や問題数が知りたい方は以下のページをご参照ください。
下記リンクにTOEFL iBTの試験概要やセクション別の問題数、制限時間などを公開しています。
TOEFLはほかの英語試験と比べてどれくらい難しい?
TOEFL iBT | TOEFL ITP | TOEIC | IELTS | 英検 |
---|---|---|---|---|
111~120 | 640~677 | ー | 8.5~9.0 | ー |
100~110 | 600~639 | 880~990 | 7.5~8.5 | ー |
90~99 | 577~599 | 800~879 | 6.5~7.5 | 1級 |
79~89 | 550~576 | 730~799 | 6.5 | 準1級 |
71~78 | 527~549 | 665~729 | 6.0 | 準1級 |
61~70 | 500~526 | 590~664 | 6.0 | 準1級 |
51~60 | 467~499 | 490~589 | 5.5 | 2級 |
41~50 | 437~466 | 410~489 | 5.0 | 2級 |
31~40 | 397~433 | 299~409 | 4.0~5.0 | 3級 |
0~30 | 310~396 | 0~298 | 1.0~4.0 | 3級 |
TOEFLのスコアを参考に、「ほかの英語試験にも挑戦したい」という方に向けて、英語試験別のスコア比較表もご紹介します。
いずれも、日本国内で普及している英語試験ばかりです。
TOEFLの満点は、英検1級やTOEICの満点との比較も難しいという点から「満点を取得する難易度が高い」と言えます。
英語試験のスコア比較表は、文部科学省のサイトなどにも公開されています。
注意点として、TOEFLやIELTSのようにスコアによって英語力を算出する試験は、受験をすれば現在の英語力を証明できますが、英検のような級位の英語試験は、その限りではありません。 何級を受験するにしても、合格をしなければ正確な英語力を証明できないことには留意しておきましょう。
必要なスコアや級位を満たせばほかの試験も突破できる?
先に挙げたようなスコアの比較表は、文部科学省のサイトや英語学習ができるサイトなどでも公開されているケースが多くなっています。
そのため英語初心者の方だと、「必要なスコアや級位を満たせばほかの英語試験でも通用する」と考えてしまいがちです。
しかし、必要なスコアや級位を満たしていても、必ず比較表通りにスコアや級位を取れるとは限りません。
これは、英語試験の体感的な難易度に個人差が出るためです。
複数の英語試験を受けた方でも、「IELTSのスコアが一番高い」、「TOEFLだけほかよりもスコアが低い」など、結果に差が出ることもしばしばです。
このほか、英語試験ごとに問題構成や出題傾向が大きく異なる点も、試験の難易度に影響を及ぼします。
たとえば、国内で人気の高いTOEIC L&Rの試験は、「英語を聞く能力」と「英語を読む能力」を測る2つセクションしか出題されません。
そのため、TOEICの高いスコアを所有している方であっても、試験結果で判断すれば「英語を書く能力」と「英語を話す能力」に関しては未知数なのです。
もしもこの方が、TOEFL iBTやIELTSのように、4つのセクション(聞く、読む、書く、話す)で構成された英語試験に挑戦しても、TOEICと同じように高いスコアを取得できるとは限りません。
いずれにしてもスコアの比較表は、あくまで英語試験における難易度の目安として扱うようにしてください。
スコア以外にも英語試験には違いがある?
英語試験に挑戦するうえで、「目的の違い」についても簡単に触れておきましょう。主な英語試験別の目的は以下の通りです。
主たる英語民間試験の試験目的 | |
---|---|
TOEFL iBT | 主に大学・大学院レベルのアカデミックな場面で必要とされる、英語運用能力を測定 |
IELTS |
英国、オーストラリア、ニュージーランド、カナダ、および米国を含む 英語圏の国々に留学、就労または移住を希望する人々の英語力を測定 |
TOEIC | 英語によるコミュニケーション能力を幅広く測定 |
英検 (実用英語技能検定) |
日常生活からアカデミック、ビジネスまで、多岐にわたる分野の英語力を測定 |
GTEC | 現実に起こりうる状況や場面において、実際に英語でコミュニケーションをとることができる力の習熟度を、客観的な尺度で測定 |
ケンブリッジ英語検定 | 「実生活のさまざまな場面で、コミュニケーションのために英語をどのように使うことができるか」を適正に評価 |
TEAP | 大学教育で遭遇する語彙・場面・分野を想定したアカデミックな英語力を測定 |
TEAP CBT | グローバル×IT社会を牽引する思考力・判断力・表現力を測定 |
英語試験はいずれも「英語力を証明するもの」である点に変わりはありませんが、試験ごとに目的が異なります。
IELTSやTOEFLのように、世界的に使われている英語試験もあれば、英検やGTECなど日本だけを中心に普及している英語試験など、試験の普及度もそれぞれで異なるのです。
結局どの英語試験を受けるべき?
最後に、「英語試験の選び方」についても解説しておきましょう。英語試験ごとに難易度が異なると聞けば、「結局どの英語試験を受ければいいの?」という疑問を持つ方も多いでしょう。
結論を言えば、英語試験は「目的別」に受験することを推奨します。
「海外留学のため」「大学進学のため」といったように、取得したスコアや級位を「何に使うか」で英語試験を決めましょう。
国や教育機関によって「英語試験の扱い方」は異なります。
例えば、大学の入学条件に、英語力を証明できる「英語試験のスコアや級位」を設定するケースは珍しくありませんが、採用する英語試験は学校ごとに異なります。
わかりやすく言えば、大学が採用していない英語試験でどんなに高いスコアや級位を記録しても、英語力の証明には繋がらないのです。
採用する英語試験が異なるのは、海外留学や移住でも同様です。
学校や政府機関の募集要項には、「IELTS 〇〇スコア以上」や「TOEFL △△スコア以上」など、詳しく掲載されているため、参考にすると良いでしょう。
何を受験するにしても、目標となる英語試験のスコアや級位が決まれば、それだけ英語学習のスケジュールが立てやすくなります。
目標が定まれば、学習を続けるモチベーションにも良い影響を与えることでしょう。
なお、英語試験を受ける目的が「色んな試験を受けたい!」「たくさんの英語試験で好成績を収めたい!」という方であれば、好みのものを選んだうえで複数の英語試験を受験しても構いません。
幅広い英語試験に精通している実績は、イングリッシュスクールの講師のように「英語の先生」を目指す際に役立つこともしばしばです。
まとめ
今回は、TOEFLをはじめとしたスコアの換算表を紹介しました。
TOEFLは「英語圏で通用する英語力」や「総合的な英語力」を測るうえで、重宝する英語試験です。
世界150ヶ国、11,000を超える機関で採用されている実績もあり、進学や留学など幅広く活用できます。
とはいえ、繰り返しになりますが国や教育機関によって「英語試験の扱い方」は大きく異なります。
国や教育機関で採用されていない英語試験だと、どんなに高い級位やスコアを取得しても英語力を証明できないため注意が必要です。
TOEFLだけにこだわることなく、必要に応じてIELTSのようなほかの英語試験を受けることも検討してください。
進学や留学のように明確な目標がある方の場合は、「簡単そうだから」「スコアが出そうだから」という単純な理由だけでなく、目標の大学で採用されている試験かどうかも必ず確認しておきましょう。