世界中で受験者が増加しているといわれている英語の資格試験である「IELTS(アイエルツ)」の受験を検討している方も多いのではないでしょうか。
IELTSはリーディング、リスニング、ライティング、スピーキングの4つのセクションから構成されている試験です。
それらのセクションの中でもライティングは、1番スコアが伸ばしにくいといわれているほど難易度が高い傾向にあります。
本記事では、IELTSのライティングセクションの最適な文字数や対策について詳しく解説します。
IELTSライティングの最適な文字数とは?
IELTSのライティングセクションは、タスク1とタスク2で構成されており、タスク1で150字以上、タスク2で250字以上書くことが必要といわれています。
試験中に文字数を数えている時間はないため、タスク1は165字前後、タスク2は275字前後を目安にするのがおすすめです。
IELTSのライティングセクションの問題内容については、以下のページでIELTS9.0満点の講師が詳細に解説しています。
IELTSライティングのスコア・アップに役立つテンプレートも紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
文字数がスコアに与える影響
IELTSのライティングセクションにおいて、文字数はスコアにどのような影響を与えるのでしょう。
ライティングセクションの採点基準は以下の表の通りです。
<IELTSライティングセクションの採点基準>
タスク1の採点基準 | |
---|---|
Task Achievement(タスクへの解答) | ●タスクを十分かつ適切に達成しているか |
Coherence and Cohesion(一貫性) | ●論理の一貫性と流れの良さ |
Lexical Resource(語彙力) | ●単語の難易度だけでなく選択も適切にできているか |
Grammatical Range and Accuracy(文法) | ●文法の幅と正確に使用できているか |
タスク2の採点基準 | |
---|---|
Task Response(タスクへの解答) | ●タスクに十分かつ適切に対応しているか |
Coherence and Cohesion (一貫性) | ●論理の一貫性と流れの良さ |
Lexical Resource(語彙力) | ●単語の難易度だけでなく選択も適切にできているか |
Grammatical Range and Accuracy(文法) | ●文法の幅と正確に使用できているか |
上記の評価基準のうち、文字数が含まれている観点はタスク1では「Task Achievement(タスクを十分かつ適切に達成しているか)」、タスク2では「Task Response(タスクに十分かつ適切に対応しているか)」です。
設問には、「Write at least ○○ words.」というタスクが課せられているため、条件の文字数が達成されていなければ、減点されてしまいます。
文字数が多い分には減点対象にはなりませんが、以下のリスクがあるため注意が必要です。
- ・内容の質が落ちてしまう
- ・文法の間違いが増える可能性がある
- ・一貫性を損なう可能性がある
文字を書き過ぎてもスコアが伸びることはないといわれているため、質を重視したライティングを身につけるようにしましょう。
ライティングセクションの文字数対策とは?
試験中は、丁寧に文字数を数える時間はないため、文字数対策が必要です。
具体的な文字数対策の方法について紹介します。
タスク1・2ごとに解答テンプレートを作る
タスク1、タスク2ごとに解答テンプレートを作る方法が、文字数対策として効果的とされています。
「導入」「ボディ」「結論」ごとに大体の文字数ノルマを設けて解答テンプレートを作成すると、文字数を気にすることなく解答が書けるためです。
IELTSのライティングセクションのタスク1では、グラフ、表、図からの情報を要約して説明する問題やデータの比較と選択、プロセスの説明、オブジェクトの説明、何がどのように作用するかを自分の言葉で説明する問題が出題されます。
タスク1では自分の意見や考えを述べることは求められないため、グラフやチャート、地図の内容を説明するためのテンプレートを作り、練習をしましょう。
タスク2では、意見や問題解決のための提案など、自分の考えを述べるエッセイを書くことが要求されます。
タスク2の導入の文字数は40字程度で書き上げます。
導入の構成は、どのエッセイタイプでも問題文の言い換え+自分の意見です。
ボディの適切な文字数は、エッセイタイプによって異なります。エッセイタイプによって、ボディの数が異なるためです。
ボディが2つの場合は、1つのボディに対して95字程度、ボディが3つの場合は、1つのボディに対して65字程度が理想的でしょう。
最後の結論の文字数については、導入と同様、40字程度がおすすめです。
文字数が足りない場合の対策方法
文字数が足りない場合の対策として、丁寧に書くということが挙げられます。
たとえば、タスク1で「文字数が足りない」というときです。
プロセス系の問題では、それぞれの段階や一つひとつの対象についてより詳しく述べることが大切になります。
2つ目の対策として、アイデアを練り上げてみましょう。
アイデアの練り上げをしっかりとしておかないと、当然英文を書き上げたあとも文字数が不足してしまいます。
タスク2では自分の意見を述べることが求められるため、まずは日本語でアイデアをまとめます。
この段階で、十分なアイデアを出せるように意識しましょう。
アイデアを十分に出す工程では、マインドマッピングを行うことがおすすめです。
また、表現力を磨くことも重要なポイントの1つです。
さまざまな文法を使用して、物事を詳しく述べることのできる表現力を身につけましょう。
句動詞と関係代名詞を入れることによって、複雑な文法の英文を書くことができるようになります。
文字数を気にする方はオンライン受験がおすすめ!
