英検には英検CSEスコアがあり、単に合格するかどうかだけでなく、成績を4技能それぞれの点数と総合点を数値化して、細かく評価できるような仕組みができています。
その英検CSEスコアをもとに英語力を細かく分析するためには、「英検バンド」を理解しておくことが大切です。
今回は、英検バンドの概要や見方、英検CSEスコアとの関係性など、以下の項目を中心に解説していきます。
●英検バンドの概要や見方
●英検バンドと英検CSEスコアとの関連性
●英検バンドの活用方法
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英検バンドとは?
英検バンドは英検の合格基準点と自分の獲得した点数との距離を表します。かつて英検は、合格の有無だけでしか評価されていませんでした。
しかし、各技能の能力を英検CSEスコアで数値化することによって、自分の英語力をより細かく分析できるようになりました。英検バンドの数値を活用することで、目標点や合格ラインに到達するために、どの技能をあと何点獲得すれば良いのかという目安がわかるようになります。
また、その目安をもとにどのくらいの学習時間やどんな分野を意識して学習を進めていけば良いのか学習計画を立てやすくなります。
自分が求めるラインに到達するのに実はあと数点だけあれば問題ないのに、やみくもに時間を使ってひたすら過去問を解いているだけは、せっかくの限りある時間がもったいないですよね。
効率良く英検CSEスコアを上げていくために、英検バンドを意識して目標設定をしながら学習に取り組んでいきましょう。
英検バンドの見方や評価方法について
英検バンドは、「パッと見ただけでは、どう理解したら良いのかよくわからない」と感じる方も多いようですが、特に難しい仕組みではありません。
まずは英検バンドが何を表しているのか理解して、それに基づいて自分自身を評価していくことが求められます。
次に、英検バンドの見方や評価の仕方について見ていきましょう。
英検バンドの見方
1つの例を挙げると、英検バンドは「GP1+3」というような表記になります。これは「あなたは準1級合格の際に合格基準点から+3のレベルで合格しましたよ」ということを意味しています。「GPとは?」「+3のレベルとは?」という疑問が湧きますが、詳しくは以下で説明します。 部分ごとに解説すると、GP1の部分は受ける英検の試験レベルを指しています。 ちなみにGP1のGは「Grade」の略で階級、Pは「Pre」の略で準という意味です。
↓英語の試験レベル別の表記は以下のようになります。↓
- G1:1級
- GP1:準1級
- G2:2級
- GP2:準2級
- G3:3級
- G4:4級
- G5:5級
次に、「+」と「ー」の表記についてです。
「+」だと合格していて、「ー」だと不合格ということを意味しています。
わざわざこのように表記されるのは、合格基準点で合格した方と、合格基準点より数点上回って合格した方とでは、能力の高さに違いがあるということを明確にするためです。逆もまた同じようなことがいえます。
また、「+」と「ー」の横に合格基準点との差を表す数値が表示されます。
数値の1は英検CSEスコアでいう1から25点分のラインのことを表現しています。
上記の例の「GP1+3」の場合だと、正確には合格基準点よりも51点から75点高い点数で合格できている、ということを意味しています。
反対に「GP1-3」となっていたら、51点から75点合格基準点に足りていないということです。
このような形で自分の英検CSEスコアが合格基準点とどのくらいの点数の距離があるのかが理解できると、自分の英語力を正確に評価できるとともに、それに合わせて目標を設定したり、そのために何が必要か計画を立てたりすることが可能になるのです。
英検バンドの評価方法
もし「GP1+3」と評価されれば、合格基準点よりも51点から75点高い点数で合格できたということがわかりますが、同時にその点数分、余裕をもって合格できたということもわかります。 どのくらい余裕をもっているのか、あるいはどのくらい合格まで能力が足りていないのかの尺度は、数字に左右されますが、この数字には当然合格の場合は最大値、不合格の場合は最小値が存在します。
一次試験と二次試験のどちらか受ける試験の級によって、その数値は変わります。参考として、数値をまとめたものが以下の表です。
↓ ●一次試験の最大値と最小値 ↓
級 | 最大(合格) | 最小(不合格) |
---|---|---|
1級 | 20 | -78 |
準1級 | 18 | -69 |
2級 | 17 | -58 |
準2級 | 18 | -51 |
3級 | 21 | -42 |
4級 | 15 | -24 |
5級 | 17 | -28 |
●二次試験の最大値と最小値
級 | 最大(合格) | 最小(不合格) |
---|---|---|
1級 | 10 | -25 |
準1級 | 9 | -20 |
2級 | 8 | -18 |
準2級 | 7 | -16 |
3級 | 8 | -14 |
※スマートフォンの方は横にスクロールすることができます。
上記の数値を参考に自分の英語力がどのくらいなのか評価してみてください。
英検を受けて合格している場合に、次の級の試験を受験しようと検討する際に、自分の成績が最大値に近ければ近いほどリラックスした気持ちで試験学習に取り組みやすくなります。
一方で、不合格だった場合は自分の成績が最小値から離れているほど合格までの距離が近いので、再受験に向けて学習を進めていくことに対するハードルが低くなります。
むやみに次の受検を決めて目的意識の低い学習方法にならないようにするためにも、英検バンドの活用が重要になってきます。
英検CSEスコアとCEFRとの関係性
ここでは、英検CSEスコアが言語の国際標準規格であるCEFRとどのような関係性があるのかについて解説していきます。
英検CSEスコアとは?
