英語圏の大学や大学院への進学において、英語を母国語としない方が授業や大学生活で問題なく英語を使える英語力を証明するための英語試験として知られているのがTOEFLです。
この英語圏の留学で多くの学校で採用されているTOEFLで取得したスコアが、就活でも履歴書に英語資格として書いて活かせることはご存じでしょうか。
今回は履歴書に書くべきTOEFLのスコアや書き方などを解説します。
TOEFLスコア何点なら履歴書に書くべき?
TOEFLには、アメリカやカナダなど英語圏の大学や大学院への留学を目的に受験する個人を対象としたTOEFL iBTと、クラス分けや英語能力測定などを目的とした大学や企業などの団体対象のTOEFL ITPがあります。
ここでは、就活時に履歴書で英語力をアピールするために、パソコンを使って受験する個人向けのTOEFL iBTスコアの目安を解説します。
TOEFL iBTのスコアのレベルは?
TOEFL iBTのスコアはリーディング、リスニング、スピーキング、ライティングの各技能30点満点で、4技能で合計120点満点です。
TOEFL iBTスコアは、国際的な語学のコミュニケーション能力のレベルを示すCEFR(Common European Framework of Reference for Languages:ヨーロッパ言語共通参照枠)に準じています。
TOEFL iBTスコアに該当するCEFRレベル、CEFRレベルの説明は以下のとおりです。
CEFR | TOEFL iBT |
---|---|
C2 | – |
C1 | 95~120 |
B2 | 72~94 |
B1 | 42~71 |
A2 | – |
A1 | – |
参考:文部科学省「各資格・検定試験とCEFRとの対照表」
段階 | CEFR | 能力レベル別に「何ができるか」を示した熟達度一覧 |
---|---|---|
熟達した言語使用者 | C2 | 聞いたり読んだりした、ほぼ全てのものを容易に理解することができる。いろいろな話し言葉や書き言葉から得た情報をまとめ、根拠も論点も一貫した方法で再構築できる。自然に、流暢かつ正確に自己表現ができる。 |
C1 |
いろいろな種類の高度な内容のかなり長い文章を理解して、含意を把握できる。言葉を探しているという印象を与えずに、流暢に、また自然に自己表現ができる。社会生活を営むため、 また学問上や職業上の目的で、言葉を柔軟かつ効果的に用いることができる。複雑な話題について明確で、しっかりとした構成の詳細な文章を作ることができる。 |
|
自立した言語使用者 | B2 | 自分の専門分野の技術的な議論も含めて、抽象的な話題でも具体的な話題でも、複雑な文章の主要な内容を理解できる。母語話者とはお互いに緊張しないで普通にやり取りができるくらい流暢かつ自然である。幅広い話題について、明確で詳細な文章を作ることができる。 |
B1 | 仕事、学校、娯楽などで普段出会うような身近な話題について、標準的な話し方であれば、主要な点を理解できる。その言葉が話されている地域にいるときに起こりそうな、たいていの事態に対処することができる。身近な話題や個人的に関心のある話題について、筋の通った簡単な文章を作ることができる。 | |
基礎段階の言語使用者 | A2 | ごく基本的な個人情報や家族情報、買い物、地元の地理、仕事など、直接的関係がある領域に関しては、文やよく使われる表現が理解できる。簡単で日常的な範囲なら、身近で日常の事柄について、単純で直接的な情報交換に応じることができる。 |
A1 | 具体的な欲求を満足させるための、よく使われる日常的表現と基本的な言い回しは理解し、用いることができる。自分や他人を紹介することができ、住んでいるところや、誰と知り合いであるか、持ち物などの個人的情報について、質問をしたり、答えたりすることができる。もし、相手がゆっくり、はっきりと話して、助けが得られるならば、簡単なやり取りをすることができる。 |
出典:ブリティッシュ・カウンシル「CEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)」
例えば、アメリカの大学への進学を例に挙げると、TOEFL iBTスコアが61点以上あれば受け入れてもらえる学校はあります。
しかし、その数は少なく、受け入れ先の幅を広げるためには、79~80点以上が必要です。
また、ハーバード大学やスタンフォード大学、コロンビア大学など名門大学になると100点以上のTOEFL iBTスコアが求められます。
履歴書に書くべきスコアの目安は?
就活で履歴書にTOEFL iBTスコアを書く場合、日本の一般企業であれば、標準的な話し方や受け答えができるCEFRレベルB1の60点以上あればアピールできるのではないでしょうか。
英語力が必要となる商社や外資系の企業への就職や転職であれば、大半のアメリカの大学進学で英語力が認められるCEFRレベルB2の80点以上が評価されるスコアの目安と言えます。
また、海外での就職においても、英語でのコミュニケーションに問題ないことを示すためには、80点以上あれば履歴書に書いても良いでしょう。
TOEICと比べてどうなの?