前述の解答のテンプレートを作成しても、文字数が気になるという方は、オンライン受験を選びましょう。
IELTSのオンライン受験では、ライティングセクションの時に、文字数が自動カウントされるからです。
自動カウントされている文字数を見ながら解答すれば良いので、文字数を気にする必要がありません。
IELTSのライティングセクションは、独学での学習が難しいといわれています。
ライティングに特化して、対策がしたい方は、各セクションの対策レッスンに対応しているIELTS公式団体のバークレーハウス語学センターで学ぶことをおすすめします。
IELTSに精通した日本人とネイティブの講師陣が、効率的かつ効果的に指導を行い、目標スコア達成へ導きます。
バークレーハウスのIELTS対策に関する詳しい情報は以下のページでご覧いただけます。
実際にIELTS対策講座を受講して、目標スコアを達成された生徒様の声も紹介していますので、ぜひその目でお確かめください。
本番で文字数チェックをする時間を作りたい方へ
オンライン受験ではなく、会場で受験をする場合、本番で文字数をチェックする時間が欲しいという方もいるでしょう。
本番中の見直しで、文字数をチェックする時間を作るためには解答時間を短縮する必要があります。
解答時間の短縮が実現する練習方法や文字カウントルール、文字カウント方法を紹介します。
IELTSライティングの解答時間を短縮する練習方法
ここでは、解答時間を短縮するために、IELTSのライティングを攻略する練習方法を4つピックアップしました。
インプットを増やす
ライティングの対策として、とにかく書くことでアウトプットすることを優先しがちですが、アウトプットではなくインプットを増やすことのほうが効果的です。
ライティングセクションのタスク2では、自分の考えを述べることが求められます。
自分の意見を短い時間でまとめることができない、そもそも意見が思いつかない、という方はいろいろな意見に触れてみましょう。
日本人特有の考え方と欧米の考え方は異なる点もあるため、欧米の意見を取り入れることが大切です。
欧米の考え方を身につけておかないと、問題文の意味をとらえることができない可能性もあります。
具体的な方法として、世界中の著名人によるさまざまな講演会を開催・配信している非営利団体TED(Technology Entertainment Design)のYouTubeチャンネルを見ることをおすすめします。
また、ライティングスキルを伸ばすためにはたくさんの英文を読むことも大切です。
豊富にインプットされた意見や考えに基づきながら書ければ、必然的にライティングスピードも速くなり、時間の短縮につながります。
練習問題をこなす
練習問題をこなす、ということについて多くの方は「とにかく問題の数をこなせば、慣れてきてどんな種類の問題にも対応できるようになる」と誤解しがちです。
まず、練習問題をこなすためには2つの条件があり、1つ目はある程度書けるようになっていることです。
これはライティングの型が安定して間違わずに書けるようになっているということを指します。
誤った認識のまま問題の数をこなしても、効果があるどころか逆効果にもなりかねません。
2つ目の条件は、1つひとつの問題に対してしっかりと復習をすることです。
ただ問題を解いて答え合わせをして終わり、の繰り返しでは数をこなす意味がないといっても過言ではありません。
自分の間違いをしっかりと振り返り、次回同じようなミスをしないようにすることが重要です。
型がしっかり身についている状態で、1つひとつの問題を復習しながら、練習問題をこなしていくことを意識しましょう。
解答時間の目標を決めて少しずつ短縮する
IELTSのライティングセクションの時間は1時間という制限があります。まず自分が今かかっている時間から10分を減らした時間を目標にしてみます。