改めて英検CSEスコアについて解説すると、英検CSEスコアはグローバルなスコア尺度を英検の各級で表記したものです。
国際標準規格であるCEFRに対応していて、自分の英語力が国際的な視点でわかることはもちろん、ステップアップを目指して目標が設定しやすいスコアとして注目されています。
CEFRとは、「ヨーロッパ言語共通参照枠」という意味で、言語習得状況を評価することを目的として考案されたものです。
英語のみならず、すべての言語に対応していて、言語の習得状況を評価したり、同じものさしで別の言語同士を比較したりすることが自分自身でできるという特徴があります。
CEFRは上位からC2、C1、B1、B2、A2、A1の6段階にレベルが分けられていて、英検CSEスコアの高さによって、この習熟度の基準も決められています。
まずA1とA2が基礎レベルの言語の使用者を表していて、基本的な個人情報やちょっとした日常の会話、決まった言い回しなどが扱えるレベルに該当します。
B1とB2は自立したレベルの言語の使用者を表していて、身近によく起こることや自分にとっての専門分野に対してある程度具体性をもって言語を扱えるレベルに該当します。
C1とC2は熟練したレベルの言語の使用者を表していて、ここまで到達すると学業や職業で必要となる話題を中心に、具体的かつ自分の意見をしっかりまとめて書いたり話せたりできるレベルに該当します。
このCEFRの基準が設けられていることで、大まかな自分の言語が扱えるレベルが理解できるようになります。
ただ、英検CSEでは客観的に自分の英語力がどの程度なのかはわかりますが、自身の英語力の成長につなげることは難しいものです。
そこで必要となるのが英検バンドの存在といえます。
英検バンドと英検CSEスコアが組み合わさるからこそ、現状の把握と将来に向けた計画の立ち上げの両方がこなせるようになるのです。
CEFRと英検CSEスコア範囲
以下に、CEFRと英検4技能総合CSEスコアの範囲、各級の合格スコアを表してみました。
英検CSEスコアは、CEFRのレベルの段階に起因していて、おおむね2,000近くのスコアになると専門的な話題を少しずつ理解でき、使えるレベルです。
2,600を越えてくると、専門性の高い話題でも理解し読み書きできるレベルだといえます。
それを踏まえて、合格スコアのグラフを見ていくと、3級なら英検CSEスコア1,400~1,699が合格の範囲目安となっています。1,400以上のスコアを取得した場合には3級合格となり、成績表にはCEFRレベルがA1と表示されます。1,400未満の場合にはCEFR算出外となり、CEFRの評価は表示されません。一方で、1,700以上の場合には3級合格となり、限りなく準2級レベルに近いと評価されますが、CEFRレベルはA1となります。
準2級の場合は、合格範囲目安がCEFRではA1とA2にまたがっていて、評価がそれぞれに振り分けられます。
英検CSEスコア1,400~1,699の場合はA1、1,700~1,949になるとA2が成績表に表示されます。
1,400未満の場合には準2級のレベルに達していないとみなされ、CEFRレベルは表示されません。また、1,950以上のスコアを取得しても、CEFRレベルはA2です。
英検バンドで自分の成績を確認して学習に活かそう!
英検バンドを利用することで、自分の今の成績と合格ラインまでの道のりが把握しやすくなります。
英検再受験に向けて舵を切ろうと決断した場合は、英検バンドを使って導き出した必要点数や学習時間通りに進めて合格するために、学習方法を良く練って取り組まなければなりません。
独学で自分の課題点を埋め合わせることができれば問題ありませんが、特に、ライティングやスピーキングの能力を身につけるためには、独学では限界があり、効率良く進めていくのが難しいものです。
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