IELTS受験者必見!これがスピーキング試験の模範解答

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こんにちは、正木です!
今回は「IELTSスピーキング解いてみた編」です。こちらは実際の試験よりリラックスした雰囲気ですが、内容は掴めるかと思います。
またリーディングの様に一人ではできないので、助っ人にお願いして参加してもらいました。バークレーハウスのCM動画にも出演してもらったイアン講師にも協力してもらいました。
【IELTS9.0講師】正木のガチスピーキングの撮影意図は?
スピーキング試験は、自分が恐らく一番安定して、かつ準備や考えたりすることなく9.0が取れるセクションです。また、自社で教えているネイティヴ講師もIELTSのテストを受験していますが、スピーキングがやはり一番スコアが高いセクションです。
もちろん、9.0を取るのに「完全無欠」な解答である必要はありませんし、それを求めるのは無理ですよ、いうのが動画の意図です。
スピーキングで9.0を取るというのは確かにある意味大変です。というのも「文法の幅」「単語力」「流暢さと一貫性」「発音」などの採点項目の全てで満点を取らないと出ないためで、その内の1つでも8が付けられるともうスピーキングセクションで9.0はなくなり、8.5となってしまいます。
9.0イコール完璧という誤解

ただそうは言っても、ではそれら4項目の全てで「完璧」でないといけないのか、というと、そんな事はありません。
言い淀む瞬間もあれば、よくよく後で考えてみればストレートな答えになっていない瞬間もあれば、ら抜き言葉がでてしまったり、もごもご言ってしまったり、する部分が出てしまうはずです。
時間的な制約もあり、編集でかなり消えてしまった部分もありますが、それでもアップされた完成版のビデオには、イアンも僕も、「あぁ」と言い淀んだり、聞き直したり、という瞬間があります。「止まる瞬間位あるでしょ」と思われるかもしれませんが、そんなレベルでなく、純粋な間違いも両者見受けられます
Electronic booksがテーマですが、TheyでなくItで受けています。Part 2のConquerの発音も(北米人の同僚に囲まれている「おかげ」で…)「カンカー」に近い感じがしなくもありません… 北米のアクセント自体はもちろん間違いではありませんが、英語と米語が混ざっているというのはあまり聞き易いものではありません。
逆にイアンも、試験官役の際はPart 2のFollow upの質問で、Discuss aboutと言っていますが、Discussにaboutは付けられません。自身が受験者役になった際もCome the time of the Olympics…という表現がPart 2で出ていますが、これも聞き手によってはかなり不自然に聞こえるか、百歩譲っても相当くだけて聞こえます。不自然に聞こえる場合は普通その表現は未来のイベントに使う、という意見の様です。
撮影後のチェック

映像を観ていて、「これ答えになってなくないか…?」とお互い自身で思ったりした箇所があったのは予想の範囲内でしたが、それよりも「自分はこんな話し方なのか!?」という衝撃の方が大きかったです。
思わずイアンに「俺ってこんな話し方なの…?これじゃ(ロンドン郊外の)ウォキングかなんかのタクシードライバーがパブで喋ってるみたいじゃねぇかよ…」と嘆いてしまいました。「タクシーの後部座先に揺られているみたいな気分になれて心地良いじゃないか!」と向こうは笑っていましたが(笑
ちなみにタクシー運転手の英語が悪いという意味ではありません。ただ自分が喋っていると自分との認識のギャップが…というのと、あのうざい笑い方も何とかならんのか、とか、いや、書きだしたらキリがないです。
これは実際両者共に発見で、緊張すると無意識の内にリピートしてしまう「癖」は誰しもあるようです。僕の場合もさすがに普段こんなに「you know」は言わないよな、という感じでした。IELTSはパラフレーズにうるさいので、何とか言葉を変えなくては!と考えすぎる受験者の方も多いと思いますが、スピーキングではそこまで心配する必要はありません。
ちなみに9.0と断言はできません。というのはテスト自体が完全な形で再現されていないためで、もうそれはお互いが顔見知りという時点で本番ではまず無い程お互いリラックスしてしまっています。またイアンもパート2は2分のルールを無視して「3分位行っちゃった」と後日ケラケラ笑っていました(笑)
その理由としては、二人とも文構造・自制などは自在にいくつもスイッチしています。また僕の方は特にFluencyとPronunciationで点を稼ぎますし、イアンの方は発音と(特に後半無意識に連発する)イディオムで間違いなく最高レンジに食い込みます。
そもそもイアンに相手役をお願いしたのも、アクセントにバラエティを持たせたかった、というのが原因の1つです。(ネイティヴからみて)聞き取りにくさに繋がる事が無い限り、どの様な地方・階級のアクセントかは全くスコアに影響しません。
例えばイアンは受験者役の際「a fair crack of the whip(公平なチャンス)」というイディオムを使っています。これは非常にイギリス的な言い回しであり、それは彼が明らかにスコットランドのアクセントがある中で言うからこそ機能します。
IELTSスピーキング試験の各スコア帯別アドバイス

目標(現在)スコア5.0の方へのアドバイス
「文法的に間違いをしてはいけない」「発音が良くなくてはいけない」などと考えているのではなく、間違えても良いからどんどん喋る事です。
この2本の動画から、答える内容自体は必ずしも深くなくても良い、という点や、流暢といっても全然(考えるため、または聞き返すために)会話が断絶する瞬間があって良い、という点を是非参考にして頂ければと思います。
目標(現在)スコア6.0の方へのアドバイス
止まらずに喋るのにもう一声、他の採点項目をプラスしてみるという事です。例えば文法を少し意識するという感じです。勘違いしてはいけないのは、超難解な文法項目や単語を入れる、というのは有効ではありません。
それよりも基礎的な文法をいかに正確に自在にスイッチできるか披露する事を意識するべきです。今回の動画であれば、例えば時制がいかに短時間に色々出ているか、字幕を使って確認してみて下さい。
目標(現在)スコア7.0の方へのアドバイス
Lexical Resourceの採点項目の“uses some less common and idiomatic vocabulary and shows some awareness of style and collocation, with some inappropriate choices”という文言がそれを物語っていると思います。使い方が若干不適切な瞬間はあるかもしれないとしても、ある程度自然な形で「珍しい単語(ベーシックではない単語)」や「イディオム」が入っている必要があります。
言い換えれば、「こんな喋り方をする人だったらこういう表現を言っても自然だ」と試験官に思ってもらう必要があります。これには自分の好きなものを決め、それを貫くのが良い練習方法です。
ただ一貫性が重要で、フレーズ・イディオムなどは楽しみながら真似をする中で徐々に身についているべきです。それが「ちぐはぐ」な変な使い方にならないコツです。
まとめ
IELTSスピーキング試験は、「完璧にスタンダードな高尚な英語」や、言いよどむ瞬間や聞き直しゼロの「完全無欠な解答」を求めているわけではありません。「自然にコミュニケーションがどんどん前に進むこと」これがキーです。