目標以内に収めることができたら、さらに5分短縮し、目標が達成できたらさらに5分短縮する、という方法で1時間になるまで続けてみましょう。
文字数をチェックする時間を捻出するためには、1時間より少し短い時間で書き終える必要があります。
その時間までに解答できるよう、練習していきます。
導入・結論や各パラグラフの書き出しを定番化しておく
導入の主題を切り出す箇所や、結論の書き出し、パラグラフの書き出しの表現を自分の中で定番化させ、練習の時に何度も書いて記憶を定着させましょう。
IELTSにおいては、どの問題でも使える文章を丸ごと暗記した文章は試験官には見破られて減点になってしまうため、決めておくのはここで紹介した箇所のみにしておきます。
決まった少しの箇所でも、自分の中で定番になっていれば、何も考えずにすらすらと書けるようになるため、時間の短縮になります。
また、使う接続副詞も決めておくとなお良いでしょう。
接続副詞は使う場所と一緒に何を使うかまで決めておけば、迷いやスペルミスもなくなります。
また、接続副詞の多用を防ぐこともできるため、おすすめです。
IELTSのライティング対策で、ライティングの時間短縮ばかりを気にするのではなく、解答の中身を磨くことも重要です。
添削サービスを利用して、知らなかった正しい単語やフレーズや文法の使い方を身につけて内容にも目を向けましょう。
バークレーハウスでは、IELTS対策レッスンにライティングの添削を組み込むことが可能です。
以下のページでは、IELTS対策のレッスンプランのサンプルを紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
覚えておきたい文字カウントルール
文字数のカウントにはルールがあります。以下のルールに注意しましょう。
- ルール1:ハイフンで結ばれた語句は一語とする
- ルール2:略語は一語とする
- ルール3:句読点はカウントされない
- ルール4:「a・an・the」は一語
おすすめの文字カウントの方法
文字数を1つひとつカウントするのは時間がかかります。
おすすめの文字カウントの方法として、一行ごとの自分の文字数を覚えておき、その数に行数をかけて計算をする方法です。
この方法でカウントし、前述の文字カウントルールにだけ注意するようにすれば、文字カウントの時間を大幅に短縮することができます。
普段から、紙でのアウトプットに慣れておきましょう。
添削サービスを利用することでスコア・アップも
IELTSのライティングセクションは、スコアを伸ばすことが難しいといわれています。
評価基準に「Task Achievement(タスクを十分かつ適切に達成しているか)」や「Task Response(タスクに十分かつ適切に対応しているか)」があるため、文字数も重要なポイントの1つなのです。
タスク1では165字前後、タスク2は275字前後を目安にしましょう。
文字数対策としては、タスク1、タスク2それぞれの解答テンプレートを作ることが大切です。
また、オンラインでの受験では文字数が自動カウントされます。
文字数をカウントする必要がないため、文字数に不安がある方は、オンラインでの受験も検討してみてください。
本番で文字数をカウントする時間を作るためには、解答時間を短縮する必要があります。
効果的な練習方法で学習するようにしましょう。
時間短縮に気を取られてしまい、解答の内容を磨くことがおろそかになってしまっては本末転倒です。
内容も良くするためには、身近にいる英語が得意な方に添削してもらい、解答の質を上げましょう。
身近にそういった方がいない、という場合は添削サービスを利用してみてはいかがでしょうか。
IELTSの対策講座を開講しているバークレーハウスでは、IELTSを熟知した講師による、ライティングの添削もおこなっております。
独学での勉強に不安を感じる方は、ぜひ一度無料体験レッスンに足を運んでみてください。詳しくは以下のページで紹介しています。