日本では、特にビジネスにおける英語能力を評価するために用いられる英語試験がTOEICです。
TOEICは、リーディングとリスニングの2技能で英語力を測るのが主流ですが、別途スピーキングとライティングのテストも受験・評価を受けることができます。
一般的に、企業の人事担当者にはTOEICスコアの方が認知されていて、就活においてTOEICスコアで英語力を判断されるケースは少なくありません。
しかし、英語での高いコミュニケーション能力が求められる外資系の企業や海外での就職では、リーディングとリスニングに加えてスピーキングとライティングの4技能を測り、総合的に英語力を判定するTOEFLの方が英語資格としては認められています。
ある程度のTOEFLスコアを獲得している場合は、自身の英語力をアピールするためにスコアを履歴書に書くことで、書類選考の段階で加点を得るケースがあるのも事実です。
TOEFL ITPのスコアを履歴書に書いても大丈夫?
大学や企業のクラス分けや英語能力測定などを目的に学校や企業などの団体向けに用意されているのがTOEFL ITP(Institutional Testing Program)です。
ITPのスコアでも履歴書に書くことは問題ないですが、ITPであることを明記する必要があります。
ITPは1960年代から実施されてきた、筆記で行うマークシート形式のテストであるペーパー版TOEFLテストがベースになっており、スピーキングとライティングのテストは含まれません。
マークシート形式の筆記で受験する方法と、インターネットを利用してパソコンで受験する方法の2種類のテストが用意されています。
試験内容や受験方法も異なるTOEFL ITPとTOEFL iBTのスコアを一概には比較することはできませんが、TOEFL ITPスコアをTOEFL iBTスコアに換算した場合の換算表を以下に紹介します。
TOEFL iBT | TOEFL ITP |
---|---|
111 ~ 120 | 640 ~ 677 |
100 ~ 110 | 600 ~ 637 |
90 ~ 99 | 577 ~ 597 |
79 ~ 89 | 550 ~ 573 |
71 ~ 78 | 527 ~ 547 |
61 ~ 70 | 500 ~ 523 |
51 ~ 60 | 467 ~ 497 |
41 ~ 50 | 437 ~ 463 |
30 ~ 40 | 397 ~ 433 |
出典:TOEFL テスト公式教材ショップ「TOEFL ITP テストのスコアはTOEFL iBT テストに換算したらどのくらい?」
※TOEFL ITPのスコアは、試験内容のもとになっている2021年4月に終了したマークシート形式のペーパー版のTOEFLテストのスコアと同等とされているため、ペーパー版のスコアを置き換えています。
TOEFLスコアの履歴書への書き方は?
TOEFLスコアを履歴書に書く際は、iBTかITPかを明記する必要があります。
履歴書の資格の欄に書くことになりますが、資格取得年月は、成績表に記載されている試験日の年月を書きます。
資格を書く欄にはテスト名と取得した合計のスコアを記載します。
例えば、TOEFL iBTテストで合計80点取得した場合は、「TOEFL iBTテスト 80点取得」、TOEFL ITPテストで550点取得した場合は、「TOEFL ITPテスト 550点取得」と書きます。
英語の履歴書を作成して、TOEFLスコアを記載する場合は「TOEFL iBT 80, August 7, 2021」、「TOEFL ITP 550, August 7, 2021」のように、テスト名とスコアを先に書いたあとに、試験日を入れます。
TOEFLスコアの有効期限について
TOEFLスコアの有効期限は、iBT、ITPともに2年になっています。
有効期限が2年に定められている理由として挙げられることは、TOEFLスコアで評価する主な目的が、アメリカやカナダなどの英語圏への大学や大学院へ留学するためだからです。
一般的にも、教育機関へ提出する証明書の有効期限は2年となっています。
TOEFLの有効期限について詳しく知りたい方は下記リンクからご覧いただけます。
また、有効期限を設けなければ、英語圏の学校での授業や学生生活において、十分に英語でのコミュニケーションを図れるか、きちんと判断することができなくなってしまいます。
これは学校側にとっても、生徒本人にとっても重要なことです。
就活においても、履歴書に書く際は、期限が有効な場合のみ記載するのが良いと言えます。 しかし、期限が切れていても、英語圏の大学や大学院への留学をしたときや大学の能力測定テストでTOEFLテストを受験したときにある程度の高スコアを取得しているのであれば、資格の欄には書けなくても、自己PRの欄に書くなりすることで、無駄にはならないでしょう。
TOEFLがアメリカやカナダなど英語圏への大学や大学院に留学する際に必要な英語資格として考えていた方や、学校のクラス分けや英語能力評価のためのテストだと思っていた方にとっても、TOEFLスコアが就職や転職でも活かせることがお分かりいただけたでしょうか。
特に、リーディングとリスニングに加えて、日本人が苦手とするスピーキングやライティングを含めた英語の総合力が求められる企業への就職や転職を目指している方はTOEFL受験にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
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